今年(2009)の夏、ポレポレ東中野で見損ねて以来、ずっとこの映画が観れる日を
待っていました。
実はその後、ユーロスペースでもやっていたのですが、ネットでその事を確認した時には、
もう最終日が前日だったというタイミングの悪さで。
その時、日帰りで行くのにそんなに不便ではない近場で尚且つ一番近い上映日
の映画館を調べてみたところ、12月に上映するという下高井戸シネマだと分かり、
その日までずっと楽しみに待っていました。
12月19日からの上映だったんですが、私はその日は仕事だったので、
翌日行きました。
下高井戸シネマには今回初めて行きました。
何か、ユーロスペースとかアップリンクみたいな、ちょっとマニアック臭漂う映画館
に感じられたんですけど、そう認識していいのかどうか、決め付けるにはちょっと不安なんですが、少なくとも、私が好きそうな映画を結構取り扱っているみたいなので、
今後贔屓にするかも知れません。
以前紹介した『九月に降る風 』という台湾映画も来年(2010)上映するみたいですし。
改めてHPを見てみたら、アップリンクでもやってたのか?
見落としていたのかな?
まあ、下高井戸シネマの方がゆったり見れたからいいや。
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肝心の映画の内容なんですが、未だ観ていない人の為に、
余りネタバレになる様な事は書けませんが、自分の勝手な判断で出しても
良いかもと思う事は、書くかも知れません。
まず、本映画の主役となる人物は5人いるのですが、全て戦前生まれの台湾人という事。
それから、全ての人が日本語が話せるという事。
主にインタビュー形式であり、自分の実際に体験した事を、自由に語ってもらっています。
台湾の歴史を観客に理解して貰うためのナレーションや古い映像なども
差し挟まれたりする。
登場人物は、台湾原住民系の人や、本省人(清時代等の戦前に中国大陸から
移住してきた中国人)など、色んな立場の人がいます。
本省人でも、客家系と思われる人も出てきます(客家語が出てきたので)。
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まず、戦後の左巻き洗脳教育を受けている日本人に見せてあげたい。
大きなショックを受ける事は間違いありません。
まともな思考力を持っている人なら、「日本は戦前アジアに対して酷い事をした
にも拘らず、何故戦前世代の台湾人は、日本をそんなに誉めるのか?」
という素朴な疑問が湧く筈です。
その答が、この映画に示されています。
イデオロギーの話とか右左とか、そういった余計な事は一切かなぐり棄て、
まっさらな気持ちで観て欲しい。
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戦前に生まれ育った台湾人には、中国人(漢族)としての意識がありません。
でも中国人と台湾人を混同してしまっている日本人は多いと思います。
その原因は、本省人が中国系であるという事や、名前が中国式である事等が、
理由としてかなりのウェイトを占めていると思います。
つまり、『紛らわしい』。
清時代の中国では女性の渡航が禁じられていて、現地人女性と結婚するしかないので、
100%混血なんですね。
それ以前に、福建省の辺りから渡航する以前に、福建省辺りにいた少数民族との
混血も行われていて、既にその時点で混血でした。
台湾人が、自らを中国人だと思わない大きな理由の一つは、やはり戦後の外省人
(終戦直後に中国から渡ってきた中国人)による台湾人虐殺『228事件』『白色テロ』
とそれによって引き起こされた外省人に対する不信感が原因でしょう。
人間形成は、教育によるものが全てで無いにしても、かなり大きなウェイトを占めているのだなというのが分かります。
本省人は、基は中国人であるにしても、昔の良い意味での日本人気質を教育によって施され、中味が日本人化しました。
戦後、大陸からネイティヴの中国人が共産軍との戦いに敗れて逃げ延びて来ました。
本省人にとっては、自分達のルーツだと思って最初は歓迎したわけですけど、
元々ゴロツキを駆り集めたのではないか?という噂もある国民党軍に対して台湾人が違和感を感じていったのは自然の成り行きでしょう。
実は、映画の中にもそういった話が出てきます。
私は別に、中国人の悪口を言うつもりは毛頭ありませんが、国民党軍軍人には、
民度の低いケダモノみたいなのがいたのは間違いないと思います。
戦後の国民党主導の洗脳教育によって、中華意識を植え付けられた若い世代の
台湾人は多いようですが、それを言うなら戦時中の台湾人に対する皇民化教育も同じだろうという反発もあろうかと思います。
中華意識を教育されるのと皇民化教育されるののどちらがより弊害があるのか
分かりませんが、少なくとも中華意識を持った人の方が、自分や身内の事しか
考えないエゴイスティックな人間になり易い気はします。
だって、中国人のマナーの悪さが問題になっているじゃないですか。
北京五輪の時、マナー向上キャンペーンが行われたという話はテレビでもやってました。
http://www.tabinet.info/beijing-olympic/info/page_3.html
中国の民度の低さは昔からあったようで、清末民初の天才知識人梁啓超
(リャン・チーチャオ)は、まず民智を高めてからでないと議会政治は無理だと
『開明専制論』で述べています。
日本では、江戸時代に寺小屋で一般庶民に教育が施されていましたから、
中国と日本では状況が違っていたわけです。
誤解を与える書き方してしまっているかも知れないので、はっきりと述べておきます。
私は別に、中国人を蔑視しているわけではありません。
中国人を全て一括りに考えているわけではありません。
最近の堕落した日本人を見ると、民族性の問題というよりは、
教育の問題だと思います。
単純に、中国でも道徳教育を徹底すれば、
日本人みたいにマナーを守る中国人が増えると思います。
台湾人は日本人によって、皇民化教育関係なく『人様に迷惑掛けてはいけない』
