私たちが祖先から引き継いだ遺伝子の中には、がんに対する抵抗力が組み込まれています。がんは、細胞の遺伝子に、致命的な変化が起きてしまうことにより、細胞が不死の能力と、さらに移動する能力も獲得した結果です。遺伝子の種類には、がんを誘発させる物質を消去できる機能があり、これをがん代謝遺伝子carcinogen metabolism genesと呼びます。これら、一連の遺伝子から作られる物質の働きのおかげでで、健康細胞のがん化が防げています。このほかにも、抗酸化物質、グルタチオンなどの物質の活躍により、体内からがんをなくす働きがあります。ナチュラルキラー細胞で代表される免疫の働きも、遺伝子の機能に左右されています。


男性は、がんが発症しやすい事実からわかるように、人の抗がんの能力には男女差があります。元々、女性は異物排除能が高いことが、ここでも影響しています。しかし、現状は、酒やタバコの消費量は、男女でかなり異なりますので、今の男女差の数値に至っています。ガン化現象も、社会的影響を受けますから、今は、生活習慣の男女差が少なくなり、がんになる人の男女差が縮まってきています。


元々、がんにかかりやすい体質を持つ人がいます。こうしたタイプの人の体細胞には、遺伝子の変化が起きやすいです。がんの発生を抑制する遺伝子として有名なのは、P53です。P53は、がん化しかけた細胞のDNAを元にもどす働きをしています。ですから、P53遺伝子に変化がおき、元にもどす能力が落ちると、がんが発症しやすくなります。P53の変化がおこりやすい人は、腫瘍が起きやすいということになります。がん細胞では、P53の複数の遺伝子箇所で、遺伝子の変化が起きています。P53の変化は、喫煙者、非喫煙者で起きていますが、その遺伝子変化の様相は、喫煙者と非喫煙者で違っています。腫瘍が発生してしまった人は、その腫瘍細胞のP53が変化します。


がん誘発因子代謝酵素(carcinogen metabolism enzyme)も、体内からがんを消す役目をする物質です。この仲間に、CYP1A1 、GSTMと呼ばれる物質があります。
しかし、CYP1A1とCYP1B1は、名前はAからBに変化しただけですが、異なる酵素で、CYP1B1は、逆にがんを誘発する方向ではたらきます。ちなみに、CYPは、全身に分布している体内物質を代謝する蛋白物質です。薬が体内で変化していく時(代謝)に活躍します。同じCYPが、異なる薬の代謝に関係するので、薬の効きや飲み合わせに変化が起きるのです。


BRCA1とBRCA2と呼ばれる遺伝子変化の有無を調べることにより、がんの性質を知ることができます。がんが発症前に、この遺伝子の変異をもっているかどうかを調べることができます。将来のがん発症を予想することに使われたりします。RCA1とBRCA2の遺伝子変異を併せ持っていると、乳癌の生涯罹患率がかなり上昇します。こうした変化した遺伝子を持つ人を、キャリアと呼びます。外国では、家族に乳がんの人が多く、本人もその変異遺伝子を持つ場合は、予防的乳房全切除術をする人がいます。


ここで、肺のがんについて、男女差を見てみます、

BRCA1、BRCA2は、肺がんと関係する遺伝子です。しかし、肺の場合は、女性の方が、男性よりBRCA1、BRCA2の遺伝子変化を持つ人が少ないです。予想されるとおり、肺の腫瘍のエストロゲン受容体は、女性の方が多く、X染色体を2つ持つ女性では、X染色体関連蛋白が、がんの性質や転移に影響を与えます。女性は、X染色体に存在する遺伝子は、2つのアレルをもっています。ボンベシン様ペプチド(bombesin-like peptide)に属するGastrin-releasing peptide (ガストリン放出ペプチドGRPと呼ばれ、胃が分泌するガストリンを促進させる神経分泌ペプチド)などがあります。

上皮成長因子受容体Epidermal growth factor receptor (EGFR)も、がんに関係する物質です。当初、線維芽細胞の増殖する時に必要な物質として発見されましたが、その後、がん細胞に発見され、がんの性質を知る時に利用される受容体です。肺がん細胞に、この遺伝子変異を持つ人は、女性が多くなっています。

肺の非小細胞がん(NSCLC)になりやすい女性の腫瘍細胞では、K-ras(がん化関連物質)に変化が、男性より頻繁に起きています。K-rasの変化は、喫煙者に起きやすいですが、非喫煙者にも同様の変化がみられています。

