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ONもOFFもあらゆるものに興味を持つ欲張りな人のブログ

人材紹介会社の事業企画・マーケティング担当。しごと・キャリア・マーケティング・雑誌・ネット・スポーツ・デザインなど関心分野は際限ありませんが「これは」と思った情報を自由奔放に発信してゆきます!新たな気づきや共感・笑いを感じていただければと思います。


ONもOFFもあらゆるものに興味を持つ欲張りな人のブログ-バイキング

「全ての住民が、美男美女で、全ての子どもたちが平均以上」という驚くべき街があるそうです。

というのは嘘で、ラジオ番組の司会者ガリソン・ケイラーの小説に出てくる架空の町が、レイク・ウォビゴン。これにちなんで、「自分は平均以上で特別で個性的な存在。その他大勢の人たちに同調したり流されているわけではなく、自分の考えで全てを決めているんだ。つまり意識が高いのさ。」と思ったり、自分に言い聞かせたり、周りに主張する「平均以上効果」という心理学的用語を、「レイク・ウォビゴン効果」と呼ぶことがあるそうです。

  関連するブログは以前に書いてました↓

  ■思い込み、先入観、想像力 2011/09/10


例えば、iPodの持ち主に、購入の決め手について聞くと、その質問を待ってましたといわんばかりに、「私は流行に流されたわけじゃなくて、デザインや記憶容量、重さなどを冷静に判断して決めたんだ」と答えるのだそうです。

また、本当はコロナを飲みたいのに友だちが先に注文してしまったから「ハイネケンで(ハイネケン飲んでる人=なんとなくカッコいい)」と違うものを頼んでなんとなく個性をアピールしてしまったという記憶はありませんか?これも「自分だけは特別なんだ」という心理が働くのだそうです。この「まねっこしたくない」心理は行動経済学においても数多くの研究がなされているとか。なんだかめんどくさいですね。

人はその音楽が好みかどうか、というよりその曲を好んで聴いている自分がクールかどうかを判断基準にしたり、そのブランドが自分に似合ったり、個人的にお洒落だと感じるかどうかより、そのブランドの服を着ている人が周りからどう思われるかどうか、ということを気にしながら自分を理想的な人間に近づけようとするのだそうです。なんだかめんどくさいですね。

ただ特定の人間からどう思われているのかは、えてして誤解が生じやすいもの。
この自他の認識ギャップを埋めるための手法が「360度評価」や「多面評価のフィードバック」なのだそうです。これは「個々人の評価は人によって分かれるから大して気にするな」、ではなく、「私たちの全ての日々の行動が他人によって解釈され、誤解されるものなのだから早くそのギャップに気づき、埋めるために行動しよう」というありがたい指摘をくれるものです。

ただ、周りからの評価を上げようと、自分らしさから逸脱した行動をとると、明らかに不自然なぎこちない印象を与え、逆に評価を下げることになってしまうのだとか。なんだかめんどくさいですね。

「めんどくさい」と連発してしまいましたが、同僚とかとランチに行くと心理学的には「早く決めないと決断力がない人だと思われてしまうのではないか、それは避けたい!」とめんどくさいのでだいたい皆と同じものか、リストの一番上にあるものを選んでしまいます。

ややこしいことをごちゃごちゃ書いて「めんどくさい」人だと思われてしまいそうですね笑

引き続き「選択の科学」です。
今、本書についてブログ何記事分書こうかという究極の選択に迫られています。
できればラクをしたいという弱い自分がいます。

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今回は、就職先の仕事の条件についてです。
数百名の大学四年生を対象にしたこんな実験結果が紹介されていました。

就職活動初期から活動終了(就職先決定)までに3回に分けて以下をはじめとした13の属性を提示し、理想的な仕事の条件を順位付けしてもらうという実験。選択肢は、

●高収入
●昇進の機会
●雇用の保証
●創造性を発揮する機会
●意思決定を行う自由

などです。

結果は、「なるほど~」と思わさせられる展開に。初期段階においては、「創造性」や「意思決定」などの順位が高く、選考が進み、ある程度就職先の選択肢も限られ、就職が現実味を帯びてくる中盤段階の調査では「昇進の機会」などの順位が高くなり、就職先が最終決定した後の3回目の調査では「高収入」が最優先。

その後の調査では、驚くべきことに学生の多くは、就職に対する自分たちの優先順位が時とともに変化していることを認識しておらず、そもそも何を優先していたか誤って記憶していたり(自分の価値観が一貫しているように)、「意思決定の自由を勝ち取りたいから昇進の機会が多く収入が期待できる会社を選んだんだ」というように自分が一貫した人間なんだと辻褄が合うようにストーリーを作ったのでした。

そして注目すべきは、価値観が一貫していないことを自分の都合の良いように物語を作って自己解決することが巧くできている人ほど、現在の仕事への満足度は高かったという結果です。納得感がなかったり、「自分らしくない」「こんなはずでは」と引っかかりながら就職し、仕事をしている人とでは満足度に差があり、結果としてパフォーマンスにも差が出ているのでしょう。

