◆四方洋『増補版 宥座の器 グンゼ創業者 波多野鶴吉の生涯』(あやべ市民新聞社、2016年)

 

四方洋さんは毎日新聞の記者で、編集委員や『サンデー毎日』編集長などを務め、2016年死去。グンゼ創業の地である綾部で生まれました。ぼくの先輩です。

 

グンゼの創業者である波多野鶴吉の経営理念は、決して利潤だけを追求することではなく、どんな人も人間として尊重すること、人に喜ばれる高品質のもの作ること、地域と会社、社員が共存共栄することにあり、工場に学校を併設して社員の教育に力を入れたことなどを紹介しています。

 

決して豊かな土地ではない綾部で生まれたグンゼが世界的な企業として発展したのはなぜか。著者は、熱心なキリスト教徒であり、二宮尊徳の報徳主義に傾倒していた波多野鶴吉の心根に、マックス・ウェーバーが『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で述べた禁欲的な労働による社会への貢献という精神を見いだしています。

 

毎日新聞の中興の祖とされる本山彦一は、新聞のあるべき姿を「新聞商品論」としてまとめました。新聞が独立の言論機関であるためには商品としての質を高めて読者の支持を得なければならず、そのためには記者の人格を向上するための教育が大切であると説きました。高品質の製品を追求し、社員教育に力を入れた波多野鶴吉とも通じるところがあるようです。

 

波多野鶴吉は1858(安政5)年生まれ、本山は1853(嘉永6)年生まれでした。

 

◆四方八洲男『義理と人情と志 つれづれなるまゝに(その2)』(環境情報、2025年)

 

四方八洲男さんは四方洋さんの弟で、綾部市議、京都府議を経て1998年〜2010年に綾部市長。四方源太郎・現市長の父です。

 

エッセー集。反骨の人生のエピソードが面白いのですが、最後の2編から抜粋します。

 

<白紙に戻して考えようー北陸新幹線小浜ルート>2024年12月11日

 

 在来線を放置せず、鹿や大雨ですぐに止まることのない鉄路の保守に人手を確保し、乗り心地の良い車内サービスを考えよう。小浜ルートの五兆円を原資にすれば、在来線の復活は十分に可能なことだ。

 

<トランプ大統領の暴言を許してはいけない>2025年2月17日

 

何をするか分からぬトランプ大統領だからこそ、忖度して黙っていてはいけない。アメリカ国民はもちろんだが、日本の政治家、マスコミ、宗教者、そして我々国民も声を挙げなければならない。

 

2015年の安保法制の参院可決の直前、特別委員会の質疑(*1)で、事態対処法(*2)が定義する存立危機事態と武力攻撃事態はほぼ等しいという内閣法制局長官の見解が示され、高市首相の昨年11月7日の国会答弁(台湾有事発言)でも政府見解として確認されました。

 

武力攻撃事態ではないが存立危機事態になることが可能性として否定できない唯一の例外として挙げられたのがホルムズ海峡の封鎖でした。

 

イランの米国に対して武力攻撃をして、ホルムズ海峡の封鎖などによって<我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある>場合、<存立危機武力攻撃を排除しつつ、その速やかな終結を図らなければならない><武力の行使は、事態に応じ合理的に必要と判断される限度>とされています。

 

武力行使の<合理的に必要と判断される限度>を決めるのは内閣総理大臣と閣僚(閣議決定)で、それを承認するのは国会。

 

自衛隊の武力行使に必要なのは、内閣総理大臣の出動命令と国会の承認。(*3)

 

国民がそれを止めることはできません。

 

*1

第189回国会 参議院 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 第20号 平成27年9月14日

https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/118913929X02020150914/393

 

山口那津男・公明党代表(当時)

(略)武力攻撃事態等と存立危機事態が私はほとんど同じなのではないか、ほとんど重なるのではないかと思うのでありますが、長官、いかがお考えですか。

 