こうした物質や受容体に変化があるかどうかは、がん細胞の顔つきにあたるものです。そして、予後や治療成績にも関係します。


今回の話しは、難しいですね。やはり、用語が難しいです。しかし、誰でも、運が悪く、がんになることがあります。それから勉強をしていくのは、かなりつらいです。がんの領域は、難しい用語や新薬が多く、薬の作業機序を知らなければならないので、最初は、誰でも混乱すると思います。今は、がんと関係が無い方でも、普段から、こうした用語を知っていると、将来、何か役にたつと思います。大分、先になると、薬の名前も変わってしまいますが、医学の考え方は引き継がれます。人の知恵により、いつか、がん化そのものが防げるようになる時がくると願っています。
以前の学とみ子のブログに、男性は、思春期に統合失調症の発症のピークがあり、一方、女性は、この病気の数は少ないものの、思春期以後、だらだら型の発症パターンで、更年期に発症の中程度のピークがあるとお話しました。男女の心の病気を考える時に、大事なポイントではないでしょうか?男女の違いに注目しますと、女性は、(悪い)環境により“うつ”になりやすく、男性は、内因的な“うつ”が多いといいます。つまり、女性は、さしのべられた手で回復することが多く、男性はそれが難しいということです。もちろん、これはおおよその傾向ですが・・・。
 

男性は、自分の中にもう一人の自分がいて、自分自身にアドバイスできたりします。男性は、自らの行動を見ているもう一人の自分がいると思われるのです。こうした傾向は、男性が作った歌詞などにも、その例を見出すことができます。

クイーンのヒット曲の歌詞にあります。題して、“多すぎる恋愛”です。作詞者(男)には、たくさんの愛人がいます。歌詞の内容は、作詞者自身の中のもう一人の自分がいて、自身にアドバイスする形をとっています。
まあ、こんなふうです。

君は、もう、多くの愛人をもってしまった。こうした状態から、早く抜け出さないといけないね、そうでないと、どうにもならない苦境にはまるぞ!そうならないうちに抜け出せ!このままじゃ、だめだ!やめろ!やめろ!
 
と、激しく叱責しながら、歌っています。この歌詞を書いた、お金、名誉、魅力を得たモテモテ男性は、どんどん愛人を増やしてしまったのでしょう。男性は、許されれば、昔のお殿様のようになりがちなのかもしれません。客観的に、自分自身をみつめて、警告するという歌詞ですが、女性は、こうした歌詞は作らないような気がします。
 

男性は常に、冷静に自分をみつめているのだろうと思います。だから、破綻した時は、何とか自分自身で立ち上がるしかなくて、それができないと自殺者も多くなるのかもしれません。男性は、お酒が入ると、自己嫌悪にも陥りやすいようです。男性の大脳皮質が、辺縁系を支配すると言われています。悩んだ時、男性は同じ悩みを持つ仲間(自助グループ)を求めるといいます。海外の映画には、落ち込んだ男性が寄りあう集会のようなものが場面にありますね。お互いに、ピアカウンセリングしていたりします。これに対し、女性は医療機関に頼ると言われています。ドクターショップを繰り返す人は、女性が多いと思います。
 

男女の考え方の違いは、日常生活でもしばしば、有ると思います。そうした時に、この違いの機微にあまり鈍感でいすぎても、敏感でい過ぎても、うまくいかないかもしれません。
 

以下に医療機関で経験する男女の違いを書いてみます。日常生活で男女が理解し合いたい時の参考になると思いますので紹介します。もし、失礼な言い方がありましたが、すみません。以下の内容は、学とみ子が、個人で考えたり、経験したわけでなく、他の医療関係者の方々からも情報を得ています。的をはずれていたら、ごめんなさい。
 

主治医を変えたいと思う時は、誰でもあると思います。治らない病気の時に、私たちは主治医を変えたいと思います。女性の方が、ドクターショップを繰り返しやすいです。女性は、一般的に他人に依存的ですが、この場合も、医師に頼ります。
 
一般的に、男性は、女性より早めに医師の能力の限界を知るのだと思います。世の中には、“私だけが、あなたの病気を治せる!”と豪語する医師もいるわけで、そうした医師に限界を感じるのも、男性の方が早いようです。女性は、信じて一筋になることがあります。

ドクターショップを繰り返す女性が、満足をしなかった医師でも、中には誠意ある優れた医師はいたと思います。しかし、残念ながら、女性たちにはそう感じることができませんでした。女性は病気について、必要な情報以外のことを言いだし始めます。一方、男性は、一応、必要な情報を言いますが、多くは話したがりません。だから、医師は、ちょっとした言い回しに、患者さんの本心を知ろうとします。
 
男性は、この医者は、わかっていない!と感じ取るのが、早いだろうと感じます。妻が「医者に行け!」と言っても、なかなか行かない夫がいますが、夫は、医療の限界を予想しているのでしょう。夫は、医師から、何か言われるのが怖いと思っているだけではないでしょう。確かに、今の日本の診療は、時間がなく、初診時に、すばやく病気を、医師に理解してもらうのは難しいと思います。特に、重い病気でなければ、なおさら、複数の医師にかかれば、判断はさまざまにばらつくと思います。
 

最近の電子カルテの医療現場では、医師は、長いことパソコン操作をしていて、患者の顔を見ません。こうした苦情は、しばしば聞きます。外国で、英語の場合は、変換がなく医師が打ち込む速さが速いです。それでも、医師が紹介状を書く時などは、マイクに声を吹き込んで、それを秘書が入力しています。外国では、診療時間が長く、患者さんとの会話に時間を割きます。日本語は、入力が本当に大変ですし、診療時間が短いです。
 
