于無声処 | あさひのブログ
「天命の子」のイェン・ジェンガン(閻建鋼)監督作品。
「大明帝国 朱元璋」主演のフー・ジュン(胡軍)、「曹操」主演のチャオ・リーシン(趙立新)らベテラン勢によるサスペンス劇。

「于無声処」(2015年 監督/閻建鋼 主演/胡軍、左小青、趙立新)
全34話

※日本語版はありません。

タイトルは「声なき所で」。多分魯迅の詩の一節「于無声処听惊雷」を意識してるのかと。この詩の中では于無声処は「声を上げることができず我慢している人々」で一般人を指すけど、本作では声を上げることができないスパイという職のことだと思われる。
偽りの身分で生活し正体は家族にすら明かせない国家安全機関(秘密警察)のスパイの生きざまを描く。

――1980年代渤東。空港で西洋人のスパイが捕らえられた。スパイは潜水艦を作っている202工場の門外不出の特殊鉄鋼を国外へ持ち出そうとしていた。国安(国家安全機関)の馬東は身分を隠して202工場に赴任、部長の娘で工員らのマドンナ・鴻舒雅や彼女に思いを寄せる青年・陳其乾、若い工員らのボス的存在・王宇航らと交流し、工場内に存在するスパイを捜査していく。

特殊鉄鋼を製造する重要な機械に故障が生じた。ドイツ製のその機械のトラブルに皆右往左往するが、唯一ドイツ語が読める陳其乾がその場で対応し重大事故は避けられた。だが陳其乾はこの故障が、何者かによって故意に設定変更されたせいだと気づく――

ラブストーリーにスパイものをねじ込んだような、日本で言えば20年くらい前の昼ドラっぽい作品。スパイの主人公がとある事件がきっかけでスパイをやめるけど、25年後にその事件が元で平穏だった家庭を壊されていくという筋。
まーあ前半のスパイ時代の物語が長すぎ。面白くなってくるのが12話くらいからというのが「天命の子」同様遅いよ…。話が現代になると昔の伏線が皆立ち上がって来て愛憎劇としてもサスペンスとしても面白いのだけど。
脚本としてはよく練られてるけど演出が古くさくダサーい。カット割が細かすぎたり音楽で無理くりコメディぽく演出したり、なんといっても「この時馬東は思った、うんたらかんたら…」「…であることを、陳其乾はまだ気づいていなかった。」みたいに人物の心情を頻繁にナレーションするのが超絶ダサい。昭和の特撮か!(´Д`;)

主人公の馬東が、スパイ活動も恋愛も思い込みで一人突っ走ってしまうようなダメキャラで、もちろん重要な所ではちゃんとキメるんだけどね、とーにかくカッコ悪い。でも演じるのがフー・ジュンだから妙に可愛げがあって憎めない。
対してライバルで親友の陳其乾は何をするにしてもスマートで、性格はちょっとヒネてるけど根は悪い人じゃないし、次々と災難に見舞われるので視聴者としては彼に同情してしまって…後半では主役喰っちゃってんのよね。演じるチャオ・リーシンのお芝居がまた素晴らしい!若者役でちゃんと若く見えるし。(その点フー・ジュンの若者役はかなり痛々しい…。)
後半のもう一人の主人公的な立ち位置となる馬承志を演じるガオ・シューヤン(高旭陽)は「天命の子」で屠岸賈の息子・無姜を演ってた子。傍観者だった前作に対してこちらは当事者に…モゴモゴ
あとは前半の好々爺・斉延志を演じるリー・シンミン(李心敏)さんが味のあるお芝居。ベテランの業。

フー・ジュンは北方人て役だからか妙に台詞がモゴモゴ言ってて聞き取りにくい。なんかニュアンス的に相づちを「対(正しい)」や「好(良い)」を使わず「行(正しい)」を繁用するのは地方色?それとも時代?あと西洋人は英語を喋ってるんだけど字幕は翻訳された中国語で書かれてるのでひどく混乱する…。


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