政府が自分の国の形を壊していく | 偕楽園血圧日記

政府が自分の国の形を壊していく

 昼間にNHKで、この夏にあった皆既日食を取材した番組の再放送があった。
 その中で取り上げられた「日食観測ツアー」の大盛況を見て思ったのは、なんだかんだと言われても、まだ日本人は金を持っているということ。
 これをうまく使わせることを考えることが、不況の脱出と経済成長のカギだろう。政府は「アジア」だ「介護」だといっているが、そんな他人頼みや後ろ向きの考えでは、この金は動かない
 キーワードは、このツアーに見るような「ワクワク感」とずっと前から言われている「お得感」である。特に「お得感」の方は、実質的には散財しているのに「得している」かのように錯覚させればよいのだから、手軽に金を使わせることができる。
 昔から「次回割引券」のようなちょっとせこい(笑)ことはいろいろ試みられてきたが、これからはそれを戦略として考えていく力が必要になろう。「考えてはいるさ。当たり前のことをいうな」と怒るところもあるだろうが、例えばそのつもりで導入した「ポイント」を「経営優先」で改悪してかえって不興を買うようなところがところが続出しているのを見れば、まだ「戦術」レベルで考えているところも多いようだ。

 もうひとつ、このツアーに参加した中に「前回の皆既日食の写真が認められて国立天文台に就職した」という人がいたが、学歴偏重から「無難」な人間を求めるあまり、こういう形で人を評価する気風が、いつの間にか日本から失われてきてはいないだろうか?
 まあ、そういう「才能重視」のところの表面だけ見て「ブラック」と貶す被採用側の人間も多いというところにも問題はあるのだろうが。


 さて、

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 法相、夫婦別姓法案を来年提出へ 女性再婚禁止期間の短縮も

 千葉景子法相は26日までに、夫婦が同姓か別姓かを選択できるようにする「選択的夫婦別姓制度」導入を柱とする民法改正案を来年の次期通常国会に提出し、成立を目指す意向を固めた。離婚後6カ月間と定めている女性の再婚禁止期間の短縮も盛り込む方針だ。年明けから政府、与党内での調整を本格化させる。法相は法務省政策会議の同意を得た上で、3月ごろに改正案を閣議決定したい考え。
 共同通信 2009年12月26日(土)19:35

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「マニフェストは金科玉条ではない」と閣僚がいう民主党政権。その一方でマニフェストに載せなかったことについては相変わらず熱心すぎるほどの意欲を持って邁進するのだから、どこまで国民を騙せば気が済むのだろう

 この「夫婦別姓」については、「自分は関係ないし」という人間が多いため明確に「反対」という勢力が少ないこともあり、ごり押ししても大丈夫という読みもあるのだろう。どこかのブログで「反対派は賛成派に論理的な反論をしていない」という書き込みを見たことがあるが、元々賛成派が「自分がしたいように法律を変えろよ!」と感情的なところで言い出したことなのだから、論を持ってそれに反論しなければ「反対派の負け」というのはそれこそ「筋が通っていない」。
 別姓願望派が論理的に権利を望むのならばドイツのような「特例措置」を設けることもできるだろうに、「何よりまず法律を変えてしまえ!」というのは、この話が単に「働く女性がどうこう」というレベルのものではなく、別の思惑を持った動きの一部であることの証でもある。
 それは、法相が同時に提唱している「(相続時等の)嫡出子と非嫡出子の間の区別を無くす」でもわかるように「家族制度の喪失」であり、さらには、

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 <住基ネット>選択制に…総務相が法改正検討の意向

 原口一博総務相は24日、毎日新聞のインタビューに応じ、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)へ登録するか否かを住民が自由に選べるよう、住民基本台帳法の改正を検討する意向を明らかにした。住基ネットの選択制は東京都杉並区が導入を求めて国を提訴したケースがある。同区は08年に最高裁で敗訴が確定しているが、原口氏は「(自民党)前政権が作った住基ネットが、私の考え方とずれているのは明らかだ」と語った。
 原口氏は「(割り当てられている住民票コードは)強制されるものではない」と述べた。
 ただ、各種住民サービスを受けられないようになることを踏まえ、選択制とする必要があるとの認識を示した。【石川貴教】
 毎日新聞 12月25日2時30分