患者さんの中には、すばやく医師の書くカルテ画面を覗き込む人がいます。そして、こんなことを書いているのか!と、がっかりするようです。患者さんの立場からすると、「もっと、大事なことを、私は言っているのに・・・」と思うらしいのです。医師が書く情報と、患者の大事な情報が、必ずしも一致しないのです。
 
こうした積極的?な行動は、男性に多いようです。一方、女性は、医師におまかせの感じで覗き込む人は少ないです。薬の薬効や副作用についても、女性は男性ほどには、コメントしません。医師に対して、勉強してきたことを披露する女性は少ないです。女性は、それぞれの成分の効果のはっきりしない漢方薬を受け入れやすい傾向があります。
 

女性に限らず、医療をうける時の判断力を高めることは、今後、どうしても必要になってきます。健康維持のためには、多角度から考えるための情報が必要です。例えば、避妊のためのピルをひとつとっても、ピル推進派と反対派が、それぞれにホームページなどで、極端な情報を発信しています。擁護派は、副作用を指摘せず薬を勧め、反対派は副作用を強調します。しかし、最初から結論があるわけでなく、治療効果や副作用を天秤にかけ、最後は、薬を使う人の責任です。こうしたトレーニングが、日本人で、もっと進んでほしいです。最後、批判的発言になり、申し訳ありません。引き続き、男女の病気についての情報を発信いたします。よろしくお願いします。
 

 

動物モデルでは、脳の男女差を操作することができます。生後まもないメスラットがアンドロゲン(雄性ホルモン)にさらされると、雌の神経細胞の数が多い部分(前腹側脳室周囲核の細胞が、細胞死を起こして、細胞の数が雄と同じになります。
 
脳梁の膨大部は女性がより球形、前交連の面積も女性が12%多いのは、女性の言語能力が高いことと関係するらしいと考えられています。男性は言語機能が限局するが、女性は分散しています。ホモセクシャルの人の前交連は女性型に近いという研究があります。
 
新皮質の代表である前頭葉は、知的決定をするところです。男の脳では新皮質が強力に機能し、強い決定権を持っていて、海馬、扁桃体などの辺緑系の意見は押さえ込まれてしまいます。一方、女の脳は、男ほど前頭前野の抑制が強くありません。女性の新皮質は、辺緑系の気持ちを聞いてあげて、行動すると言われます。
このした男女差は、胎生期、乳児早期からつくり続けられます。男児は育てにくいと言われますが、それも生物学的な根拠があります。男児は、圧倒的に病気が多く、特に思い病気ほど、男児の占める割合が多くなります。たとえば、重症の肺炎や髄膜炎、脳炎などです。
 
女児の特徴
まずはおとなしい。食べ物を選ばない。離乳食に警戒心が少ない。外食しても何でも食べる傾向があります。 しかし、女児は、一般的な風邪のようなものは、かかりにくいですが、肺炎などになると、それほど重くなくても呼吸が苦しくなりやすく、長引いたりします。
 
男児の特徴
離乳食に警戒する。熱をだしやすい。ものを買う時に、次の次まで考える。これをかうと、こうなるから、そっちはやめてこちらにしておくなど・・・、いろいろ考えをめぐらせることができます。
組み立てられたものをこわしていく。分解し組み立てることが好き。武器も大好きで、振り回して遊ぶ。物をたたいたり、投げたりするのが好き。 
– 
子どもの絵を見ると、男女で明らかに違いますね。色使いが男女で大分違います。
男の子の絵は、車、電車、飛行機など乗り物をモチーフにしたものが多く、空間的な絵が好き。戦う絵も大好きですね。色の数は少なく、寒色系、

一方、女の子の絵は、人や花、動物などを同一線上に描いた二次元的な構図の絵を描くことが多く、色使いは、暖色系でカラフルです。
 
子供の時、一緒に遊ぶのは、ほとんど、男の子同志、女の子同志の同性同士でしたね。それが、思春期から異性同志になり、そして加齢してある年齢に達すると、又、同性同志の方が良くなります。男女は基本的に、能力、や考え方がかなり違う生き物であるからだと思います。この対極にある二つのものをつなぎとめ、維持していくために、男女双方に、相当の努力が必要としています。夫婦など、共生の努力を続ける理由は、他の社会的因子などが大きく影響します。素直な感情で考えると、同性同志の方が、気持ちがわかりあえて、一緒にいるのが苦にならないような気がします。男性同志の愛情関係は、外国などでは、市民権を獲得していますが、男同志で惹かれあう間に、女性は入っていけないような気がします。学とみ子から見ると、男性同志の愛情は、“惹かれあう才能”という印象です。
 