横畠裕介・内閣法制局長官(当時)

(略)いわゆるホルムズ海峡の事例のように、他国に対する武力攻撃それ自体によって国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことになるという例外的な場合が考えられるということは否定できませんが、実際に起こり得る事態というものを考えますと、存立危機事態に該当するのにかかわらず武力攻撃事態等に該当しないということはまずないのではないかと考えられると思います。

 

*2 事態対処法

https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000079

第二条

四 存立危機事態 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう。

 

第三条

4 存立危機事態においては、存立危機武力攻撃を排除しつつ、その速やかな終結を図らなければならない。ただし、存立危機武力攻撃を排除するに当たっては、武力の行使は、事態に応じ合理的に必要と判断される限度においてなされなければならない。

 

第九条 政府は、武力攻撃事態等又は存立危機事態に至ったときは、武力攻撃事態等又は存立危機事態への対処に関する基本的な方針(以下「対処基本方針」という。)を定めるものとする。

6 内閣総理大臣は、対処基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

7 内閣総理大臣は、前項の閣議の決定があったときは、直ちに、対処基本方針(第四項第一号に規定する国会の承認の求めに関する部分を除く。)につき、国会の承認を求めなければならない。

 

*3 自衛隊法

第七十六条 内閣総理大臣は、次に掲げる事態に際して、我が国を防衛するため必要があると認める場合には、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。この場合においては、武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成十五年法律第七十九号)第九条の定めるところにより、国会の承認を得なければならない。

 

昨年2月からの日足チャート(図1)

日経225(赤) 上昇
金/米ドル(青) 上昇
日本円/米ドル(緑) 下落
日本長期国債先物(オレンジ) 下落

安全資産とされていた日本円、日本国債が下落。リスク資産であるはずの日本株が安全資産である金価格とともに上昇。

2006年からの月足チャート(図2)

日経225(赤) 2013年から上昇
金/米ドル(青) 2019年から上昇
日本円/米ドル(緑) 2021年から下落
日本長期国債先物(オレンジ) 2020年から下落

日本円と日本国債が下落傾向、金価格と日本株が上昇傾向。

ここから導かれる結論。

<<日本企業に対する信用が高まっている一方、日本政府に対する信用は低下の一途をたどっている>>

(ただし、日経225の上昇率は名目GDP成長率と大きく離れており、金価格の高騰と同様、バブル的な側面がある)


安全資産(無リスク資産) 現金、預貯金、日本国債、金、日本円など(ローリスク・ローリターン)
リスク資産(危険資産) 株式、社債、不動産、投資信託、外貨建て商品、仮想通貨など(ハイリスク・ハイリターン)

自民党安保調査会が、殺傷能力のある武器の輸出を原則容認する提言案を政府に提出するそうです。武器輸出の拡大は民主党の野田政権に始まって(*1)自民党の安倍政権、岸田政権で進められ、高市政権が目玉政策に掲げています。

 

平和国家日本として他国に武器を売ることが許されるのかという問題だけではありません。経済政策として実利を考えた場合にも、得策でないどころか、日本経済と国民生活に宿痾(*)をもたらす最悪手であることを見逃すわけにはいきません。

 

*しゅくあ 長い間治らない病気。

 

自国の防衛のためには国内で武器を調達しなければならないが、国内需要だけでは自国の防衛産業が育たないので、販路を海外に広げようというのが、武器輸出拡大の狙いです。

 

最近では毎日新聞の「論点」で中谷元・前防衛相が次のように述べています。(*2)

 

<防衛生産・技術基盤はいわば「防衛力そのもの」だ。(略)しかし、これまでは制約が多過ぎて、防衛産業は縮こまっていた。お客さんが自衛隊しかいなければ、少量生産となりコストがかかりすぎる>

 

衆院選でも高市首相が同様の主張をしていました。

 

