国民の把握は国の基本 | 偕楽園血圧日記

国民の把握は国の基本

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 G7唯一同性婚できない日本 エマニュエル大使「政治は追いついて」


(写真、朝日新聞デジタルより。インタビューに応じるエマニュエル米駐日大使=2023年3月30日午後、東京都港区、井手さゆり撮影)

 5月19日から広島で開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)では、ジェンダー平等や性的少数者の権利保護について、議長国日本の姿勢が改めて問われる。米民主党政権高官やシカゴ市長としてこの課題に取り組んできたエマニュエル米駐日大使が朝日新聞の取材に応じた。「日本政府が地方自治体や世論に追いつくことを望む」と述べ、国レベルでの改善に期待感を示した。

 日本はG7で唯一、同性婚や、婚姻と同等の権利を保障するパートナーシップ制度を国レベルで導入していない。一方、全体で人口の6割超に及ぶ地方自治体が、性的少数者のカップルを公的に認めるパートナーシップ制度を設けている。朝日新聞の2月の世論調査でも、72%が同性婚を「認めるべきだ」と答えた。
 シカゴ市長などの要職を歴任したエマニュエル氏は3月末の取材で、性的少数者の権利擁護に「生涯をかけて取り組んできた」と語った。2022年1月に駐日大使として来日して以降、日本社会がこの課題について前進していることを感じてきたという。
 エマニュエル氏は「日本の世論は、選挙で選ばれた代表者よりもずっと先をいっている」と指摘。「自治体や市民社会、『差別されない』と明確に規定する日本国憲法に、政治が追いつかなければならないのだと思う」との考えを述べた。
 朝日新聞デジタル 5/2(火) 15:30

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 さすがは副大統領時代に「日本の憲法『我々が書いた』」といった大統領(2016/08/17の記事、「『日本を縛るためにわしらが憲法を作った』といわれたぞ(笑)」)の選んだ大使だけのことはある。トランプ前大統領以上に「傲慢な白人」の姿を見せてくれるな。

 なにが「政治は追いついて」だろうか。
 そんなことをいう前に、

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 ビール宣伝にトランスジェンダー起用 不買呼びかけ広がり幹部休職

 米国の大手ビールメーカーが、定番商品のプロモーションにトランスジェンダー女性のインフルエンサーを起用したところ、保守派による不買の呼びかけが広がり、同社の幹部が休職に追い込まれた。分断が進む米国で左右の価値観がぶつかる「文化戦争」の根深さが改めて浮き彫りになっている。

 米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルは今月23日、ビール大手アンハイザー・ブッシュで主力商品「バドライト」のマーケティングを担当した幹部2人が休職したと特報した。同紙は関係者の話として、休職は「自発的なものではない」とし、1人には後任も指名されたとした。同社は休職の事実を認め、他メディアも一斉に後追いで報じた。
 この人事情報が注目されたのは、バドライトのプロモーションが大きな波紋を広げていたためだ。
 きっかけとなったのは、俳優でインフルエンサーのディラン・マルバニーさん(26)の起用だった。マルバニーさんは昨年3月に自身がトランスジェンダーであることを公表し、動画投稿アプリ「TikTok」(ティックトック)では1080万人ものフォロワーを抱えるなどネット上で大きな影響力がある。昨年秋にはメディアの企画で、性的少数者の権利についてバイデン米大統領とも対談した。
(後略)
 毎日新聞 4/29(土) 11:59

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 こんなことが起きる自分の国を、マツコ・デラックスがテレビで「あのお店で売ってるものいいわよ」といっただけで行列のできるわが国に「追いつかせ」ることに力を注いだらどうだ?
(2023/03/16の記事、変わらなくてはならないのは君たちの方だよ)で取り上げたような同性愛者への暴力沙汰がたびたび起きる国の人間たちが、普通に彼らとともに社会を作っているわが国に「上から目線」で説教するなど400年早いぞ。


 そういうことを指摘された彼らが「結婚がどうの」と言い返すのももう聞き飽きた話で、

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「総理に手紙を書こう」 同性婚の実現求めイベント


(写真、朝日新聞デジタルより。参加者らは便箋(びんせん)に思いをつづった=2023年4月20日午後8時13分、熊本市中央区、大貫聡子氏撮影)

