あさひのブログ -61ページ目
京都dddギャラリーの「グラフィックとミュージック」展を見てきました。

日本の印刷業界最大手、大日本印刷が作ったギャラリーの企画展。
音楽に関わるグラフィックデザインをテーマに、過去に製作・出版されたポスター、レコードのジャケット・ラベル、音楽雑誌の表紙・付録、機材の広告などを紹介。
主にコンサートの告知ポスターを展示してます。
場内撮影OK。
よくある出演者の写真に文字というものではなく、絵をフィーチュアされてるものが集められ、普通に絵画展みたいに楽しめます。


ポスターは音楽のジャンルごとに分けてあります。敢えて分かりやすいものを集めてきたのかもしれませんが、ジャンルごとに絵の傾向がはっきりしてておもしろいです。
クラシックは楽器や音符をモチーフとしたイラストが殆ど。民族音楽はその音楽の国の文化を象徴するようなものや伝統絵画のテイストを用い、ポップスは兎に角インパクトで良い印象にこだわらずえっ?と引くような変な画面も。そしてジャズは文字。文字しかない!
特にこのジャズのためのデザインの傾向は際立ってて個人的にとても面白いと思ったのです。ジャズのポスターはシンプルに文字を大きくプリントするだけのような、圧倒的に情報伝達よりもデザイン、カッコよさ(クールさ)を重視されてて、ジャズという音楽もまたシンプルな楽器構成でその空気や気分を伝えると言うようなジャンルなので、絵画と音楽がすごくリンクしてる感じがしました。

企画展示室もワンルームでそこまで広いわけではありませんが、その手前の4畳くらいのスペースに京都太秦文化遺産ギャラリーという常設展示みたいなのがあります。印刷最大手の技術を生かして昔の金屏風や襖絵を再現したものを展示してます。


グラフィックとミュージック
1/20(金)-3/18(土) 京都dddギャラリー
入場無料。

京都dddギャラリー
市営地下鉄太秦天神駅下車すぐ。



長いものに巻かれろ
名古屋で活動してる女の子4人組のアコースティックユニット・フライングドクターの、クラシックをテーマにしたコンサートへ行ってきました。
鍵盤ハーモニカを中心とした様々な楽器をとっかえひっかえして演奏する、目でも楽しいステージを見せてくれる彼女たち。見る度に楽器が増えていってるのだけど、挙げてみると鍵盤ハーモニカ(音が高いのから低いのまで4種類くらいある)、バイオリン、ピアノ、ギター、ウクレレ、バスクラリネット、カホン(木の板でできたドラムみたいなの)、タンバリン、グロッケン(鉄琴)、おもちゃのピアノ・・・ステージ上に人間は4人だけどなんだか沢山いて賑やかです。


名古屋栄にある宗次ホールという、キャパシティは200人程度だけど造りは本格的なクラシックホール。


開演前にパシャリ。もちろんピアノはグランドピアノのええやつ!

「ランチタイムコンサート」と銘打ったお昼の約1時間のショウで、気軽にクラシックを楽しんでほしいというコンセプトで月6~8回くらい開催されてるみたい。
フライングドクターの皆さんはきれいなブルーを基調としたドレスで登場。揃いの衣装だけどそれぞれロングだったりハーフだったりパンツだったりと異なってるのが某アイドルみたいで可愛いなぁ~。(*´▽`*)

プログラムは「白鳥の湖」や「天国と地獄」(運動会のかけっこの曲w)、「惑星」(平原綾香が「ジュピター」としてカバーしたのが有名)といった誰もが耳にしたことのある名曲あり、ベートーベンのピアノ協奏曲#5をダイジェストに編曲してクラシック好きをおっ!?と思わせたり、私個人的に一番ウケたのがハチャトゥリアンの「剣の舞」。有名なテーマを様々な楽器で演奏していくけどしまいには手製のマラカス?(小袋に小さな豆か何かを入れてあって振るとシャカシャカ音が鳴る)で。もちろん音階出ないんだけどそれまでの繰り返しの余韻が残ってるせいかメロディになってるように感じるのが自分でもおかしくて。
ピアノやバイオリンといったクラシックらしい楽器と、鍵盤ハーモニカやトイピアノといったちょっと抜けた感のある楽器…それらとクラシック曲との距離感の妙が楽しめる、創意工夫にあふれた楽しいステージでした。


Flying Doctor official website

宗次ホール
名古屋市営地下鉄栄駅、12番出口から東へ約5分。


[追記(1/25)]