毎日新聞(26日朝刊)の記事では、元防衛官僚が「日本には防衛産業をうまく循環させる市場規模がない。防衛装備品の市場規模を拡大するためには輸出が最も有効だ」と話しています。(*3)

 

日本の輸出産業の一翼を防衛産業に担わせるということです。

 

例えば、輸出産業の代表格である自動車産業の場合、車は年数がたてば買い替えなければならないし、毎年、新たに車を購入する人がいるので、需要がなくなることはありません。

 

また、車には、物資を運ぶ、通勤をする、行楽に出かけるといった用途があり、他の産業にも大きな経済波及効果があります。国内でも海外でも同じことです。

 

武器はどうでしょうか。武器を使う産業はありません。国内でも海外でも同じです。戦争や訓練で使う以上の武器を生産すれば、在庫が積み上がることになります。戦争がなければ、武器の需要増大は、新型兵器の開発による買い替えや軍拡競争が進むことでしか見込めません。

 

軍拡競争のペースが落ちたらどうなるか。軍事産業や防衛産業は需要の減退により一気に経営が悪化します。世界の安全保障環境が改善されることは、軍事産業や防衛産業にとって経営環境の悪化を意味します。逆に言うと、軍事産業や防衛産業を持続的に成長させるためには、安全保障環境を悪化させなければならないののです。

 

これが軍産複合体(*)と言われる米国の宿痾です。単純に言えば、軍事産業が不良在庫を抱えることのないよう、定期的に戦争を起こして在庫処分をしなければならないということです。ウクライナに侵攻したロシア、東シナ海や南シナ海で示威行動を繰り返す中国も、戦争をしないことには在庫がはけない不良資産を抱えて困っているのではないでしょうか。

 

*ぐんさんふくごうたい 第二次大戦後、特にアメリカ合衆国において、軍部とある産業とが密接に結びつき国内の産業経済に大きな影響力をもっている体制をいう。(三省堂『大辞林』)

 

軍事産業が循環型ではないことは、核兵器開発を考えればわかります。核兵器は作っても核戦争か核実験しか使い道がありません。核戦争も核実験もできないとなると、核兵器は作れば作るほど不良在庫として積み上がっていきます。他への経済波及効果がほとんどない無駄な投資です。

 

軍事産業、防衛産業への依存の先に待っているのは、戦争なき世界での経済の破綻です。

 

上述の「論点」で小野塚知二・東京大名誉教授は次のように述べています。(*2)

 

<日本が目指すべきは、国内の消費が伸びて発展する消費主導型経済への転換である。ところが、武器の開発や輸出は投資主導型だ。国が公共事業として投資し続け、赤字国債が増える。潤うのは一部の防衛産業だけで、民衆の豊かさにはつながらない。経済成長と安全保障の両面で、武器輸出の拡大は愚かな選択である。>

 

*1

政府、武器輸出三原則を緩和 共同開発可能に

日経新聞2011年12月27日 8:56(2011年12月27日 11:05更新)

https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS27003_X21C11A2000000/

 

*2

論点 殺傷武器の輸出解禁

毎日新聞 2025/12/26 朝刊

https://mainichi.jp/articles/20251226/ddm/004/070/012000c

 

*3

狙いは防衛産業活性化 装備品輸出拡大、識者「国内需要だけでは…」

毎日新聞 2026/2/25 21:32(最終更新 2/25 21:41)

https://mainichi.jp/articles/20260225/k00/00m/010/249000c

政府が日銀審議委員にリフレ派(アベノミクス派)を充てる人事案を国会に提示したことで、円安が進み、同時に長期国債の価格が下落(国債10年物利回りが上昇)しました。

高市首相=アベノミクス=リフレ派が力を持つとどうなるか。

・日銀の利上げに消極的→金利が高いドルを持つ方が有利→ドル高円安→エネルギー・食料品・金属など生活必需品を含む輸入品の価格が上昇

・日銀の国債売却に否定的→景気刺激策として日銀が国債を購入して供給した通貨が市場でだぶついたまま→国債価格が下落・金利が上昇→国債の利払いが増加→財政悪化の懸念材料

