あさひのブログ -33ページ目
「秦時麗人明月心」(2017年 邦題「麗姫と始皇帝-月下の誓い-」 監督/劉新 主演/ディルラバ・ディルムラット、張彬彬)
全48話

※日本語版はありません。(作られたようです。2018.3.追記)

別題「麗姫伝」。暗殺者・荊軻の妹弟子という設定の公孫麗という架空の人物が主人公で、後の始皇帝・嬴政と恋に落ちるというラブロマンスぽい。中国で大ヒットしたティーンズ向けアニメ「秦時明月」のスピンオフ作品の一つらしい。

――戦国時代末期。衛国の公孫羽はその武芸と誠実さから巷でも一目置かれる将軍であった。だが衛国は勢いを増す秦国に攻め込まれ滅ぼされ公孫羽も戦死する。公孫羽の孫娘・公孫麗は兄弟子の荊軻と共に衛国を脱出し、各国にいる祖父の知り合いの剣豪を頼って旅をする。公孫羽の剣技の継承者として公孫麗の身柄を狙う輩が彼女に襲い掛かるが、行く先々で義侠に助けられ旅を続ける。
趙国の酒場で公孫麗は身なりの良い商人・趙公子と意気投合し飲み交わした。だが暗殺者らが趙公子を取り囲む。公孫麗が趙公子をかばって暗殺者に刺された。暗殺者はすぐに始末されたが趙公子は急いで趙王の屋敷に公孫麗を運ばせ必死に看病する。実は趙公子の正体は秦王・嬴政。嬴政がまだ幼い頃、趙国で暗殺者に追われた時に救ってくれたのが公孫麗であった。嬴政はこの奇跡的な再会を運命と感じ、彼女を妃とする決意を固めるのだった…――

展開が遅いッ!!7話でリタイア。orz
英題が「王の女」なのでヒロインが王妃になっていろんな苦難に遭う宮廷恋愛陰謀劇だろうと予想はつくのに、ヒロインがなっかなか宮廷入りしないの!鼻白むような幼馴染とのエピソードをだらだらやって、ドキドキするどころかイライラする。
イライラのもう一つの原因は、ヒロインの公孫麗を演じるディルラバ・ディルムラットが超ド級の美女でむちゃくちゃ目を引く、ゆえに、その相手役の男子二人が並すぎて釣り合ってないの。美女との悲恋には美男子がお相手をつとめていただきたいというのが女子の願望なのですよ!いや王様役のチャン・ビンビン(張彬彬)、幼馴染役のリウ・チャン(劉暢)も確かに主役格でおかしくないルックスの持ち主だけど、しかしディルラバが美女すぎ!中国人ぽくない顔立ちしてるってのもあって一人浮きまくってるのこの子。(なお新疆ウイグル人です。)恋愛劇は主人公に同情できてナンボなのに、相手役があんまり素敵に見えてこないというのはね…見た目がイマイチなら優しさとか気遣いとかを見せるエピソード作ればいいのにそういう小細工なしに二人がひたすら見つめ合ってるだけで、これにどう感情移入せよとおっしゃるの…。(-""-;)
あとこんなに細かい歴史的なエピソード要る?ってかなり疑問。恋愛劇を期待してる人にはお堅すぎる歴史物語をブチ込んでるので退屈が増し増し。恋愛劇か歴史劇がどっちかにして…。

でもよかったのはアクション。鮮やかで切れの良い功夫がリズミカルに繰り出され、スタントマン(スタントウーマン)がそれと気づかれにくい素早いカット割りで、本当に俳優さんらが剣を手に戦っているように見えて最近のドラマはどんどんリアルになっていくなーと感心。正直武侠ものの線でもっと攻めてほしかったと思う。強い美女がバッタバッタと悪人をなぎ倒すとかいうシチュエーションはセーラームーンやプリキュア世代の若者にウケそうだし。