男性が、乳児から大人になる過程で、そばの女性である母親を、馬鹿にするようになる時期があります。男の子が15歳をすぎる頃、母親の知性が物足らなくなるようです。小椋佳の“甘いオムレツ”でも歌われていますが、理屈をこねることのできない感情的な母親を、男の子は毛嫌いしています。母親は知性がないと、息子から思われるようになるのです。しかし、この歌では、息子が20歳になる頃までに、息子の母親への批判は無くなり、むしろ、母親に別の才能を見出す余裕がでてきます。そして、母親賛歌の歌になっているのです。すでに、息子の知的レベルは母親を大幅に超え、余裕をもって、母親にやさしく接することができるようになるらしいのです。少なくとも、この歌ではそう歌われています。
 
男女関係を考えてみる時、この男が女を馬鹿にする状況は、その後の人生で、何度も起きます。男性たちは、若い女性にやさしく、男性は女性にひれふします。しかし、それでも、女性たちは、しばしば、男性から馬鹿にされていると感じます。大事なのは、女性たちは、ここで、反発するのでなく、じっくりとその原因を考えてみることです。例えば、男性は独創的にものを考える傾向にあり、他人の言うことは簡単には聞きません。特に女性の言うことは聞きません。男はとにかくアドバイスをされるのが大嫌いで、しかも、そのアドバイスが的を得たものならなおさら大嫌いです。美しい妻がいて、その妻に名声があったりすると、男性はその妻につらくあったりします。そして夫自身は落ちた時、夫は妻と離れた方が、夫は立ち直れます。男性は、メンツが高く、心にあるものを簡単に出しません。表面的には、仲がよさそうに見えるのに、本当は大嫌い同志などということは、男性の人間関係の場合にあります。女性には、こうした虚像はつくれません・・・。
 
いずれにしろ、男女の人間関係を維持するには、相手の考えや価値観を認めあわなければ成り立ちませんが、そのためには、男女の生物学的な違いを知ることは大事なような気がします。まえがきが長くなりましたが、今回は、男女の違いに触れてみたいと思います。
 
脳には、その性ホルモンの受容体が豊富に存在することを書きました。脳の内側視索前野や内側扁桃体等の辺縁系領域には、アンドロゲン、エストロゲン、プロゲステロンの受容体が集中しています。これらの領域は、神経細胞の並び方、大きさなど形態的に雌雄差があり、これを性的二型性と呼びます。遺伝子やタンパクの発現レベルにも雌雄差(性的二型発現)がしばしば認められ、脳の性分化の影響をうける中心的領域と考えられています。この内側視索前野や内側扁桃体領域に、アンドロゲンをエストロゲンに転換する芳香化酵素(アロマテース)を持つニューロン群もみつかっています。局所的なエストロゲン産生が、脳の性分化や生殖機能の発現に強く関わります。脳の視床下部性の性周期異常や排卵障害などとも、関連していると考えられます。
脳が形成される乳児期に、性ホルモンの影響をうけます。

胎生期のみでなく、生後直後のエストロゲンが、脳を雄性化すると考えられます。雄では、脳内でテストステロンがエストラジオールに変換されますが、生後直後のオスの脳の形成には、このエストロゲンが関係します。一方、生後直後の雌(メス)では、脳内エストロゲンは上昇しません。胎生期の雌(メス)の卵巣からエストロゲンは低値で、母体由来のエストロゲンは、αフェトプトテインと結合して、神経細胞には入りません。テストステロンはこのような結合性がなく、自由に脳内に入いり、テストステロンにより、男の脳は作られると考えられます。
女性は病気にはなりにくいのですが、いったん、なんらかの病気を得ると、他の臓器にも負担が及んでしまいます。

女性は糖尿病があると、男性より血管が障害されやすく、高率に心筋梗塞などがおきることは、良く知られた事実です。以下に男女差のある肝臓疾患を書きます。難解な病気を解明するために、男女で病気が違うことに注目して、発症原因の手掛かりとすることができます。このアプローチの方法を、性差医学と呼びます。
 
自己免疫性肝炎(AIH)
女性に多い自己免疫の機序(自分で自分の細胞を殺す)でおきてくる病気で、日本では1万人位(うち8000人が女性)で、病気を持つ人がいます。抗核抗体、抗平滑筋抗体、抗肝腎マイクロゾーム抗体が陽性になったり、γグロブリンの高値がみられます。免疫細胞が、自らの仲間であるはずの細胞に対して反応を起こしてしまいます。これも、女性が感染因子に対して、強く反応できることが裏目にでてしまうことで、おきてしまう病気です。
 
 
原発性胆汁性肝硬変(PBC)
これも、女性に多く、胆管が壊れていく病気です。患者さんの85%位まで、女性が占める病気です。肝臓の中に。細かく分布している大小葉間の胆管の壁が壊れてしまいます。胆管は、肝臓でつくられる胆汁を集めて胆のうまで運ぶための管で、肝臓内に細かく分布しています。この管の壁が壊れてしまいます。すると内部にため込んだ胆汁が、肝臓内にこぼれてきてしまいますので、肝臓の細胞は壊れていきます。日本で年間の発祥数は500人、全国では約2万人の患者がいます。妊娠回数の多い閉経以後の女性に発症しやすいです。ALPなど胆道系の酵素が上昇し、コレステロールも上昇します。抗ミトコンドリア抗体陽性、抗M2抗体陽性、IgMが上昇します。肝臓の小葉とは、ウィキペディアで、http://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%B5%84%E7%B9%94%E5%AD%A6/%E8%82%9D%E8%87%93
 
