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「天盛長歌(全56話)」第三十七集33分頃から。
ライバルである魏王寧斎を閔海へ追いやるはずが楚王寧弈が閔海へ行くことになり、また寧弈が鳳知微と共に行くことに嬉々としてこの任務を断らなかったことに怒り心頭の辛子硯は楚王府へやってきた。

* * * * *

「おめでとうございます殿下、大変喜ばしいことでございますな!あーあ、ついに念願叶ってご満足でしょう帝都を離れることになって。ハハハ、わたくし思うに、出発される前にこの結婚の事を全部処理しておいた方が次にやってくる草ぼうぼうの険しい山のはるかな路を進むことを逃れられるんじゃないかと、ねぇ?」
「辛大夫今日はどうしたんですか、雲の中霧の中のような(よくわからない)話をして。」
「何がどうしただ、お前ッ、お前の旦那様の吉事の準備だ、(結婚式に必要な一式を)買いそろえにさっさと行け!行け、早く行けッ!!」
「…かしこまりました。」
「ハハハ、めでたいですなぁ、(結婚式は)吉日をお選びくださいよ、その日は素晴らしい日になりましょう。」
「そうだな。じゃあおれが閔海から帰って来るのを待て。」
「貴方(にとって)は本当に鳳知微がお日さまお月さまお星さま(のよう)になってるんだな。今ややる事全て彼女中心に回ってる、貴方の命を賭してまで。それだけでなく、彼女の母親の(*1)…!我々は鳳知微を守るためにすでに(追い詰めるべき)寧斎を逃がしてしまったしもし今貴方がこう動いたら(閔海へ行ったら)貴方自身の身に(すべての問題を)抱え込むことになるんだ、貴方は自分が三面六臂(超人)だとでも思っているのか?常遠の奴の前に立つのがあの魏王ではなく貴方であれば殺されることはまず間違いない(*2)、これまでに私は少しずつ少しずつ緻密な計画を進めて来た、このためには鳳知微、欽差大臣どのの命はあきらめるしかないんだ、でなければどうして閔国公に叛乱させられようか」
「おれは叛乱を起こさせたくないのだ!!おれは彼(常遠)に叛乱を起こさせん、(なぜなら叛乱は)この天下の百姓を傷つけるからだ!この寧弈は命を賭けて…賭ける、父上がおれに兵権を与えることを、鳳知微の命を救うことを、あの常遠の奴を殺すことを、賭ける、閔海を取り戻すことを!どうだ!これでいいか(納得したか)!?」
「本当なら大変よろしい、これ以上ないほどに。ではこの辛子硯は耳を洗ってお聞きしとうございます、どうやってそれらを成すおつもりで?ねぇ?」
「全力で(*3)、この寧弈の命をもって…運命を賭けて。おれは戻って来る、おれは(必ず)戻って来る。」
「どうやら殿下は多くを語らないようですから、私も多くは問わないことにしましょう。ですが殿下のおっしゃるようにしたいのなら、今回(の閔海行き)は全力をもって辞退することが一石四鳥です。まあそういうことならこの辛子硯は帝都にて殿下がすぐに凱旋するという報せを送られることを謹んでお待ちすることにいたします!!では失礼。」
「子硯…子硯…。おれたちは愛する人を守れなくて、どうして天下を守れる…!」
*1 寧弈が全く聞いてないのを見て言うのを途中でやめたのでここの一文はよくわからない。「还连她的阿娘索性一样~」だと思われるが。
*2 直訳:あの魏王よりも常遠のくそ野郎の前ではあなたである方が死ぬことは疑いようがない。
*3 兵行険招は兵を動かすのに危険を恐れず強行するという意味のようだ。つまり容赦しないという意味。


* * * * *
辛子硯の何度目かのマジギレ。これまでに散々やらかしてきてるので愛想尽かされても仕方ないよなぁ、と主人公には全く同情できない困ったシーン。

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「天盛長歌(全56話)」第三十六集7分頃から。
辛子硯は韶寧公主の結婚式を口実に常忠義を帝都へ呼びよせ留める策を皇帝に献じた。だが公主の結婚相手の候補として魏知の名が挙がり、皇帝もすっかり乗り気になっている。辛子硯は寧弈が反対するに違いないと思いつつも楚王府へ戻って来た。

