ルーツィヤ・ガルータ(Lūcija Garūta)ラトヴィアの作曲家 | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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Lūcija Garūta


画像はコチラから拝借↓

Lūcija Garūta - Musica Baltica


ピアニスト、詩人、女性作曲家

1902年、リーガ(Rīga)生まれ(当時はロシア帝国領)

 

国立ラトヴィア音楽院(Latvijas Tautas konservatorijas)で、

ヤーゼプス・ヴィートルス(Jāzepa Vītola)

ヤニース・メディンシュ(Jānis Mediņš)らに学び、

エコール・ノルマル音楽院(École Normale de Musique de Paris)で、

アルフレッド・ドゥニ・コルトー(Alfred Denis Cortot)、

イズィドール・フィリップ(Isidor Philipp)、ポール・ル・フレム(Paul le Flem)、

ポール・デュカス(Paul Dukas)らに学ぶ。


ピアニストとして活躍していたが、病気のため、作曲家に転じた。


フランス印象派やスクリャービンの影響を受ける。


ソヴィエト政権下のラトヴィアに留まり、作曲を続けながら、

ラトヴィア音楽院で教師を続けた。

1977年、リーガにて死去。


管弦楽曲、室内楽曲、ピアノ協奏曲、合唱曲、独唱曲などを作曲した他、

民謡編曲も行った。


代表作、

カンタータ『神よ、あなたの大地は燃えている!』

(Dievs, Tava zeme deg !)

の初演は、第二次世界大戦の最中に行われた。

合唱指揮は、テオドルス・レイテルス(Teodors Reiters)が行い、

ガルータは、パイプオルガンの演奏を受け持った。


ソヴィエト政権時代は、宗教的民族的理由から演奏が禁止されていたが、

1990年、ラトビアの歌と踊りの祭典

(Vispārējie latviešu Dziesmu un Deju svētki)

に於いて、復活演奏された。


【代表作】

交響詩『伝説』(1932)

“Teika” simfoniskajam orķestrim

交響詩『瞑想』(1934)

“Meditācija” simfoniskajam orķestrim

交響的変奏曲『我が祖国』(1935)

“Manā dzimtenē”, simfoniskās variācijas

歌劇『銀の鳥』(1938, 1960)

“Sidrabotais putns”, opera

カンタータ『神よ、あなたの大地は燃えている!』(1943)

(テノール、バリトン、合唱、オルガン)

“Dievs, Tava zeme deg!”, kantāte tenoram, baritonam, korim un ērģelēm

ピアノ協奏曲嬰ヘ短調(1951)

Koncerts klavierēm ar orķestri fa diēz minorā

交響的物語『黄金の馬』(1959)

“Zelta zirgs”, simfoniskā teiksma

カンタータ『彼は飛ぶ』(1961)

“Viņš lido”, kantāte

オラトリオ『生ける情熱』(1966)

“Dzīvā kvēle”, oratorija


※Wikipedia日本語版、ラトヴィア語版などを参照。

ルーツィヤ・ガルータ(Wikipedia)


ピアノ協奏曲嬰へ短調

ピアノ:リエネ・ツィルツェネ(Liene Circene)

http://www.youtube.com/watch?v=I0iaMpJ8-iI


後期ロマン派の様式で、作品の完成度はとても高く感じます。

技巧性もかなりあって、聴き応え充分です。


特に印象的なのは、そのメロディ。

私はラトヴィア民謡にそんなに精通している訳では無いので、

ラトヴィア民謡が用いられているのかどうかは分かりませんが、

かなりローカルな民謡的な雰囲気を感じました。


全体的に魅力が溢れていて、映画音楽にでも使えそうとか思いました。

全3楽章で、演奏時間も約35分と、ピアノ協奏曲としては平均的ですね。




この作曲家は、アンドレイス・ユルヤーンス(Andrejs Jurjāns)

の紹介記事(2010年8月23日公開)を書いている時に知りました。

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10627679157.html

ユルヤーンスの代表作であるカンタータ『我が祖国に』のCDに、

日本語Wikipedia頁でも詳述されている

『神よ、あなたの大地は燃えている!』

がカップリング収録されているのです。

【RIGA RECORDING STUDIO RS 020】


このCDは、ユルヤーンスの存在を知ったばかりの時に、

彼のCDが存在するのかどうかの確認の為にAmazonで検索して知りましたが、

その時既に、現在はお取り扱いできません、という断り書きが出ていました。

しかもその時は、ガルータとのカップリングであるとは気付きませんでした。

ブログ記事を書いている時に初めて気付いたのです。


どんなものか聴いてみました。

『神よ、あなたの大地は燃えている!』

http://www.youtube.com/watch?v=rttecfu1NBQ


情感溢れるメロディがなんとも美しく、聴き心地がとても良いと思いました。


後半は一部、退屈に思える様な部分があるかも知れませんが、

瞑想的で心が洗われる様な雰囲気なので、苦痛には感じませんでした。


ラトヴィアのメロディは、

心を深い所からグッと揺さぶって来るような所が特徴的だな、と。

クライマックスは荘厳さに溢れており、

平和への祈りを込めているかの様です。

約50分


以前、ヤーニス・カルニンシュ(Jānis Kalniņš)