25日正午すぎに市場が下した判断です。

今朝の毎日新聞は、高市首相が植田日銀総裁との会談で追加利上げに何色を示したことを特報しています。

https://mainichi.jp/articles/20260224/k00/00m/020/128000c

今後もこの傾向が持続するかどうかはわかりません。高市首相がこれから打ち出す政策の一つ一つを市場は注視しています。

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政府が25日、日本銀行政策委員会の審議委員候補に浅田統一郎・中央大学名誉教授と佐藤綾野・青山学院大学教授を充てる国会同意人事案を衆参両院に提示した。ともにリフレ派やアベノミクス・ブレーンの経済学者やエコノミストとの共著がある。(浅田氏共著『経済政策形成の研究 既得観念と経済学の相克』、佐藤氏共著『昭和恐慌と金融政策』)

米ドル/円は12:30前に156円台の円安。リフレ派の人選で日銀が追加利上げに動きづらくなるとの思惑に円売りが優勢となった。(MarketWin24より引用)

 

 

<ドル円の30分足。12:00-12:30にドルが上昇、円が下落>

 

<日本国債10年物利回りの30分足。12:00-12:30に上昇(国債価格が下落)>

一昨年から昨年にかけての米の不足と価格高騰の原因は、農水省が「事実上の減反政策」を続けてきたことだと言われることがありました。実際はどうなのかということをお知らせします。

 

毎年今頃、「綾部市の水田情報に関するパンフレット」が回覧されます。今年も令和8年度のパンフレットが回ってきました。(写真1)

その1ページに「1.主食用米の需給に関する全国的な動向」があります。(写真2)

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1.主食用米の需給に関する全国的な動向

・令和8年産主食用米の需要見通しは、全国で622〜630万トンです。

・この需要量に沿って安定的に米が供給できる生産量は630〜637万トンです。

 

|※令和7年産の需要量の見通しは、624〜631万トンです。

|※令和8年度の生産量の見通しは、今後も需要量が30万トン程度減少することが見込ま

|れる中、引き続き、各産地で需要に応じた生産・販売を行う必要があることから、令和

|7年度生産量見通しと同水準となるよう設定されています。

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農家はこの農水省の需給見通しを参考にして米の作付面積を自分で決めます。平成30年(2018)年度に減反政策が廃止されてから、米の生産調整は農家が自主的に行い、行政は一切、介入しないことになっています。増産、減産についての具体的な指示はありません。

 

その下にグラフが載っています。需要は一時的な上昇を除いて下がり続けています。それに見合う形で供給も下がり続けて、過去20年で3分の2近くまで減少しています。

 

2ページに京都府の状況が書かれています。(写真3)

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・京都府は、府内の米消費量より生産量が少ない「消費県」であり、令和7年産の作付面積を維持することで需給のバランスがとれる見込みです。

・飼料価格高騰により、府内畜産農家の需要が高まっている「WCS用稲」「飼料用米」等について、耕畜連携による生産拡大と単収・品質向上が課題です(国による畜産農家と耕種農家のマッチング活動があります)。

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主食用米も家畜用の米も現状が示されているだけで、どうしろ、こうしろという指示はありません。

 

3ページに「2.令和7年度の集落別水田の利活用率」が載っています(写真4)

 

綾部市全体の水田のうち、主食用米を作付しているのはほぼ半分(グラフの赤色)。30%の水田は畑作もされておらず、農地として利用されていない耕作放棄地になっています(グラフのオレンジ色)。町区によっては農地として利用されていない水田が75%に上っています。

 