* * * * *

「子硯、あんたはいつもうちに来た時はずかずか入って来るのに(*1)今日はどうしたんだ?もしかして父上はあれを拒んだのか?」
「拒むなんてことない、全て我々の思った通りでしたよ。」
「ならよかったじゃないか。」
「よかったですよ。ただ…。」
「…何かあったようだな。」
「いいえ何も。私はそれを貰いに来たんです。」
「…子硯、おれはあんたに無理強いしたことはないはずだよな(*2)。」
「ええ、ええ。無理強いだなんてありませんよ。私はただ、寧斎が韶寧の駙馬(皇女の婿)を見繕ったのを聞いてたってだけで。陛下も韶寧が嫁に行くのを利用して常忠義を都へ呼び戻す事を了承された。」
「誰が(婿に)選ばれたんだ?」
「…(聞こえないふり)…。」
「選ばれたのは何者だ?」
「え?何て?」
「言え。」
「あー、魏知ですよ。わたくし多忙の身ですのでこれで失礼いたしますね。」
「…待て。」
「……。」
「子硯、あんたは魏知が何者なのか知ってるよな。」
「もうッあの鳳知微なら本当に(公主を)娶りはしませんよ、彼女が常忠義を都に呼び戻すための道を切り開いてくれるんです、全てがうまくいく。」
「ではその後は?鳳知微はどうすればいい?」
*1 直訳:あなたはいつも我が王府に来た時は(行く手を遮る)人もいないかのように入る。
*2 何か不満があるのか、の意か。直訳:私はもしかして今までにあなたを脅迫して何かを任せて来たことはないだろうか。



「常忠義が都に入ったら我々が(韶寧の)結婚式の前に鳳知微を帝都から逃がすよう計らえばいい。」
「それでは彼女は皇家の敵になるじゃないか、姓名を隠し生涯落ち着くところもなく彷徨う事になる。彼女は(この案に)うんと言わないだろう。」
「彼女がうんと言わないのかそれとも貴方がうんと言わないのかな。」
「何の違いがある?さあ、ちょっともう一度考えよう、他の方法(*3)を。」
「他の方法!?他の方法を考え付いたとて韶寧公主はうんと言わないでしょう、陛下だってそうです!考えてもみなさい、鳳知微は夜道を歩けば(*4)
「そうだ!これはおれが許さんのだ!」
「貴方が許さなければ常忠義は都へ戻っては来ない。削藩は泡となって消える、常氏を倒すのもただの夢となり果てるんですよ?貴方はもっと大局に重きを置くべきだ。高みから眺めれば遠くが見えるはずだ(*5)。」
「関係ない!お前はただ方法を考え出せばいいんだ(後はおれがなんとかする)。」
「今になって」
「殿下にご報告いたします、」
「帰れ。」
「魏王様がいらっしゃいました。」
「!」
「入ってもらえ。」
「誰だって!?」
「辛院首、魏王寧斎さまでございます。」
「どうぞ!」
「…怒ってはなりませんよ、彼に見透かされてはなりません。」
「おれは怒りなどせんよ。おれは子硯、お前にもう一度方法を考えてほしいだけさ。まだ手遅れじゃないことが嬉しいよ。」
寧弈は寧斎を迎えに部屋を出ていく。
「貴方のこういう所が本っ当に良くないんだよ、私は…!」
*3 魏知が婿にならないで済む方法。
*4 「夜路走多了総会見鬼」と言おうとしたのか?夜道を歩けば幽霊に遭う…危ない橋を渡っているのだから元より危険は付きものだという意味。
*5 高瞻远瞩…高みに上れば遠くまで見える。読みが鋭い事を表す熟語。


* * * * *

序盤とはすっかりキャラが変わってしまい鳳知微に入れ込んでしまってる寧弈に視聴者も閉口してる頃である。

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「天盛長歌(全56話)」第二十九集40分頃から。
皇帝の後継者の名は秘されていたが、一旦外に漏れればその者は後継の座を狙う者達から命を狙われるだろう。しかし逆に言えば後継者だと確信すれば敵対者を容赦なく追い詰めることができる…そこまで言いながら皇帝は寧弈に「後継者はお前かもしれない」と告げた。
その夜、寧弈は侍衛らとゲームをして遊んでいた…。
* * * * *

