読書時間:3.5h
一読:あり
再読:あり
R指定:なし
著者:波戸岡景太
刊行:2023年10月
価格:1100円+税
出版:集英社
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スーザン・ソンタグ入門
はじめに
誰がソンタグを叩くのか
「キャンプ」と利己的な批評家
ソンタグの生涯はどのように語られるべきか
暴かれるソンタグの過去
『写真論』とヴァルネラビリティ
意志の強さとファシストの美学
反隠喩は言葉狩りだったのか
ソンタグの肖像と履歴
「ソンタグの苦痛」へのまなざし
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故人のセクシュアリティとは何か
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ソンタグの誕生
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脆さへの思想
おわりに
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この時代に想うテロへの眼差し
良心の領界
2冊ばかり読んだスーザンソンタグの印象は、こうありたいと思える人物でした。つまりはカッコいい。
著者もソンタグをカッコいいと思っている。だからカッコいいに決まっている![]()
副題の「脆さにあらがう思想」とは、弱さに気付くことだと思う。
それは、我々には かなり厳しい。
ソンタグ
イメージを介して他人の苦痛を想像し、分かったつもりになることで、特権的な視聴者はるか彼方の-テレビ画面に大写しにされた-被害者と結びついた気になるが、それは単純に虚偽であり、撮影する目の持つ非常な貧欲さによって、この洞窟-つまり、私達の世界-における幽閉状態というのは、その意味を変えるのだ。
特権とは寛いでテレビをみている我々であり、辛いドキュメンタリーを見て可哀そうだねーと同情するのは、虚偽。
ソンタグ
撮影する目の持つ非常な貧欲さによって、この洞窟-つまり、私達の世界-における幽閉状態というのは、その意味を変えるのだ。新たな視覚のコードを私達に教える写真は、見るに値するものは何か、観察する権利のあるものは何か、ということについての考え方を変容させ拡張する。写真は文法であり、より重要なことには、見ることの倫理なのである
観察する権利のあるものとは、カメラを持った人が見せたいと思うものである。(写真には権利の非対称性がある)
安全なところからミサイルを発射する我々より、飛行機で突撃するテロリストの方が勇敢というのは、9.11に対するコメントである。
事件後1週間で、このコメントを出せるのがパワフルな女性と思われる所以だろう。
強大なアメリカと比べればテロリストの方が弱者であることは確かだが、寄り添っているわけではない。逆張りでもない。
三島由紀夫の「仮面の告白」はOKで、リーフェンシュタールの「最後のヌバ」はNGだという。
解説はあるけど、ソンタグという人物がいまいち掴めない。
ソンタグを こうありたいと思える人物だと思ったのは、ベトナム戦争中にハノイを訪れたり、コソボ紛争中にサラエボを訪れたりと、行動が伴うからである。
無理にソンタグを理解しようとせず、楽しむのが、ソンタグの言う「キャンプ趣味」になるのかもしれない。
次は「キャンプについてのノート」、「反解釈」を楽しむことにしよう。

