今日は、名プロデューサー岡田晋吉氏のバースデイ | 新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

新・迷って、悩んで、でも笑ったりもして…。

不惑の40代などと言うものの、40代になってから「踏んだり蹴ったり」、「弱り目に祟り目」な日々…。
あれから幾年過ぎ、日々の一喜一憂を好き勝手にほざいてる次第です。

本日は2月22日。

おそらくSNS系では「ネコの日(222=ニャンニャンニャンから)」として様々な猫が取り上げられているでしょう。

 

しかし、わたくしはと言うと、昨年秋にお話をお聞きしたかつての名ドラマプロデューサーの岡田晋吉さんの84回目のお誕生日をお祝いしたいのです。

以前、当稚ブログにてその時の模様を記しました

今回はその時のスレッドに載せられなかった話を幾つか。

 

「太陽にほえろ!」

1、刑事ものでしかも捜査1係だが、当初はスポンサーとの関係で、、、

  轢き逃げX→スズキ自動車提供、爆破事件X→三菱提供、毒殺X→製薬会社提供、など、なかな

  か脚本書きも大変だったとのこと。(笑)

2、撮影スケジュールは実は「殿下(小野寺昭)」のスケジュールに合わせることが多かったそう。

3、新人俳優を主役で起用するのか?

  番組の活性化などもあると思うが、面白かったのは「長寿ドラマで主人公がそのままだとギャラが

  高くなるんですね。でも“太陽~”はずっと新人なんで主役のギャラ支払いが一定で済むんです

  よ!」とおっしゃっていた。

4、萩原健一降板時、ショーケン曰く「(当時は)成功して去るのは今の若者は嘘っぽくて信じて貰え

  ないよ。失敗して死にたい。」と言ったらしい。

  これは「挫折の美学」であり、その根底には70年安保の影響が大きかったとの事だった。

 

「俺たちの勲章」

岡田氏が「あれが一番好き!」と数々の名作ドラマを排出したのに、まさか短命だったあのドラマだったとは驚き。

実は私も岡田氏の名作中トップ3に入る作品だったので、「自分もあのドラマ大っ好きです!」と言ったら「あれは、いいよねぇ~」と微笑んで下さった。

「太陽~」は長寿番組を狙ったが「~勲章」では長寿は考えなかったのですか?と質問したら「決してそんなつもりは無かったのですが、当時の水曜21時はまだナイターの影響が大きいので難しかったです。」との事。

 

出演者に対してもいくつかコメントされていた。

●沖雅也

「太陽にほえろ!」がそこそこ続き安定したことによって現場が馴れ合いの雰囲気が生まれてきたそうな。

そこでカンフル剤的に投入したのが、敢えて新人ではない俳優の沖雅也氏だった。

番組内でも群れずにクールに過ごす「スコッチ刑事」役だが、実際の撮影契約期間も休憩中にスタッフの和の中に入らずに過ごしたらしい。

実はこれ岡田プロデューサーの採用時の条件で「その雰囲気を壊してくれ」と頼み、沖氏は徹底的にそれを守った。

では何故沖だったのか?

それは「さぼてんとマシュマロ」という岡田氏制作のドラマで起用した過去があり、その時のひらめきだったようだ。

ここに、1つボタンの掛け違えのような話があり、岡田作品の代表作でもある「飛び出せ!青春」の主役である村野武憲が出演した映画「八月の濡れた砂」の村野氏の役は当初沖雅也だったが怪我をして事前降板となり村野氏起用となった。

岡田プロデューサーはこの映画の噂を制作段階から聞いていたようで、その時点で沖雅也も村野武憲ともマークしていた。

そこで「さぼてんとマシュマロ」制作時のキャスティングで「じゃ、怪我して仕事1本無くした方を使おう」と起用した。

そして前述のように村野氏も後に「飛び出せ!青春」の主役で起用された。

半年間スコッチを徹底してやってくれたことで現場に引き締まりを生まれたし、当時他局で「必殺シリーズ」に出演していたので「もう大丈夫」と出した。

しかし、その後「太陽~」の視聴率が落ちだした時があり、再度登板してもらった。

 

●石原裕次郎

実は、岡田氏は鎌倉出身で、高校生の頃にもう同じ江ノ電で登校する生徒時代の石原裕次郎を知っていたとのこと!

あの辺りではもうすでに有名な腕白っ子で子分を沢山引き連れて徒党を組んで電車にも乗っていたらしい。

岡田氏は「当時は怖くてね…」と笑っていたが、まさかその裕次郎をテレビドラマで初めて使う人になるのですから面白いものです。

そんな昭和の大スターなエピソードを1つしてくれた。

ある時に石原氏がゴルフへ行った際、氏の打ったボールがそのゴルフ場の大木に当たってしまい、不本意な結果になった。

すると、翌日その木が切り倒されていたと言う。(笑)

もちろんこれはゴルフ場の裕次郎に対する忖度である。

 

●青木英美~浅野ゆう子

「太陽にほえろ!」の初代お茶汲みと二代目お茶汲みのお二人。

久美ちゃんこと青木女史のある日突然出なくなった理由は本人から「フランスへ行きたい」という申し出があったことから。

元々ファッションモデル出身と言うこともあり、そちらも見据えて将来を考えてのことだと思います。

そして色んな意味で「幻」な二代目お茶汲みが後にトレンディ女優となる浅野ゆう子。

当時はデビューしたてのアイドル歌手やっていました。

実は彼女「太陽に~」は一度くらいしか登場していない。

私が以前から耳にしていたのは「14歳の娘が警察署で働けるわけないだろ!」と言う視聴者のクレームが原因だったが、実は岡田氏はこんな話をしてくれた。

ボスを演じた石原裕次郎はデビュー時に「こんなに足の長い男は日本にいない!」というのが巷の認識でそれ故に高い人気もあった。

ところが浅野ゆう子が初顔合わせ時に裕次郎氏に「足長いと聞いてたけど、私の方が足が長いですね!」といきなりの挨拶を食らわせたらしい。(笑)

それが裕次郎フリークの耳に入ったのか、カミソリ入りの手紙が番組宛に届くようになり、1年契約にもかかわらず1回程の出演となったらしい。

 

●露口茂

「太陽~」の渋い刑事“山さん”役の俳優。

「太陽~」降板後は殆ど見なくなりました。

岡田さん「露口さんはお元気なのでしょうか?」と訊いたら「今もお元気です。」とおっしゃっていた。

ただ岡田さんとしては「長く刑事をやりすぎて失敗させた」というお気持ちもあるようです。

 

他に脚本家の方々にもついて触れられていました。

●倉本聰

ニッポン放送入社当時からすでにシナリオ書きをしていて才能を発揮していたようだが、ある賞を取った後はプレッシャーでしばらく書けなくなったらしい。

昼型で書くのがとにかく早いそうです。

 

●市川森一

プロデューサー的感覚が溢れ、「傷だらけの天使」は実質的なプロデューサー役を請け負った。

そしてこれが、市川森一と言う確固たるポジションを手にしたと言えよう。

 

●鎌田敏夫

この方も昼型だが、夜は飲む!(笑)「しかも女性がいないとダメなんですよー!」(笑)

 

 

岡田晋吉様

貴殿の刑事・探偵もの、学園・青春ものの名作ドラマを幾つも観て育って来ました。

84歳になられた今もお元気でますますのご躍進を心より願っております。

出来れば、またゆっくりお話を沢山聞かせていただきたいと思います。