英題:From the Sea
【監督】(Dirección)
【脚本】(Guión)
ミゲランショ・プラド(Miguelanxo Prado)
【制作】(Produción)
パンチョ・カサル(Pacho Casal)
【音楽】(Música)
ナニ・ガルスィア(Nani García)
ガリシア交響楽団(Orquesta Sinfónica de Galicia)
【編集】(Montaxe)
ギジェルモ・レプレサ(Guillermo Represa)
【制作会社】(Compañías)
大陸プロダクション(Continental Producciones)
着陸プロダクション(Desembarco produccións)
ツェッペリン映画(Zeppelin filmes)
【公式サイト】(Sitio Oficial)
http://www.deprofundislapelicula.com/
【資料】
De profundis (película) - Wikipedia Español
http://www.filmaffinity.com/es/film642859.html
https://www.youtube.com/watch?v=PnM8TYVtJEk
今回紹介するのは、
スペインの北西部に位置するガリシア出身の、
漫画家(バンド・デシネ作家)でアニメーション作家である、
ミゲランショ・プラド(プラード)(Miguelanxo Prado)の、
初の長編アニメーション作品です。
きめ細やかで幻想的で、とても芸術性が高いと思います。
台詞は無く、ガリシア交響楽団の演奏がBGMで流れます。
全体的にゆったりした感じで、スピード感は無いので、
宮崎アニメによくあるような、スピード感溢れるアニメが好きな人にとっては、
やや退屈に感じる所があるかも知れませんけど、
所々見所があって、それなりに見応えはあると感じました。
個人的に特に気に入っているのは、巻貝の身が花と化し、
そこに、蝶々と化したエイがとまる場面↓
この、エイを蝶に見立てるというユニークなアイデアには、
ちょっと「ヤラレタ~」と思いました。
私も、こういうシャレっぽい路線の作品をよく描いたりしているので・・・。
このアニメーションに対して、只一つ言わせて貰えば、
キャラクターの動作に、違和感を感じる所があるかも知れません。
わざとなのか?手馴れていないのかは分かりませんが。
---あらすじ---
海の上にぽつんと浮かぶ一軒の家で、
女が物憂げに恋人の帰りを待っている。
画家だった恋人は、海に魅せられ旅立ったのであった。
恋人の乗った船は、巨大な波に呑まれてしまうが、
その後彼は、不思議な体験をする。
---日本では既に上映済み---
実は、日本では既に上映されています。
まず、2006年3月24日に、『東京国際アニメフェア2006』で上映され、
http://www.t-ds.info/work/taf2006/ja/business/stage_2.html
2010年5月28日と6月6日に『東京国立近代美術館フィルムセンター』
で上映されています。
http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2010-6/kaisetsu_8.html
---ミゲランショ・プラドとは---
1980年代に、スペインの漫画表現を変革した6人の作家の内の1人だそうです。
他の5人は、ガジャルド(Gallardo)、ケコ(Keko)、マックス(Max)、
マウロ・エントリアルゴ(Mauro Entrialgo)、ミチャルム(Micharmut)。
スペインコミック展覧会「僕らと旅に出よう!」 - 1000 planches
ガリシアに於ける、重要な漫画家、アニメーション作家という認識で、
間違い無い様ですが、人気は、ガリシアやスペインだけに留まらず、
国際的な様ですね。
作品には、『探偵マヌエル・モンターノ』(Manuel Montano)や、
『メン・イン・ブラック』(Men in Black)のアニメーション版など多数あり。
http://www.miguelanxoprado.com/index.php?s=&su=23&cat=su
アングレーム国際漫画祭
(Festival international de la bande dessinée d'Angoulême)
では、1991年に、『マヌエル・モンターノ』が、
1994年には、『チョークの線』(Trait de craie)が、
外国語部門に於ける最優秀作品賞(Prix du meilleur album)
を受賞したそうです。
アングレーム国際漫画祭 最優秀作品賞 - Wikipedia
バルセロナ国際漫画サロン
(Salón Internacional del Cómic de Barcelona)
では、1989年に『狂気の日常』(Quotidiania delirante)が、
1994年には、『チョークの線』が、
2005年には、『パンピンの邸宅』(La mansión de los Pampín)が、
2013年には、『アルダレン』(Ardalén)が、
スペイン作家の最優秀作品賞(Premio a la Mejor Obra de autor español)
を受賞しているそうです。
Salón Internacional del Cómic de Barcelona - Wikipedia Español
---道の自警団---
ガリシアには、『シャバリン・クラブ』(Xabarín Club)という子ども番組があり、
弊ブログでは2009年11月2日に紹介しています。
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10379093587.html
『知られざる いろんなもの』というブログでは、
画像付きで更に詳細に紹介していますので、こちらを読んだ方が良いでしょう。
http://ameblo.jp/sekaino-television999/entry-11770085292.html
で、実は、プラドは、この番組の制作にも携わっていて、
特別企画なのかどうかは不明ですが、
『道の自警団』(Os Vixilantes do Camiño, 1999年)という、
長編アニメーションが制作されているのですが、その美術監督もしています。
Os vixilantes do camiño - Wikipedia Galego
https://www.youtube.com/watch?v=vozc1LD1khE
キャラクターが、擬人化された動物です。
プラドは、こんな動物キャラも描くのか、と、驚きました。
しかも、一瞬、「メカか?」「生きてる縫いぐるみか?」と思う様な、
独特なデザインです。
「シャバリン・クラブ」のマスコットがイノシシだから、
それに合わせて動物アニメにしたのでしょうかね?
(シャバリンクラブのレギュラーキャラには、ブタもいます)
というか、プラドは通常、大人向けっぽいシリアスな作品を描いていると思うので、
子供向け番組でもそういう路線をやるというわけには行かないのでしょう。
このアニメは、未だ全体を通して見ていないのですが、
断片的に見た限りでは、悪者と対決する壮大なスケールの内容の様です。
この作品については、又別の機会にでも紹介しようと思います。
それから、
シャバリン・クラブ・マガジン『オインク!』
(Oink! - A revista do Xabarín Club)
という雑誌も出しているのそうなのですが・・・。
表紙絵の絵柄がまさしく、ミゲランショ・プラドのもので、凄い納得しました。
---気になるところ---
「De Profundis」という作品で気になるところは、
「2006年」と紹介している所と「2007年」と紹介している所がある点。
2006年の「東京国際アニメフェア」で上映されているので、
2006年の時点で既に完成しているという事でしょう。
しかし、「2007年」と出している所が圧倒的であるため、
弊ブログでも「2007年」と出しておきます。
制作年が2006年、リリース年が2007年、
と言う風に大雑把に捉えてよいのかも知れませんが、断言はしません。
【関連エントリー】
思い出の種(Semilla del Recuerdo)2004
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11404838468.html
にぎやかな森(El bosque animado)2001
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11305768457.html
10+2:大いなる秘密(10+2: El gran secret)2001
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11301702839.html
エリオットマウスのアンタッチャブル(LOS INTOCABLES DE ELLIOT MOUSE)
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10467432481.html
ドンキー・ショーテ(Donkey Xote)2007
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10256158847.html
デルフィと仲間たち(Delfy y sus amigos)1992
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10125195824.html
モフリ、最後のコアラ(MOFLI, El último koala)1986