長いものに巻かれろ
名古屋の大一美術館の「アール・デコ ガラス世界展」を見てきました。

繁華街からはちょっと外れた場所にあるこの美術館は、アールデコの時代を中心としたガラス細工をテーマにしてるようです。

ライトを浴びてやわらかい光を漂わせる花瓶を中心としたアールデコ作品が、体感で60点くらいかな。わりと大きいものが多くて、ショーケースもできるだけいろんな角度から見られるように立体的に作られてて、じっくり見てほしい、楽しんでほしいという意図が感じられます。
立体造形としての美術品としてももちろん美しいと思うのですが、それよりも観る側としてとても嬉しく面白かったのが、最初にガラス製品の製作方法の概略や歴史が解説されていたことです。どのようにして色を出すのか、グラデーションをつけるのか、模様をつけるのか…そこには化学的・物理的な、テクノロジーの進歩も含まれていたのです。ガラス職人らは職人であり芸術家であり科学者でもあったということ。これが普通の美術館にはない変わった視点だと思いました。
それを踏まえて数々の作品を見ていくと、花瓶の元の姿…高熱で真っ赤になってぐんにゃり曲がるどろどろのガラスへと想像が膨らみます。この大きさで吹きガラスって、一体どんな重さなんだろう、どうやって吹いたの、肺活量どんだけ?とか。(^▽^;) 作品ごとに製法も解説されていて吹いたのか型に入れたのか削ったのか…製作途中の姿を想像するとさらに面白味が増すと思います。
美しい色や細かい模様で彩られたこれらの花瓶は、もちろん実用するものではなく(花を活けても花瓶の方が派手すぎて花の存在感がなくなりそう…)単体で愛でるものだと思います。それもあって「なぜ花瓶にこの絵を?」と思う様なおかしなものもあったり。綺麗だけでなくそういった遊び心の詰まった作品も並んでます。

二階の展示室では打って変わって現代ガラスアート作品が。常設展示に加え現在開催中の「現代ガラスの表現展 vol.3」。新進気鋭の作家の作品が並んでます。ガラスという素材の可能性を各々が思う方向へと探求している興味深いものばかりでした。特に所志帆氏のガラスに現れる気泡を用いた作品が不思議で不思議でしょうがない!コンピュータグラフィックスが現実世界に飛び出て来たような。こんな規則的な気泡をどうやって作るの??

二階からホールを見下ろして。上部の赤いシャンデリアも全部ガラス工芸です。


休憩室では洋書も含め沢山のアールデコに関する本が自由に閲覧できます。



魅惑の煌めき「アール・デコ ガラス世界展」
11/1(火)-4/9(日) 大一美術館

現代ガラスの表現展 vol.3
12/6(火)-4/9(日) 大一美術館

大一美術館
JR名古屋駅からは市バスで10分程度。鴨付町停留所下車すぐ。



長いものに巻かれろ
大阪歴史博物館の「印判手の皿とアジアの凧」展を見てきました。

テレビのニュースでこの凧の展示が取り上げられたのを見て興味を持って。

大阪歴史博物館はその名の通り大阪の歴史を、古くは飛鳥時代(だったかな?)の難波宮から近代まで順を追って紹介していく常設展があり、模型や巨大セット、プロジェクターもいくつも設置してお金をかけて綺麗でハイテクな、子供もしっかり学習できそうな楽しさもある施設でした。実際校外学習の子供たちがレポート片手に歩き回ってて。そして平日の昼間なのに20~30代の若者の姿が多い。みんな外国人観光客みたい。ニッポンのオーサカの文化に熱心に見入ってました。
現在の特別展示では日本の名刀が集められ、マニア必見(たぶん…)。素人目からすると土産物の刀にしか見えないようなぴかぴかのステンレス風で昔のものとは思えない輝き。まぁこういう現在まで残ってる物品ていうのは実用されるものではなく飾りであったり祭祀に使用するものだったりなので綺麗で当然だけど。大太刀とかさ、非実用的。日本人みたいな背丈低いアジア人には絶対扱えないだろいう長さ。まず一人では鞘から抜けないよ(^▽^;)
刀ができるまでの鋳造の様子も写真や実物を並べて紹介。刀などの刃物はこういう風にして作られるんですね。

