問41 そもそも「神智学」ってなに? どこの国の学問ですか?
答41 西洋、東洋、宗教、思想、哲学、さまざまな流派、すべての差は表面的であり、本質的には違いがないという「折衷主義」がその核になっています。形而上学のひとつともいえ、西洋で発展し、現代の欧米スピリチュアル・ヒーリング界で「神智学」は「権威ある基礎知識」になっています 本日の問答記録 (2015年 12月 ヨヨギ某所)
まぁちゃんマナブー先生が長年研究をしている「エソテリック・ヒーリング」をはじめとするA・ベイリーの著作内容は、神智学の流れを受け継いで書かれていると聞きました。
ところで、、、、この
「神智学(しんちがく)」名前はみなさんもどこかで聞いたことがあっても、ぼんやりとしか知らない、どうも謎めいた部分が多いようですが、、、
いったい
「神智学」ってなになのでしょう? いつの時代、どこの国のものですか? マナブー先生最初に
神智学/Theisiphy(テオソフィー)という言葉を使ったのは、古代ヘルメス思想やピタゴラス・プラトンの思想を引き継いだ、アレクサンドリアの
アンモニオ・サッカス(3世紀頃)という哲学者です。
ただ、こんにち
一般的に「神智学」と言えば、1800年代後半、ロシア出身のブラヴァツキー夫人を中心に設立した、神智学協会(1875年アメリカで設立)に端を発する
「近代神智学」のことを言います。
この「近代神智学」の知識、みなさんにもとても深い関わりがあると言えます。
もっさんそうそう!
ヒーリングやスピリチュアルに関わる分野で、最近ではよく知られている、
基本となるようなスピリチュアル用語、たとえば「エーテル体」や「アストラル体」なんて言葉は、実は
「近代神智学」の文脈のなかで定義され、使われてきたと言われています。
まぁちゃんこのブログにもよく登場しているスピリチュアル用語の発祥が「神智学」?!
それはおもしろそうな学問ですね~。
んん? と、そもそもこれは学問? それとも宗教?
マナブー先生学問という言い方をするならば、
物事の本質を追求した思想哲学体系であり、
形而上学(けいじじょうがく)のひとつと言えます。
まぁちゃん形而上学??? とは???
もっさん形而上学(英:metaphysics)と言うのは、
哲学のいち分野です。
一般的な科学が扱うような目に見える現象、手に取れる現象を超越した、
ものごとの「本質」や、世界の根本的な成り立ち、原理、人間をふくめそれらの存在の理由を、
理性的な思考と直観によって研究・認識する学問なんです。
現代の科学では証明できないような、
神や世界、存在、霊魂などがその主要のテーマになります。
まぁちゃん形而上学、、、なかなか難しい学問そうですね。
では、「神智学」で研究されている形而上学的な内容って、どんなものなのですか?
マナブー先生古来から伝わる
「神智学」の思想の共通点は、いちばん最初に言葉をつくった
アンモニオ・サッカスが語った「折衷主義」にあると言えます。
宗教思想哲学、さまざまな流派すべてのおおもとでは、みんな繋がっている、それらの表面的な差も本質的には違いはなく、おたがいが助け合う関係である──という考え方です。
まぁちゃんへえ~。
では、、、西洋、東洋、どこの国発祥のもの、という訳ではないんですか??
マナブー先生そうとも言えます。
ただ、東洋のヒンドゥー教などは、もともと包含的な性質をもっているのに対し、
西洋では排他的な思想が多いので、やはり
西洋でその必要性が強かったということがあると思います。
今回は「神智学」への理解を深めるために、その
歴史にフォーカスしてみましょうか?
まぁちゃんいいですね!
では、西洋での必要性が高かったということですが、ではその「源」はどこなのでしょう?