『見返りを求めず人に良くしてやる』などといった『道徳教育』を受けていたと思うので、
それを台湾人は『日本精神』(リップンチェンシン)などと呼んで
賞賛しているわけですよね。
登場人物の口から「支那人」という言葉が出た事に、
左巻き洗脳教育を受けた人はさぞ戸惑う事でしょう。
元々「支那」という言葉は、差別語でも何でもありません。
いつの頃からか差別語という事にされ、日本では表立った所では使えなくなりました。
蔑視語は蔑視語で『チャ〇〇ロ』という言葉が別にあるというのに。
誰かが、何故差別語とされたのか?の考察をしていました(どこで聞いたかは失念)。
『支』という言葉が如何にも『傍流』みたいなイメージなので、
中華意識を持つ人にとっては屈辱的だからではないか?とのこと。
それで、排除しなければ、となったのではないか、と。
この問題についてのネット上の情報です↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%AF%E9%82%A3
http://q.hatena.ne.jp/1114137608
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1111227416
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この映画を見て、NHK特番『JAPANデビュー』を思い出した人も多いと思います。
丁度、『JAPANデビュー』の逆バージョンみたいなんですよね。
そこが凄い興味深いと思いました。
時期的にも、ほぼ同じだし。
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興味深いのは、台湾と韓国の日本に対する態度の180°の違い。
まあ理屈から考えて、自分に対して酷い事をした相手を誉める馬鹿がいるわけないのと、
韓国の歴史認識の突っ込み所の多さを考えれば、どちらが正しいか嘘つきかが
簡単に分かると思います。
台湾人が日本に対して怒っているのは、過酷な支配に対してではなく、
戦後見捨てられた事に対してなのです。
これに関しては、『JAPANデビュー』に登場した柯徳三さんも、同様の事を
『チャンネル桜』のインタビューに答えています。
寧ろ、日本の統治に対しては、誉めてます。
それから、どこの世界にも”良い人””悪い人”はいるのは当たり前で、
台湾人に差別的態度を取った日本人の話や、学業を続けられる様に励まし援助した
日本人の話も映画に出てきます。
どこかの偏った考えの人みたいに、悪い部分だけを見るという歪んだ行為は
したくないものです。
日本人自身が「日本は台湾をよくしてあげた」と言っても説得力は余り無いかも
知れませんが、そういった言葉が台湾人の口から発せられた衝撃!!
登場人物の中には、今現在でも天皇を敬愛する気持ちを抱いている人もいて、
素直に驚きです。
左巻き洗脳教育を脱している現在の私の感覚でも理解できません。
『皇民化教育』による”洗脳”の弊害でしょうか?
私は『右翼』でも何でも無いので、敢えてそういう言い方をします。
でもその事で誰にも迷惑掛けてませんから、天皇を敬愛するのは個人の自由です。
それから、戦前教わったという昔の日本の歌を嬉々として歌う姿も、感動を覚えます。
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私は心情的に、『台湾原住民』に特に肩入れしています。
元々1000年以上も前から、彼らが住んでいたわけですから。
本当の台湾の主人は、彼らでしょう。
その意味では、日本と台湾は状況が似ている気がします。
台湾原住民は、さしずめ縄文人。
本省人は、さしずめ弥生人(渡来人)。
違法入国してまで日本に住みたがる外人の多い日本の状況と、
台湾原住民の割合が全体の2%しかいない状況。
私は、顔立ちからして縄文系なので、その意味でも親近感があったりします。
原住民の方々、頑張ってください!!
でも、日本を愛する人であれば、本省人も原住民も好きです!!
”右翼”とかなんとかではなく、素直さが好き。
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パンフレットは、800円です。
右寄りと思われる人から左寄りと思われる人、映画評論家、拉致被害者の蓮池薫氏
まで、様々な人による感想、意見が掲載され、公平で幅広い人選だなと感心。
その他、撮影の行程や台湾の歴史年表なども掲載され、読み応え充分!!
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今時のグダグダな日本人と、日本人以上に良い意味での日本人らしさを持つ
元気の良い戦前生まれの台湾人を見ると、今の日本を何とかしなければと思うのです。
でも、具体的にどうすれば良いのか分かりませんが。
取り敢えず、テレビや教科書が教えてくれない台湾の真実の一端を垣間見れて
感動でした!!
『海角七号』(2008)も、2009年12月26日に日本公開するし、益々嬉しい限り。
客家人による抗日闘争(乙未戦争)を描いた『1895』(2008)も、日本に縁のある映画なので、是非日本公開して欲しい。
キャストに日本人もいます。
話によると、歪んだ内容の反日プロパガンダ映画では無く、抵抗者側は抵抗者の、
日本側は日本の立場に立った公平な内容で描かれているらしいので、
その意味でも見たい!!
NHK言うところの『日台戦争』とはこの事をさすようですが、
日本側の正式な呼称は『台湾征討』です。
【記事更新:2009.12.24】
映画『台湾人生』HP
監督:酒井充子
場所:下高井戸シネマ
時間:10:05~11:30(モーニングショー)
期間:2009年12月19日(土)~25日(金)
http://www.shimotakaidocinema.com/
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