水田で主食用米以外の作物を栽培すると「水田活用の直接支払い交付金」が出ます。水田を耕作する農家の選択肢を増やすのが目的の補助金です。これが「事実上の減反政策」であると非難されたのですが、それに該当する水田(グラフの青色など)は、耕作放棄地と比べるとわずかしかないことがわかります。

 

ぼくの個人的な印象ですが、減反政策の時代、条件の悪い水田が減反のための休耕田に割り当てられ、そのまま耕作されなくなったケースが多いように思います。水田に戻すには膨大な労力が必要です。

 

このあたりの農地は狭く、兼業でなければ維持できません。営農組織を作って農地を集約し、経営の大規模化を図っていますが、定年退職者を主体とする構成員も高齢化し、限界に近づいているのが現状です。

高市首相が米国連邦議会で働いていたときの肩書呼称問題について新しい資料が見つかったので紹介します。

 

毎日新聞奈良面(奈良版)に1989年7月4日に掲載された「やまとの熱い夏 ’89参院選への注文(1)」という記事です(*1)。

 

参院選連載企画第1回のインタビューに高市早苗さんが登場しています。見出しの肩書は「前米国連邦議会特別研究員」。略歴欄には「国会特別研究員を務めた」とあります。

 

高市首相が米国連邦議会に勤務していたときのCongressional Fellowという肩書は、最初の著書(1989年11月)の表紙、略歴欄では「米国連邦議会立法調査官」、本文では「議会特別研究員として、コングレッショナル・フェローという身分の立法調査官」、2冊目の著書(1990年2月)では「立法調査官」と「Congressional Fellow(国会特別研究員)」が混在、以後の著書では「米国連邦議会立法調査官」が使われているという話です。(*2)

 

高市首相は総務大臣だった2016年の記者会見で、「Congressional Fellowを立法調査官と訳すのは違和感がある」と聞かれ、最初の著書を出版するときに、出版社から「コングレッショナル・フェローではわからない」と言われたので、識者2人に尋ねたところ、2人が相談して意訳として「米国連邦議会立法調査官」を考えてくれたと答弁しています。(*3)

 

最初の著書、2冊目の著書で「特別研究員」という訳が使われているので、この弁明はもともと成り立たないのですが、最初の著書の出版よりも前の毎日新聞の記事で「前米国連邦議会特別研究員」というわかりやすい肩書を使っていたことで、「出版社からコングレッショナル・フェローがわからない」と言われたとか、識者2人が意訳を考えてくれたという弁明の信憑性がなくなりました。

 

過去の発言の矛盾を指摘されて、矛盾した言い訳をしたということではないでしょうか。

 

*1

毎日新聞奈良版の記事の閲覧方法

国立国会図書館サーチ

https://ndlsearch.ndl.go.jp/

詳細検索

新聞に特化した検索

「タイトル」に「毎日新聞 奈良版」と入力して「検索」

<毎日新聞(大阪) [地方集刷] 奈良県版 マイクロフィルム版>をクリック

78 件中の4ページ目<1989年(7-12月)>をクリック

来館せずに利用<申込カートに入れる(遠隔複写)>をクリック

<複写箇所の入力>

(日付)1989年7月4日

(見出し)「やまとの熱い夏 ’89参院選への注文(1)」「前米国連邦議会特別研究員 高市早苗さん」「改革への姿勢を示せ 理念なき政治と決別」

 

*2

PRESIDENT Online 2025/10/20 17:00

柴田優呼(アカデミック・ジャーナリスト)「サッチャー、安倍元首相だけではない…高市早苗氏が「虎の威を借る」ように20代から使った謎の肩書きの正体 初の著書の表紙は「米国連邦議会立法調査官」、中身は「特別研究員」」

 

*3

総務省 高市総務大臣閣議後記者会見の概要 平成28年4月22日

https://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/01koho01_02000485.html

<入局43年、衆院の「法の職人」 安保法制論議を支えた師の教え>

毎日新聞2026/2/15 06:00(最終更新 2/15 06:00)

 

 