 結婚の自由をすべての人に――。
 同性婚の実現を求め、岸田文雄首相や国会議員に手紙を書くイベントが4月20日、熊本市内であった。市民団体「くまにじ」が企画し、メンバーを含む9人が参加した。
 今年2月に岸田首相が同性婚の法制化について、「社会が変わってしまう」と衆議院の予算委員会で否定的な発言をしたことを受け、日本にも「異性カップルと子ども」以外の多様な家族がいることを知ってもらおうと開かれた。
 イベントでは、くまにじメンバーで同性婚訴訟の代理人でもある森あい弁護士が「配偶者」という言葉の入った法律をあげ、同性カップルが法の保護の外に置かれている現状などを紹介。その後、参加者が同性婚に反対または態度を明らかにしていない国会議員らにあてて手紙を書いた。
(中略)
 同性婚を認めない民法や戸籍法の規定は憲法に違反すると訴え、国に賠償を求める「同性婚訴訟」はこれまで全国5地裁で起こされ、2021年3月の札幌地裁は「違憲」、22年6月の大阪地裁と12月の東京地裁「合憲」と、判断が分かれている。名古屋地裁の判決は5月30日、福岡地裁は6月8日に言い渡される予定だ。(大貫聡子)
 朝日新聞デジタル 2023/05/01 10:00

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 こんな運動をしている団体も国内にいるが、「結婚の自由」というならば、我が国では誰が誰と結婚しようが「自由」。たとえマネキンと「結婚」しようとも、それを違法とするような法律はない。
 ただ、「国が認める婚姻登録が認められない」というだけのことである。

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 憲法24条の「両性の合意」は同性婚を禁じてはいない

 憲法学者で法政大教授の建石真公子氏は毎日新聞政治プレミアの取材に応じた。
「主要7カ国(G7)で同性カップルに婚姻や婚姻類似の法制度を認めていないのは日本だけだ。同性婚制度のある欧米各国は『個人』に着目して家族のあり方を考え判断した。なぜ日本だけが『伝統』という形のみにとらわれて家族を考えるのか」と語った。
 建石氏は、「国際的に見ると、民主的な国会や政府は国民一人一人の幸せに重きを置く傾向がある」と指摘。
 憲法24条1項に婚姻は「両性の合意」とあることを根拠にした同性婚への慎重意見があることについて、「日本国憲法24条1項は同性婚を禁止はしていないし、実際に同性婚を認めても24条の保護する婚姻の自由違反とはならないと解釈しうる」と語った。
 毎日新聞 5/1(月) 7:55

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 こういう「解釈」を述べる人もいるが、その通り、憲法は同性婚を禁じてはいない。ただ選挙権に関する年齢既定のような「要件」が定められているだけ。法律より上位の規定として。
 だからこれを変えれば、いくらでも法律も変わるのだが、なぜか「同性婚を」という勢力ほど憲法改正に反対しているのだからおかしなことである。


 とはいえ、ここで彼らが「世間の空気が味方に付いている」と判断して改憲を言い出しても、それに安易に乗らないようにはしなければならないが。

 よく「同性婚」だの「夫婦別姓」だのをいう勢力は「望んでいる人がいるのだから」と主張し、「望まない人には関係ない」という言い方をする。
 それをうのみにして「やりたい人がやるのならば、自分は関係ないならいい」という人間が、アンケートをとると「同性婚、別姓婚容認」という数字にカウントされるのだが……この「関係ない」はまったくのごまかしなので注意しなければ。
 実際に「望んでいる」ような人たちの思惑は知らないが、彼らを利用して政治主張を行っている「リベラル」勢力はこれを手かがりにして戸籍制度に手を付けようとたくらんでいるのだから。

