読書時間:5.0h
一読:あり!?(長いので...)
再読:なし
R指定:なし
原題:Silent Earth Averting the insect apocalypse
著者:デイヴ・グルーソン/訳:藤原多伽夫
刊行:2022年8月
価格:2500円+税
出版:NHK出版
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昆虫大好き学者の警告というか、ボヤキ!?
はじめに 私の昆虫人生
1なぜ昆虫が大切なのか
昆虫についての短い歴史
昆虫の重要性
昆虫の不思議
2昆虫の減少
データで見る昆虫現象
移り変わる基準
3昆虫が減少した原因
すみかの喪失
汚染された土地
除草
緑の砂漠
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パンドラの箱
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迫りくる嵐
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光り輝く地球
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外来種
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「既知の未知」と「未知の未知」
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いくつもの原因
4私たちはどこへ向かうのか?
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ある未来の光景
5私たちにできること
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関心を高める
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都市に緑を
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農業の未来
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あらゆる場所に自然を
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みんなで行動する
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人類が消えても環境は崩壊しないが、昆虫が消えたら環境は崩壊する。 E.O.ウィルソン
昆虫が激減している。
理由はいくつかあるが、ここでは農薬と言い切ってしまおう。
農薬として許可されるには、標準の昆虫に与えて死ななければヨシ!という試験をパスする必要がある。
ネオニコチノイドは神経に作用し、ハチの場合は帰巣能力が落ちてしまう。
ミツバチがいなくなるという事件が起きてもなお、ネオニコチノイド系の農薬は使用されているのは、大手がロビイ活動をしているからだ。その名は、
モンサント
またか!という感じだが、本書のおかげでカラクリが見えた(後述
畑に撒いた農薬はミツバチだけでなく環境全体に影響する。
宍道湖の漁獲量が大幅に減ったのもネオニコチノイドのためである。
使わないに越したことはないのに農薬がなくならないのは、農家にも非がある。
著者は、農業問題の解決に「共用型」を挙げており、「節約型」には問題があるとする。
節約型は、収穫量を増やして畑に使う土地を減らす試みであるが、収穫量が2倍になる小麦ができたとして、土地の半分を自然に返すだろうか。
農家は収穫量が減ることを恐れている(たぶん)
F1種を毎年買うのもそのためだ。
収穫量が減っても売上が維持できるのは、全世界で収穫量が減っている場合だけだ。
他人の収穫量が多いと感じたら、自分の収穫量を減らすわけにはいかない。
F1種を購入し、肥料を投入し、農薬を撒いて収穫量を維持しなければならない。
食の終焉では食料不足を予想していたが、そうでもないらしい。
世界全体では全人口を養うために必要なカロリーの3倍もの食料を生産しているが、1/3は廃棄され、1/3は家畜の飼料となっている(p.335)
食料が足りているなら収穫量を上げる必要はないが、農業が今の仕組みでは、誰も降りられない。
著者は、市民菜園の収穫量は農家に引けを取らないという。
それが本当だとしても、農作業に割く時間と土地がある人は限られる。
農薬税、化学肥料税、農業補助金あたりから変えていくのが手っ取り早いだろう。
誰も降りられない農業の仕組みを続けていれば、今より生物が減ることは間違いない。
16章のディストピアは、誇張はあっても大きく外していないように思える。
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農薬は有害であることが判明すると、規制の緩い国々で販売される。
EUでは2007年に禁止され、中国では2012年に禁止されたパラコートは、日本を含めたアジア圏や南米では販売されている。
製造しているのはEU圏企業のシンジェンタ
『パラコートは世界で最も効果的で環境にメリットがある除草剤で、持続可能な方法で農業の生産性を向上する上で、重要な役割を果たしています。』
、だそうです。
フランスのホームセンターでは農薬を置いてないというのに。


