羊飼いの想い イギリス湖水地方のこれまでとこれから | サンディの今日もワイン

サンディの今日もワイン

サンディがワインと本についてあれこれ言います。

2020年2月3日(節分)サンディは永眠しました。18年間ありがとう。
ひきつづき、ワインと本についてあれこれ言います。

読書時間:6.0h
一読:あり
再読:なし
R指定:なし
著者:ジェイムズ・リーバンクス/訳:濱野大道
原題:English Pastoral An Inheritance
刊行:2023年3月
価格:920円+税
出版:早川書房

本本本本本本本

 

三世代に渡る農業の移り変わりから考究する
 

1プラウとカモメ
2郷愁
3進歩
4理想郷

 

......

前作: 
羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季

 

2章は祖父から受け継いだ農業
3章は近代化した農業
4章は受け継いだ農業と近代化した農業の未来


著者は祖父から農業を受け継いだ。
周囲の近代化の波に乗ったほうがいいと考えるも、次第に違和感を抱くようになる。

現在の農業は、管理しきれない頭数の家畜を飼うことを要求し、乳量が増えるよう改良した乳牛への買い換えを要求する。
同じ作物ばかり育てると土地が痩せるが(連作障害)、連作を可能にするのがハーバー・ボッシュ法である。
この方法がなければ、食料は40億人しか供給できない。

その顛末が15セント!
食費1ドルにつき農家に支払われる額は、わずか15セントで、それは減り続けている

著者が農地を近代化しないのは、儲からないからではない。
近代化した農業は何か、やばい!

 

と気づいたからである。
それでも近代化を否定しない

『土地が完全に野生か完全に効率的で不毛のどちらかでなければならないという考えは、人々を惑わす』

著者は農業を諦めていない。
昔ながらでもない近代化でもない方法を考究する姿勢はクールでした。
 

......

 

なぜネギ1本が1万円で売れるのか?

 

サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」

 

世界の食料は足りている。
儲かる農業を始めれば、近代化に追われなくて済みそう
 

 

最新作: 
The Place of Tides(未邦訳)
 

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