ライバルである魏王寧斎を閔海へ追いやるはずが楚王寧弈が閔海へ行くことになり、また寧弈が鳳知微と共に行くことに嬉々としてこの任務を断らなかったことに怒り心頭の辛子硯は楚王府へやってきた。
* * * * *

「おめでとうございます殿下、大変喜ばしいことでございますな!あーあ、ついに念願叶ってご満足でしょう帝都を離れることになって。ハハハ、わたくし思うに、出発される前にこの結婚の事を全部処理しておいた方が次にやってくる草ぼうぼうの険しい山のはるかな路を進むことを逃れられるんじゃないかと、ねぇ?」
「辛大夫今日はどうしたんですか、雲の中霧の中のような(よくわからない)話をして。」
「何がどうしただ、お前ッ、お前の旦那様の吉事の準備だ、(結婚式に必要な一式を)買いそろえにさっさと行け!行け、早く行けッ!!」
「…かしこまりました。」
「ハハハ、めでたいですなぁ、(結婚式は)吉日をお選びくださいよ、その日は素晴らしい日になりましょう。」
「そうだな。じゃあおれが閔海から帰って来るのを待て。」
「貴方(にとって)は本当に鳳知微がお日さまお月さまお星さま(のよう)になってるんだな。今ややる事全て彼女中心に回ってる、貴方の命を賭してまで。それだけでなく、彼女の母親の(*1)…!我々は鳳知微を守るためにすでに(追い詰めるべき)寧斎を逃がしてしまったしもし今貴方がこう動いたら(閔海へ行ったら)貴方自身の身に(すべての問題を)抱え込むことになるんだ、貴方は自分が三面六臂(超人)だとでも思っているのか?常遠の奴の前に立つのがあの魏王ではなく貴方であれば殺されることはまず間違いない(*2)、これまでに私は少しずつ少しずつ緻密な計画を進めて来た、このためには鳳知微、欽差大臣どのの命はあきらめるしかないんだ、でなければどうして閔国公に叛乱させられようか」
「おれは叛乱を起こさせたくないのだ!!おれは彼(常遠)に叛乱を起こさせん、(なぜなら叛乱は)この天下の百姓を傷つけるからだ!この寧弈は命を賭けて…賭ける、父上がおれに兵権を与えることを、鳳知微の命を救うことを、あの常遠の奴を殺すことを、賭ける、閔海を取り戻すことを!どうだ!これでいいか(納得したか)!?」
「本当なら大変よろしい、これ以上ないほどに。ではこの辛子硯は耳を洗ってお聞きしとうございます、どうやってそれらを成すおつもりで?ねぇ?」
「全力で(*3)、この寧弈の命をもって…運命を賭けて。おれは戻って来る、おれは(必ず)戻って来る。」
「どうやら殿下は多くを語らないようですから、私も多くは問わないことにしましょう。ですが殿下のおっしゃるようにしたいのなら、今回(の閔海行き)は全力をもって辞退することが一石四鳥です。まあそういうことならこの辛子硯は帝都にて殿下がすぐに凱旋するという報せを送られることを謹んでお待ちすることにいたします!!では失礼。」
「子硯…子硯…。おれたちは愛する人を守れなくて、どうして天下を守れる…!」
*1 寧弈が全く聞いてないのを見て言うのを途中でやめたのでここの一文はよくわからない。「还连她的阿娘索性一样~」だと思われるが。
*2 直訳:あの魏王よりも常遠のくそ野郎の前ではあなたである方が死ぬことは疑いようがない。
*3 兵行険招は兵を動かすのに危険を恐れず強行するという意味のようだ。つまり容赦しないという意味。
* * * * *
辛子硯の何度目かのマジギレ。これまでに散々やらかしてきてるので愛想尽かされても仕方ないよなぁ、と主人公には全く同情できない困ったシーン。
→インデックス