この記事には安倍元首相の悲願である集団的自衛権の行使を限定的にではあれ可能にするため、安全保障関連法(安保法制)の成立に向けて公明党が「憲法の穴」を探していたことが書かれています。

安保法案は2015年(平成27年)9月17日、参院の我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会で可決。参院本会議で9月19日に自民、公明などの賛成で可決して成立しました。

これに先立つ9月14日の参院特別委員会で行われた当時の公明党の山口那津男代表と安倍晋三首相、横畠裕介内閣法制局長官のやり取りは、安保法案に歯止めをかけるものでした。

*「歯止めをかける」は公明の言い分で、安保法制に反対する立場からは「成立の手助けをした」となります。

2025年11月7日衆院予算委員会での高市首相の台湾有事発言は、この経緯を踏まえる必要があります。

以下、11月7日の議事録より抜粋

 

 

岡田委員の質問に対する岩尾信行内閣法制局長官の答弁

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○岩尾政府特別補佐人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、平成二十七年九月十四日、参議院、我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会におきまして、当時、横畠内閣法制局長官はこのように述べました。

  新三要件の下で認められる武力の行使は、これまでどおり、自衛隊法第八十八条に規定された我が国防衛のための必要最小限度の武力の行使にとどまるものであり、他国防衛の権利として観念される国際法上の集団的自衛権一般の行使を認めるものではなく、また、我が国防衛のための必要最小限度を超える、被害国を含めた他国にまで行って戦うなどといういわゆる海外での武力の行使を認めることになるといったものではございません。

また、さらに、

 いわゆるホルムズ海峡の事例のように、他国に対する武力攻撃それ自体によって国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことになるという例外的な場合が考えられるということは否定できませんが、実際に起こり得る事態というものを考えますと、存立危機事態に該当するのにかかわらず武力攻撃事態等に該当しないということはまずないのではないかと考えられる

と述べております。

 このように承知しておりますが、これらの答弁で述べられました見解に変わりはございません。

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続いて高市首相の答弁

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○高市内閣総理大臣 法制局長官が述べられたとおり、平成二十七年九月十四日の委員会で当時の長官が述べられた見解について、変わりはございません。

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高市首相はここまでの答弁で、わが国の安保法制では

・わが国防衛のための必要最小限度の武力行使(自衛隊法第88条)にとどまる

・集団的自衛権一般の行使を認めるものではない

・海外での武力行使を認めるものではない

・存立危機事態に該当するのにもかかわらず武力攻撃事態等に該当しないうということはまずない

→わが国が武力攻撃を受けないかぎりは(または、明らかに武力攻撃を受ける危険がないかぎりは)存立危機事態に該当しない

と認めていました。

その後、問題になった高市首相の答弁

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○高市内閣総理大臣 (略)例えば、台湾を完全に中国、北京政府の支配下に置くようなことのためにどういう手段を使うか。(略)それが戦艦を使って、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます。

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(1)中国が台湾に対して武力行使をすること

(2)わが国が武力攻撃を受けること=存立危機事態

高市首相は直前に、わが国に対する武力攻撃(あるいはその明白な危険)がないかぎりは存立危機事態に該当しないと答弁していました。中国が台湾に対してどのような武力行使をしようと、日本を武力攻撃しなければ(またはその明白な危険がなければ)存立危機事態にはなりえません。

(1)と(2)がイコールであると考えると答弁した高市首相は、この2つの間に大きな飛躍があることを理解していないのでしょうか。

安倍元首相が集団的自衛権の行使という悲願を実現するために考えた「存立危機事態」という概念(隣家の火事が自宅に延焼しそうになったら消火に行かなければならないと模型を使って説明)は、法制化された時点で意味をなさなくなっていました(隣家が火事になっても自宅に延焼しなければ消火に行くことはできない)。