Pangzi
視聴無料。
「百鳥朝鳳」(2016年 監督/呉天明 主演/陶澤如、李岷城)
107分

※日本語版はありません。

原作は肖江虹という作家の同名の小説。
監督のウー・ティエンミン(呉天明)は「グォさんの仮装大賞」の主役格チョウさんを演じてた方で、2014年に他界。本作は2013年に制作された最後の監督作品で、2016年に公開された模様。

――遊天鳴は13歳の時、スオナ(チャルメラ)の名手・焦三の元へ連れてこられた。父はスオナ吹きになるのが夢だったのだが叶えられず息子にその夢を託したのだ。スオナをはじめとする伝統楽器による楽曲は今では法事の場で演奏されるくらいで奏者は年々減少していた。今では四人構成の楽団が主だが、焦三は今でも八人構成の楽団を率いており、幻とも言われる名曲「百鳥朝鳳」を奏でることのできる名手だった。
だが天鳴はスオナに特に思い入れがあるわけではなく、毎日長い葦をつかって川の水を吸い上げる練習ばかりさせられうんざりする。数か月後、天鳴とそう歳も変わらない藍玉という少年がやはり弟子入りし、天鳴は彼と仲良くなった。
初めて焦三の楽団の演奏を聞いた天鳴はスオナの魅力に引き付けられた。長い基礎練習の日々が続き、そしてようやくスオナを渡された。その日から天鳴と藍玉は焦三についてスオナを奏でる練習を始める――

[ここからネタバレ-----
天鳴は初めて焦三の楽団の演奏旅行へ同行することが許された。それはとある村の村長の葬式であった。葬式の場で楽団は故人の霊を慰める楽曲を演奏する。喪主の青年がどうか村長の弔いに「百鳥朝鳳」を演奏してほしいと焦三に頼むが、焦三は黙って首を振る。「百鳥朝鳳」は特別な、徳を積んだ人のためだけに奏でられるべきなのだと。
楽団には部屋が用意されていたが天鳴と藍玉は勝手に抜け出し藁小屋で眠る。だが持って行ったランプの火が藁に燃え移り火事を起こしてしまった。焦三は自分のスオナを置いて逃げてきた天鳴をスオナ吹き失格だと厳しくしかりつける。だが天鳴が藍玉のスオナを持ち出すために自分のスオナを後回しにしたことを藍玉が釈明する。
月日が流れ天鳴と藍玉はスオナの腕を上げていった。
ある日焦三は村の人々を集め、自分の後継者に代々受け継がれていた金のスオナと共に「百鳥朝鳳」を授けると発表する。その後継者として呼ばれたのは、天鳴であった。藍玉は自分が天鳴より上手に吹けるのに選ばれなかったことが悔しく涙する。翌朝、藍玉は荷物をまとめ故郷へと帰って行った。

さらに七年が経った。立派な青年となった天鳴に焦三は自分の楽団を譲る。天鳴の楽団の初仕事は幼馴染の結婚式だった。多すぎるほどのチップを貰い戸惑った天鳴は貰ったチップを楽団の仲間に分け与えた。
初仕事を終えて帰って来た天鳴に焦三はとても喜び、秘蔵の酒を取り出してきてご機嫌に酔っぱらう。そして愉快にスオナを吹く。「人に聞かせるために吹くんじゃない、自分が聴きたいから吹くんだ。」そう言ってばたんと倒れてしまい天鳴は驚くが、焦三はそのまま大いびきをかきはじめた。

街へ出掛けた天鳴はそこで久しぶりに藍玉に会った。藍玉は今は天鳴の妹と同じ精油工場で働いていて、驚くことに妹とは恋人同士だという。藍玉はもうすぐ工場を辞めて都会の西安へ行こうと思っているらしい。
市街地の街角で天鳴の楽団が演奏していると、少し離れた所にブラスバンドが現れ華やかなマーチを演奏する。さらにセクシーな女性歌手が現れ聴衆はみなそちらへ集う。焦三は天鳴に負けるなと演奏を促す。客の数人が天鳴に演奏を止めろと凄んできてついに乱闘騒ぎに。楽器はふみつぶされへしゃげてしまった。

