ドラマでお勉強-天盛長歌 #3 | あさひのブログ
「天盛長歌(全56話)」第二十九集40分頃から。
皇帝の後継者の名は秘されていたが、一旦外に漏れればその者は後継の座を狙う者達から命を狙われるだろう。しかし逆に言えば後継者だと確信すれば敵対者を容赦なく追い詰めることができる…そこまで言いながら皇帝は寧弈に「後継者はお前かもしれない」と告げた。
その夜、寧弈は侍衛らとゲームをして遊んでいた…。
* * * * *

「子硯、よく来たな。こいつらはまったくばかだ、ずっと負けてやがる。こら寧澄いつまでもしらを切ってるなよ。(子硯に向かって)さあおれと遊ぼう。」
「ではお相手しましょう。」
「賭けるんだぞ、先に言っていいぞ何を賭けるか。」
「もし万一殿下が敗けて寧澄のように(敗けてないと)しらを切られたら私は誰の所へ(判断を仰ぎに)行けばいい?」
「おれはしらを切ったりせん。おれは今まで敗けて悔しがるようなことはなかった(*1)。ほら、何を賭ける?」
「殿下、ここに来る前に、うちの(妻の)大花が蘭香院みたいなのをやりたいだなんて言って、私は(ばかばかしいと)笑ってやったんです。(しかし)今それを思い出してみると、いまだかつてないおいしい仕事じゃないかと。だってほら、香車や美女がいるだけで日々金が入って来るわけだ、あの青溟書院よりよっぽど(稼げる)。だから蘭香院(を手に入れる事)を賭けよう、どうですか?」
「いいだろう。もしおれが敗けたらお前に蘭香院(のような遊郭)をやろう、それに(所属する)娘たちの衣裳もまとめてつけてやる、一針一針心を込めて(縫ってやろう)。さあやろうぜ。」
「そんなこと言っていいんですか、知りませんよ?(*2)
「そりゃあ、そんなの大丈夫に決まってるだろう。」
「ハハハ。殿下は今日はご機嫌が良いようですねぇ。」
「(ひと振りの、ただの)快刀だからな、心(感情)なんてないんだ。(*3)
「……。」
   [回想シーン]
「お前もわかっているだろう、一度(遺書に書かれている後継者の)その名が知られてしまえば、その者は(後継を狙う)人々の格好の的となる。」
「さらに言えば、その者は父上の手中にあるひと振りの鋭い刃となりますね。」
   [回想シーン終わり]
*1 敗けた事はない、絶対敗けないの意。
*2 直訳:あなたの言った事は、私があなたに(そうしろと)逼ったのではないですよ。
*3 直訳:どこに心があるだろうか。(反語)



「私の先生の門下に一人の弟子がおりました、凄い技を持つ快刀の使い手で師匠の技を全て会得した。しかし師匠は遅々として彼を下山させない。私は(なぜなのか)わからなかった。私は(なぜなのかを)先生に聞きに行ったんです、(偉大な)お師匠様はこう言った、"刀にも心がある"。」
「(刀に)心があったとて何の役に立つ?刀を持つ者に心がないのに…。おれは宗正寺を離れる前に、父上が持っている思い(たくらみ)を断ち切ってやると誓った、だがおれはあの時本当にわかったのは、おれには到底真似できないほどの奴の非情さだった!(*4)
「…殿下。」
辛子硯は寧弈を助け起こす。
「殿下、皇帝たる者は元来情という字とは無縁のものです(*5)。それにこの頃の陛下はいろいろと疑うことが多い(*6)、あなたが一人思い悩む必要はございません(*7)。」
「一将功成りて万骨枯る(*8)、お前はかつておれに訊いたな、これ(ひとつの成功のためにいくつもの人の命が失われること)は価値があるのかと。じゃあおれは今お前に訊こう、これ(皇帝の道具として使われ最悪死ぬかもしれないこと)は価値があるか!?」
「あります。」
「…!この先おれもお前を快刀にする日が来るかもしれん、(その時も)まだお前は価値があると言えるのか!?」
「(価値は)あります。正しいことを行うならばその先(結果)を問う事なかれ。(殿下が命じる)その時は私はきっと心ある刀になりましょう。」
「…………。ありがとう子硯…すまんな…。心ある刀か…。」
*4 どれだけ嫌っていても最低限の親子の情は残っていると思っていたが、父にはそれすら残っていなかったと言っている。直訳:私には彼があのようにばっさりと断ち切ったようにする術はない。
*5 皇帝たる者は往々にして非情な決断を下さねばならないものである、の意。
*6 考えが読めない、の意だと思われる。
*7 直訳:あなたさまがまたどうして自ら苦しむ必要がありましょうや。(反語)
*8 一人の将軍の成功の裏には実は多くの戦死者の働きがあるという意味の格言。


* * * * *

最も好きなシーン。第四集の伏線がここに繋がる。

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