中小企業の社外人事部 吉崎靖宏のブログ -24ページ目

中小企業の社外人事部 吉崎靖宏のブログ

1.企業の成長と従業員の成長を両立する懸け橋になります。
2.採用と定着・育成の仕組み作りを支援します。
3.リスクをコントロールし、モチベーションを上げる人事処遇制度作りに貢献します。

厚生労働省千葉労働局が違法な長時間労働を複数の事業場で

行っていた企業名を公表しました。

厚生労働省が行政指導の段階で企業名を公表するのは初めて

とのこと。発表によりますと252人の従業員のうち、63人に1か月

当たり100時間を超える時間外・休日労働が認められ、

最長は197時間。

行政指導の段階での公表とは言え、厚生労働省は4つの営業所に

対し1年間に4回是正勧告を行い、(それでも改善しないため

違法な長時間労働が繰り返されていると判断したようです。

 

昨年5月に発表した企業名公表の基準は次の通りです。

(1)「社会的に影響力の大きい企業」であること
具体的には、「複数の都道府県に事業場を有している企業」

であって「中小企業に該当しないもの」であること
(2)「違法な長時間労働」が「相当数の労働者」に認められ、

このような実態が「一定期間内に複数の事業場で繰り返されている」こと

①「違法な長時間労働について」
具体的には、労働時間、休日、割増賃金に係る労働基準法違反が

認められ、かつ、1ヶ月当たりの時間外・休日労働時間が100時間を

超えていること
②「相当数の労働者」について
具体的には、1ヶ所の事業場において、10人以上の労働者又は

当該事業場の4分の1以上の労働者において、「違法な長時間労働」

が認められること
③「一定期間内に複数の事業場で繰り返されている」について

具体的には、概ね1年程度の期間に3ヶ所以上の事業場で

「違法な長時間労働」が認められること。

 

となっています。今回公表された企業は4つの事業場で100時間を

超える時間外・休日労働があったのですが、各事業場で最長時間は

118時間、175時間、182時間、197時間となっており、1人が特別長い

ということではないようです。

明らかに長時間労働を前提とした職務設計になっています。

36協定は提出していましたが、協定時間は明らかに超えています。

法令順守の意識が薄い、とりあえず36協定を出せばいい、と思って

いたのでしょう。

「ブラック企業」と呼ばれる会社は、法律を守る意識の低さが

共通点です。同社はスーパーマーケットなどから棚卸し業務を

請け負う棚卸し代行業であり、長時間労働になりがちな業態です。

しかし、その状況に甘んじて、改善する姿勢を見せなければ

今回のようなことも起こってしまいます。

ジャスダック市場に上場している同社の株価は、公表翌日には

ストップ安になっています。

 

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従業員の健康と組織の生産性との関係については、

様々な議論がされてきました。

従来は従業員の健康を重視して、職場環境の改善を行ったり、

仕事量を減らすなど労働負荷を軽減すれば、コストがかかり

生産性は低下すると考えられていました。

特に中小企業の場合は、「大切なことは分かっているけど

そこまで手が回らない」や「健康は自己管理すべき」と言った声も

よく聞かれます。

また、メンタルヘルスに関しては、「最近の若い人は打たれ弱い」とか

「どう対応すれば分からない」ので放置しているケースも多いようです。

そのために、従業員の健康問題は経営上の優先課題には

なりにくい状況でした。

 

しかし、従業員が健康、特にメンタルヘルスを悪化させて

いれば、集中力や注意力が低下し、仕事の生産性低下や

事故を引き起こすことになります

また、その従業員が休職することになれば、職場は戦力ダウン

になります。最小限の人数で職場を運営している中小企業

などは、休職者の穴を埋めることができず、他の従業員に

しわ寄せがいき不満がたまる、意欲が低下することがあります。

メンタルヘルス悪化による労働力の損失は、決して小さくは

ありません

 

 

●ストレスチェック制度との関連

平成27年12月に労働安全衛生法改正により、従業員50人以上の

事業場では、ストレスチェック実施が義務づけられました。

既に実施済み、または計画中の企業も多いのですが

経営者の方や人事部門の方と話をしても、「法律で決まったから

とりあえず実施する」という感想をよく聞きます

ストレスチェック制度が導入された趣旨がうまく伝わって

いないようです。

厚労省のマニュアルに従って形式的に実施しても、

ストレスチェック制度の目的を達成できないばかりか、

無駄な費用を使うことになってしまいます。

●メンタルヘルスの現状

 

仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスがある

 という労働者は58%(厚労省「労働者健康状況調査2007年」)

 

心の健康問題を有する労働者がいる事業場56.7%

 

過去1年間に心の健康問題で1か月以上休職、

 または退職した労働者がいた事業場25.8%

(独立行政法人労働政策研究・研修機構調査2010年)

 

精神障害による労災認定件数

 請求件数1,456件(前年比47件増)、認定件数497件

(前年比61件増)いずれも過去最高(厚労省2014年度)

 

※この状況下で、メンタルヘルス不調を未然に防止のためには

 

職場環境の改善等により心理的負担を軽減させること

(職場環境改善)

労働者のストレスマネジメントの向上を促すこと

(セルフケア)が重要であり、

そのためにストレスチェック制度が設けられました。

 

ストレスチェックの主目的は「一次予防」です

一次予防とは、身体的な病気の予防と同じように「病気」に

ならないための取り組みです。また、単に病気にならない

ことだけでなく、従業員の生活の質の向上、働く意欲の

維持向上、そして会社の生産性や活力の向上に貢献するという

重要な取り組みです。

 

法律で決まったから実施するということだけではなく、

目的を達成するために手段を選ぶことが必要になります。

(※「二次予防」は早期発見と対処、「三次予防」は

   治療と職場復帰と再発防止、とされています)

 

健康職場モデル

従業員の健康や満足感と組織の生産性を両立させることは

可能であり、むしろ両者には相互作用があり、お互いに強化

できるという考えが示されています。しかし、従業員個人だけ

の問題ではなく、組織特性に原因がる場合は、その原因と

なる組織特性にアプローチしないと抜本的な解決は難しい

とも言われています。

これは、米国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が示した

考え方で、「健康職場(Healthy Work Organization)」モデル

呼ばれるものです。

 

同モデルが示す組織特性は次の3つに分類されます。

・マネジメントの側面

・組織文化/風土の側面

・組織の価値観の側面

 

これらの問題はメンタル不全の原因として統計に表れている

上位の「職場の人間関係」「仕事の質・量」と関係しており、

「セルフケア」だけに力を入れるのではなく、

「職場環境の改善」と同時に改善していくことが必要です。

 

ストレスチェックの実施は、健康職場をつくるために

実施すると考えて、前向きに捉えれば、職場の雰囲気も変わり、

産性向上のきっかけにすることができるでしょう

 

 

 

 

 

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5月13日、厚生労働省から「女性活躍推進法」の進捗について

以下の通り、発表がありました。

 

平成28年4月1日に全面施行された女性活躍推進法では、

一般事業主行動計画の策定及び策定した旨の届出を行った

企業のうち、一定の基準を満たし、女性の活躍推進に関する

状況等が優良な企業について、厚生労働大臣の認定を受ける

ことができる制度が創設されています。

 

認定は、基準を満たす項目数に応じて3段階あり、認定を受けた

企業は、認定マーク(愛称「えるぼし」)を商品や広告、名刺、求人票

などに使用することができ、女性の活躍を推進している事業主で

あることをアピールできます。
また、「公共調達における加点評価」と「日本政策金融公庫による

低利融資」の対象になります。

4月末日までに全国で46社の企業を「えるぼし」企業として認定

しました。

なお、一般事業主行動計画の策定及び策定した旨の届出が義務

づけられている301人以上の大企業における届出率は4月末日

現在85.0%とのことです。

 

本文中の「えるぼし」はこんな感じです。

 

 

 

星の数は、厚生労働省が定める評価項目5項目のうち

1又は2項目を満たせば1つ、3又は4満たせば2つ、

すべて満たせば3つとなります。

評価項目は

①採用

②継続就業

③労働時間等の働き方

④管理職比率

⑤多様なキャリアコース

となっています。

 

女性活躍推進法への関心は、一般には高くないように感じますが、

行動計画の届け出義務のない300人以下の企業が859社届出して

おり企業間の温度差見られます

しかし、女性の活躍なしでは将来の発展が難しい企業が多いと

思います。国に言われるまでもなく活躍できる環境整備が急がれます。

女性が多い企業でも「男性の理論」で職場運営していることが多く

無意識に女性の活躍を阻害していることに早く気づかなくてはいけ

ません。

最大の阻害要因は「長時間労働」を是とした職務設計、仕事の

進め方だと思っています。長時間労働になる原因は各社様々です

からその原因を追及することからスタートしてはいかがでしょうか?

 

 

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