 実際、彼ら活動家の広告塔になっている北原みのり氏はそのエッセイの中ではっきりと、

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 ここ数カ月、東京家庭裁判所に何度か通う機会があった。隣接している東京地裁には傍聴などで何度も来ているが、家裁は初めてだ。
(中略)
 それにしても性別変更が無事済んだかと思えば、その後の手続きも想定外のことが続いた。例えば戸籍である。Aさんは「二女」として戸籍に記されて いるのだが、今回、戸籍上の性別が男性になったことでAさんは「二男」として記されることになった。え? 長男じゃないんだ!! と誰もが驚いた(長男の いない二男……ということになるが、そういう論理性よりも戸籍のお作法が優先されるらしい)。また、女性として生まれたことは戸籍上からは消されなかっ た。性別変更して戸籍がゼロから男性としてつくりなおされるのではなく、女から男になった日付が戸籍に記録されるだけだった。
(中略)
 性別を変更すると決めてから性別が変わるまで約4カ月。
「二男」と記されたAさんの戸籍を見ていると、ふつふつと怒りが湧き上がってくる。Aさん の戸籍上の性別を変えるための闘いだったが、結局、私たちは何に振り回されているのだろう。長男、長女、二男、二女……男の名字で「代々」語られる「イ エ」というものを体現する戸籍。個である前に「イエ」を強いる戸籍制度は、私たちが思っている以上に、この社会の価値観に深々と根を下ろしているのかもしれない。私たちの性や生が、戸籍制度に支配されていることを、女の身体で生きていると強烈に突きつけられるような思いになるが、いったい誰にとって戸籍は必要なのだろう。IDとして使えないアナログの古い制度、プライバシーがダダ漏れの、イエの記録。なぜこの国は戸籍を手放さないのだろう。
 AERA.com
2022/06/15 17:00配信「戸籍の『性別変更』で保険料が上がる? 『二男』と記された戸籍の支配に怒りが湧き上がった おんなの話はありがたい 北原みのり」より
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「戸籍制度への憎しみ」をむき出しにしてくれているし、(2009/12/29の記事、政府が自分の国の形を壊していく)で取り上げたように、民主党政権時には夫婦別姓を手掛かりに戸籍制度の廃止にまで持って行こうとする動きがあった。

 戸籍制度が崩壊したらどうなるか、とりあえずはバイデン政権が発足することになったアメリカ大統領選挙での混乱を思い出すだけで充分だろう。
「登録すればオーケー」のおかげで正しい有権者数すら把握できず、(2020/12/13の記事、これじゃ「しめし」がつかないよ(ため息))で書いたような「不法移民で水増しした人口で選挙人の数を決める」ようないいかげんなことが通るあの国の大統領選挙を。

 こんな国に「追いつく」?
 冗談ではない。それは明らかな「後退」ではないか!


 本日の珍味。

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「宇宙タコ」スパイス効いて「スペイシー」…宇宙食目指し大分の企業と吉本興業が開発


(写真、読売新聞オンラインより。「宇宙タコ」を持つ(左から)松井市長、河原さん、野田専務)

「宇宙港」計画が進む大分空港がある大分県国東市の企業などが開発したタコの加工品「宇宙タコ」の販売が1日、同空港で始まった。スパイスを利かせており、宇宙にちなんで「スペイシー味」と表現。将来の宇宙食を目指している。
 同市特産のマダコを使い、海産物を扱う国東物産と吉本興業が共同で開発した。海外の砂漠を走る吉本興業所属の「大分県住みますランナー『爆走SAKI』」として活動する河原紗希さんの「おいしい携行食品を作りたい」「大分の魅力をもっと伝えたい」という思いから開発が始まったという。
 たんぱく質やミネラル、疲労回復が期待されるタウリンなどを含み、お酒のつまみやご飯のおとものほか、料理にも使えるという。味付けしたタコを熱処理したり、乾燥させたりして製造されていて長期保存も可能だ。
(中略)
 乾燥して身が縮むため、味の微調整などに苦労したという河原さん。報道陣に対し、「栄養満点でおいしく、どんなところでも食べられる。ぜひ購入してほしい」と話した。
 価格は45グラム入りで1000円(税別)。
 読売新聞オンライン 5/2(火) 16:14

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「宇宙タコ」って、火星人の干物ではないんだ(笑)。

 商品名に「火星の『か』の字」も入っていない。
 この頃「火星人」といったら火星に植民した人類というのが普通になっているし。ウェルズの作品ももう基礎知識から外れてしまったのか。寂しいものだ。

 で、これはつまり明石などで作られている干しダコだよな。
 酒にむちゃくちゃ合うのだが、現在のところ宇宙ステーションではアルコールは禁止だというのが、残念。