村では何名かが死去し何組かの婚姻があったが天鳴の楽団には声がかからなかった。今は皆ブラスバンドなど西洋の楽団を呼ぶのだ。楽団のメンバーも都会へ出稼ぎに出てしまい天鳴の楽団は解散同然だった。焦三は怒りに震え、残ったメンバーを集め隣村の村長の葬儀へ出向く。楽団の人数不足を心配した天鳴の父も太鼓を持ってかけつけた。
焦三は村長のために「百鳥朝鳳」を演奏すると発表する。だが天鳴は体調が悪く熱があり汗だくだ。すると焦三は自分が「百鳥朝鳳」を演奏すると言いスオナを手にした。そしてこの物悲しい曲を奏で始めたが、途中で血を吐き倒れ込む。だが焦三はスオナを天鳴に渡し自らは太鼓のばちを手に取って演奏を続けた…。

病院での検査の結果、焦三は末期の肺癌であった。
焦三は自分の牛を売ってその金で新しいスオナを買えと天鳴に渡す。自分の命はいずれなくなるが、この村からスオナをなくしてはならないと…。
村に県の文化保全課の課長がやってきた。この村の伝統文化であるスオナの楽団の演奏を録音したいのだという。それを聞いた病床の焦三は絶対に受けろと天鳴に言う。
天鳴は散り散りになったメンバーを集めに西安を訪ねるが、西安へ出稼ぎに出たメンバーは機械の事故で手を失い、または重い病気にかかってもう演奏はできない体になっていた…。肩を落とす天鳴に、妹と藍玉は西安に来て今の時代にあった暮らしをしたらどうだと勧めるのだった。
街角でスオナを吹く物乞いの姿を見かけた。スオナ吹きとは現代の人々からすればああいうものなのかもしれない、そしてそれは自分の将来なのかもしれない…。

焦三の墓は海の見える見晴らしの良い丘に作られた。墓の前で伝統衣装を身に着けた天鳴は「百鳥朝鳳」を吹く。焦三がこちらを見て少し笑みを浮かべ、そして去っていく姿が見えるようだった。(終)
--------ここまで]

物語としては地味で劇的な展開はないけど静かでコンパクトでいいお話だったー。
廃れようとしている伝統芸能を続けようとする人々と支えようとする人々、そして彼らを取り巻く新しい時代の波の一シーンを切り取った物語。代々受け継がれる伝統芸能のスオナの技を廃れさすまいと熱心に指導し、やっと後継者に育て上げたその時、伝統芸能は時代から排斥されようとしていた…人生の全てをスオナに捧げてきた焦三から見るスオナの行く末、そして若者として新しい時代を理解しながらその渦中にあるスオナの行く先を"選択する"遊天鳴。物語は天鳴の視点で統一されているけどその折々に焦三の心情も深く絡まりながら描かれている。
ラストが若干唐突で、はっきりとした答えやテーマが提示されているわけではなく、そこは視聴者に自由に考えてほしいというところだろう。

ただ腑に落ちないのは、特別な楽曲である「百鳥朝鳳」に、実際にすごいと思うような特別感が感じられなかったこと。百の鳥が鳳凰に付き従ってるような壮大な曲じゃないの?タイトル負けしてる。特別感というと「百鳥朝鳳」のシーンではなく天鳴の初仕事に喜ぶ焦三がスオナを吹くシーンの方がずっとずっと印象に残ったし特別なオーラを感じたけど。

