品数は豊富な方がいいのか? | ONもOFFもあらゆるものに興味を持つ欲張りな人のブログ

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ONもOFFもあらゆるものに興味を持つ欲張りな人のブログ-クーリエ201110

最新号のクーリエは、クーリエらしい特集。
「人を動かす科学の最前線、すべては『心理』が決めていた」です。

中でも紹介したいのは「品数が豊富な方が売上は上がるのか」という問題に焦点をあてた記事。
さて、ある食品メーカーが新製品のジャムをPRするために、スーパーでデモ販売を実施。


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①全24種類のジャムからオススメの6種類をピックアップして試食できるようにする。
②全24種類全てのジャムを試食可能にして種類の豊富さをアピール。

さて、①②どちらのほうが、ジャムを買った来店客の数は多かったでしょうか?
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答えはなんと①です!

①は来店客の40%が試食をし、そのうちの30%がジャムを購入。
②は来店客の60%が試食をしましたが、購入に至ったのはそのうちのたった3%!

客の興味を惹く、という意味では②に軍配が上がりましたが、結果的には購入客の数では①が②の約6倍という大差がつくという結果に。少ない種類のジャムを試食した人は選択肢を狭められたのに対し、沢山の種類のジャムを試した人はかえって混乱し、何を選んで良いのかわからなくなってしまったのです。なんだか分かる気がしますね。一見、商品の選択肢が多い方が「好み=お気に入り」のものが見つかる可能性が高そうな気がしますが、実際には膨大な数の選択肢から1つないし複数のものを「選択する」行為自体が結構パワーを使うものだからこういう結果になったのでしょう。

ジャムの実験だけではなく、この記事では、同じような考え方で、かつてP&Gやゴールデン・キャット・コーポレーションがフケ用シャンプーや猫用トイレの商品を人気の低いものから製造を停止して品数を減らした結果、両社ともに売上が10%以上増加した事実や、ドイツのある自動車メーカーが新車販売の際に顧客に選ばせるオプションのパターンの数による満足度調査についても触れられており、参考になる部分の実に多いものでした。

確かに、身近なところでは、携帯電話を買いに行ったら途方もなく複雑で種類の多い料金プランを提示されてうんざりしたり、食事をしに行ったらメニューが難解すぎてオーダーに困って途方に暮れたりと、消費者視点に立ってみると「シンプルさ」「わかりやすさ」が大事な気がします。

ひと様の文句を言う前に、仕事で提供している商品やサービスが複雑過ぎて、自分たちでもそれぞれの違いを的確に説明できなかったり、お客様を困惑させてしまっていないか、定期的に振り返ってみる必要がありそうです。