画像はWikipediaデンマーク語版頁より拝借
交響曲二短調(Symfoni i d-mol)1868年
https://www.youtube.com/watch?v=3dfRH3lIa2g
デンマークロマン派オペラ最高峰と称される
歌劇『王と代官』(Drot og Marsk, 1878)
を書いたハイセ(1830-1879)が、何と交響曲を書いていました。
つい最近、YouTubeに上げられた事で知りました。
ヘイノ・カスキの交響曲がYouTubeに出ていた事を知った時と同じ位の衝撃でした。
(※“Drot og Marsk”は、日本ではマイナーなだけあって、
日本語タイトルが混乱しており、『王と大臣』『王と主馬頭』『王と式部長官』
などとも書かれるが、ネット上では取り敢えず『王と代官』の題名が定着したため、
その表記にしました。“Marsk”は、英語では“Marshall”)
『王と代官』のレビューは、2008年12月10日に書いておりますので、
興味のある方はご覧ください↓
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10176225641.html
恐らく、Wikipediaにもずっと以前から交響曲を作曲しているという情報が
出ていたのかも知れませんけど、目立たない様に書かれていたのか?
見落としていた様で気付きませんでした。
また、ハイセについて説明している日本語の文章でも、
彼の交響曲について言及しているものを見た事がありません。
早速聴いた感想ですけど、全体で20分強、30分足らずで、
平均的な長さから見ればやや短いですね。
『王と代官』程の超1級品の名曲とまでは言うつもりはありませんが、
中々の佳作ではないかと思います。
第1楽章はスポ魂風の哀愁の漂う旋律がロマンティシズム迸っているものの、
初期ロマン派によくありがちなやや古典派臭のする、
ちょっと古臭く感じる旋律もあり。
第2楽章では、エレジー風の感傷的な旋律がとても歌心に溢れていて、
深いロマンティシズムが感じられ、とても聴き応えあり。
第3楽章は、跳躍的リズムの躍動感溢れる曲。
ハイセと同じデンマークのロマン派作曲家、フリードリヒ・クーラウの劇音楽
『ウィリアム・シェイクスピア』の序曲や、リムスキー=コルサコフの
交響曲第1番の第3楽章辺りを彷彿とさせる?
途中で出てくる金管によるファンファーレ風の勇壮な旋律が心地よい。
第4楽章は、緊張感溢れる劇的なメロディが、
聴き所の宝庫たる後の『王と代官』を予告しているかも知れません。
フィナーレに相応しく、最後はハッピーエンド的に大いに盛り上がります。
CDが出たら、絶対買います!!
【追記】2015年10月11日
YouTubeから音声が削除されていたので、別の動画を上げ直しました。
【関連エントリー】
ルーツィヤ・ガルータ(Lūcija Garūta)
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11418237726.html
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http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11296706502.html
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http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11455645453.html
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http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11443177489.html
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http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11415497564.html
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http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11400956813.html
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http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11418236169.html
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http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11415057548.html
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http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11407212387.html
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http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11407224986.html
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http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11372831556.html
未CD化交響曲の色々(ロマン派・国民楽派・無名作曲家限定!!)(2)
http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11259011718.html
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