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ソリューションのおぼえがき

中小企業を応援するために、経営者と共に元気に戦っています!


正解なき、組織や事業の課題を発見し、
向き合って、ソリューションを提案しつづけるための「覚書」。

任天堂の価格戦略や製品戦略は、ゲーム理論の視点から見ると非常に興味深い事例です。

たとえば、WiiやSwitchといったハードウェアは、競合のプレイステーションやXboxとは異なるスペック・遊び方に重点を置いてきました。

これは「価格競争=負けのゲーム」と見なしたうえで、差別化によって価格競争を回避する戦略です。

ゲーム理論では、こうした戦略を「非協力ゲームにおける回避的均衡」としてモデル化できます。

また、ゲームソフトの供給においても、第三者に依存せず、任天堂自らがソフトを供給することで、収益構造の主導権を握っています。

これは「二部制市場(Two-sided Market)」の制御権を握る形で、戦略的なゲーム支配を成立させている点もポイントになるのかもしれません。

競争相手と正面から殴り合わない。これも一つの立派な戦略だといえるでしょう。

 

参考文献:

・Dixit, A. & Nalebuff, B. (2008). The Art of Strategy. Norton./『戦略的思考をどう実践するか エール大学式ゲーム理論の活用法』(CEメディアハウス)

・任天堂株式会社「株主・投資家情報」

 「現状維持は衰退の始まり」

この言葉は、今のビジネス環境を的確に表しています。

テクノロジーの進化や市場の変化が激しい今、どの企業も変わり続けなければ生き残れません。

経済学者シュンペーターは、企業家による「創造的破壊」が経済発展を生むと説きました。

アップル社のiPhoneはまさにその象徴です。

2007年の登場で、世界中の携帯電話市場を一変させました。

 

単なる通話端末から、人々の生活や働き方を変えるスマートフォンへ。

技術革新だけではなく、顧客がどんな体験を求めているかを形にした点が大きなポイントです。

 

さらに最近は、新製品を出すだけではなく、Google社の「20%ルール」のように、社員が自由にアイデアを形にできる文化づくりが重視されています。

どれだけすごい技術があっても、挑戦できる風土がなければイノベーションは生まれません。

 

「これまで通りで十分」は、もはや通用しない時代。

だからこそ経営者は、変化を恐れずに挑戦する姿勢を示すことが求められているのです。

 

参考文献:J.A.シュンペーター『経済発展の理論』(岩波書店)

組織・文化的イノベーションすなわち、「人と組織のあり方」を変えるイノベーションについてですが、

Google社では有名な「20%ルール」があり、社員は勤務時間の20%を自由に新しいプロジェクトに使えます。

実際にGmailやGoogleマップはこの制度から誕生したと言われています。

 

また、Google社の制度には、OKR(Objectives and Key Results)という目標管理の仕組みがあります。

目標を決めてから達成すべき成果指標を設定するという目標管理手法です。

会社全体の大きな方向性を共有しつつ、現場は自律的に挑戦できると言われています。

 

この文化が社員のモチベーションを高め、失敗を恐れずにチャレンジする風土を生んでいます。

新しい技術だけではなく、それを生み出す人と組織をどう育てるか。

 

Google社の取組みは、イノベーションを持続させるには制度設計と評価の仕組みがいかに大事かを教えてくれます。

 

参考文献:ジョン・ドーア『Measure What Matters』(日本経済新聞社出版社)

Netflixは、ビデオレンタルの常識を覆したビジネスモデル・イノベーションの代表例です。

 

もともとはDVDの郵送レンタルサービスからスタートしましたが、2007年に動画ストリーミングへと大転換しました。

当時は、誰もがビデオを見るためにレンタルショップに行っていた習慣を、ネット上で「いつでもどこでも観られる」という新しい形にビジネスモデルを変えたのです。

 

さらにNetflixは、自社オリジナルのドラマや映画の制作に乗り出し、プラットフォームとコンテンツ制作の二刀流で利益を拡大しています。

このように、商品そのものを変えるのではなく、価値の提供方法と収益構造を抜本的に変えるのがビジネスモデル・イノベーションの醍醐味です。

 

テクノロジーを味方につけ、業界のルールを自ら書き換える。その大胆さがNetflixの強さの源泉です。

 

参考文献:Gans, J.『The Disruption Dilemma』(MIT Press)

効率化で世界を変えたのが、トヨタの「トヨタ生産方式(Toyota Production System)」です。

 

TPSは「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」つくるジャスト・イン・タイムと、作業現場が自主的に生産を止められる自働化が柱です。

この仕組みが生産現場のムダを徹底的に排除し、高品質と低コストを両立させました。

 

例えば、不良品を発見した作業員は即座にラインを止めて原因を解決します。

現場に改善の権限を持たせることで、社員一人ひとりの問題解決力が磨かれ、組織の底力が高まります。

 

TPSは日本だけでなく、世界中の製造業の手本となり「リーン生産方式」として多くの企業に取り入れられています。

プロセス・イノベーションは、派手さはなくても企業の収益力を支える強力な武器になります。

 

参考文献:大野耐一『トヨタ生産方式』(ダイヤモンド社)