デイム・エセル・メアリー・スマイス(1858-1944)
Dame Ethel Mary Smyth
軍人である厳格な父に反発し、ドイツに渡る。
ライプツィヒ音楽院にて、
ザーロモン・ヤーダスゾーンとカール・ライネッケに学んだ後、
ハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルクに作曲を学ぶ。
1922年には、音楽的な功労により、『デイム』の称号を授与される。
『デイム』とは、男性でいう『ナイト』(Knight)に相当する敬称。
【主な作品】
・交響的セレナードニ長調(1890)
Symphonic Serenade in D Major
・ミサ曲ニ長調(1891)
Mass in D Major
・歌劇『難船略奪民』(1906)
Opera “The Wreckers”
・合唱と管弦楽のための『女たちの行進』(1911)
“The March of the Women” for choir and orchestra
・歌劇『掌帆手』(1914)
Opera “The Boatswain's mate”
・ヴァイオリンとホルンのための二重協奏曲(1928)
Concerto for Violin, Horn and Orchestra
歌劇『難船略奪民』序曲
Opera “The Wreckers” Overture
http://www.youtube.com/watch?v=maozbZsiK0c
クラシックの女性作曲家には色々います。
取り敢えず今思いつくのだけでも、
イギリスの、
アリス・メアリ・スミス
(Alice Mary Smith)
アメリカの、
エイミー・マースィ・チェニー・ビーチ
(Amy Marcy Cheney Beach)
スウェーデンの、
ヘレナ・マティルダ・ムンクテル
(Helena Mathilda Munktell)
エルフリーダ・アンドレー
(Elfrida Andrée)
フランスの、
ルイーズ・ファラン(ファランク)
(Louise Farrenc)
セスィル・ルイーズ・ステファニー・シャミナード
(Cécile Louise Stéphanie Chaminade)
オギュスタ・マリー・アンヌ・オルメス
(Augusta Mary Anne Holmès)
クロアチアの、
ドーラ・ペヤチェヴィチ
(Dora Pejačević)
ポーランドの、
テクラ・ボンダジェフスカ(バダジェフスカ)=バラノフスカ
(Tekla Bądarzewska-Baranowska)
ドイツの、
クララ・ヨゼフィーネ・シューマン
(Clara Josephine Schumann)
沖縄の、
金井喜久子
等がいます。
その中には、当時の女性に対する差別・偏見と闘った
『闘う女』な人は少なくないですが、
今回紹介する作曲家は、まさにそういう感じの女性だそうです。
フェミニズムの運動家としても活躍したそうですが、
その中でも取り分け戦闘的である女権運動の闘士、つまり、
サフラジェット(Suffragette)だったそうです。
恐らく、フェミニズムの勉強をしている人の間では、
彼女の名前はよく知られているのでしょうね。
今回紹介するオペラ『難船略奪民』を聴いてみると、
まさにそういう雰囲気を感じずにはいられません。
力強い重厚な響きと、怒涛の如き情熱溢れる勇壮な旋律!!
例えば、序曲の冒頭附近の旋律は、
同じ女性作曲家であるエイミー・ビーチの、
交響曲『ゲール風』(Symphony “Gaelic”)
の第一楽章辺りを彷彿とさせます。
また、カミングアウトしてはいませんが、
同性愛者でもあったそうです。
色々と濃い女性ですなあ。
当然の事乍ら、声楽作品には、
フェミニズムやレズビアン・フェミニズムの思想が
盛り込められたものが認められます。
CD化についてですが、『ミサ曲』や『難船略奪民』、
『ヴァイオリンとホルンのための二重協奏曲』等、
代表作は取り敢えず押さえられ、その他、
室内楽作品等も出ていますが、
『難船略奪民』は残念ながら廃盤らしいです。
Wikipedia日本語版では、
ミサ曲が『ニ短調』と出ているのですが(2012年6月10日現在)、
よく調べてみたら、ニ長調の誤りです。
“D”が大文字ですし、検索すると“Major”とは出てきますけど、
“minor”とは出て来ません。
エセル・スマイス『難船略奪民』
Ethel Smyth The Wreckers
演奏:BBCフィルハーモニー管弦楽団
BBC Philharmonic Orchestra
合唱:ハダースフィールド合唱協会
Huddersfield Choral Society
指揮:オダリネ(オダリーネ)・デ・ラ・マルティネス
Odaline de la Martinez
他
【CDCF 2501】
【追記】2016/2/28
肖像写真を追加。
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モンゴルのクラシック音楽について調べてみた
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