桜が美しい季節ですね。
毎年この時期になると、かつてサラリーマンだった頃の自分を思い出します。
先日には
「適応障害」
という言葉がメディアで取り上げられていました。
の中でも詳しく述べましたが、 4月は新しい環境に身を置くことになり、不安や焦りを感じる方が増える時期でもありますね。
新社会人や新しい環境に身を置く方に、私から伝えたいことがあります。
「無理しなくていいよ。今の経験は、無駄や遠回りに思えるかもしれないけど、必ず良い未来に繋がっているよ。だから、辛い時は無理せず休んでいいんだよ。人生のペースは人それぞれだから、誰かと比べなくていいよ。」
と。
サラリーマン時代の私も、毎日憂鬱で会社に行くのが辛い、こんな生き方で良いのだろうか、と常に自問自答していました。
今から10年ほど前の話です。
私は大学卒業後、1年間だけ、サラリーマンを経験しました。
大学時代に教員免許を取得したものの、教員採用試験に不合格だったのです。
大学を卒業する少し前に、ブレイクダンスの世界大会でベスト8になり、調子に乗っていた私は、その勢いで社会に出てもなんとかなるだろうと考えていました。
しかし、当時目指していた教員採用試験に不合格となり、大学の同期たちにかなり遅れて就活をスタートさせることとなってしまったのです。
教員採用試験の不合格は、今にして思えば必然でした・・・。
当時の私は、試験の直前になっても、ほとんど勉強せずに、ひたすらダンスを踊り続けていたのです苦笑
世界大会でベスト8になった実力があるのだから、面接でダンスを披露すればきっと合格になるだろう、などと、半ば本気で信じていました。
次のオリンピックでブレイキン（ブレイクダンスの正式名称）が種目に加わることが決定したため、今のブレイクダンス界は活況ですが、当時はブレイクダンスでプロを目指すというのは、非常に困難な道のりでした。
ちょうど文科省がダンスを教育課程に組み込むという突然の無茶ぶりを発表したタイミングだったこともあり、教師になってダンス部の顧問をすれば、ずーっとダンスを踊り続けていられる、と考えていたのもありました。
我ながら無謀としか言いようがない、脳内お花畑ハッピー野郎でした。
驚いたことに、全く対策をしていなかったにも関わらず、筆記試験は奇跡的に通過しました。
しかし、論文の試験の成績が足りず、不合格となってしまいました。
後で知ったのですが、当時の教員採用試験の論文は、自治体によって模範解答が決められており、それに沿った回答をしないと基本的に合格出来ない、という形式だったのです。
たしか、試験問題は
「どのような授業や課題を出せば、生徒の熱意を引き出せるのか、具体的な例を挙げながら述べよ」
というようなものだったと思います。
何の対策もしていなかったため、試験会場で問題を見て、頭が真っ白になり
「なんじゃこりゃあ！」
と松田優作をチャネリングしてしまいそうになりました。
しかし、その場で頭を捻りまくり、ぶっつけ本番にしては、我ながら納得できる論文に仕上がった、と思っていたのです。
不合格の通知を受け取り、納得できずによく調べたところ、上記のような仕組みを知った次第でした。
教採浪人という選択肢もありましたが、そういう実態を知り、国が決めた教育方針でしか指導できないなんて、酷すぎるなと思ってしまい、教員を目指すのは辞めました。
金銭的に余裕があれば、大学卒業後に海外を自由に放浪したり、自分探しの旅に出ることも出来たのかもしれませんが、私は奨学金を借りて大学に通っていたため、卒業後はすぐに働いて返済をスタートさせるという選択肢しかなかったのです。
ほとんどの企業が募集を締め切っており、周囲の友人は皆すでに内定をもらっているという、ハードモードな状況で就活を開始することになりました。
当時は就職氷河期などと言われており、正社員の募集がそもそも少ないという不利な状況までもが重なり、案の定、就活は難航しました・・・。
全ては見通しの甘さ故の、身から出た錆でしかなかったのですが、自分のテキトーさに心底凹みました。
社会という巨人から
「貴様の価値とは何なのか、それを証明せよ。いつまでも学生などという甘えた身分でいられると思うな。価値なき人間など、落伍者でしかないのだ。労働せよ。価値を示せ。心臓を捧げよ！」
と毎日毎日叱責されているような心境でした・・・。
募集自体が少ないため、いくつものバイトを掛け持ちしてフリーターになる、という選択肢も視野に入れ始めた時、ある会社が私を拾ってくれました。
それは、某予備校の営業職でした。
今でも、ハッキリ覚えています。
最終面接で、人事の人が
「一緒に生徒の夢をかなえようぜ！我々は熱い人を求めている！君にはその覚悟があるか！」
と言ったのです。
社会に出る意味や、自己価値について自問自答し続けていた当時の私は、この言葉に感激し、
「あります！やります！生徒の夢をかなえます！」
と答え、がっちり握手をして採用が決まるという、漫画のような面接でした。
教育業界の会社であれば、教員免許が少しでも活かせるかもしれない、と考えてもいたため、何とか内定をいただくことが出来、やっと安心することが出来ました。
しかし、これは「試練の日々の幕開け」でもあったのです。
へ続きます。
読んでいただき、ありがとうございます。
ps.当時の私は通勤電車の中で自分の守護霊に相談しまくっていました。
どうしてこんなにきついのだろう、何故あの時こうしなかったのだろうと、過去の自分を責めて自己否定を繰り返していましたが、あの時の積み重ねが明確に今に繋がっています。
明けない夜はありません。
必ず、必ず、良い未来が見えてきます。
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