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 こういう動きで分かるように「国民の国家からの切り離し」である。

(2009/09/22の記事、進む「裏」マニフェスト) で取り上げたように、民主党の中には「戸籍制度の廃止」を目指して活動しているグループがある。原口大臣の構想はそのグループの力にもなるだろう。
「夫婦別姓」もしかり。
 そしてこれらの措置が進むことで一番「利益」を得るのは誰かといえば「日本の戸籍制度外にいて、かつ日本に住んでいる人間」、つまりは在日外国人である。本当に民主党の政策は「外国人の利になるかならないか」を基線にしてみると分かりやすく、筋が通っている。

 総務相からこんな考えが出てくるようでは、菅国家戦略相が導入に意欲を見せた「納税者番号」など、話が進むこともないだろう。
 逆に「金の流れから納税額を検索できる」このシステムが、外国人まで含めて日本で所得を得た人間すべてを網羅した形で整備されるのならば(それができなければ、この「納税者番号制」はただ「戸籍制度の無効化」に利用されるだけの道具になり果てる可能性がある)、菅大臣を少しは見直すこともできるのだが(笑)。


 ところで、もうひとつの「マニフェストから隠しておきながら推進されている外国人参政権」について、亀井大臣のように「認めないが帰化しやすいようにすればいい」という人間がいるが、

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 国籍テストの導入論浮上=「新国民」急増に不満の声-シンガポール

【シンガポール時事】経済成長の担い手として外国人受け入れを積極的に進めてきたシンガポールで、帰化希望の外国人への国籍取得テストの導入論が浮上している。背景には、帰化人口急増とともに高まる「シンガポールの歴史、文化をよく知らない『新国民』が増えている」との国民の不満がある。
 シンガポール国籍の取得者数は2000~05年は年間6000~8000人程度で推移したが、06年に1万3200人、07年が1万7334人、08年には2万513人と急増。政府は今年4月、新国民のシンガポール社会への融合策を検討する場を設けた。
 その一案として浮上したのが米英やオーストラリアが採用している帰化希望者に対する試験の導入。与党議員による国会での提案に、担当閣僚が「実際的で、興味深いアイデアだ」と応じ、政府内で議論が進む見通しとなった。
 時事通信 12月28日14時43分

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 外国では「帰化を望む人間にはその覚悟を厳しく問う」のが当然だということも知っておこう。

 帰化しておきながら、元の母国の政治組織に繋がっているような人物が堂々と国会議員をやれるような環境は異常なのだ。


 おまけ。

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 英国人の死刑執行承認=中国-国際社会の非難必至

【北京時事】中国国営新華社通信は29日、最高人民法院(最高裁)が麻薬密輸罪で死刑判決が確定した英国人アクマル・シャイフ死刑囚(53)の刑執行を承認したと伝えた。これで同死刑囚の刑執行は避けられない見通しとなった。英国メディアによれば、中国で欧州の市民が死刑を執行されるのは過去50年で初めて。
 シャイフ死刑囚は2007年9月、タジキスタンの首都ドゥシャンベから航空機で中国新疆ウイグル自治区ウルムチの空港に到着した際、携帯していたスーツケースにヘロイン4キロを所持していたとして、昨年の一審で死刑判決を受け、今年10月に刑が確定した。
 北京の英国大使館と人権団体は同死刑囚に精神疾患があるとして、精神鑑定を申請。ブラウン英首相も死刑を執行しないよう中国に要請した。しかし、最高人民法院は同死刑囚の精神状態に疑いを抱かせる理由はないとして、申請を却下した。
 同法院は「麻薬犯罪は国際的にも重大な犯罪で、国籍の異なる者に対してもすべて法に基づき処理されなければならない」と指摘。「死刑適用は麻薬犯罪の防止に有益だ」と強調した。
 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの発表では、08年に中国では世界最多の少なくとも1718人の死刑が執行された。中国は死刑執行抑制の姿勢をアピールしているが、今回の死刑執行を受け、改めて「死刑大国」として非難する国際社会の声が高まりそうだ。
 時事通信 12月29日12時27分

