鈴木清順監督の映画「ツィゴイネルワイゼン」は、恐ろしい映画だ。
僕は高校生の時に、深夜のテレビで放送されていたこの映画を観た。
とても恐い映画だった。「不気味な映画」と言った方が正しいかもしれない。当時、夜中にトイレへ行けなくなりそうになった。
その時に受けたトラウマを克服する為、その後、何度もこの作品を観ているが、観る度に後悔する。「前観た時より、恐くなってね?」
しかし、この映画は、ホラー映画と言うジャンルでは決してない。ではないのだが、なんか出てるよ、幽霊が。本物の幽霊が多分、出ちゃってるよ。じゃなきゃ、有り得ないよ、このオドロオドロしさは。
原作は内田百閒の「サラサーテの盤」と言う小説です。僕は未読です。はっきり言って読む気がしません。読むと、夜、魘されそうです。
採点/90点
僕はテレビドラマ「時効警察」と、「帰ってきた時効警察」両方のDVDボックスを持っています。
映画好きの方は、このテレビドラマを絶対に観ておくべきだと思います。そして、気に入ったんなら買うが良いさ。
僕はもう10回は繰り返し見ています。
いやぁー。テレビドラマ、侮るなかれ。
各話を撮ってる監督、三木聡、園子温、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、岩松了、オダギリジョー等など。
各話のゲスト、松尾スズキ、佐藤蛾次郎、村松利史、西田尚美、永作博美、鳥肌実、犬山イヌコ、片桐はいり、真木よう子、吉高由里子等など。
どうですか、観たくなりませんか?
かなり実験的な事をやってます。
何より、麻生久美子、すっげー可愛いです。
これ観たら、多分、男は皆、麻生久美子のファンになります。
採点/90点
ヴィム・ヴェンダース監督の映画「ベルリン・天使の詩」を鑑賞。
名作なんですよねぇー、この作品。だのに、うーん・・・・・・。何か、不完全燃焼です。ご免なさい。
正直、ピンと来ませんでした。奇を衒った感じが、どうも僕の感性と合わなかったです。
この作品を「傑作」と言う人達は、所謂「インテリさん」だと思います。でも、この映画、ヒットしたんですよねぇー。うーん、分からん。
所々に挿入される「詩」も、意味が良く分からない。と言うか、良い詩と思えない。
唯一、面白いと思ったところは、ピーター・フォークが、ピーター・フォーク役で出演しているところ。彼は刑事コロンボの印象があまりにも強過ぎて、確かに役を付けるとしたら、本人役しかないと思う。日本で言う「渥美清」だな。
DVDにて、映画「TOKYO JOE マフィアを売った男」を鑑賞。
「東京ジョー」と呼ばれた男、ケン・エトーの壮絶な人生を追ったドキュメンタリー映画です。
日系人マフィアとして、恐れられていたケン・エトー。当時の捜査官が受けた彼の印象、実子の印象、実弟の印象、近所に住んでいた人の印象。様々な証言を元にして、「東京ジョー」の正体に迫ろうとしているのですが、彼を深く知れば知る程、彼の事が分からなくなります。ケン・エトーに限らず、人間というのは、そういうものだと思いました。
東洋人がマフィアの大物になるのは無理です。なのに、ケン・エトーがここまで伸し上がれたのは、彼の才能と、度胸と、人柄だと思いました。マフィアの世界でも、人柄は大切なんですね。
ケン・エトーは、とても人懐っこい笑顔を見せますが、見様によっては、とても不気味な笑顔にも見えます。魅力的な人物であったのは、間違いないでしょう。彼はマフィアじゃなくても、どの世界でも一流になれたと思います。
採点/75点
DVDにて、映画「崖の上のポニョ」を鑑賞。
本作は、大ヒットした映画なのですが、どちらかと言うと、あまり良い評価は受けませんでした。
しかし、ジブリ映画が凄いのは、「ジブリ映画としてどうなのか」という評価基準が確立しているところです。一般的なアニメーション映画としては、とても面白く、良く出来た作品です。つまり、宮崎駿の作品は、最初から高いハードルを設定されてしまうという宿命を背負っています。
「ラピュタ」と比べてどうか?「トトロ」と比べてどうか?「もののけ姫」と比べてどうか?という感じでしょうか。
僕は本作を観て、何度か泣きました。年を取るに従って、涙もろくなっていきます。
「自分が汚れている分だけ、純粋なものに触れた時、涙もろくなる」と誰かが言っていました。同感。
宮崎駿の細かい演出が、独特の世界を作り上げています。
ここ最近の宮崎駿の作品は、「遺作になっても後悔しない」と言う、妥協のない作りになっています。
僕は本作での、「水」の描き方が物凄く好きでした。「水」がねっとりと、生き物のように描かれています。
何だかんだ言っても、スタジオジブリは凄いですよ、やっぱり。
採点/75点
マンガ「ヒメアノール」の最新刊を読了。
いつもの古谷実のパターンで、物語は進んでいきます。
冴えない主人公に、綺麗な女の子が言い寄ってきて、二人は恋人同士になるという、普通では有り得ないような展開。そんな夢の様な話と同時進行して描かれる、非日常的な暴力行為。
そして、その二つの非日常的な物語が、どこかで交わり、最悪のシナリオが用意されているのではないかという不安や緊張感を読者に与え続ける古谷実の作法。
「また、このパターンかよ」と言う読者もいるだろう。でも、そんな読者の反応は、古谷実自身が一番よく分かっていると思う。
僕は、古谷実は「究極の物語」を目指しているのではないかと思う。
だから、本当に納得する作品が出来るまで、彼は、何度でも同じテーマ、同じシチュエーションでマンガを描き続けるだろう。
読者に迎合しない、凄い漫画家だと思います。
採点/75点