マナブー先生あまり古く遡ると大変なので、
ブラヴァツキーの近代神智学成立前夜に、その準備のために登場したとも考えられる
「心霊主義」あたりから行きますね。
近代における心霊主義は
1700年代、霊的体験から著作を多数残した
スエーデンのエマーヌエル・スヴェーデンボルグにはじまるともいえますが、大きな社会的現象になったきっかけは、
1800年代になりアメリカの
フォックス姉妹が霊媒となって行われた交霊会でした。彼女らがおこしたポルターガイスト現象、ハイズビル事件は大きな注目を集めて、
先端科学者も参加しての研究が、とても盛んになったのです。
唯物的な科学が勢力を強める一方で、
それだけでは説明できない現象をも科学的に究明しようという心霊主義が台頭する気運のなか、高度な霊媒として心霊主義者として活動をしていた ロシア出身の
ヘレナ・P・ブラヴァツキー(1831~1891) 通称ブラヴァツキー夫人は、1875年にオルコット大佐を初代会長にたてた
「神智学協会」を設立。いままで関わってきた心霊主義とも決別して
「ベールをとったイシス」や「シークレット・ドクトリン」といった著作で有名になりました。
彼女の著作「シークレット・ドクトリン」が後世に与えた影響は絶大と言われ、
アインシュタインやエジソンも愛読していたとされています。
まぁちゃんアインシュタイン! エジソン!
マナブー先生ほかにも著名人はたくさんいますが。。。。今回そこまでお話すると大変なので、先ほどの話の続きを進めていきましょう。
神智学協会のアメリカ本部は、設立後ほどなく
インドに拠点を移し、このふたりを中心に活動を展開してきます。
そしてこのブラヴァツキー~オルコット体制の後を継いだ
第2世代が、イギリスの神智学者
アニー・ベサント(1847~1933)と同じくイギリスの神智学者で作家
チャールズ・ウェブスター・リードビーター(1847~1934) のふたりです。
ベサントが
2代目会長として政治や組織面で活躍するかたわら、
優れた霊能力をもっていたリードビーターはブラヴァツキー夫人の啓示的な情報を核にインド思想で補完して、
神智学を体系化していきました。
現在日本で入手できるもっとも
本格的な神智学の解説書である「
神智学大要」(全9巻:出帆新社)は、リードビーターによって体系化された神智学の概要です。
ただ、リードビーター自身は多数の著作を残すとともに、後年しだいに霊能力に変調をきたしてしったがため、混乱した情報を伝えたことで後に問題も残したと考えられています。
この時期を前後して、
クリシュナムルティーや日本でも有名な
シュタイナー、そして現在わたしがメインの研究対象にしている
アリス・ベイリーといった人材も登場してきます。
まぁちゃん哲学者であり教育者のクリシュナムルティー。
シュタイナー教育が人気のルドルフ・シュタイナー。そして新時代の アリス・ベイリー。
そうですか~、みんな神智学と関連があるんですね。
マナブー先生では、順に紹介していきましょう。
インド生まれの
クリシュナムルティー(1895~1986)は、13歳で先に登場したリードビーターに見いだされ、ベサントが養母となってヨーロッパで神智学協会の寵児として育てられました。その後は若くして
「東方の星教団」の教祖として神格化され、多数の崇拝者に囲まれていましたが、彼自身が権威や集団を嫌って34歳のときに
教団を解散。神智学協会を離れて、世界各地で講演を行い、
真の「自由」を説いて、ニューエイジの教祖的存在になっていきます。ただ神智学協会とは離れたと言われるもののその関係は、それほど敵対的なものではなかったようですね。
ついで、
シュタイナー(1861~1925)はといえば、ゲーテ研究から出発し、自然科学や哲学などの研究を行っていましたが、時期がきて霊的活動に入り、1900年頃から神智学協会に関わるようになり
ドイツ支部の事務総長にも任命された──やはり神智学教会期待の人物でした。ですが、協会のインド志向、クリシュナムルティの神格化に嫌気が差したのと、彼自身が西洋神秘主義を大事にしていたことから、同協会を脱退。みなさんもよくご存知
「人智学(Anthrosophie/アントロポゾフィー)」を創始し、仲間とともに亡くなるまでその活動を続けました。
神智学が壮大緻密な「理論体系」であるのに対し、
人智学は理論的には曖昧な部分があるものの、
教育・医療・農業・建築・経済など多方面での「実践」にすぐれた成果をあげています。神智学との違いはその名のとおりで、より人、
「人間に根ざした情報とその実践」に力点をおいているところ、ゆえにその人気はいまでも高いですね。
そしてイギリス出身の
アリス・ベイリー(1880~1949)。
ブラヴァツキー夫人の後を引き継ぐ情報を伝えたとされていて、24冊の著作を残しています。
(ただ神智学協会はそのことを認めてはいません。そういうことはスピリチュアル界では一般的によくみられる現象と言えます)
ざっとですが、こんな感じの流れで現代に伝えられています。
まぁちゃんふむふむ。
でも、なぜ東洋的な思想や宗教を取り込んだ神智学が、こんなにも西洋のひとびとを魅了し、発展したのでしょうか?