 
原発性硬化性胆管炎(PSC)
胆管が線維化で硬くなる病気であり、男性の方がやや多い病気です。管内の胆管が慢性に線維化(硬くなり、詰まってしまいます。内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)により、特徴的な所見があります。
 
 
男女の違いから病気を考える。
 
健康診断で必ずでてくる肝臓の数値、AST(GOT)、ALT(GPT)がありますが、この正常値は、米国では、男女で数値が異なります。男性では、30IU/L、女性では19IU/MLです。
 
若い女性の肥満は、内蔵型ではないのですが、加齢とともに女性の肥満も、男性同様の内蔵型になっていきます。内蔵型は心臓の冠動脈、肝脂肪への影響が大きいのです。女性は若い時はやせていますが、中年をすぎると肥満程度があがってきて、それにつれて、脂肪肝の人がふえてきます。難しいのは、この軽度上昇している肝臓機能をどのように評価するかです。軽症な場合は、しばらく経過をみないと、なかなか評価できないことがあります。むしろ、結論の早く出る場合は、進行が早いとか、経過が悪い場合が多いのです。以下に述べますが、生検をしないと、肝臓内部でおきている変化はわからないことが多いです。
 
女性の肝臓の病気には、男性とは異なる特徴があります。元々、女性は感染症に抵抗力があり、細菌、ウイルスなど病原体を殺す能力は高いです。C型肝炎ウイルスも同様に、男性の方がC型肝炎ウイルスによる肝炎の進行が早く、予後が悪い(肝硬変、肝がんで死にやすい)のです。男性は、C型肝炎ウイルスが増える速度が速いようです。しかし、C型肝炎ウイルスの特効薬のインターフェロンは、女性で効きが悪いです。女性はもともと、インターフェロンの分泌能力が高いのです。ですから、自ら作ったインターフェロン(内因性のインターフェロン)でも、治せなかった人が患者として残ってしまうので、そうした人では、さらに外から薬としてインターフェロンを追加しても、なかなか治療効果ができにくのではないかと考えられています。その反対に、男性では、外来性のインターフェロンが良く効く人がいるのです。
 
C型肝炎では有利に働いていた女性の能力が、一方で、肝炎の原因になることがあります。女性の異物排除の能力が高いことが、逆に災いをするのです。それが女性に多い自己免疫性肝疾患です。“自己免疫性”とは、自らで、自らの肝臓を痛めつけてしまう病気です。女性は、体内に侵入した物質に対して、いろいろに対抗
する物質を作りこんで、強く反応します。病原性のある外来物質がくれば、それを殺すための物質を作ります。たとえば、女性はTNF-αなどを呼ばれる物質を多く作りますので、これらが、自分自身の肝臓もだめにしてしまうわけです。こうした現象が、女性の自己免疫疾患の発症機序です。
 
女性特有の肝臓病
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
肥満や生活習慣病でおきてくる病気です。内蔵型の肥満を合併すると、肝臓に脂肪がたまりますが、エコー検査をすると、輝く肝臓と呼ばれるように白く光って見えるのが脂肪肝です。この病気は、程度が軽ければ、9割以上は大きな病気にはつながらないですみます。しかし、一部の人で、肝硬変、肝がんがおきてくることから、要注意な面もあります。そのため、この病気が疑われる場合は、肝機能のチェックをつづける必要がでてきます。脂肪肝は、さらに別の因子により悪化が進みます。俗にいう体質と呼ばれる悪化因子ですが、体質の中身は、必らずしも解明されてはいませが、一部を紹介します。その人が、活性酸素をうまく処理できる能力があるか?TNF-αをつくりやすいか?インスリン抵抗性(血糖を下げる物質であるインスリンの効果がでにくい)があるか?鉄を処理する能力がしっかりあるか(鉄は肝炎を悪化させる)? 代謝酵素(CYP2Eなど)が働いているかどうか? など、いろいろな個人の能力に依存しています。初期には、どの人がどのくらい悪くなるかは、なかなか予想できないものです。

脂肪性肝炎(NASH)
この病気のうち、肝臓の組織を一部とって、顕微鏡などを用いて組織検査(肝生検と呼ばれる検査)をして、肝炎という形になっているかを見ます。こうした特殊検査で、肝炎の所見がはっきりすると、病名が変わり、
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)から、脂肪性肝炎(NASH)となります。顕微鏡で肝臓の組織をみると、病気がすすんでいるという証拠をつかまえることができます。
 