「子硯、よく来たな。こいつらはまったくばかだ、ずっと負けてやがる。こら寧澄いつまでもしらを切ってるなよ。(子硯に向かって)さあおれと遊ぼう。」
「ではお相手しましょう。」
「賭けるんだぞ、先に言っていいぞ何を賭けるか。」
「もし万一殿下が敗けて寧澄のように(敗けてないと)しらを切られたら私は誰の所へ(判断を仰ぎに)行けばいい?」
「おれはしらを切ったりせん。おれは今まで敗けて悔しがるようなことはなかった(*1)。ほら、何を賭ける?」
「殿下、ここに来る前に、うちの(妻の)大花が蘭香院みたいなのをやりたいだなんて言って、私は(ばかばかしいと)笑ってやったんです。(しかし)今それを思い出してみると、いまだかつてないおいしい仕事じゃないかと。だってほら、香車や美女がいるだけで日々金が入って来るわけだ、あの青溟書院よりよっぽど(稼げる)。だから蘭香院(を手に入れる事)を賭けよう、どうですか?」
「いいだろう。もしおれが敗けたらお前に蘭香院(のような遊郭)をやろう、それに(所属する)娘たちの衣裳もまとめてつけてやる、一針一針心を込めて(縫ってやろう)。さあやろうぜ。」
「そんなこと言っていいんですか、知りませんよ?(*2)
「そりゃあ、そんなの大丈夫に決まってるだろう。」
「ハハハ。殿下は今日はご機嫌が良いようですねぇ。」
「(ひと振りの、ただの)快刀だからな、心(感情)なんてないんだ。(*3)
「……。」
   [回想シーン]
「お前もわかっているだろう、一度(遺書に書かれている後継者の)その名が知られてしまえば、その者は(後継を狙う)人々の格好の的となる。」
「さらに言えば、その者は父上の手中にあるひと振りの鋭い刃となりますね。」
   [回想シーン終わり]
*1 敗けた事はない、絶対敗けないの意。
*2 直訳:あなたの言った事は、私があなたに(そうしろと)逼ったのではないですよ。
*3 直訳:どこに心があるだろうか。(反語)



「私の先生の門下に一人の弟子がおりました、凄い技を持つ快刀の使い手で師匠の技を全て会得した。しかし師匠は遅々として彼を下山させない。私は(なぜなのか)わからなかった。私は(なぜなのかを)先生に聞きに行ったんです、(偉大な)お師匠様はこう言った、"刀にも心がある"。」
「(刀に)心があったとて何の役に立つ?刀を持つ者に心がないのに…。おれは宗正寺を離れる前に、父上が持っている思い(たくらみ)を断ち切ってやると誓った、だがおれはあの時本当にわかったのは、おれには到底真似できないほどの奴の非情さだった!(*4)
「…殿下。」
辛子硯は寧弈を助け起こす。
「殿下、皇帝たる者は元来情という字とは無縁のものです(*5)。それにこの頃の陛下はいろいろと疑うことが多い(*6)、あなたが一人思い悩む必要はございません(*7)。」
「一将功成りて万骨枯る(*8)、お前はかつておれに訊いたな、これ(ひとつの成功のためにいくつもの人の命が失われること)は価値があるのかと。じゃあおれは今お前に訊こう、これ(皇帝の道具として使われ最悪死ぬかもしれないこと)は価値があるか!?」
「あります。」
「…!この先おれもお前を快刀にする日が来るかもしれん、(その時も)まだお前は価値があると言えるのか!?」
「(価値は)あります。正しいことを行うならばその先(結果)を問う事なかれ。(殿下が命じる)その時は私はきっと心ある刀になりましょう。」
「…………。ありがとう子硯…すまんな…。心ある刀か…。」
*4 どれだけ嫌っていても最低限の親子の情は残っていると思っていたが、父にはそれすら残っていなかったと言っている。直訳:私には彼があのようにばっさりと断ち切ったようにする術はない。
*5 皇帝たる者は往々にして非情な決断を下さねばならないものである、の意。
*6 考えが読めない、の意だと思われる。
*7 直訳:あなたさまがまたどうして自ら苦しむ必要がありましょうや。(反語)
*8 一人の将軍の成功の裏には実は多くの戦死者の働きがあるという意味の格言。


* * * * *

最も好きなシーン。第四集の伏線がここに繋がる。

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「天盛長歌(全56話)」第二十四集31分頃から。
常遠の断罪を早まる楚王寧弈は空席の御史台(監察官)に立候補した。御史台はその性質から政を執ることはできない、つまり皇太子にはなれない。今まで寧弈を皇太子にするために動いていた辛子硯は彼の勝手な行動に憤る。

