『ショーケンと優作、そして裕次郎 「太陽にほえろ!」レジェンドの素顔』 | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

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不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

このゴールデン・ウィークは自宅で過ごそうという事でSNS上でも色々企画がある。

その中に「ブックカバーチャレンジ」と言う、自分の好きな本の表紙を載せて、指名バトン制で別な知人に繋いで行くというもの。

 

そんな中、この本日読んだ1冊がこれ!

『ショーケンと優作、そして裕次郎 「太陽にほえろ」!レジェンドの素顔』

かつての大人気刑事ドラマ「太陽にほえろ!」の裏話本。

番組プロデューサーの岡田晋吉(おかだひろきち)氏の最新著書である。

岡田プロデューサーとは一度歓談させていただいたことあり当稚ブログでも紹介した

また、岡田氏のバースデイ時に追加ネタも記しました

今回は岡田氏の3作目。

過去の2作はこちら。

 

内容はタイトル通り、3人のレジェンド俳優との話。

マカロニ(萩原健一)の話も、ジーパン(松田優作)の話も、前著作やお話をお伺いした際にお聞きしたものとほぼ同じでしたが、今回この本で新たに驚かされた事が1つ!

それは、なんと「太陽にほえろ!」第5話まで収録を終えたタイミングでボス役の石原裕次郎が番組終了の話しを持ち出したということ!!

有名なのは、ショーケン(萩原健一)が途中で降番の駄々を捏ねて、マカロニ刑事殉職に至る話だが、それ以前にボスのほうが先に番組を終わらせる話をしていたのはビックリ。

元々、映画界の大スターだった石原裕次郎を当時は格下メディアであったテレビを引っ張り出すにあたり石原プロ側が「とりあえず、ワンクール(13週分)やってみましょう!」と言うのがきっかけだったらしい。

それをしっかり覚えていた石原裕次郎が、制作スケジュール的にはもう第10話まで進行が及んでいたので確認するための発言だったようだ。

当然、本人は終わるものと思い計算していたが、もちろん視聴率は上がっている段階で、岡田氏としては5年~7年の長寿番組を考えてものだから、こりゃ修羅場です。

番組の最高顧問の2名(日本テレビの担当である岡田氏と、共同制作である東宝の担当者である梅浦洋一氏)が口説き落とさないとならない。

そこで、石原氏の自宅を訪問することになるが、石原氏は間違いなく飲酒しながらの話になるので、下戸の岡田氏と、多少飲めるもアルコールが入った状態では説得するまでに至らない梅浦氏では心細いこともあって、なんと!酒に強い「ゴリさん」(石塚刑事役の竜雷太)に同席を頼んだと言う。

そして、酒が入るにつれこの竜氏が渋る大先輩で大スターでありボスである石原裕次郎に噛み付いたと言うではないか!

「テレビをバカにしないで下さい!」その強い一言に石原氏含め一同が驚いたそうだ。

テレビの全国ネットで20%の視聴率を持つことが、どれだけ映画よりも観てる人が多いのか、しかもテレビは老若男女が観ていること、そしてこの番組がテレビ作品としてどれだけ素晴らしいか、を酔いながらも理路整然と説き始め、それが続くものだから石原裕次郎も何も言えずただただ聞くばかりになったと言う。

同席していた裕次郎夫人の石原まき子女史が助け舟を出す。

「これからはテレビもあるのじゃない?そこまで言われてるんだから続けたら?」とも言われ、それでもまだ熱弁が止まらない竜氏に根負けした裕次郎は「わかった!わかった!」と酒を勧めるしかなかった…。(笑)

 

以前にも記したが、「太陽にほえろ!」の根幹は「ゴリさん」であり、現場でのムードメーカー、新人教育も竜雷太氏だったことも考えると、ゴリさん=竜雷太氏が「太陽にほえろ!」の最功労者と言えよう。

 

本は、4つの章から成り、マカロニ/萩原健一、ジーパン/松田優作、ボス/石原裕次郎、そして最後に岡田氏と梅浦氏(かつて氏が出演された番組の事も記しました)、そしてゴリさんこと竜雷太氏の鼎談が収められています。

最後にも、ゴリさん/竜雷太の登場なんです、やっぱり。(笑)

 

まだ先のあるゴールデンウィーク、いえもっと先のある自粛期間、よければネット購入できるので読まれてはいかがでしょう?