スオナの名手・焦三を演じるタオ・ザァルー(陶澤如)さんはさすがのお芝居。スオナを本当に吹いているかのよう。実際にある程度は吹いてるんだろうけど、人が歌っているかのようにおしゃべりしているかのように吹く姿は本物の名手。そして幼少期の天鳴と藍玉を演じる子供たちも凄い。めっちゃ練習したんだろうなぁ。青年になった天鳴を演じるリー・ミンチェン(李岷城)は、あんまり心情を面に出さない役柄というのもあるけどちょっと地味だなと思ってしまった。これはこれで、作品として味わいがあるけど。

この作品はポスターがすごく綺麗で、それに惹かれて見てみた。
↓このポスターのイメージもあって、「百鳥朝鳳」がもっと華やかな曲であってほしかった…。



YOUKU
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「天命の子」のイェン・ジェンガン(閻建鋼)監督作品。
「大明帝国 朱元璋」主演のフー・ジュン(胡軍)、「曹操」主演のチャオ・リーシン(趙立新)らベテラン勢によるサスペンス劇。

「于無声処」(2015年 監督/閻建鋼 主演/胡軍、左小青、趙立新)
全34話

※日本語版はありません。

タイトルは「声なき所で」。多分魯迅の詩の一節「于無声処听惊雷」を意識してるのかと。この詩の中では于無声処は「声を上げることができず我慢している人々」で一般人を指すけど、本作では声を上げることができないスパイという職のことだと思われる。
偽りの身分で生活し正体は家族にすら明かせない国家安全機関(秘密警察)のスパイの生きざまを描く。

――1980年代渤東。空港で西洋人のスパイが捕らえられた。スパイは潜水艦を作っている202工場の門外不出の特殊鉄鋼を国外へ持ち出そうとしていた。国安(国家安全機関)の馬東は身分を隠して202工場に赴任、部長の娘で工員らのマドンナ・鴻舒雅や彼女に思いを寄せる青年・陳其乾、若い工員らのボス的存在・王宇航らと交流し、工場内に存在するスパイを捜査していく。

特殊鉄鋼を製造する重要な機械に故障が生じた。ドイツ製のその機械のトラブルに皆右往左往するが、唯一ドイツ語が読める陳其乾がその場で対応し重大事故は避けられた。だが陳其乾はこの故障が、何者かによって故意に設定変更されたせいだと気づく――

ラブストーリーにスパイものをねじ込んだような、日本で言えば20年くらい前の昼ドラっぽい作品。スパイの主人公がとある事件がきっかけでスパイをやめるけど、25年後にその事件が元で平穏だった家庭を壊されていくという筋。
まーあ前半のスパイ時代の物語が長すぎ。面白くなってくるのが12話くらいからというのが「天命の子」同様遅いよ…。話が現代になると昔の伏線が皆立ち上がって来て愛憎劇としてもサスペンスとしても面白いのだけど。
脚本としてはよく練られてるけど演出が古くさくダサーい。カット割が細かすぎたり音楽で無理くりコメディぽく演出したり、なんといっても「この時馬東は思った、うんたらかんたら…」「…であることを、陳其乾はまだ気づいていなかった。」みたいに人物の心情を頻繁にナレーションするのが超絶ダサい。昭和の特撮か!(´Д`;)

主人公の馬東が、スパイ活動も恋愛も思い込みで一人突っ走ってしまうようなダメキャラで、もちろん重要な所ではちゃんとキメるんだけどね、とーにかくカッコ悪い。でも演じるのがフー・ジュンだから妙に可愛げがあって憎めない。
対してライバルで親友の陳其乾は何をするにしてもスマートで、性格はちょっとヒネてるけど根は悪い人じゃないし、次々と災難に見舞われるので視聴者としては彼に同情してしまって…後半では主役喰っちゃってんのよね。演じるチャオ・リーシンのお芝居がまた素晴らしい!若者役でちゃんと若く見えるし。(その点フー・ジュンの若者役はかなり痛々しい…。)
後半のもう一人の主人公的な立ち位置となる馬承志を演じるガオ・シューヤン(高旭陽)は「天命の子」で屠岸賈の息子・無姜を演ってた子。傍観者だった前作に対してこちらは当事者に…モゴモゴ
あとは前半の好々爺・斉延志を演じるリー・シンミン(李心敏)さんが味のあるお芝居。ベテランの業。