* * * * *

「殿下…。楚王!」
「うん?」
「寧弈!貴方はよくよくじっくり考えると約束したじゃないか、貴方のこの斟酌は何だ、まったく相談もなく一人で勝手に行ってしまって!」
「おれが御史台にさえなれば常氏を倒す機会を得られるんだ。」
「常氏を倒す!?陳紹が常氏に命じられて林任奇を殺したと言ってるだけで(*1)証拠は!?」
「おれはもう御史台になったんだ、証拠は、正々堂々と(職務として)調べられる。」
「貴方はッ!貴方は御史台を任されることが何を意味するか分かってるのか?御史台に入ったということは後継者を争う資格を失ったという事だ!常氏を倒すチャンスはこの一回きりじゃない、なぜ今回にと焦る必要が!?」
「国に法が無ければいかにして国を治める?(無法を許せば国は治まらない)、民が生活できず何をもって帝を称える?(治める民がいてこその皇帝だ)」
「本当にあの陳紹ごときで常氏を倒せると言うのなら、じゃあこの辛子硯が陳に姓を変えてくれる!おれは陳子硯だ!!」
「木は既に船になったのだ!(*2) 子硯、さあ手伝ってくれよ。おれはすでに手掛かりを見つけたんだ。」
寧弈は魏知が描いた弓矢の絵を見せる。
「見たことない!」
「おい、お前の度量は三兄には及ばないな(*3)、こんなちょっとした小さいことでそんな風に怒るとは。わかったよ、おれは三兄のため(の目的を果たすため)にお前に謝りはせんが、今後はどんなこともお前と相談する、それでいいだろう?」
「…小さいこと?貴方はそれを小さいことと言うのか!?貴方は敢えて三兄を持ち出しておきながら!私は貴方の三兄に面と向かってこの口で彼の頼みに応えたんだ、貴方を明君とするための手助けをすると。なのに貴方は!貴方は一時の勝利(の快さ)のために後継者の位から離れてしまった、私はあの世で寧喬さまに合わせる顔がない!!(*4)
「子硯、子硯。」
「…もういい。その絵の弓矢は大悦の辺境のある小さな部族の特殊な弩だ、師匠の元にいた時に見た事があるよッ!」
「…わかった。大悦の辺境ね…。」

*1 直訳:陳紹は自ら常氏が彼(自分)の手を借りて林任奇を殺したと称している。
*2 物事がすでに定まり元へ返すすべもない、後の祭りという意味の熟語。
*3 直訳:あなたはやはり私の三兄のあの寛大さには及ばない。
*4 直訳:あなたは私に将来どうやって寧喬に会いに行かせるつもりだ。


* * * * *
辛子硯が初めてキレるシーンですね。この後何度もキレることになるんだけど…。

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「天盛長歌(全56話)」第四集19分頃から。
金羽衛の顧衍に同行していった辛子硯は存在するはずがない血浮屠の急襲を受けたがすぐに駆け付けた太子の軍勢に救われた。本物の血浮屠がなぜここにいるのか…想定していたよりも根深い太子の陰謀に気づいた辛子硯はその夜楚王寧弈の元を訪れた。

* * * * *

「こんな夜中に来るとは、何か起きたのか?」
「……。」
「おれはお前の(妻の)大花じゃないんだから、そんな風に見つめられても困る。(*1)
「一将功成りて万骨枯る(*2)。私が今思ってたのは、私が殿下を補佐し天子の位に登って一代の明君となっていただくために、どれだけ(多く)の骨を埋めどれだけ(多く)の深窓で待つ人の夢に出て来る人の命を失わなければならないのかと(*3)。これら(寧弈を皇帝にすること)に(多大な犠牲を払うだけの)価値があるのかと…。」
「子硯、お前はずっとおれが明君になるよう補佐しようと思っているようだが、おれは未だかつて(そうは)考えたことはない。おれはただ三兄の冤罪を雪ぎ潔白を証明するのを手伝ってくれればそれで充分なんだ。」
「殿下のおっしゃる通りです。(しかし)この子硯も貴方の三兄と約束したのです。君子の言葉は一諾千金(*4)、私はどうすればいいのか…。」
「何があったんだ?」
「女々しい気持ちになっただけです、今言った事は忘れてください。」
「一体何があったんだ?」
「今しがたの血の雨が降り生臭い風が吹くような戦い、まるで悪夢のような。どうして一人とり残された辛院首が生きて帰って来たのか、これはどうもおかしいと思いませんか?」
「何が起こったんだ?」
「殿下、殿下に申し上げます。たった今宮殿の使者から陛下のお達しが。今すぐ宮殿へお上りください。」
「何事か説明があったか?」
「わたくしが(差し出がましく)お聞きしたところ、太子が血浮屠を殲滅したと。」

*1 直訳:あなたがそのように私を見つめると、私はどうにも耐え難いなぁ。
*2 一人の将軍の成功の裏には実は多くの戦死者の働きがあるという意味の格言。
*3 唐代の詩人・陳陶の「隴西行」を意識した言葉か。
『誓掃匈奴不顧身 五千貂錦喪胡塵 可憐無定河邊骨 猶是春閨夢裏人』
"匈奴を倒すと誓い我が身を顧みず(戦に臨んだ)貂錦を着込んだ五千の兵士は胡の戦塵の中に失われてしまった(死んでしまった)。可哀想な無定河のほとりにある骨はやはり(出征した夫の帰還を待つ)妻の夢の中に出てくる人(=出征した夫)なのだろか。"
*4 君子(立派な人、まっとうな人)は有言実行すべきだ、の意。一諾千金…一度約束したことは千金に値するほどの重みがある、絶対に守らなければならないという意味の熟語。


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このシーン自体はなんてことないただの伏線。

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