さてお目当ての特別展は6階。フロアの半分が「印判手の皿」展、もう半分が「アジアの凧」展になってます。

印判手とは皿の絵付けで紙などに書いた柄を皿に転写する技術のこと。同じ柄のものを何枚も制作するプリント技術。大阪在住の湯浅夫妻が実用するために買い始め、いつしかコレクションし鑑賞するようになったという1000点以上の皿が展示されてます。
技術自体が量産するためのものであり、決してレアなものが見られるというわけではないのですが、すごく面白いです。これは例えばTシャツコレクターの展示とかと一緒。ひとつひとつは平凡でどこにでもありそうだけど、ずらっと並んでると凄い。絵の内容によって分別展示されてるのですが、こうして集められることによって見えてくる共通点と違いが楽しめます。殆どが幾何学的でバランスのとれた繰り返しの模様になってるので、ロジカルなものが好きな人はこれ見てるだけでなんだか胸がすくというのか、スッキリしますよ。そして何より、収集家の楽しさが伝わってきます。本当に好きで好きで集めてたんだなぁと。



殆どは単色ですがこのようにカラフルなのもあります。

そして「アジアの凧」展。こちらはやはり大阪在住の木村薫氏のコレクションから代表的なものを展示紹介してます。



東南アジアや中国、韓国などの外国の凧から日本の各地の凧、大きさも形も骨組も様々。
古いのも新しいのも混在してるようだったけど、絵柄は何でもいいんだなぁ。海外のは動物や神様のように非人間が多いのかな。意外と鳥は少なく龍とか魚とか。空という大海を泳ぐのでしょう。


蛙凧。キモカワイイw

日本のものは物語や歴史のヒーローの絵柄とか強そうなのが多いかも。そして面白いと思ったのが舌を出してる男の子のデザインがいくつもある事。これは空高く舞い上がって「ここまで追いつけないだろ、あっかんべえ」って事かな。これが昔の日本のユーモア感なのかもしれません。

エスカレーターホールからは大阪城が一望できます。



特集展示「名刀の面影 -刀絵図と日本刀の美-」
1/5(木)-2/27(月) 大阪歴史博物館8階

特別企画展「コレクションの愉しみ -印判手の皿とアジアの凧-」
12/7(水)-2/13(月) 大阪歴史博物館6階

大阪歴史博物館
市営地下鉄谷町四丁目下車すぐ。NHKと同じビルです。



長いものに巻かれろ
兵庫県立美術館のアドルフ・ヴェルフリ展へ行ってきました。

この作家については全く知らないので解説に依ると、スイスの精神病院に収容されてたある患者が興味深い絵を描くことに注目した担当医が新聞用紙と鉛筆を与えたところ壮大な物語を描き出した…というような経緯らしくて、本人が芸術を目指したというよりは偶然の賜物なところがあるみたい。

作風は確かに個性的。端的に言ってしまうと曼荼羅模様みたい。画面を枠で区切り象形文字のように繰り返し現れるモチーフ、記号、数字。神経質そうな細かい直線とびっしりかきこまれた文字(英語ではないので理解できず)、単純そうでいてなめらかなグラデーションを施していたり色の組み合わせのこだわりが。規則性を持つのに対称性は揺らいでいて不安定。

物事を見たままではなく何かに変換して間接的に表現するのが芸術だと思うけど、そういう意味でこれは芸術ではなく、彼の心というか周りに見えてるもの、空気とか世の中そのもののような気が。模様の賑やかさや強くデフォルメされた人や動物のモチーフは陽の方向に捉えられないこともないけど、私には全般的に重苦しくて直接的であまりいい気分にはならなかったかな…。
特に序盤中盤で多く出て来るモチーフとして、牧師を表しているかのような頭に十字架を負った目の落ちくぼんだ男、楽譜、筆記体で書かれた文字の波。この三点は教会を象徴してるんじゃないかと思います。おそらく幼い頃に連れていかれた教会でのミサ。よくわからないけど音楽がながれておじさんがよくわからないことをぺちゃくちゃ喋っててみんな十字架が助けてくれると祈ってる…その風景が何か世界のすべて、世界そのものとして刷り込まれたんじゃないかなと。そして人々を救う教会であるのに画面全体に漂う不安感…完全に清らかな人間などいないし彼自身どこかで後ろめたいことがあり、そのことで終始十字架に責め立てられてる、終始誰かが自分を責めているという妄想を描いてるように見えて仕方ない。

正直好きにはなれない画風だけど、普通の発想ではない、枠にとらわれない発想という意味で面白いと思いました。文字がけっこう重要な位置を占めるのだけど読めない(言語的な意味で)のがやっぱりイタイなぁ。意味不明の文字列なのか、それとも単語の羅列なのか文章なのか、それだけでも解説してくれてると助かるんだけど…?


アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国
1/11(水)-2/26(日) 兵庫県立美術館

兵庫県立美術館
阪神岩屋駅から海へ向かって、けっこう歩きます。