スケルツォ‐荒地のメロディ(SCHERZO‐Verwitterte Melodie)1942年 | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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スケルツォ‐荒地のメロディ

SCHERZO‐Verwitterte Melodie (1942)

ドイツのアニメーション

 

 

監督(Regisseur):ハンス・フィッシャーケーゼン(Hans Fischerkösen)

作(Idee):ホルスト・フォン・メレンドルフ(Horst von Möllendorff)

音楽(Musik):ローター・ブリューネ(Lothar Brühne)

 

映像:カラー

時間:10分

制作:1942年

初公開:1943年

 

Verwitterte Melodie(Wikipedia, English)

Verwitterte Melodie - Wikipedia

 

このアニメの存在は、或る意味衝撃的と言えると思います。

何故なら、ナチスドイツ時代のドイツで制作されたからです。

しかも、プロパガンダのプの字も無い!!

ひたすら可愛く美しく、可笑しい。

 

アメリカなんか、ディズニーやワーナーが、

対戦相手の国(日本など)を誹謗するアニメを

戦時中に制作していたというのに・・・。

 

同じくフィッシャーケーゼンとメレンドルフが制作した

『雪だるま』Der Schneemann(1943)

も同様、見てて頬が緩んでくる内容です。

本来悲しい筈の結末が、

何故だか明るく楽しく描かれている上に、

政治臭全く無し!!

 

うがった見方をすれば、

或る意味プロパガンダと言えなくも無い。

北朝鮮の「地上の楽園」みたいに、

ナチスの良いイメージを偽装するという意味では。

 

フィッシャーケーゼンとメレンドルフは、

ほのぼのした曲の『ハイケンスのセレナーデ』で有名な

ジョニー・ハイケンス(Jonny Heykens)の様に、

ナチスへの協力的な姿勢を疑われて

逮捕されたりしたのかどうかは不明です。

フィッシャーケーゼンは戦後も活躍したようですが、

メレンドルフの方は、戦後はアニメを制作せず、

漫画を描くに留まったそうです。

http://homepage1.nifty.com/gon2/cartoon/cartoon07.html

 

フィッシャーケーゼンとメレンドルフのアニメを幾つか見ましたけど、

所謂『フルアニメーション』で、動きが細かく、

しかも違和感の無い滑らかな動き。

技術的にはとても高いものを持っています。

 

『荒地のメロディ』も、

視点を移動させる時の背景の動かし方の見事さや

埃の舞う描写の細かさに脱帽!!

”ドイツのディズニー”

”ドイツのフライシャー兄弟”

と呼んでも差し支えないと思います。

 

悪いイメージばかりのナチスドイツですが、

私は決してナチスを擁護するつもりもありませんけど、

ナチスの隠れた驚きの一面を垣間見た気がしました。

 

私は、物事を出来るだけ公平に見ようと努力しているので、

チベットウイグル問題で評判の悪い中国や、

イスラム世界との諍いで評判の悪い

イスラエルのアニメにも目を向けています。

それと同じノリで、

ナチス時代のドイツのアニメにも目を向けるのです。

 

元々、ナチスが何故ドイツの大衆に支持されたのか?

当時の事をよく研究する必要性はあると思います。

第一次世界大戦に於ける敗戦によって

過酷なヴェルサイユ条約を締結させられた事によって

引き起こされた経済的打撃や

傷つけられたドイツの民族意識。

その民意を巧みに取り入れ、

フォルクスワーゲン(国民車)や

アウトバーン(高速道路)建設などで

高い支持を得たナチス。

何と、あのアドルフ・ヒトラーが、

ノーベル平和賞にノミネートされていた!!

http://www.di-ve.jp/2009/10/post-696.html

ナチスが悪いというより、ナチスを育てた環境が悪い。

また、アメリカは、ネイティヴアメリカン迫害や

フィリピン人大虐殺、ハワイ強制併合、有色人種差別などを行い、

イギリス、オランダ、フランスは、アジアやアフリカを植民地にしていて、

人を非難する資格が全くありません。

 

このように、物事は多面的に見ないといけません。

『アメリカとイギリスは善。ドイツと日本は悪』

という単純馬鹿な発想では、正確な状況把握はできません。

 

とにかくこのアニメは、内容が華やかで可愛らしいだけに、

ナチスの生んだ”徒花”(あだばな)としての存在が、

悲しすぎると感じました。

 

