フリマアプリ「メルカリ」は、情報の非対称性が強い中古市場において、取引の信頼性を制度で担保する仕組みを構築した成功例だと考えられます。
中古品市場では「売り手は商品の状態を知っているが、買い手は知らない」という情報格差があり、それによって市場が機能不全に陥ることがあります。
これを経済学の考え方で「レモン市場の問題」といいます。
私も中古車流通の事業にかかわったことがあり、この問題に直面した経験があります。
総額表示提案、評価制度、保証制度の導入などに取り組みました。
実はメルカリはこの問題に対して、評価制度・配送追跡・匿名取引・購入者保護制度などを整備し、情報の非対称性を縮小する制度的設計を行っています。
これにより、個人間でも安心して取引できる環境を実現し、市場の拡大に成功しました。
この仕組みは、経済学でいう「シグナリング」や「メカニズムデザイン」の理論が応用された例といえます。
「制度=経済活動を可能にする基盤」という考え方を体現しています。
シグナリング・・・情報を持つ側が、自らの特性を相手に伝える行動のこと
メカニズムデザイン・・・自己利益の追求が社会的によい結果につながる制度設計のこと
参考文献:
神戸伸輔『入門 ゲーム理論と情報の経済学』日本評論社
株式会社メルカリ『アニュアルレポート』