フー・ジュンは北方人て役だからか妙に台詞がモゴモゴ言ってて聞き取りにくい。なんかニュアンス的に相づちを「対(正しい)」や「好(良い)」を使わず「行(正しい)」を繁用するのは地方色?それとも時代?あと西洋人は英語を喋ってるんだけど字幕は翻訳された中国語で書かれてるのでひどく混乱する…。


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名監督フォン・シャオガン(馮小剛)が主演のわりと最近の映画。

「老炮儿」(2015年 監督/管虎 主演/馮小剛)
137分

※日本語版ありません。

フォン・シャオガンはちょこちょこ脇役で出てたことあるけどこんながっつり主演の映画は初めて見た…。見た目パッとしない全然普通のおっちゃんだしねぇ。

――大都市・北京にぽつんと取り残されたスラム街に暮らす"六爷(六さん)"はこの街のボス的存在。いざこざが起きれば代わりに警察と話をつけ、困っている物乞いがいれば迷わず金を出す。六爷は街の皆から慕われ頼りにされてきた。だが時代が移りゆくにつれ街にも新しい人や物が入り込むようになり六爷を知らないという者も見かけるようになった。

六爷の息子の暁波からしばらく連絡が途絶えている。六爷は人に聞いて回り、暁波がとある暴走族のフェラーリを傷つけたため連れ去られたと知る。――

[ここからネタバレ-----
暴走族のアジトへ行った六爷は暴走族の少年らに取り囲まれる。リーダーで金持ちのボンボン・小飛は暁波を返してほしければ修理費十万元を弁償しろと逼る。塗装の修理に十万元もかかるわけがない、ふっかけているのだ。だが六爷は三日後に十万元を持ってくると言って帰る。

六爷はスラム街の仲間を訪ねて金を貸してくれと頼むが、皆ギリギリの生活をしている。昔世話してやった仲間を訪ねるが、社会で成功した彼は六爷が金をせびりにきたと見下し札束を渡そうとするが、その態度が気に入らない六爷は金を受け取らず帰る。
そんな昔気質の六爷を放っておけない愛人の"話匣子(おしゃべりボックス)"が金を集めてきてくれた。六爷は金を持って弟分の"三儿(サブロー)"を連れ暴走族のアジトへ。するとそこではスラム街の仲間である修理工"灯罩儿(ランプ)"がフェラーリの修理をしている。
小飛が仲間らを連れて戻って来た。六爷は十万元を渡す。小飛の手下の阿彪がこんなものでは済まないと難癖つけて脅そうとするが、六爷は顔色一つ変えることなく、阿彪の手を一捻りする。いきり立つ暴走族の仲間らを前に三儿、灯罩儿が懐の刀を取り出し構える。六爷はこの地にはこの地のルールがあり、新参者の好き勝手にさせるわけにはいかないと静かに言い放つ。そして明朝決闘でカタをつけることに。

翌朝、小飛の仲間の女が暁波を連れてきた。金も返すといって紙袋を渡す。六爷らが本気のヤクザだと知って怖気づいたというところだ。
六爷と暁波は久しぶりに一緒に食事をとる。家族を顧みることなく好き勝手生きている父に反発する暁波だが、六爷はそれでも息子の将来を気にかけていると言うのだった。
その帰り、何者かにつけられているのを察した六爷は暁波を先に帰らせ振り返る。5,6人の男らが六爷を取り囲む。あれをどこにやった、早く出せ、そう言って六爷を袋叩きにする。駆け戻って来た暁波もパイプで殴られ失神する。