マナブー先生そうですね。
それは、神話と宗教の世界から、近代のニュートン、ダーヴィン、マルクスへ──
教会から科学への世界全体の流れの変化も大きく関わっているでしょう。
科学者が、
人類の進化の過程を「唯物的科学」で研究するなか、その一部である死後世界、神の存在などは、従来のアカデミックな科学で
解明するには限界があった。そこで生まれたのが仮説からスタートする
「モデル科学」。定量化したり実証できることではないけれど、理論的に仮定する科学です。
ある意味、神智学は
「神の存在する宇宙から量子力学の対象となるような極微の世界までを、さらにはその背後にある意識の世界も包含し、統一的に説明する壮大なモデル」として提示された
神聖な科学とも言えるでしょう。
真の「万物の理論」と言っても良いかもしれません。
さらに現代においては、欧米で特に
スピリチュアルやヒーリング分野に関わるひとびとにとって「神智学」は
「権威ある基礎知識」になっていると思います。
まぁちゃんただ、日本ではスピリチュアル分野自体の人気は年々高まっているものの、神智学はあまりメジャーでない感じがします。
用語のベースにもなっているのに、どうも、とっつきにくく、謎めいていて、怪しいという感じ、、、
マナブー先生それには、日本の傾向が少なからず影響しているでしょう。
最近の日本では
ライトで表面的なスピリチュアルが人気をはくしていて、それがある意味
「権威」をもってしまっている。
それらのスピリチュアルの
ルーツを探ってみることも、ほとんどなされない。
さらに、スピリチュアルを探求する人たちの
一般的な傾向として、
「感性」を重視し「知性」を軽視する傾向があるので、あまり聞いたことのない
難解なものは排除されてしまい、きちんと
吟味されることがなかった。。。。。
でも、最近になって、ライトなスピリチュアルに飽き足らないひとたちや、矛盾に疑問を持ったひとたちが、もっと先に
究極的な真理を伝えるものがあるはずだ──と探し回って、神智学やアリス・ベイリーのエソテリックに出会う。ということが、急激に増えているように感じています。
なので、わたし自身は、これからの展開が、とても楽しみです!
まぁちゃん硬派なスピリチュアル「神智学」。
確かに難解そうですが、ルーツを知るのは大事ですよね!
東洋と西洋の融合された知識、東洋人であるわたしたちもしっかり吟味検証していきたいところ。。。
では両先生方、今日もありがとうございました。
読者のみなさま、今年は当ブログにおつきあいいただき、ほんとうにありがとうございます。
来年もたくさんのスピリチュアルな疑問解消につとめたいと思います。
それでは、よいお年を~~(^-^)ノ
マナブー先生&
もっさんありがとうございました。
よいお年を~~~~~(^-^)ノ~~(^-^)ノ~~

Photo credit:
ToniVC via
Foter.com /
CC BY-NC-ND