ギリシャ狂詩曲 - ピアノと管弦楽のための(1980年)
Ελληνική Ραψωδία για πιάνο και ορχήστρα
ピアノ:アリス・ガルファリス (Άρης Γαρουφάλης)
指揮:ヴィロン・コラスィス (Βύρων Κολάσσης)
1910年4月1日、リクスリ(Ληξούρι)生まれの、ピアニスト、作曲家。
ドイツ人ピアニストのエゴン・ペトリ(Egon Petri)にピアノを、
マリオス・ヴァルヴォグリス(Μάριος Βάρβογλης)に理論を学んだ。
1952~1972年まで、
ギリシャ国立歌劇場(Εθνική Λυρική Σκηνή)で、ピアニストとして活動。
彼は、他の多くのギリシャの作曲家やピアニストにとって、
重要な教師であった。
メロドラマを除く、あらゆるジャンルの音楽を書いた。
1993年6月24日、アテネ(アスィナ)で没する。
この作品、実は結構前にYouTubeで発見していて、
どのタイミングで紹介しようかと思っていました。
確か、「ギリシャ狂詩曲」を意味する言葉で
検索して見つけたのだと思います。
割と最近に活躍した作曲家なので、
その意味でも積極的に取り上げようとしませんでした。
でも、作品自体は凄く良くて。
具体的に何という民謡が使われているのかは不明ですが。
20世紀活躍の割には、全然現代音楽してなくて、
19世紀後半のロマン派的国民楽派風で聴きやすいという。
ピアノも、超絶技巧的で聴き応えあり。
生まれた時代を間違えた系作曲家とでも言うのか?
20世紀の活躍ながら、19世紀的な作風の作曲家は結構います。
例えば、スウェーデンのクット・アッテルベリなんかはその筆頭でしょう。
だからといって、ゲオルギオスは不遇だったという訳でも無い様で。
「ギリシャ狂詩曲」以外でどんな作品を書いているのか?
主題と変奏(2台のピアノのための)
Θέμα και παραλλαγές για 2 πιάνα
ピアノ:ヤニス&アンスラ・パパドプル
Γιάννης & Ἀνθούλα Παπαδοπούλου
ギリシャの作曲家では、
マノリス・カロミリス(Μανώλης Καλομοίρης)
がよく知られていますが、
ゲオルギオス・プラトンの名ももっと知られて良いかと思います。
以下は、関連で見つけた作曲家、及び、その作品です。
マリオス・ヴァルヴォグリス(1885-1967年)
Μάριος Βάρβογλης
ギリシャ狂詩曲(ピアノのための)(1922年)
Ελληνική Ραψωδία
ピアノ:エフィ・アグラフィオティ
Έφη Αγραφιώτη
ゲオルギオスの先生ですね。
叙情性に溢れています。
ヤニス・コンスタンディニディス(コスタス・ヤニディス)(1903-1984年)
Γιάννης Κωνσταντινίδης (Κώστας Γιαννίδης)
小アジア狂詩曲(1945-1950年)
Μικρασιατική Ραψωδία
指揮:ミルトス・ロギアディス
Μίλτος Λογιάδης
演奏:色彩管弦楽団
Ορχήστρα των Χρωμάτων
オリエンタルな旋律が印象派風の味付けで、
何とも幻惑的な味わい深さというか。
「コスタス・ヤニディス」というペンネームで
歌謡曲(Ελαφρού Τραγουδιού)も書いていたそう。
Wikipedia頁は作成されていないのでしょうか?
歌曲や室内楽曲、ピアノ曲のCDが出ており、
NAXOSのミュージックライブラリーにそれらが出ていますが、
「小アジア狂詩曲」などの管弦楽曲は出ていない様です。
過去のギリシャの作曲家紹介記事↓
2012年07月04日
ディオニスィオス・ラヴランガス(Διονύσιος Λαυράγκας)ギリシャの作曲家
2014年06月30日
ディミトリオス・レヴィディス(Δημήτριος Λεβίδης)ギリシャの作曲家
2014年05月15日
ナポレオン・ランベレット(Ναπολέων Λαμπελέτ)ギリシャ→イギリスの作曲家
2015年06月08日
※現代ギリシャ語のカタカナ表記について。
現代ギリシャ語では、「Δ」は「D」ではなく、
英語の「TH」の有声音的になるので、
「デ」「ド」ではなく「ズ」に近く聴こえます。
なので、「コンスタンディニディス」は、
「コンスタンディニズィス」に近く聴こえます。
しかし、発音サイトのFORVOでは、
何故か「ディ」と聴こえ、
アクセントの付いた母音も長音に聴こえます。
現代ギリシャ語は、音声学的に、
母音の長短の区別が無く、強弱アクセントらしいですが、
実際は、アクセント部が高音且つ長く聴こえます。
「ヤニス」も「ヤーニス」と聴こえますね。
「ντ」(nt)の「t」は「d」となるので、
「コンスタンティ…」ではなく「コンスタンディ…」となります。
「Θ」は、英語の「TH」の無声音的なので、
「ス」に近く聴こえます。
「アテネ」は現代ギリシャ語で「アスィナ」と聴こえます。
無名のクラシック音楽を専門に演奏するオーケストラ《エクセルシス》の、
10月18日(日)に行われる筈だった、第11回演奏会は、
新型コロナウイルスの影響なのか?残念ながら中止となったそうです。
この記事の公開日も、
演奏会の行われる筈だった日の前日を狙って公開しました。
公式サイトには、演目等の情報が既に削除されていましたが、
元々何を記念して、どんな演目だったのか?調べてみました。
〜日本・チェコ交流100周年記念〜
♪フィビフ(1850-1900):祝典序曲「コメンスキー」
Zdeněk Fibich
Komenský, Slavnostní ouvertura, op. 34 (1892)
♪マルチヌー(1890-1959):ラプソディ・コンチェルト*
Bohuslav Martinů
Rhapsodie-concerto pro violu a orchestr (1952)
♪スーク(1874-1935):アスラエル交響曲
Josef Suk
Asrael Symfonie (1906)
指揮/大浦智弘
ヴィオラ独奏/加藤由貴夫(当団トレーナー)*
オーケストラ《エクセルシス》 - ホーム | Facebook
※アルファベット表記は大塚が勝手に加筆
この演目に合わせて、
今回紹介の作曲家もチェコ系にしたかったのですが、
チェコの「これは」と思うマイナー系作曲家は、
一通り紹介していたので。
個人的には、アントニーン・ドヴォジャークの親友、
カレル・ベンドルの「南スラヴ狂詩曲」(Jihoslovanská rhapsodie)
を取り上げて欲しかったですが、
いずれにしても演奏会自体が中止というのは残念でした。
ベンドルについてはコチラを↓
2013年07月04日
エクセルシスと双璧をなす?オーケストラ・ナデージダさんも、
昨年の演奏会を最後に休眠状態に入っていますし、
何だか寂しい事ではあります。
※ちなみに、
「マルチヌー」は「マルティヌー」表記が一般化していますが、
チェコ語の「i」は口蓋音化するので「ti」は「チ」となります。
なので、原音は「マルチヌー」に近いです。
「ティ」にしたい場合「ty」と綴らないといけません。
「Suk」の「u」は短音なので、本来は「スク」と綴るべきですが、
日本では「スーク」表記が一般化しております。
その言い方の方が馴染みやすいからでしょうね。
「ラプソディ・コンチェルト」
のチェコ語表記が何故かネット上で見つけられなかったので、
自分でチェコ語表記を組み立てました。
【記事最終更新:2020/10/24】