いずれにしろ、“炎”がつくようになると、要注意なのです。最終的に肝炎があるかどうかは、こうした検査によらざるをえません。肝炎になっていても、初期には自覚症は無く、軽度のALT(GPT)の上昇がみられるだけですが、さらに進んでくると、ヒアルロン酸という数値が上昇してきます。肝炎になると、さらに肝硬変や肝がんになりやすいのです。脂肪肝から肝炎が起きてしまった人を男女差で比べてみると、女性の方が高血圧や糖尿病を合併している人が多く、女性は男性より軽度な肥満で肝炎になりやすいと言えます。
 
 
 

 
今回は肝臓の話をします。C型肝炎、B型肝炎などは、新聞に取り上げられることの多い病気です。しかし、こうした病気より、もっと身近に、肝臓を意識するのは、お酒を飲む時ですよね。健康診断で、肝機能異常を指摘される方は多いと思います。医師に行くように言われても、お酒のせいなどと理由をつけて、なかなか決心できません。すると、次の機会の検査の時には、肝機能は良くなっています。なあんだと思う方も多いと思います。しかし、肝機能が悪いということは、すでに肝臓の予備力が低下した証拠です。あるいは、軽度な異常がだらだらと続くことがあります。太っていなくても、お酒を飲まない人にも起きてくることがあります。A,B,C型肝炎でもなく、肝炎がおきて来る人がいます。原因不明だけど、異常が続く、そうした悩ましいことがあるのも、肝臓の病気です。薬による肝機能障害などが起きる理由は、その薬を処理できていないということですが、女性に多くみられます。今回は、そうした話題にふれます。
 
1)アルコール
肝臓は、アルコール分を消去してくれる大事な臓器です。アルコールなる物質が体に入ってくると、肝臓は必死に働き始め、短期間で蕪毒化しようとします。アルコール性肝炎は、それこそ、読んで字のごとく、アルコールによる“炎”です。肝臓の病気で、“炎”という字がはいるかどうかは、大事なことです。それはすでに病気であること、そして将来が心配であるということを意味します。“炎”は、すでに一過性の出来事でなく、病気がおこっているという印で、一旦良くなったとしても、再度、アルコールによる“炎”となり、そして積み重なって行くと言ういみです。肝臓の細胞が壊れ、又、作りなおしをくりかえしていく間に、肝臓はだんだん固くなっていきますよね。これが、誰でも知っている肝硬変です。
 
ですから、この“炎”がつくような状態になることと、やはり、まずいのです。アルコールを飲んだ翌日でも肝機能が悪くならない人でも、だんだん翌日まで持ち越すようになります。肝臓のすみやかな解毒能力が、飲んだアルコールに見合うだけ、働かなくなってきているのです。その結果、おきてくるのが、“炎”ですが、肝臓の構造が変化していることを示す言葉です(正確には、顕微鏡などによる検査を要します)。
 
肝臓のアルコール無毒化能力が落ちてくると、人の健康はおおいに破壊されます。若い時は解毒能力が強いのですが、誰でも、その能力は衰えていきます。アルコールを分解するためには、肝臓のみでなく、体じゅうの全臓器が動員されます。アルコールの解毒作業をしている間は、他の大事な体の働きは犠牲になります。がんをつぶす能力も低下して、がんになりやすくなりますし、感染症にも弱くなります。もし、そばにアルコールにはまっている方がいれば、誰でもその変化に気づくと思います。特に注意すべきは、個人差はあるものの、女性は、アルコールを無毒化する能力は、男性の2/3 と言われます。
 
肝臓でのアルコール代謝は、サイトゾールにおけるアルコール脱水素酵素(AlcoholDehydro-genase:ADH)と、ミクロゾームにおけるMEO (Micro-somalEthanol-Oxidizaing System)と呼ばれる、解毒システムにより行われます。ADHという物質名は、生まれつき、酒に強い人と、弱い人がいる理由を説明する時、必ずでてくる用語(酵素の名)でしたね。ADHは、エタノールをアセトアルデヒドに分解する物質です。この時できたアセトアルデヒドは、さらに酢酸まで分解されますが、その作業を行うのは、別の酵素のアルデヒド脱水素酵素を(ALDH)です。
アルコールをすばやく分解できるかどうかの能力は、それぞれの人も持つ遺伝子の影響をうけます。それが、酒に強い人と、弱い人の違いでした。このアルコールを分解する過程で、活性酸素が生じます。活性酸素は、細胞障害を起こします。女性は、アルコール代謝の機能が悪く、男性より少ない量のアルコールで、肝臓がだめになります。アルコールによる酸化ストレスが起きます。アルコールに限らず、酸化ストレスは、細胞にとっては、とても怖いものなのです。

