『タッグ・オブ・ウォー』(Tug of War)は、1982年に発表されたポール・マッカートニーのソロ4thアルバムです。
ポールは、1980年12月に、このアルバムの制作にとりかかったのですが、その直後、1980年12月8日に、盟友ジョン・レノンがニューヨークの自宅玄関で、25歳の妄想犯の男に射殺されてしまいました。事件の衝撃は世界中に伝わり、ポールも、このショックから、一時、アルバム制作を中断しました。
しかし、その後、ビートルズ時代のプロデューサーである旧友ジョージ・マーティンの励ましに支えられて、再び制作に取りかかり、リンゴ・スター、フィル・コリンズなどの協力も得て、翌1981年12月までに録音を済ませ、1年以上かけてアルバムを完成させたのです。リリースは翌1982年4月でした。
当然、発表された当時は、ジョンの死を乗り越えてポールが世に問うた渾身の作品ということで、大いに世間の注目を集めました。
それまで敢えて封印していたビートルズ色の強いサウンドを、解散後、初めて前面に押し出した作風が話題となり、また、先行シングルとして発売されたスティービー・ワンダーとの共作「エボニー・アンド・アイボリー」の大ヒット(全米1位/全英1位/日本26位)もあって、日本でも、かなりの話題作でした。そして、世界9カ国で1位を獲得しました。
しかし、現在では、この4thアルバムは、次の5thアルバム『パイプス・オブ・ピース』(1983)ほど有名ではありません。
というか、5thアルバムの知名度の高さは、収録されているマイケル・ジャクソンとの共作曲「Say Say Say」がメガヒット(全米1位/全英2位/日本16位)したことに関係しています。Say Say Sayは、ポールにとっては、ビートルズ解散以後の最大のヒット曲です。マイケルにとっても、ビリー・ジーンに次いで、2番目のヒット曲です。また、この曲の大ヒットの要因としては、マイケルとポールの出演したミュージック・ビデオが、全盛期を迎えつつあったMTV(1981.8〜)などで、繰り返し放送された効果も、大いにあるでしょう。当時、ポップ・ミュージックは、〝聴く〟時代から〝観る〟時代へと移行しつつありました。ですから、同時代の人なら、MTVで、Say Say Sayのビデオを観たことのない人の方が、珍しいのではないでしょうか。
このような理由から、ビジュアル重視の5thアルバムが、現在でも比較的よく知られているのに比べると、この音重視の4thアルバムは、今ひとつ知名度が低いように思われるのです。
けれども、ポールが心血を注いで作り上げた、この『タッグ・オブ・ウォー』というアルバムの完成度は非常に高く、ファンの間では、ポールのソロ代表作として、また、歴史的名盤として長く愛聴されています。


このアルバムは、当初、二枚組での完成を目指していましたが、レコード会社が難色を示し、最終的には12曲を一枚に収めて制作されました。CDの存在しなかったレコード時代の懐かしいエピソードです。CD時代であれば、ポールがすでに録音を終えていた18曲ぐらいは、なんとか1枚に収められたのではないか、と思います。
そして、当時、録音されたもののアルバムに収録することができなかった曲は、次の『パイプス・オブ・ピース』に収められています。ですから、どの曲も、ポールにとって、思い入れのない「捨て曲」ではなかったのです。
結果として、この『タッグ・オブ・ウォー』は、丁寧に録音した中からさらに厳選した楽曲を組み合わせて制作した切れ味の鋭いアルバムとして、世に出ることになりました。収録されている12曲が、全曲リスナーを退屈させないハイクオリティの傑作アルバムです。
旧友にして盟友のジョンは、射殺された1980年の夏に、アルバム『ダブル・ファンタジー』をリリースし、その劇的な死の衝撃もあって、当時、全世界で大ヒットしていました。そして、このアルバムからは、「Starting Over」、「Woman」、「Watching the Wheels」、「I’m Losing You」など、多くのヒット曲が生まれ、1981年度のAlbum of the Yearも受賞しています。
こうした情勢に、ポールが刺激を受けないわけはありません。ですから、急逝したジョンへの思いも重ねて、並々ならぬ意欲を持って、この『タッグ・オブ・ウォー』は作られたのだと思うのです。このアルバム制作の期間に、ポールの意思に反してWingsも正式に解散してしまい、ポールの音楽活動もまた、ソロ・アーティストとして新しいステージに移行したと言えます。
こうして、ポールの人生にとっても、重要な別れと再出発の季節に、多くのファンや批評家が認める最高傑作アルバムが誕生したのは理由のないことではないと思うのです。
このアルバムは、2015年に、アビイ・ロード・スタジオで、ポール自身の監修のもとで、オリジナルのマスター・テープ(アナログ・マルチ・テープ)から、新たにリミックス〜デジタル・リマスタリングされて、デラックス・エディションCDとして発売されています。これによって、ようやく、往年のレコードのアナログの音質に、デジタルが追いついてきたかな、という気がしています。
世間的には、埋もれてしまった名盤という位置にあるようですが、若い世代の人にも、ぜひ聴いてもらいたいアルバムの一つです。