六爷は腕の骨折と打撲で済んだが暁波は頭蓋骨陥没で意識不明の重体に。六爷は毎日病院へ通い息子の世話をする。その帰り、家の前に小飛の仲間の男が待っていた。小飛が会いたがっているという。
連れてこられた小飛の住まいは高級マンション。小飛はやつれた顔で、十万元を返したあの紙袋に誤って大事な書類を一緒に入れてしまい、それを取り戻さなければマフィアから半殺しの目に遭うと言う。六爷は自分が小飛の代わりにマフィアと話をつけてやると言う、この地のやり方で…。

六爷や話匣子がゴミ箱をあさって発見したその書類というのは(ここよくわからないが脱税に関するものだと思う)だった。六爷は書類を警察宛てに投函する。自分宛てに届いていた封書を開けるとそこには病院からの検査結果が。末期癌だった。

翌朝、六爷は自分の財産、土地の権利書などを新聞紙に包み話匣子のアパートへ投げ込む。そしてかつて愛用した日本刀を持ってマフィアとの決闘の場所へと向かう。
六爷が末期癌に冒されているという話はあっという間にスラム街に広まり、皆は六爷を探しに走る。
決闘場所の河岸へやってきた。河は分厚い氷で覆われている。六爷は刀を抜き氷の上を歩いて渡る。対岸にはマフィアと小飛が待っていた。氷上で、六爷は発作を起こし膝をつく。河岸へやってきた三儿らスラムの仲間らは六爷が誰にも言わず病の体をおして一人決闘へ向かおうとしている姿を見て、皆刀剣や棒など手に追いかける。六爷は最後の力を振り絞り刀を振りかざし走っていく、それを追いかける仲間ら、そしてマフィアらも鉄パイプを手に向かってくる…(終)
--------ここまで]

ふ、フツーの映画だぁ。これといって…。
なんか日本人にとってはあまりにフツーで地味すぎるヤクザ映画。日本刀を持ち出してるあたりも多分日本のヤクザ映画に影響受けたんじゃないかなと思うテイスト。でも地味ッ!
多分中国ではこういう静かな対決をする仁義ものが珍しいんだろうなぁ。

仁義ものとして見ると本当に地味すぎてドンパチないし(今時鉄パイプと刀剣で戦ってるし…)、でも物語の本質としては急速に開発の進む北京の大都市で取り残された昔ながらの生活を守る人々が"時代"にじわりじわりと追い詰められていく悲哀を描いていて、でもそれも悪いけどありきたりなんだよなぁ。2時間以上かけてる割にはドラマが少ないというのか。

とりあえず二刀流細マッチョのチャン・ハンユー(張涵予)がステキです、ええ!(°∀°)b
フォン・シャオガンは俳優さんとしてはもちろん下手ではないけど、取り立てて凄いとも思わなかったなぁ。なんか普通のおっちゃん感がハンパない(^_^;)

現代劇で下町が舞台とあって、会話が速くてムニャムニャ言っててほとんど聞き取れない!ただ字幕にも時々カッコ書きがあったので中国人にとってもなまりが強くてよくわからない喋りなのかもしれない。北京語かな?


YOUKU
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長いものに巻かれろ
「大軍師司馬懿之軍師連盟」の続編。

「虎嘯龍吟」(2017年 邦題「三国志-司馬懿 軍師連盟-」 監督/張永新 主演/呉秀波)
全44話

※日本語版はありません。[2018.7追記:日本語版作られたようです。]

「大軍師司馬懿2」「軍師連盟2」とも呼ばれる。
虎嘯は虎のうなり声、龍吟は竜の吼える声。大物同士の対決という意味かと思いきや、四字熟語で「同じ考えを持つ者、気持ちが通じ合う者同士」というような意味合いらしい。
司馬仲達が、既に世間では天才軍師の名をほしいままにしている諸葛孔明と対決する姿を描いていく。

