ふたりのひとつの木はその喜びを表現するのに、
〝 七色の様々な花
〟をその身に咲かせた。
その花の色は、今までの〝 ふたりのものがたり
〟を表した色だった。
ふたりの愛し合い信じ合った日々のすべてをものがたる色だった。
その七色の花びらを、ふたりは世界に飛ばし合った。
ふたりの喜びが、多くの生命に届くように。
ふたりの愛が、世界を明るく輝かせるように。
そしてふたりのものがたりが、
終わりを迎えたことを告げるように・・・
その七色の輝きは、世界のすべての生命あるものたちに届き、
鳥や動物たちは祝福を奏で、〝 七色の声
〟を響かせた。
風と花たちは祝福をダンスに乗せ、〝 七色の花びら
〟で宙を舞った。
陽と水たちはたくさんの虹を描き、〝 ふたりの愛の花
〟を空にまで咲かせた。
それはまるで、
世界がひとつとなって喜びを歌い合っているような、
素晴らしく美しい光景だった。
愛のものがたりのフィナーレにふさわしい、
世界がふたりのためだけに贈った、
〝 ふたりはひとつに
〟
永遠に輝き続ける瞬間だった。
そして、
ひとつの種から生まれたふたつの生命たちは、
その〝 すべてのものがたり 〟を終え、
またひとつの生命に還っていった。
それは、すべての生命が辿ることになる、
永遠の生命へと還る、
すべてが終わり、〝 始まりに還った瞬間
〟だった・・・