RYUJIのサブカル批評 -545ページ目

トラフィック

映画「トラフィック」についてです。

僕は一体、この映画を何回観ただろうか。


エピソード毎に色調を変えるソダーバーグ監督の撮影方法、それぞれの登場人物が、少しずつ繋がっていく緻密な脚本、ドキュメンタリー風な演出方法。そのすべてが秀逸だ。

そして、何より特筆すべきなのは、ベニチオ・デル・トロの自然な演技。

僕は、この作品でのデル・トロの演技は、「ゴッドファーザーpart.2」のデ・ニーロの演技に匹敵するほど素晴らしいものだと思います。自然な演技をするという事は役者にとって、一番難しい事だと思います。


デル・トロ演じるハビエール・ロドリゲスという役の男に、とても共感出来ました。

普通の人は、チェ・ゲバラのような人生は送れないし、ましてやスーパーマンやスパイダーマンにはなれるはずもない。でも、ロドリゲスのようにほんの少しの勇気を持ち、自分の正義を貫いて生きる事は出来そうな気がする。


映画「チェ」だけを観て、ソダーバーグ監督と、デル・トロを悪く評価してしまっている方には、是非、この作品を観て欲しいと思います。


採点/95点


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桑田佳祐の音楽寅さん

テレビ番組「桑田佳祐の音楽寅さん」が問題になっている。

冒頭から桑田が亡くなったという設定にして、「追悼番組」として何の説明もなく番組が始まったので、一部の視聴者が本当に桑田が死んだと思ってしまい、混乱を招いたというのだ。


僕はこの番組を見て、腹が立った。このふざけ過ぎた行為に対してではない。このアイデアは、既にとんねるずが何年も前にやっている。しかも同じフジテレビで。明らかに二番煎じだ。くだらねぇー。つまんねぇー。センスねぇー。大好きな桑田佳祐の出演している番組だからこそやってほしくなかった。

テレビ番組には、やって良いパクリと、やってはいけないパクリがある。

これは、どう考えてもやってはいけないパクリだ。何の新鮮味もないし、笑えない。番組制作者に何のプライドも感じない。悪いけど、この番組の質の悪さは、この時点で決定されてしまった。


誤解のないように言っておくが、僕は桑田佳祐の大ファンだ。だからこそ、はっきり言わせてもらう。

アイデアも悪い、選曲も悪い、何よりも思想が低い。低すぎる。

この番組のプロデューサー・ディレクター・構成作家、皆、顔を洗って出直した方が良い。桑田出せば良いってモンじゃないよ。頼むから、桑田の価値を下げないでくれ。日本の宝だぞ。


採点/5点


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魔人探偵脳噛ネウロ/松井優征

週刊少年ジャンプにて連載していたマンガ「魔人探偵脳噛ネウロ」が今週号で終了した。

このマンガはグロテスクな描写が多く、少年雑誌に掲載される事の是非を巡って何かと話題になっていた作品だ。


「ネウロ」は、少年ジャンプの中でも毎週楽しみにしていた作品の一つだったので、終わってしまうのが、ただ単純に寂しい。最終回は予定調和な感じもしたが、まあ、納得出来る終わり方だったと思う。


松井優征の次回作に、とても期待しています。


採点/70点


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祈り~あなたがいるから/リベラ

少年合唱団リベラのCD「祈り~あなたがいるから」を聴いた。


映画「誰も守ってくれない」の主題歌を聞いて、その美しい声に感動してしまい、CDを購入した次第だ。


ウィーン少年合唱団と双璧を成す合唱団だが、僕はリベラの方が断然好きだ。

ソプラノとアルトだけで構成されるウィーン少年合唱団は、声の美しさは際立っているが曲の広がりに欠けているように思う。それに対して、低音部もしっかりと歌うリベラの方が、僕にとっては聞き応えがある。


AMAZON.jpにて、試聴出来ますので、気になる方は是非、聴いてみてください。


採点/75点


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接吻

DVDにて映画「接吻」を鑑賞。


女優としての小池栄子が評価されている作品。


確かに、小池の狂気染みた表情には目を見張るものがあった。

ただ、小池は今回、地味な女性という役どころなのだが、どう観ても彼女は地味に見えない。顔立ちは派手な方だと思うし、その大きな胸にどうしても目が行ってしまい、「誰からも注目されない」という設定に説得力が無いのだ。


「衝撃のラスト」と謳ってはいるが、最後の展開は何となく予測出来てしまう。


人間の不可解な行動や心理を扱っている作品なので、主人公に共感出来ないのは当然としても、もう少し、観客を映画に引き込み、考えさせられる作品にしないと、ただの訳の分からない映画になってしまう。キム・ギドクの映画と比較される事の多い本作だが、その辺が、ギドク作品の方が一枚上手だ。難解でも、観客の心に訴えかける何かがあり、いつまでも心に残り続ける映画に仕上がっているのだ。そういう意味で、「接吻」はちょっと惜しい作品でした。


採点/60点

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24 リデンプション

「24 リデンプション」をDVDにて鑑賞。


僕は「24」シリーズをシーズンⅠから、すべて観ている。

ここ最近は、物語の展開がマンネリ化していたので、シーズンⅥからⅦを繋ぐこの作品にあまり期待していなかったのだが、これが予想外に面白かった。


ロバート・カーライルが格好良い。格好良すぎるぞ。この役をやらせてもらえるのなら、僕は貯金をすべてはたいても構わない。


「24」の視聴者は、字幕、吹き替え、どちらで鑑賞している人の方が多いんだろうか?