――三国時代。魏国の太子・曹叡の地位を保つことと引き換えに退官した司馬懿は故郷で百姓として暮らしていたが、魏帝・曹丕が病で急逝し曹叡を補佐するため都へ呼び戻された。ところが曹叡は母が死んだのは父と皇太后のせいだと信じて疑わず司馬懿にも敵意を向ける。さらに曹家宗族筆頭となった曹真が、一族の繁栄を脅かす存在として司馬懿を排除せんと動き出す。
一方蜀国では劉備が死に、その息子・劉禅が跡を継いだ。劉禅と蜀国を託された丞相・諸葛亮は先帝の悲願である天下統一を果たすため魏国へ攻め入るチャンスを窺っていた…――

どうやら元々「軍師連盟」が前編で「虎嘯龍吟」が後編として企画されていたようで、二つ通して司馬仲達の半生を描いた歴史ものになってる・・・んだけども、明らかにテイストが違ってて正直残念なことになってる。今作は正統派歴史もの。歴史を忠実に描いてて前作のようなミステリだとかキャラクター性だとかはない。三国志ファンにはおすすめするけど、ごく普通の歴史ものです。
三国志といえば合戦だけど、確かにアクションシーンも迫力あってすごく凝ってるけど、でも描かれている戦いが心理戦だというところが合戦ものを期待して見るとガッカリかも。「強い武将がばったばったと敵をなぎ倒す」というのは期待してはいけない。力比べではなく我慢比べだし、この作品では彼らは外国と戦ってるのではなく実は自分の国と戦ってるのよね…。

脚本、演出、キャストと三拍子揃ってた前作とどーおしても比べてしまうけど、脚本は同じ人とは思えないほど生真面目で正統派な時代劇になってる。メインの前半が孔明との戦い、そして後半は司馬家が曹家に追い詰められついにクーデターを決行するまでを描いていく。色恋沙汰もなく全く生真面目に淡々と…。
見せ場を描き出す演出は前作同様視覚的にわかりやすく、時々コメディも採り入れハラハラもさせる意図が見えるけど、とっても残念なことにキャストがパワーダウン…予算的な都合かもしれないけど明らかに実力派が少なくて、ここぞという見せ場でも表情が薄くて演出家の意図を汲みきれてない感じ。そして女性が少ない。前作から引き継いできた子ばかりで、男性視聴者を引き付けるべき美女もおばあちゃん役じゃ無茶でしょ。人は沢山出て来るけどキャラクターは薄くて特に後半は印象に残る人物がいない。

ただ諸葛亮vs司馬懿というのは三国志ホイホイというか三国志ファンなら絶対飛びつく題材なので、そして諸葛亮が主人公の敵という立ち位置でありながら普通に「三国志演義」の孔明(つまり良い人)なので、三国志ファンには是非見て頂きたい。ワン・ルオヨン(王洛勇)さんの扇を手にした大定番の諸葛孔明の格好、いかにも時代劇らしい威風堂々とした立居振舞、きちんと相手によって口調を変えるお芝居、彼はとかくカッコイイ!脚本家が最も力を入れてるキャラだというのはひしひし伝わって来るし、主人公が選ばなかった道を選んだ者として主人公の内面を映し出すという最も重要な役割で、しかるべき人が演ってるなと。
あとキャラが立ってる数少ない役柄としては曹叡と辟邪のコンビ。マザコンキャラとBLキャラだけどちょっと型通りなお芝居で、前作の曹丕のように心情が何重にもみられたらも少しドラマが面白くなっただろうにな。
あとは…誰がいたっけ?てくらい後半は皆印象が薄いっ。(´Д`;)
仲達役ウー・ショウボー(呉秀波)はやっぱりお爺さん役が凄いなぁと。お芝居の幅が本当広くてすごいんだけど時々ちょっとやりすぎって思う…。

三国志演義の名場面…「泣いて馬謖を斬る」とか「死せる孔明生ける仲達を走らす」とかそういうの見たい人はどうぞ。前半だけですが。
蜀国のそれまでの内情は殆ど語られないので三国志知らないととってもキビシイです。


YOUKU