男性は、女性より酒が飲めるのは、アルコールを分解する能力が高いからです。男性が、深夜まで飲んでいても、次の日には働けますね。そして、この毒性物質を解毒できる能力は、個人差が大きいですよね。そして、いまさらのことではないですが、女性が酒に弱いのは、女性は、酒中の毒素(エンドトキシン)を吸収する能力が高いこと、さらに毒を消す能力が低い(代謝能力が低い)という、女性特有の多くの因子があり、アルコール摂取が、男性より肝臓に負担をかけるのです。アルコールによる負担が強ければ、それに耐えきれない肝臓の細胞は死んでいきます。アルコールによる肝障害は、γ―GTPという数値が上昇するのが特徴です。AST(GOT)、ALT(GPT)と呼ばれる数値も上昇します。細胞が壊れて、内部の酵素が漏れ出してくるのです。
 
この“炎”の字がつかわれる場合には、急性と慢性があり、A型肝炎の急性型はよく治ることが多いです。急性の肝炎は、全身倦怠、黄疸、発熱。右季肋部の痛みなどを生じるので、私たちは病気に気づくことが多いです。しかし、新聞で話題になる、B型、C型肝炎は、一筋縄ではいきません。慢性肝炎は検査をして初めて気付くという
ことが多いです。肝臓の病気は、しばしば、知らずして慢性の経過をとります。そして最後に行き着く
ところは、肝硬変であり、肝がんです。
私たちは、一つのホルモン物質が、あらゆる臓器や細胞に作用することを知っています。そこが、世界的で広く、ホルモンは怖いと思われている理由でしょう。今回は、エストロゲンが、男女共に、脳のいろいろなところに作用している事を紹介します。女性ホルモンの代表であるエストロゲンですが、生殖に作用することはもちろんのこと、実は、男女共に、体の多くの部位に作用する物質でもあるのです。今回は、題して、脳内海馬におけるエストロゲンとその受容体、特にβ受容体、に関する知見です。海馬は、動物でも人でも、感情やストレスに対抗する能力を沸かせてくれる場所ですよね。ここが健康であると、私たちの知的行動の活力が高まり、ハッピーになるのです。
 
今回の知識のソースは、NIHPublicAccess雑誌名Sterids2008著者AAWarf&CA Fryeからです。

脳の科学は、ラットやマウスなどのげっ歯類で研究成果が多い。ラットでは、エストロゲンが高い時期は、迷路機能や認知能が向上し、恐怖に対抗する能力がたかまる、一方、エストロゲンが低い時期には、この能力が落ちる。これは、海馬における、エストロゲン受容体が関係すると考えられる。古典的には、エストロゲンは、α、βという核内の受容体が作用して、ホルモン効果が発揮されるが、海馬におけるエストロゲン受容体は、もっと即座に反応する別のタイプのものである。このタイプの受容体に、エストロゲンが結合すると、細胞の核に入らずに、細胞の膜ですばやく反応する。脳の海馬では、β受容体の発現分布が多く、その働きが大きい。
 
エストロゲンのα、β受容体は元々、男女共、体中の多くの臓器の細胞に発現しているが、それぞれの臓器や組織ごと、α、β受容体の種類と分布が異なる。αとβの受容体遺伝子は、97%が一致していて、リガンド結合能(リガンドは受容体に結合する物質の事)は、60%が共通である。骨ではα受容体が主体で、骨髄ではβである。肺、膀胱、腸では、β受容体が主体であり、子宮は予想通り、αである。増殖がさかんな組織は、α受容体が活躍しているようである。受容体の分布により、エストロゲンは全く異なる働きをすることになる。脳では、部位によりα、β受容体の分布が異なり、視床や下垂体はα受容体が主体で、大脳皮質、海馬、黒質、小脳は、β受容体が主体であるそうだ。
 
エストロゲンは海馬機能を高めて、認知能、ストレス対抗能を高める作用がある。これには、β受容体の役割が大きいようで、動物モデルを用いて、受容体の遺伝子をつぶしたり、逆に受容体を補ったり、エストロゲンを投与したりして、エストロゲンの作用を確かめた。こうした遺伝子改変動物モデルでの研究結果により、脳の認知、抗ストレスには、β受容体の役割が重要であることがわかってきた。
遺伝子改変モデルを用い、β受容体遺伝子をつぶすと、認知能力の機能低下が起こることを確かめることができた。その後、再度、β受容体を復活させる作業をした実験の結果により、β受容体の働きによる認知能の回復を確認することができた。それから、次にβ受容体を刺激する物質で、海馬機能を高めることができるかを調べた。エストロゲン受容体調節物質(selective estrogen receptor modulator:SERM)のうち、特に海馬に発現の多いβ受容体を刺激する物質として植物性エストロゲン(ゲニステイン、ダイゼインと呼ばれるイソブラボン)を用いて調べた。植物性エストロゲンを飼料にまぜて食べさせたメス、オスラットでは、認知能が改善した。
 
話を元にもどしますが、受容体作用を操作することにより、脳内のエストロゲンの作用をコントロールすることができる可能性があります。人の対照研究で、ホルモン補充療法(HRT)は、能の認知能を改善させることが証明できませんでした。今の形のエストロゲンでは、脳機能の改善効果は持たないらしいことがわかりました。しかし、今後、研究が進むことにより、エストロゲン受容体作用のうち、脳の働きに都合の良い作用だけを残した薬剤の開発は期待できるかもしれません。
 
脳のα、β受容体についての知識が進んだのは確かですが、それを治療薬として使用するようになるまでには、まだ、解決しなければならないことが多いようです。遺伝子をノックアウトした動物を使っての研究成果が発展したとしても、どの時点で、人の治療に応用可能となるまで、その成果を持ちこめるのか?
 