ここで出てくる自己矛盾が生じている状態は「認知的不協和」(ジレンマ)と呼ばれ、「自分は裏表がなくて理性的な人間なんだ」という自己像が脅かされることで、不安、罪悪感、困惑を引き起こすおそれがあるそうです。それを解決しようと、自分の都合の良いように記憶を捻じ曲げたり、ストーリーを作るのだそうです。

著者も言っているように、「昔から同じ自分でなくても、自分であることに変わりはない」と価値観や性格が柔軟に変わっても、自分の信頼性が損なわれるわけではない、という考えを持つことが大切だそうです。

現在勤務している会社に転職した際の優先順位ははっきり覚えていますし、変わっていない(はず・・・)ですが、新卒で入社した会社をどんな優先順位で「選択」したのか、と改めて考えてみると、正直なところもう9年も前のことなので、まったく記憶がないです。。これもジレンマを解消するために記憶から消し去られているのかもしれません・・・。そう考えると人間の脳はすごいですね。

皆さんは就職先や転職先を選んだ優先順位は時間とともに変わっていますか?

ONもOFFもあらゆるものに興味を持つ欲張りな人のブログ-選択の科学

「選択」をテーマに20年間にわたって研究を続けてきたコロンビア大学ビジネススクール教授、シーナ・アイエンガーの著書です。NHKで放映された人気番組「コロンビア白熱教室」のテキストにもなっており、その「選択」に関する興味深い実験や研究結果はビジネスや生活にもつながるヒントが多く、読み応えもある内容でした。

代表的な研究結果などはビジネス誌やWebメディアでも採りあげられることが多いので、目にしたことのある話が多かったです。僕もクーリエの心理学系の特集号で読み、知らないうちに既に2回ブログで書いていました。

品数は豊富な方がいいのか? (2011/09/20)

マシュマロを我慢できるのか (2011/09/18)

本書についても何回かに分けて書きたいと思います。

表題にもしている、「圧倒的な品揃え」について。
↑以前のブログ記事でスーパーの試食コーナーに用意したジャムの種類(6種類と24種類)で、種類が少なかった方が売上が6倍も高かった、という意外な実験結果を書きましたが、それについて考えるところをもう少し加えて書きます。

本書では、民族や文化の違い、その内容によって例外はあるものの、人間(動物も含む)は「選択をしたい」生き物で、他人や環境によって選択の自由が制限されていることを嫌い、拠り所とする情報を調べたり、信頼できる人に相談したりし、結果的には「自分の選択がいちばん正しいのだ」と考えている。ということが幾つもの実験結果から随所に記されています。

ただ、その選択肢が増えるほど(実験によれば「7」を超えると)、ジャム実験の結果にあるようにアクティブな(積極的なと言えばいいのかもしれません)選択が鈍くなったり、精度が落ちたり、満足度が落ちたり、精神的にストレスを感じるという結果が。(7というのが興味深いですね!)以下のような実験も紹介されていました。

  ・幼児に遊ぶおもちゃを指定した場合と、100種類あるおもちゃの部屋で自由に遊ばせた時では、
   指定したほうが楽しそうに遊び、実験終了後に、「もっと遊びたい」という表情をした

  ・実験者に色々な色々な形の物を見せた後に、記憶を頼りに小さい順に並べてもらったところ、
   見せた形が8以上になると途端にその正確性が落ちた

  ・視界に1~200個までの点を数分の1秒だけ点滅させて見えた個数を答えさせる実験で、
   点の数が8以上になると当てずっぽうな回答が増えた

ただ、50種類のオリーブオイルや100種類のコーヒー豆の選択をそのまま顧客に強要すれば、彼らは頭を抱えてしまうだけですが、しっかりとその種類や原産国や合う料理などでカテゴライズをしたり、リコメンドをすれば、選択するヒントが与えられてそのストレスは緩和されるといいます。
(確かに迷ったら「売れ行きTOP」「店長オススメ」に手が伸びてしまいますよね)

話は180度変わりますが、
30件の求人を紹介してくれる転職アドバイザーと、
自分のキャリアや志向をよくとらえたうえで選りすぐりの10件の求人を紹介し、そのうち特に薦めたい3件の求人をその根拠、理由も含めて提供してくれる転職アドバイザー。

転職アドバイザーに何を期待するのかは、個人によって違うと思いますので正解はありませんが、選ぶとしたらどちらでしょうか。(これは選択肢が2つなので選べそうですね・・)といった事を考えさせられます。

後者のような転職アドバイザーになるのは簡単ではありませんが、僕個人がサービス利用者だとしたら、後者のほうが満足すると思います。本書では「医療に関する選択」をテーマにした少し重たい内容についても触れられています。

医師と転職アドバイザーは違う職業ですし、転職者は患者でもはありませんので、こういうと語弊があるかもしれません。ただ、「最終的な選択権は本人にあるが、本人にとって最適な選択をするための情報提供や助言、思考の整理や道案内をする」という「選択の所在」という意味で、通じるものがあると思います。求人紹介にとどまらない本質的なアドバイス、サービス提供に専念できるような仕組みが作れるように僕もまだまだ沢山やることがあります。

ただ、やることを7個以内に抑えて正しい優先順位がつけられるようにしなければいけません。