現在の日本の安保法制では、武力攻撃事態等にならなければ(日本が武力攻撃を受けなければ)、海外での武力行使はできません。

台湾有事が存立危機事態であるというためには、台湾有事に自衛隊が出動するためには、法律の改正が必要で、そのためには憲法の改正が必要です。

ぼくはその必要はないし、してはいけないと思います。

インタビューで堀島選手が「コース状況が難しい中、冷えて固まってきた雪面の中で少しぼくは足を取られてしまった」と言っていました。

 

準々決勝以降、金メダルのキングスベリー選手と堀島選手が滑ったコース

(準々決勝ー準決勝ー決勝の順)

 

キングスベリー    青ー赤ー赤

堀島        青ー赤ー青

 

どちらが有利かと言えば、準決勝と同じコースを滑ったキングスベリー選手。しかし、それも勝負のうち。両者をたたえたいと思います。

        

https://live.fis-ski.com/lv-fsdm8198.htm#/brackets

 

シード・グループによるデュアル・モーグルの場合、コースの色(またはサイド)は以下の方法で事前に決定される:

ラウンド 128 2名のうち上位競技者がレッド

ラウンド 64 2名のうち上位競技者がブルー

ラウンド 32 2名のうち上位競技者がレッド

ラウンド 16 2名のうち上位競技者がブルー

ラウンド 8 2名のうち上位競技者がレッド

ラウンド 4 2名のうち上位競技者がブルー

ファイナルラウンド 2 名のうち上位競技者がレッド

「上位競技者」とは、シード順が上位の競技者ではなく、対戦する 2 名の競技者のうち対戦表に記入する際、上側に記入される競技者のこととする。

今回の衆院選の争点と言われた物価高対策ですが、争点にも何にもならないまま明日が投票日です。

 

選挙戦が始まるとき、物価高対策として各党が打ち出した消費減税は有効なのか、という疑問を持ちました。

 

食料品で言えば、ぼくが出荷している米(コシヒカリ)の価格は玄米30kgが長らく6000円だったのが(コロナ禍のときは5000円)、昨年は1万5000円と2.5倍(+150%)になりました。

 

スーパーで買うフルグラ(700g)は600円から800円に1.3倍(+30%)の上昇です。

 

食品の消費税8%をなくしたところで値下がりするのは7.4%(=1−100/108)。

 

高額商品である農業機械も消費税率の10%を大きく超えて値上がりしています。上昇率が消費税率以下の商品が大半を占めているのなら別ですが、消費税分を下げたところで物価の上昇にはとても追いつかないのではないかと思います。

 

値上がりの原因が需給関係にあるなら、需給関係を改善する(需要を減らすか供給を増やす)、原因がコスト高にあるならコストを抑えるしか、値上がりを抑える方法はありません。

 

そこでここ数年の世界のエネルギー、金属、農産物の価格推移を見てみました。Tradingviewで先物の価格をチャート表示しています。価格はいずれも米ドル(USD)。

 

<原油>

WTI(West Texas Intermediate Crude Oil cash)

世界の原油価格の代表的な指標

2022年3月をピークに下降

現在、ほぼ半値

<天然ガス>もほぼ同じ傾向

<鉄鉱石>

SGX IODEX Iron Ore Futures

シンガポール取引所(SGX)の鉄鉱石先物(つなぎ足)

2021年5月をピークに下降

現在、半値以下


 

<小麦>

Wheat Future

小麦先物

2022年3月をピークに下降

現在、40%(2.5分の1)

<大豆><トウモロコシ>もほぼ同じ傾向

 

つまり、これらの原材料価格は米ドルで見ると、2020年から急騰した後、ロシアがウクライナに侵攻した2022年ごろをピークとして、半値以下になっています。

 

原材料価格が下がっている間に円安が進みました。米ドル円(USD/JPY)は2020年3月の安値の1.5倍、ユーロ/円(EUR/JPY)は2020年3月の安値の1.6倍、中国人民元/円(CNY/JPY)は1.55倍です。