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 さすがに外国の「人権団体」はある意味筋が通っている。
 現行犯で逮捕されている以上有罪判決は当然だし、中国の法律がその罰として死刑を最高刑にしているのならば、この措置には何の問題もない(もちろん、取り調べなどがきちんと行われていることが前提だが)。「政治犯」などの不合理なものと一緒にして「死刑反対!」とやるのはおかしいのだが、少なくともその部分では姿勢が一貫している。
 日本で「死刑廃止!」を訴えている人たちはあまりこのことで意見を言っていないようだが、さてさて、何をしているのだろうか? 「天皇陛下とお喋りしたんだぜ」と誇っている場合ではないよねぇ、亀井「死刑廃止を推進する議員連盟」会長(冷笑)。


 ところで、「犯罪者に甘い」法務大臣が管轄する我が国の法務省は、

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 「一部執行猶予」や社会貢献命じる制度の要綱

 罪を犯した人の再犯防止策などを検討している法制審議会(法相の諮問機関)の部会は22日、罪が比較的軽い受刑者について、懲役・禁固刑の一部の執行を猶予して社会で更生させる「一部執行猶予制度」と、保護観察対象者に社会貢献活動を命じる制度に関して、要綱をまとめた。
 来年2月の審議会の総会で法相に答申し、法務省は来年の通常国会にも、更生保護法改正案など関連法案を提出する。
 今年1月に示された法務省試案に沿った内容。一部執行猶予制度は、刑務所に初めて入る人や薬物使用者が、3年以下の懲役や禁固の判決を受けた場合を想定する。
 一方の社会貢献活動は、保護観察付き執行猶予判決を受けた人などが対象。公共施設の清掃や福祉施設での介護補助などのボランティアを命じることができるとしている。
 読売新聞 2009年12月22日(火)20:22

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 こんなことを考えているらしい。

 軽微な犯罪を犯した者が刑務所に入ることで逆に犯罪性向を強める例というのもあるというから一概に否定されるべきことではないが、これは「罪と罰」という刑法の大前提となる考えに反することではないだろうか?
 欧米などではこのような「刑」を科すところもあるが、その背景に存在するキリスト教文化(労働そのものが人間に下された「罰」というやつだ)を忘れてただ真似をしても意味はない。


 本日の冷凍保存。

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 幻のウイスキー、回収へ=南極で氷漬け1世紀-NZチーム

【シドニー時事】ニュージーランドの専門家チームが、南極で1世紀もの間、氷の中に埋もれていた幻のスコッチウイスキーを回収する計画を進めている。ウイスキーは、1909年に南極点到達を目指しながらあと180キロの地点で涙をのんだ英国の探検家アーネスト・シャックルトン卿らが拠点として使った小屋に残されていたもので、現在は販売されていない。
 ウイスキーは2006年1月、ロス島ロイズ岬の「シャックルトン小屋」の床下で二つの箱に入った形で見つかった。南極歴史遺産トラスト(ニュージーランド)のアル・ファスティアー氏によると、小屋は史跡として保存する必要があり、10年2月に行う回収作業では、床下の凍り付いた地面に腹ばいになり、特殊なドリルで氷を慎重に取り除いていくことになるという。
 ただ、このウイスキーも史跡の一部として保護されており、早速味見というわけにはいかないようだ。まずは専門家が保存状態などを分析するが、ファスティアー氏によると、保存状態に大きく影響するコルク栓がどうなっているかは「箱を開けてみるまでは分からない」という。味については「ロマンチックなままの方が良いこともあるのでは」と話している。
 報道によると、ウイスキー製造元のマッキンレイを現在所有する英ホワイト・アンド・マッカイ社はこのウイスキーのサンプルが入手できれば、それを基に調合し、発売する可能性がある。
 時事通信 12月28日6時10分

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 ウイスキーは氷の中に入れられても凍結することはないが、逆に普通ならまろやかになるだろう水とアルコールの親和が阻害されて熟成も進まなくなるんじゃないかなぁ。

「ホワイト・アンド・マッカイ」社は「この組成のものを再現して売るかも」といっているが、二十世紀に入ってからのものならば、ものとしても今のものと大して変わらないんじゃないだろうか。
 オールドラベルを復活させて、「凍らせて飲む南極ウイスキー」として売るのかな。そういうのは日本のサントリーが得意とする売り方なのだが(笑)。