前回の記事
の続きです。
あるきっかけによって、前世の記憶を思い出しました。
この邪気は・・・。
あの時のアイツではありませんか。
前世の兄弟子の仇を見つけることになるとは。
ここであったが百年目というのは、こういう時に使う言葉なのですね。
冷静でありつつも、激しい闘志が心に灯るのを感じました。
「今度こそ絶対に祓い切る・・・！」
そう思った時、不意にかぐわしい柑橘の香りがしました。
橘の香りです。
電車内ですから、橘の樹が生えているわけもありません。
霊的な香りでした。
ちょうど次の駅に着くところです。
車内アナウンスでは
「〇〇に到着です。お忘れ物のないように、ご注意ください。」
と放送しています。
で述べたように、霊夢のメッセージで
「橘の香りに導かれる」
と伝えられていましたね。
これは何かあるかもしれない、と感じ、咄嗟に電車を降りてしまいました。
勢いで降りてしまったものの、ここは一体どこでしょうか。
案内板の地図を見ようと探していると、スッと視界の端を人が横切りました。
それはどうやらお坊さんのようで、法衣を着ているのが分かりました。
何故か気になってしまい、失礼の無いように注意しつつ、顔を上げて少しだけ見てみました。
するとそれはなんと、過去生で私の盾となって私を護ってくれた、あの兄弟子の姿だったのです・・・！
「あの！！！」
と声をかけようとするものの、兄弟子は真っすぐ階段のほうへ向かって行ってしまい、こちらを振り返る様子もありません。
これは一体、どういうことなのでしょうか。
驚いていると、ホームの中を吹き抜ける風に乗って橘の香りが香ってきました。
橘の香りに導かれるというメッセージを思い出し、これは後を追え、ということであると理解しました。
急いで兄弟子の後を追うと、車の通りが激しい大きな道路を横切り、繁華街の中へ入っていくところでした。
様々な飲食店が建ち並び、橘の香りを追いかけることは難しい状況であるため、兄弟子を見失わないように追いかけました。
繁華街を通り抜けると、いつの間にか裏路地へ入っていました。
そこは表の通りの雰囲気とは変わり、閑静な住宅街でした。
少し緑も増えて、橘の霊的な香りをキャッチしやすくなりました。
兄弟子はスーッと一定の速度で進んでいきます。
足はあるものの、進む際に足を動かしている様子がないため、やはり霊であるようです。
足の霊的な意味については、
などをお読みください。
リアル過ぎて、霊なのか生きている人間なのかわからなくなるほどでしたが、他の人には見えていないようです。
死後もこうして、転生を経た私をも導いてくれるとは。
後を追いながら歩いていると、前世で一緒に修行をした日々の記憶が蘇ってきます。
見失うことがないよう、注意深く追いかけていたのですが、突然、驚くべきことが起きました。
あるポイントにさしかかった時、目の前を進んでいた兄弟子が、煙のように、ふっ、と消えてしまったのです。
何が起きたのでしょうか。
驚いてそこへ走ると、神社の参道と階段が見えてきました。
兄弟子は、私をここへ連れてこようとしたのでしょうか。
淡い橘の香りを感じます。
中へ入って確かめてみようとするものの、鳥居へと至る階段の手前でその香りが途絶えてしまいました。
どうやらこの神社ではないようです。
鳥居のすぐ横にはお地蔵さんがおられました。
そこで、手を合わせて話を伺ってみることにしました。
お地蔵さんは
「そういうことならきっと、すぐそこじゃ。後ろを振り返ってみなさいな。」
と朗らかに答えてくださいました。
お礼を伝えてから、言われたように後ろを振り返ると、道の少し先から赤いのぼりが出ています。
あれは何かの目印でしょうか。
近付くと、文字が見えてきました。
そこには
「十一面観音」
と書かれているではありませんか。
すぐにのぼりの示す場所へ向かいました。
不意に橘の香りが強くなってきました。
そこはお寺でした。
境内からは清水が湧き出ており、都内であることを忘れるような清浄なエネルギーに包まれた空間でした。
ここが霊夢であのお坊さんが言っていた場所だと思われます。
兄弟子の姿は見えませんが、きっとここに導いてくれたのでしょう。
境内に入ると、頭の中に声が聞こえてきました。
「聖地との縁 ～神仏が告げる真相～」
へ続きます。
読んでいただき、ありがとうございます。
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