 

<米ドル/日本円>

 

<ユーロ/日本円>

<人民元/日本円>

 

過去6年間で円の価値が米ドルに対しても、ユーロに対しても、人民元に対しても、3分の2になったということです。ドルで買う価格が同じでも、日本円では1.5倍(+50%)の値上がりになります。

 

上に示した原材料価格のピーク時からの価格変化を米ドルと日本円で比較すると、日本円で買う場合の値下がり率が小さいことがわかります。

 

<原油>

米ドル −50%

日本円 −39%

<鉄鉱石>

米ドル −56%

日本円 −13%

<小麦>

米ドル −60%

日本円 −50%

 

上に示した原材料価格は値下がりしていますが、銅は値上がりを続けています。電気自動車(EV)、蓄電池の量産、送電網の整備など、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)に伴う需要が高まる一方、銅鉱山の新規開発による供給の増加が見込めないためです。

 

Tradingviewで銅CFD(COPPER)のチャートを見てみます。

米ドルでは2020年3月の最安値の2.99倍であるのに対し、日本円では4.34倍です。円安の影響で日本円での上昇率の方が大きくなっています(上昇率1.45倍)。

<銅CFD>(米ドル)

 

日本は金属・鉱物資源のほとんどを輸入に頼っています。総輸入量は中国に次いで世界第2位の規模です。米以外の穀物もほとんどが輸入です。円安が進めば進むほど世界市場の価格の高騰を上回るペースで日本国内の物価上昇が進みます。

 

円安が進んだのは、異次元の金融緩和を続けて金融市場に円を放出したことによって円の価値が下がったこと(円の供給過多による円の値下がり)、政府発行の国債残高が積み上がって財政不安が高まったこと(財政不健全化による信用低下)が原因です。

 

日本国債10年物(長期国債)の利回りは長期金利と言われ、住宅ローンなど長期返済の利率がそれに基づいて決まります。日々、市場で売買されている国債の値動きと連動して変化します。

 

長期金利が上昇すること自体はよいとも悪いとも言えません。問題は国債の価格が下がっていることです。

 

政府が新たに発行する国債の利率は、既に発行されて市場で売買されている国債の価格によって決まります。国債の市場価格が上がれば国債を買い求める人が多いということなので低い利率が設定されます。逆に値下がりしていれば、国債を買う人がいないということなので高い利率になります。

 

日々変動している長期金利は、その時点で売買されている国債の価格から次に発行される国債の利率を計算した予測値です。長期金利が上がるということはそれだけ国債の価値が低くなっているということです。

 

日本国債10年物(長期国債)の利回りのチャートに価格(長期国債先物の価格)を折れ線(青色)で重ねてみました。2019年8月から長期金利が急上昇しているのと逆に、価格は85%まで急落しています。

 

次に為替レートを折れ線で重ねてみました。(青が米ドル、緑がユーロ、オレンジが人民元)

長期金利の上昇と円に対する主要通貨の価格の上昇がほぼ同じ軌跡を描いているのがわかります。

同じことを逆に言うと、長期国債の価格の下落と円の下落が同じペースで進んでいるということです。

 

国債を発行しすぎて円の価値がなくなってしまっているのが現状です。

 

アベノミクスの異次元の金融緩和とコロナ対策で、日銀が国債を購入することによって金融市場にお金を流し込むと同時に政府の国債発行による財政出動を助けてきました。その結果が、今の国債安、円安であり、物価高だということです。

 

消費税の導入が日本経済の停滞を招いたことは間違いないと思いますが、財政の悪化は消費税の導入に伴う税制改革(法人税率の段階的引き下げ、高所得層の減税による税率の累進構造のフラット化)に大きな原因があります。そこに手をつけず、財政支出の見直しもせずに、消費税を引き下げても、さらなる財政悪化と信用低下、円安、物価高を招くだけであろうと考えられます。