1970 モハマッド・アリvsロッキー・マルシアノ 「世界ヘビー級夢の対決!」 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

先頃、WBSS(ワールドボクシングスーパーシリーズ)が、歴史に残るヘビー級ボクサー8選手による架空のトーナメント戦。eWBSSヘビー級レジェンドトーナメントを開催。世界中のファンを楽しませたが、1970年にもコンピューターにあらゆるデータを投入させ、実現させた夢の対決がある。徴兵拒否により世界ヘビー級王座を剥奪されていたモハマッド・アリ(米)=29戦全勝(23KO)=と、49戦全勝(43KO)のレコードを残し不敗のまま引退した元世界ヘビー級王者ロッキー・マルシアノ(米)がその一戦。

 

 

試合は開始から足を使い早いジャブを飛ばすアリがリード。両瞼を切り裂かれたマルシアノは8回にはダウンを奪われる。もはや勝負は決まったかに見られたが、ここからマルシアノが猛反撃。10回、12回とアリからダウンを奪ったマルシアノは13回、ついにアリをKO。5ヶ月前に飛行機事故により不運な死を遂げていたマルシアノが、見事な逆転勝ちを収めた。

 

 

劇場でこれを観戦したバーバラ未亡人は、マルシアノへの大きな声援に感激。「ロッキーが生きていたら、どんなに喜んだ事でしょう」と両眼を押えた。一方のアリはさすがにガッカリした様子で、「これはフィクションだからね。実戦ではこうならないよ。ジョー・フレージャーが、こんなふうに俺をやっつっられると思ったら、大間違いだぜ。ロッキーの方がうんと優れているんだからな」と強がって見せた。現代版でも決勝戦でマイク・タイソン(米)に、逆転負けを喫してしまったアリだが、生きていれば、「俺がお前なんかに負るわけがないだろう。今のうちに喜んでおくことだな」とでも、やり返すでしょうね。

 

【ミニグローブ】  ★ペアセット  ★キーリング