ほとんど憲法 上: 小学生からの憲法入門

木村草太さんの本当にわかりやすい憲法の話です。学校や塾で公民の授業に入った頃に読むと理解が深まります。

多数決がふさわしいのはどんなとき?

私たちには、どんな「自由」が保障されているのか?

から

他人の机にどこまで落書きできるか?

将棋をするために、花火を中止にできるか?

などの面白いトピックス以外にも

「出席番号順」は不平等か?

他人の気持ちはわからないから、「自治」がある

という大人も考えさせられる内容まで憲法について知っておきたい内容が全て網羅されている上下巻です。

朝倉世界一さんのテンポ良い漫画(挿絵?)で、ちょっと難しい内容もうまく表現されています。

憲法というと、なんだか難しく感じる子供も(大人もか)これなら繰り返し読んで笑いながら知識を得ることはもちろん、身の回りのちょっとしたルールや仕組みにも憲法の影響があることに気がついてくれます。

ほとんど憲法【全2巻】 学校図書館2021

 

 

ダンゴムシに心はあるのか 新しい心の科学 (PHPサイエンス・ワールド新書)

「心って何」という疑問に向き合いながら、実験と検証を通じて、生き物のあり方にせまる一冊です。虫が好きなお子さんなら中学年からでも読めるでしょう。虫の挿絵もシンプルでリアル感は低いので、虫の写真が苦手なお子さんにも読んでもらえます。ファーブル昆虫記を夢中になって読んでいたなら、頃合いをみてそっと渡してみて下さい。「ダンゴムシ」という身近な虫の名称と「心はあるのか」という問いかけに、きっと手に取りたくなるはずです。

私はダンゴムシを、心の存在を実感するためのパートナーとして選びましたが、心を見いだしたいと思う対象は、人によってさまざまでしょう。もしあなたが心の存在を実感したいと思う対象があるならば、その対象から予想外の行動を引き出すために、未知の状況を設定しなくてはなりません。ただ、未知の状況を設定するには、その対象にとって未知でない、日常的な状況を先に知らなくてはなりません。

夏休みの自由研究で「心を探す」旅に出るのも面白いと思います。
 
読み終わった子供に感想を聞いてみると
「虫にも心はあった。生きているもの全てに心はある。生きていないものにも心があることがある」
と新たな発見をしていました。

 

社会の要である地理はこのデータマップシリーズでマスターします。

 

小学生のうちから「日本の歴史」や「世界の歴史」の漫画は全巻揃っていでも、地理の本は学校の地図帳だけというご家庭が多いです。でも、中学受験の社会のメインは歴史ではなく地理です

覚えることが多い地理は、最終的には問題集を何度もさらって覚えるしかないのですが、どうしても頭に入らない、ストーリーが理解できない単元にぶつかった時に役に立つのがこの大型本シリーズです。参考書ではなんだかぼんやりとしか頭に入らない内容も、写真や地図の上で確認することで一発で覚えちゃうことがよくあります。インターネットで調べたり、動画を探すのも良いのですが、どうしても時間がかかるので、あえて本を活用します。

このデーターマップシリーズは地方ごとに産業・文化・農耕などについて詳しく説明があります。索引を利用すれば、詳しく知りたいことがすぐに見つけ出せるのも助かります。

そして、何よりもこのシリーズの魅力は巻末資料として地味に白黒で綴られた「もっと知りたい」〜地方のページです。各県にゆかりのある歴史的人物から特産品まで写真と一緒に詳しく取り上げられており、ここだけでも読む価値があります。

地理は暗記科目と思われがちですが本当はその後ろにある『なぜ』という問いかけで、全てには理由とストーリがあることに気がつくことが大切です。

 

小峰書店のこのシリーズは地域の図書館においてあることが多いので、学校や塾で地理の学習が始まったら、その地方の巻を借りて補助教材的に使うと効果的です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しろ(原作:芥川龍之介)

日本の文学も読んでみてほしい、と思ったときにはまずはこの一冊をおすすめしています。

芥川龍之介の短編の中で、断トツで手に取りやすい絵本です。それも主人公は「犬」。芥川にしては珍しく(?)屈折なく、安心して子どもに渡せる読みやすい絵本に仕上がっています。

田中伸介の全編鉛筆で描かれた世界は身近に感じやすく、時代背景は多少古いですが気になりません。

絵本は主人公の飼い犬「しろ」がとなりの家の犬「くろ」がいぬごろしに連れて行かれるのを目撃するところから始まります。「くろ」を助けず逃げた「しろ」が家に帰る頃には全身が真っ黒になっています。飼い主に追い出された真っ黒になった「しろ」は野良犬として生きていきます。

見て見ぬ振りは罪なのかを問うストーリに、子どもは最後までドキドキハラハラしながら読み進めることができます。

 

全文ひらがなとカタカナなので、低学年からでも一人で読めます。

また、短い話しながらドラマチックで、テーマもはっきりしているので初めての読書感想文の本にも適しています。

しろ(原作:芥川龍之介)

 

しろ(原作:芥川龍之介)

 

 

 

 

13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。

学校や塾で日本史の単元に入ったら用意したい一冊です。「13歳」とタイトルにあるように、子ども向けにおもしろおかしく語り口調で書いてあるので、小4、小5ぐらいからでも問題なく楽しめます。歴史漫画でもいいので、一通り日本史の流れを身につけてから読んだ方が読み進めやすいでしょう。

この本は、書店に並ぶ子供向けの歴史エッセイとは違い、健康的そしてまっとうな理が書き手にあるところです。歴史の話は、ついつい生々しい戦や人殺し、非人道的な事件なども歴史という名のもとにロマンチックに語られがちですが、この本ではそれらの史実(?)をあらゆる切り口から検証し、当時の人々の心情に思いを巡らせて語られています。

また、秀吉の「中国大返し」を実際に計算して検証してみたり、「本能寺の変」では明智の本意に迫ったりするのも愉快です。

教科書では一行で済まされてしまうような事件にも、その時代背景や人々の人生が絡み合って起こっているのがよくわかります。

関ヶ原の戦いの勝因について、作者は次のように話しています。

一見「清潔な三成、腹黒い家康」みたいな印象を受けるかもしれませんが、相手のことを考えたのはどっち?

三成さんの場合、みんなに協力してほしいとは言うものの「豊臣家のため、正義のために集合するのは当然だ」という感情が根本にあったんでしょう・・・

 

正義を掲げ、誰かを否定することのみを目的としたチーム作りは、たぶんうまく行きません。なぜなら「正義」や「正しいこと」というのは、人によってバラバラだから。

 

家康は「自分にも相手にもそれぞれ正義がある」ということを前提の上で、次の段階の話し合いをしてるんですね。

歴史を学ぶ本当に意義を、テスト勉強に終われる前に子どもの中で確立しておけば、年号や人物を覚えるのもそれほど苦じゃなくなります。