ミクラーシュ・シュナイデル=トルナウスキー(Mikuláš Schneider-Trnavský | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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Mikuláš Schneider-Trnavský


作曲家、指揮者、音楽教師。

1881年、スロヴァキアのトルナヴァ(Trnava)生まれ。


少年時代、聖歌隊に入隊。


1900~1901年、ブダペスト音楽院で、

ハンス・フォン・ケスラー(Hans von Koessler)に作曲を学ぶ。


1901~1903年、ウィーン音楽院で、

ヘルマン・グレーデナー(Hermann Graedener)に作曲を学ぶ。


1903~1905年、プラハで、ヨゼフ・クリチュカ(Josef Klička)にオルガンを、

カール・シュテッカー(Carl Stecker)に作曲を学ぶ。


その後、セルビアのズレニャニン(Zrenjanin)で合唱指揮者となる。


1908年、チェコのバリトニスト、ボフミール・ネポムツキー(Bohumír Nepomucký)

と共に、ヨーロッパ各地の演奏旅行を行う。


1909年、トルナヴァに戻り、

同地の聖ミクラーシュ(ニコラス)大聖堂(Dóm svätého Mikuláša)の合唱指揮者を生涯勤める。


1958年、トルナヴァに没する。


※Wikipedia英語版、スロヴァキア語版を基に構成。


Mikuláš Schneider-Trnavský(Wikipedia, Slovenčina)


以前、スロヴァキアのロマン派的国民楽派作曲家を

探していた事があったのですけど、

全く梨の礫でして、

『辺境・周縁のクラシック音楽 中・東欧編』(青弓社)でやっと、

求めていた作曲家(ヤーン・ツィッケル Ján Cikker など)

を見つける事が出来ました。


というのも、

スロヴァキアとは兄弟国であるチェコのクラシック音楽は、

19世紀に、ベドジフ・スメタナ(Bedřich Smetana)や、

アントニーン・レオポルト・ドヴォジャーク(Antonín Leopold Dvořák)

などの偉大な作曲家が現われて隆盛を極めていたので、

一方、スロヴァキアの方はどうなのだろう?という疑問が湧いたのです。


スロヴァキアの作曲家で最もよく知られているのは、

エウゲン・スホニュ(Eugen Suchoň)だろうと思います。

民族色のある作風、といった解説を見た事があったので、

親しみ易い作風なのだろうと思って管弦楽作品集CDを購入したものの、

不穏で余り美しくない響きであったため、ちょっと失敗したと思いました。

【RB 0314 2031】2007年


今回は、正統派ともいえる後期ロマン派的スロヴァキア国民楽派

と思われる作曲家を見つけましたので、その報告をいたします。


トルナウスキーは、教会に合唱指揮者として勤めた音楽家という事で、

宗教的な声楽曲を数多く書いたのでしょうけど、純粋器楽曲も書いていて、

最晩年に、交響曲を書いています。

その交響曲が、何とYouTubeに出ていました。


Wikipediaチェコ語版に厖大な作品リストが出ていますけど、

言葉がよく分からない上にきちんと整理しておらず、見辛いため、

内容を余り把握していません。


CD化状況ですけど、画像検索ではよく分かりませんでしたけど、

オルガン曲の楽譜と思われるものを紹介している頁を発見!!

Hudobné centrum - Noty


交響曲ホ短調『追悼』(1956年)全4楽章

Symfónia e mol “Spomienková”

演奏:スロヴァキア放送交響楽団(Symfonický orchester Slovenského rozhlasu)

指揮:オンドレイ・レナールト(Ondrej Lenárd)

http://www.youtube.com/watch?v=x5-Et14ohsg


田園的ミサ『きよしこの夜』(声楽と管弦楽)

Missa pastoralis “Alma nox”(Tichá noc)

演奏:オストラヴァ大学管弦楽団

指揮:パヴェル・ヴィーテク(Pavel Vítek)

合唱:オストラヴァ大学合唱団

合唱指揮:ルミール・ピヴォヴァルスキー(Lumír Pivovarský)

http://www.youtube.com/watch?v=6OVTHwiiv6s


馬は土手に沿って走る(スロヴァキア民謡のピアノ編曲)

Po nabreží koník beží

http://www.youtube.com/watch?v=LpljFKLEe1s


交響曲を聴いた感想ですが、20世紀只中だというのに、19世紀後半的。


ドヴォジャーク(ドヴォルザーク)を彷彿とさせる民族色豊かな旋律が、

とても魅力的。


スロヴァキア民謡がベースでしょうか?