カンタータ『無縁墓地』(Kantāte “Asins Tīrums”1958)

アルフレーツ・カルニンシュ(Alfrēds Kalniņš)

カンタータ『海』(Kantāte “Jūŗa” 1929-1930)のカップリングCDを

2008年11月18日の記事で紹介しましたけど【NYLCC 007】

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10166368762.html

それらに雰囲気がちょっと似ていると思います。


これらの曲もとても良いと思います。

旋律の明解さでは、これらの曲の方が上かも知れません。


それにしても驚いたのは、こんなマイナーな作曲家であるにも拘らず、

Wikipedia日本語版頁が作られていたこと。

記事を書く上で大分助かりました。




◎CD化状況

既に紹介したユルヤーンスとのカップリングでカンタータのCD↓

Latviesu patriotiskas kantates - BalticShop.com

RIGA RECORDING STUDIO RS 020


歌曲と室内楽曲のCD↓

Lucija Garuta Kvelot, liesmot, sadegt - BalticShop.com

Lucija Garuta Kvelot, liesmot, sadegt - Latvian Canadian Cultural Centre

Lūcija Garūta, Kvelot, liesmot, sadegt, CO-KT01


オリヴィエ・メシアンとのカップリングでピアノ曲のCD↓

Lūcija Garūta. Zvaigznes skatiens. Olivier Messiaen. Regard de l'etoile - BalticShop.com

Lūcija Garūta, Olivier Messiaen


オムニバスで、合唱作品『小さな白い羊』『我が祖国』収録のCD↓

Ave Sol Ai, manā zemītē (My Homeland) - BalticShop.com

Lūcija Garūta, Ave Sol Ai, manā zemītē


ピアノ協奏曲のCDが見つけられないのですが、

恐らく存在しないのかも知れません。

YouTubeに出ているのは、ラジオ放送を録音したものでしょうか?

リエネ・ツィルツェネというピアニストは、最近の人です。




【疑問】

ラトヴィア語で「銀」は「Sudrabs」なのですが、『銀の鳥』では、

「Sidrabotais putns」という風に、「u」が「i」になっています。


単なる打ち込み間違いにしては、

ラトヴィア語の文章でこの綴りで書いているWeb頁が

幾つかあったりするので、その辺どうなのかな?と思います。


「Sidrabotais putns」と「Sudrabotais putns」の検索件数を比べてみると、

前者の検索件数が後者に比べて極めて少ないのですが、

ガルータの曲について紹介している頁では、前者の表記が多い様なのです。

こういう表記でもあっているという事でしょうか?


Wikipediaでは、言語によって、「ピアノ協奏曲」の作曲年が、

「1951年」であったり「1952年」であったりと、内容のズレがあります。


交響的変奏曲『我が祖国』も、言語によって、

「1935年」であったり「1936年」と、

内容にズレがあります(2013年2月22日現在)。




【追記】

当記事を上げた後に改めて「ルーツィヤ・ガルータ」を検索してみた所、

検索結果に大きな変化があったようで、

『日本ガルータ協会』なる言葉を見つけました。


その協会のHPがかつてあった様ですが、現在は削除されているようです。

http://www.geocities.jp/garuta1902/ (リンク切れ)




【画像追加】

CDの画像を4枚追加。(2015年10月19日)




【関連エントリー】

アンドレス・ガオス・ベレア(Andrés Gaos Berea)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11296706502.html

アウフスト・ドゥ・ブック(August de Boeck)(2)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11455645453.html

ヤコポ・フォローニ(Jacopo Foroni)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11443177489.html

スタニスラヴ・ビニチュキ(Станислав Бинички, Stanislav Binički)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11415497564.html

ヤーン・レヴォスラウ・ベッラ(Ján Levoslav Bella)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11400956813.html

アルヴィーツ・ジリンスキス(Arvīds Žilinskis)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11418236169.html

イスィドル(イシドル)・バイッチ(Исидор Бајић, Isidor Bajić)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11415057548.html

ヘラルト・フォン・ブリュッケン=フォック(Gerard von Brucken-Fock)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11407212387.html

ジャンヌ・ベイエルマン=ヴァルラーフェン(Jeanne Beijerman-Walraven)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11407224986.html

カルル・アントーン・スミュルデルス(Carl Antoon Smulders)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11401182797.html

ヴィリアム・フィグシュ=ビストリー(Viliam Figuš-Bystrý)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11381178538.html

エレクレ(エラクリウス)・ジャバダリ(ერეკლე ჯაბადარი)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11362582157.html

アイナ・ボイル(Ina Boyle)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11385575289.html

ステファン・エルマス(Ստեփան Էլմաս)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11385341145.html

ミクラーシュ・シュナイデル=トルナウスキー(Mikuláš Schneider-Trnavský)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11381174298.html

リティア(リディア)・アウステル(Lydia Auster)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11361152188.html

ニコハヨス・ティグラニャン(Նիկողայոս Տիգրանյան)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11372831556.html

未CD化交響曲の色々(ロマン派・国民楽派・無名作曲家限定!!)(2)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11259011718.html

マイナークラシック音楽紹介記事アドレス保管庫(8)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11363548060.html