「どきどきキャンプ」の岸学がモノマネし始めてから、吹き替えで観る人が増えたんじゃないですかね。

因みに、僕は最初から吹き替えで観ていました。なので、キーファー・サザーランド本人の声を聞くと、吹き替えの声とのギャップにとても違和感を感じ、今でも馴染めません。


採点/70点


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鋼の錬金術師 22巻/荒川弘

マンガ「鋼の錬金術師」の最新刊を読了。


アニメの新シリーズも放送開始。根強い人気がある作品だ。

僕はどちらかというとマンガよりも、以前に放映されていたアニメの方が好きだ。


映画版「鋼の錬金術師 シャンバラを往く者」も素晴らしかった。

TVアニメ、映画とも、とても暗い。徹底的に暗さにこだわっているのが良い。


「鋼の錬金術師」もアニメが原作を超えた数少ない作品だと個人的には思っている。
ただ、アニメの新シリーズの第一話を見たのだが、うーん、今後が心配だ。
前シリーズのテイストを壊さずに頑張ってほしい。


原作に関しては、もう完結しても良いと思う。

ここまで来たら、これ以上、話を広げるのは難しい。
暗ーく終わって欲しい。このマンガにハッピーエンドは似合わない。


採点/75点


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闇金ウシジマくん 14巻/真鍋昌平

マンガ「闇金ウシジマくん」の最新刊を読了した。


このマンガはスリリングです。

作者はかなりのリサーチを重ねて、このマンガを描いているんだと思う。もしそうでないとしても、そう思わせるだけのリアリティーがこのマンガにはある。


各エピソードの主人公となる人間が、いつもいい加減な性格なのも、とても現実味がある。楽天的な人間ほど、どうにかなるさの精神で、簡単に道から外れてしまい、思わぬ悲劇へと足を踏み入れてしまう。


やくざの描き方はステレオタイプだが、それでも読んでいる間は、悲劇の結末に思いを巡らせて、エキサイトしている自分がいる。「歌舞伎町って、怖ぇー。闇金って、怖ぇー。人生って、怖ぇー。」などと震え上がりながらこのマンガを読んでいるのだ。けど、それはマンガの中だけの話で、普通に生きていれば、実際はそんなに怖いモンじゃないんだけどね。


採点/80点


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クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者

テレビで放映していた映画「クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者」を観た。


それにしても「キンポコ」て・・・・・・。

「クレヨンしんちゃん 雲黒斎(うんこくさい)の野望」に次ぐ珍タイトルだ。


僕は「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」を観て以来、クレヨンしんちゃんの映画は過去に上映されたものも含めて、すべて見ているが、「オトナ帝国」をピークにして、映画は年々つまらなくなってきている。


確かに「オトナ帝国」があまりにも評価が高く、大人向けの作品なのに比べて、この作品の方が子供には馴染み易く、ウケが良いのかも知れない。・・・・・・が、しかし、それにしてもグダグダ過ぎる。


せっかく映画版の「クレヨンしんちゃん」を制作しているのだから、もっとスケールを大きくした方が良いし、笑いよりもアクションや感動を重視した作りにした方が良いと思う。


因みに「オトナ帝国の逆襲」の採点は90点。未見の方は是非。


採点/25点


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やまとなでしこ

今更なのだが、土日を使って一気にテレビドラマ「やまとなでしこ」全11話をDVDにて鑑賞。

僕はこのドラマを見逃していて、周りの評判がとても良いので、いつかまとめて観ようと思っていた。


8~9年前のドラマなのだが、古さを感じさせない、とても良く出来たドラマだった。


タイトルの付け方が絶妙。

僕は松嶋菜々子があまり好きではないのだが、神野桜子の役は彼女が演じたからこそ成立したんだと思う。


現実には、大抵の男性は神野桜子よりも塩田若葉(矢田亜希子が演じた役)を選ぶと思うし、女性は中原欧介(堤真一が演じた役)よりも東十条司(東幹久が演じた役)を選ぶと思う。

なのに、このドラマがある程度の説得力を持っているのは、松嶋菜々子と堤真一、主演二人の演技力と、圧倒的な存在感に尽きると思う。松嶋菜々子は可愛かったし、堤真一の朴訥とした風情には好感が持てた。


残念なのは、サブストーリーがいまいち盛り上がりに欠けている。

筧利夫は、もっと使い様があったと思うし、押尾学に至ってはドラマに何の必要性も感じなかった。

でも、そんな押尾が実生活では、矢田亜希子をゲットしているのだから、人生は分からないモンだ。


採点/80点


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