熟達したオーケストレーションにより、

表情豊かに情感溢れる旋律が紡がれています。

編成にハープや鉄琴も用いられ、壮大で奥深い印象です。


最終楽章(第4楽章)は、

ドヴォジャークのチェロ協奏曲の様に勇壮さに溢れていて、

70年代ヒーローサウンド好きに聴かせたくなります。


こんな曲は、もっと多くの人々に知られるべきだと思います。

特に、ドヴォジャークのファンには聴かせたい!!

どうも、CD化されていない様です。非常に勿体無い!!


『きよしこの夜』は、管弦楽伴奏による20分近くもする長大なミサ曲ですが、

壮大さと癒し系の合わさった印象で、中々魅力的な旋律であるため、

退屈さを感じません。


スロヴァキア民謡のピアノ編曲版もYouTubeに出ていました。

『山腹の乗馬』は、YouTubeに原曲と思われるものも出ていましたが、

中々魅力的な民謡だと思います。

http://www.youtube.com/watch?v=G8oxL8J84aU


そういえば、今までスロヴァキア民謡に

まともに目を向けた事がありませんでした。

今後、スロヴァキア民謡についても色々調べてみようかと思います。


トルナウスキーの曲は、実はYouTubeに結構な数が出ています。

色々お聴きになられる事を、お薦めいたします。




【追記】

・シネイデル=トルナフスキー → シュナイデル=トルナウスキー

よく調べてみたところ、ミドルネームは、

Matyikaさんの仰る通り「シュナイデル」、

「トルナフスキー」は「トルナウスキー」が正しい事が分かりました。


チェコ語と兄弟言語とは言え、

音節末の「v」は、英語の「w」と同じになるようです。


改めて「トルナウスキー」で検索してみると、

幾つかそう記述している頁を見つける事ができました。

ここにお詫びして訂正いたします。


また、大した違いは無いと思うのですが、

母音を伴わない「š」は「シ」から「シュ」、

母音を伴わない「č」は「チ」から「チュ」表記に改めました。


・山腹の乗馬 → 馬は土手に沿って走る

英語訳から日本語に訳したのですが、2種類くらいあって、

その内間違っている方の英語を訳してしまいました。

ここにお詫びして訂正します。




【追記2】2015年12月15日

トルナウスキー室内管弦楽団(Trnavský komorný orchester)

という演奏団体がある様で、トルナウスキーの作品を中心に、

幾つかCDを出している様です。


公式サイトがあり、そこで、CDの試聴もできます。

Ukážky « Trnavský komorný orchester


以下に、その内の一枚を示したいと思います。


Mikuláš Schneider-Trnavský  Songs

ミクラーシュ・シュナイデル=トルナウスキー:歌曲集

CD Mikuláš Schneider-Trnavský: Piesne / Songs

歌:ハナ・フリエドヴァー(Hana Friedová)

歌:ダニエル・チャプコヴィッチ(Daniel Čapkovič)

演奏:トルナウスキー室内管弦楽団(Trnavský komorný orchester)

【発売:2014年】




交響曲ですが、残念ながらCDはありませんが、LPならあります。


YouTubeに上げられた音源は、このLPからの様です。


Opus 9110 1093-94

スロヴァキア国民楽派の作曲家

ミクラーシュ・シュナイデル=トルナウスキー

Tvorcovia slovenskej národnej hudby – Mikuláš Schneider-Trnavský

・交響曲 ホ短調『追悼』(1956年)

Symfónia e mol “Spomienková”

・交響詩『プリヴィナの約束』(1933年)

Symfonická báseň “Pribinov sľub” op. 68

演奏:スロヴァキア放送交響楽団(Symfonický orchester Slovenského rozhlasu)

指揮:オンドレイ・レナールト(Ondrej Lenárd)

・山を越え、低地を越え

Za horami, za dolami

他2曲 

合唱:スロヴァキア教師合唱団(Spevácky zbor slovenských učiteľov)

合唱指揮:ペテル・フラヂル(フラディル)(Peter Hradil)

・ソナタ(ヴァイオリンとピアノ)

Sonáta g mol pre husle a klavír, op. 12

ヴァイオリン:ヴィクトル・シムチスコ(Viktor Šimčisko)

ピアノ:ヘレナ・ガーッフォロヴァー(Helena Gáfforová)

【Opus 9110 1093-94】1981年

Skladateľ [Schneider-Trnavský, Mikuláš]/ MCS - Hudobné centrum




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