現時点では、毎日、SERMを大量にとると、他の影響についてはどうか?などが気になります。ちなみに、厚労省の食品安全委員会では、植物性エストロゲンの取り過ぎは、安全でないと警告しています。私たちが大豆などで食品として取る量であれば、植物性エストロゲンは問題がないが、それ以上にサプリや薬剤として取る場合は、30mg(アグリコン換算量)を超えないことになっているようです。
おととい、思いよとどけ!の神経図をアップしました。それぞれの図に、いくつ細胞がいたかは、数えられますか?まず、上段は、左から3,1,7,5個でした。水色が核ですから、核を1個持つのが、1個の細胞です。上段は、細胞が幾何学的にきれいにならんでいる模式図です。この図の作者は、神経細胞同士が、それぞれどことどこで連絡しあっているか(シナップスがどこにあるか)を書きたかったのではないでしょうか?
うつや統合失調症の薬の説明で、必ず出てくるのは、シナプス小胞に蓄えられている神経伝達物質の話しです。しかし、その話は理解できても、実際にシナップスがどこにあるかは、なかなかイメージできない世界ではないかと思います。模式図が、規則正しく書かれすぎていて、イメージの邪魔になることがありますね。ネットには、もっといろいろな図がのっていますので、異なるイラストをみて、イメージをふくらませてみてください。
 
さて、中段の2列の図ですが、ここには1個づつ実際に近い形で、神経細胞が書かれていると思います。脳には、同じ役割を果たすために、場所ごとに同種類の細胞が集まっている部分があります。働きの違う層は、何層かに重なり、それぞれ名前がついています。一つ一つの細胞は、軸索や樹状突起を、周りの別の層に出します。つまり、異なる層に存在する細胞へ、情報を届けなければいけないのです。電線を家の外にださなければ、電気がもらえないのと同じですからね・・・(こじ付け的な説明ですみません)。神経細胞は、必要な場所に突起を伸ばして、情報をやりとりするのが仕事ですから、糸(突起や軸)が切れれば、あやつり人形のように、その先は動かなくなります。6個の細胞のうち、左下をみてください。下方には、1本の突起のみ、上層には細かい枝を多数出している神経細胞がいます。これは上層に、多数の情報交換が必要で、下層へは1個でないと、まずいのです。そうした構造をもつように、運命づけられています。
 
下段には、有髄神経と、筋肉との接合部が、書かれていますが、この図もかなり模式図的です。脳から筋肉に届くには、神経細胞はかなり長くないとだめです。途中で、中継ぎはするのですが、その数は、極めて少なく、神経細胞は、とても長いのです。脊髄の中は、かなり長い繊維が走っています(だから、病気もおきてきます)。外傷などによる脊髄圧迫がおこると、もう電気の伝達ができなくなります。筋肉は、うごかなくなりますね。筋肉も細胞ですので、核がありますが、この図には4個の核が書かれています。

海馬、扁桃体、視床などは、リンビックシステムと呼ばれ、高度な大脳皮質とは別個に発達した部分です。この部分の神経細胞は、ドパミンを多量につくります。神経細胞が伝達物質をつくって、軸の先のシナプスまで移動させます。
 
幼少時期の心的外傷体験が、海馬萎縮と密接な関係があると言われます。海馬の機能が悪いと、うつ病の発症しやすい基盤となります。神経同志の連絡の異常(過剰や緩慢)が、気分の興奮や閉塞状態をつくります。画像検査やら、動物モデルの実験やら、実際の死後の脳の分析(染色して数をかぞえたり、物質を測ったり)などでだんだん、わかってきたことです。
 
ストレスがかかると、私たちはそれに耐えようとして、防御反応を起こします。視床下部・下垂体・副腎(HPA 系)の働きにより、血中コルチゾール濃度が高くなります。このコルチゾールが高くなることも、海馬萎縮を引き起こす可能性が指摘されてきます。
 
しかし、脳の神経細胞はダイナミックに変化していますので、人は、希望をもつことにより神経細胞の負担が軽くなり、脳の働きが戻りやすいと考えた方がいいです。
神経細胞の連絡網について、ブログ記事にしてきました。私たちの頭の中の細胞は、一生懸命なんですね。それが神経突起の姿かたちに現れているとは思いませんか?神経細胞の図をアップします。突起をだして、お互いに情報交換しているの図です。子育てみたいに、体の中の細胞たちを、ほめながら、しっかり働いてもらいましょう。
イメージ 2
イメージ 3
イメージ 1
イメージ 4