【追記:2022/1/27】

YouTube貼り付け

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スケルツォ‐荒地のメロディ

SCHERZO‐Verwitterte Melodie (1942)

ドイツのアニメーション

 

 

監督(Regisseur):ハンス・フィッシャーケーゼン(Hans Fischerkösen)

作(Idee):ホルスト・フォン・メレンドルフ(Horst von Möllendorff)

音楽(Musik):ローター・ブリューネ(Lothar Brühne)

 

映像:カラー

時間:10分

制作:1942年

初公開:1943年

 

Verwitterte Melodie(Wikipedia, English)

Verwitterte Melodie - Wikipedia

 

このアニメの存在は、或る意味衝撃的と言えると思います。

何故なら、ナチスドイツ時代のドイツで制作されたからです。

しかも、プロパガンダのプの字も無い!!

ひたすら可愛く美しく、可笑しい。

 

アメリカなんか、ディズニーやワーナーが、

対戦相手の国(日本など)を誹謗するアニメを

戦時中に制作していたというのに・・・。

 

同じくフィッシャーケーゼンとメレンドルフが制作した

『雪だるま』Der Schneemann(1943)

も同様、見てて頬が緩んでくる内容です。

本来悲しい筈の結末が、

何故だか明るく楽しく描かれている上に、

政治臭全く無し!!

 

うがった見方をすれば、

或る意味プロパガンダと言えなくも無い。

北朝鮮の「地上の楽園」みたいに、

ナチスの良いイメージを偽装するという意味では。

 

フィッシャーケーゼンとメレンドルフは、

ほのぼのした曲の『ハイケンスのセレナーデ』で有名な

ジョニー・ハイケンス(Jonny Heykens)の様に、

ナチスへの協力的な姿勢を疑われて

逮捕されたりしたのかどうかは不明です。

フィッシャーケーゼンは戦後も活躍したようですが、

メレンドルフの方は、戦後はアニメを制作せず、

漫画を描くに留まったそうです。

http://homepage1.nifty.com/gon2/cartoon/cartoon07.html

 

フィッシャーケーゼンとメレンドルフのアニメを幾つか見ましたけど、

所謂『フルアニメーション』で、動きが細かく、

しかも違和感の無い滑らかな動き。

技術的にはとても高いものを持っています。

 

『荒地のメロディ』も、

視点を移動させる時の背景の動かし方の見事さや

埃の舞う描写の細かさに脱帽!!

”ドイツのディズニー”

”ドイツのフライシャー兄弟”

と呼んでも差し支えないと思います。

 

悪いイメージばかりのナチスドイツですが、

私は決してナチスを擁護するつもりもありませんけど、

ナチスの隠れた驚きの一面を垣間見た気がしました。

 

私は、物事を出来るだけ公平に見ようと努力しているので、

チベットウイグル問題で評判の悪い中国や、

イスラム世界との諍いで評判の悪い

イスラエルのアニメにも目を向けています。

それと同じノリで、

ナチス時代のドイツのアニメにも目を向けるのです。

 

元々、ナチスが何故ドイツの大衆に支持されたのか?

当時の事をよく研究する必要性はあると思います。

第一次世界大戦に於ける敗戦によって

過酷なヴェルサイユ条約を締結させられた事によって

引き起こされた経済的打撃や

傷つけられたドイツの民族意識。

その民意を巧みに取り入れ、

フォルクスワーゲン(国民車)や

アウトバーン(高速道路)建設などで

高い支持を得たナチス。

何と、あのアドルフ・ヒトラーが、

ノーベル平和賞にノミネートされていた!!

http://www.di-ve.jp/2009/10/post-696.html

ナチスが悪いというより、ナチスを育てた環境が悪い。

また、アメリカは、ネイティヴアメリカン迫害や

フィリピン人大虐殺、ハワイ強制併合、有色人種差別などを行い、

イギリス、オランダ、フランスは、アジアやアフリカを植民地にしていて、

人を非難する資格が全くありません。

 

このように、物事は多面的に見ないといけません。

『アメリカとイギリスは善。ドイツと日本は悪』

という単純馬鹿な発想では、正確な状況把握はできません。

 

とにかくこのアニメは、内容が華やかで可愛らしいだけに、

ナチスの生んだ”徒花”(あだばな)としての存在が、

悲しすぎると感じました。

 

【追記:2022/1/27】

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