出願まで焦っている受験生もいるかもしれません。
今日は志望者調書を僕の実例を出しながら
アドバイスしたいと思います。
①「中学校卒業時のあなたと現在のあなたを比較してそ
の間の『人間的成長』がどのようなものであったか記
入してください」
中学校卒業時のあなたと現在のあなたを比較して、
どのような点が変わったのかを示すとともに、
それが「人間的成長」であることを説明する必要があります。
「人間的」な成長とは何なのかをよく考え、
さらに「中学卒業時のあなた」と「現在のあなた」をわかりやすく対比させ、
どこがどう成長したのかをストレートに回答する必要があります。
[回答例]
私は中学三年生の時、「携帯電話の持ち込み自由化」など、
生徒に聞こえのいい公約ばかりを掲げ、生徒会長に当選した。
ところが、学校側と対立してしまったため、掲げた公約は全て失敗してしまう。
中学卒業時の私は、失敗の原因は学校側にあると決めつけていた。
しかし、高校に入ってから失敗を冷静に見つめ自己分析すると、自分の過ちに気がついた。
当時の私には、綿密な計画性や他者の意見を聞く姿勢が欠けていた。
この反省を活かし、高校では文化委員長を務め、
文化祭で「環境ミュージアム」を企画した。
先生や委員の意見をしっかりと聞き、上手くまとめ、じっくりと計画を練ったことで、
文化祭当日には、500 名以上のお客を集めることが出来た。
この経験を通して、失敗した際の自己反省や計画性、他者の意見を聞くことの大切さを学んだ。
②あなたのものの見方や考え方に大きな影響を及ぼした
事柄(書物を含む)について説明しなさい。
設問の通り、自分のものの見方や考え方に大きな影響を及ぼした事柄を説明する必要があります。
ここでも一番と同様に、その事柄が起きた前後を
わかりやすく「対比」することを心がける必要があります。
その事柄が起きた前と後とでは、どのように自分のものの見方や考え方が変化したかを
しっかり説明することを心がけてください。
[回答例]
私は、小宮山宏氏の著作『課題克服計画日本』に大きな影響を受けた。
この本を読む以前の私は、少子高齢化問題、環境問題、公財政問題など、
多くの問題を抱える日本の未来に暗いイメージを持っていた。
しかし「日本が抱えている課題は、やがて、世界の課題となる。」、
「課題を克服すれば、日本が21 世紀の世界の指針となれる。」、
「その力を日本は十分身につけている。」との筆者の言葉で、
私の考え方は大きく変わった。
日本が直面している課題を克服することは世界史的使命である。
少子高齢化対策や環境技術の支援、行財政のスリム化など、
課題克服のために政治が果たすべき役割は沢山ある。
この本を読んだことによって、私は悲観するのではなく、
世界の未来のために日本は何が出来るか、
日本の未来のために自分は今何が出来るかを考えるようになった。
③あなたが今もっとも関心を抱いている事柄は何です
か? その事柄とこれまでどう取り組んできたか、また
今後どう取り組もうとしているか記してください。
この設問では、あなたがいま最も関心を抱いている事柄に
ついて説明しなければなりません。
しかしただ説明するのではなく、
今までその事柄にどう取り組んできたかという「過去」のことから、
その事柄に今後どのように取り組んでいくかという
「未来」のことまで詳細に述べなければいけません。
最も関心のある事柄について問われているのですから、
当然志望理由書とリンクしてくることが考えられます。
「過去」の部分では、2000 字と限られている志望理由書でアピール
したかった活動をここにスライドさせて書くというのも有効な手段の一つです。
「未来」の部分では、大学入学後に
その事柄にどのように取り組むかを書いてみても良いでしょう。
型に囚われる必要はありませんから、「自分らしさ」を出しながら、
設問通りに過去のことから未来のことまで漏れなく書き込むよう心がけましょう。
[回答例]
私は今、「社会保障」に最も関心を抱いている。
社会保障は、政治学や経済学などあらゆる分野に結びついている。
したがって、社会保障の理解を深めるためには、
社会全体に関する知識を深めていく必要がある。
そのために、私は、三つの取り組みを続けている。
一つ目は、高校一年生から取り組んでいる、政治に関する記事や著作をまとめた「政治ノート」だ。
二年生からは、「新聞スクラップ」と「政治系読書ノート」に取り組み始めた。
そして、三つ目は、三年生から取り組んでいる「仮説 課題克服計画」だ。
この仮説は、これまでに蓄えた知識から、
「日本全体の貧困化を防ぐためには何が出来るか。」をコンセプトに、
自分なりの意見をまとめた。
今後は、貴学部の小林良彰研究室で実証分析の技術を学び、
仮説をさらに発展させ、理想論ではなく、
現実的に社会保障を充実させることのできる政策を学びたい。
④あなたが慶應義塾大学法学部の法律学科や政治学科と
いう場に期待していることはどのようなことですか。
この設問は最も他の受験生と被りやすくなる傾向があります。
というのも、志望理由はみなさん一人一人で異なりますが、
慶應義塾大学法学部は世界に一つですからどうしてもその魅力は限られてきます。
ですから、ここでいかに他の受験生と被らずに、
自分がいかに慶應義塾大学法学部に魅力を感じているかを
アピールすることは非常に難しいことです。
ただ、逆に言えばそれは他の受験生と差をつけるチャンスでもあるということです。
しっかりと慶應義塾大学法学部のリサーチを行った上で、自分ならではの回答を完成させましょう。
[回答例]
慶應義塾大学法学部政治学科は、日本最多の教員数と科目数を誇るため、
幅広く政治学について学ぶことが出来ると期待している。
そして貴塾法学部は、法律学科と政治学科との交流が盛んであり、
両学科の科目、さらには、他学部の専門科目までもが選択可能である。
様々な学部学科の視点を取り入れて、政治学を深めていけることは大きな魅力である。
その上、貴学部は我が国の政治の中心地である東京に位置している。
この地理条件を活かし、政治に携わる人々とさらに積極的に交流し、
経験を増やしていきたい。
また、学問だけでなく、貴塾で築き上げていく人間関係にも大きな期待を寄せている。
全国から集まる経験や能力を異にする学生たちと切磋琢磨することができる環境が、
私の学問に対する熱意をさらに高め志をさらに磨く事が出来ると期待している。
以上が志望者調書のアドバイスです!
ぜひ出願まで頑張ってください!!
心から応援しています!!