1.Tug of War
2.Take It Away
3.Somebody Who Cares
4. What's That You're Doing?
5.Here Today
6.Ballroom Dancing
7.The Pound is Sinking
8.Wanderlust
9.Get It
10.Be What You See
11.Dress Me Up as a Robber
12.Ebony and Ivory


●『Tug of War(綱引き)』は、国と国との争いを「綱引き」になぞらえて、争いのない世界を目指す強い意志を表現した、ストリングスの美しいドラマティックなバラード曲です。ブラスやバックコーラスも効果的に使われており、名盤アルバムの最初にふさわしい完成度です。
◉『Take It Away(さあ、始めよう!)』では、コンサートの旅から旅へと、ひとり成功を目指して放浪を続ける自由なミュージシャンの日常を歌っています。ビートルズの盟友ジョンの死、ウィングス解散を乗り越えて、一人で生きていくポールの強い意志を感じます。テンポの良い勢いのある曲で、厚みのあるコーラスと切り裂くようなサックスが、とても印象的でカッコいいのです。そのせいか、よくCMに使われます。
◉『Somebody Who Cares(貴方を気遣ってくれる誰か)』は、「誰かがいつも気にかけているってことを、君は知っておくべきだったんだ」という切ない思いをしんみり歌ったバラード曲です。アコースティック・ギター二本で奏でられる演奏が静かで心地よい曲。実は、このアルバムの中で一番好きな曲です。
◯『What's That You're Doing?(君は、僕に何をしているんだい)』は、ポールとスティービー・ワンダーとのセッションから生まれた曲です。ポールらしさとスティービーらしさが、ミックスした感じの曲です。
●『Here Today(今日、ここに)』は、「もし、君が今ここにいたら、何て答えるだろう」と、呼びかけるように歌っているジョンへの追悼歌です。これも静かでアコースティックな佳曲。バックの弦楽四重奏とコーラスが美しいです。
◯『The Pound is Sinking(ポンドが沈んでいく)』は、通貨の下落への恐れを歌った珍しい曲。The yen is keeping up which hardly seems surprising(円は上昇を続けているが、驚くことじゃない)という詩が隔世の感があります。硬質なThe pound is sinkingのパートと柔らかいHear me loverのパートのギャップが特徴的な曲です。
●『Wanderlust(旅への想い)』は、新たな旅立ちへの沸き立つ思いを歌った希望に満ちたバラード曲です。アレンジは、アルバム全曲中もっともシンプルで、ポールのボーカルの魅力を一番味わえる曲。
◯『Get It(それを手に入れろ!)』は、「チャンスは、しっかりモノにしろよ!」と教え諭すように歌った曲です。ロカビリーの王と呼ばれたカール・パーキンスとポールがデュエットで歌っている渋い味わいと余裕を感じさせる大人の曲。
◯『Be What You See(君が見る者であれ)』は、次の曲の前奏曲のような曲で、長い間、私は、次の曲の一部だと思っていました。歌詞もそんな感じです。その印象は、今でも変わりません。
◯『Dress Me Up as a Robber(君が僕に泥棒のような格好をさせたとしても、僕は変わらない)』は、アルバム全曲中もっともノリの良い軽快でアップテンポのフュージョン・ナンバーです。全編ファルセットで歌っていて、間奏で入るスパニッシュ・ギターがカッコよいです。
◉『Ebony and Ivory(黒檀色とアイボリー)』は、黒人と白人を、ピアノの鍵盤に例え、人種の垣根を超えて、助け合って生きることのできる夢の世界の実現を訴えるメッセージ・ソングのバラード曲です。スティービー・ワンダーとのデュエット曲で、アルバムの先行シングルとしてヒットしたこともあって、アルバム中でも一番有名な曲です。ラストを飾るのに相応しい名曲。


全曲「捨て曲」のないアルバムですが、敢えて曲にランクをつけるなら、◉が名曲レベル、●が佳曲レベル、◯が良曲レベルです。ただし、すべて、私の独断と偏見に基づいています。
このアルバム全体のテーマとコンセプトは、『別れと旅立ち』というところでしょう。そして、アルバム全編を通して伝わってくる雰囲気は『優しさと潔さ』でしょうか。







2020年1月9日、イギリス王室のチャールズ皇太子の次男ヘンリー王子とメーガン妃が、「王室からの離脱」を、自身のインスタグラムで宣言しました。この日は、ちょうどキャサリン妃の38歳の誕生日でしたが、キャサリン妃は家族の祝福を受けるどころか、義弟夫婦から絶縁状を叩きつけられたかたちです。
メーガン妃とヘンリー王子の2人は、世界中から一挙手一投足を注目され、世間からその行動や発言を厳しく批判されることの多い〝公人〟としての王室主要メンバーの立場から引退して、「今後は、王室主要メンバーに要求される公務を拒絶し、主にカナダ→アメリカ(カリフォルニア/ロサンゼルス)で好きなように生活する」と、突然、一方的に発表したわけです。
これを2人は、「王室の高位メンバーから身を引き、経済的に自立する」と表現しています。しかし、彼ら2人の考える『王室高位メンバーからの離脱』および『王室からの経済的自立』の中身とは、いったいどんなものなのでしょうか?


まず、ヘンリー王子とメーガン妃のこれまでの収入は、年間およそ3億円と言われ、父親であるチャールズ皇太子の資金(年間2000万ポンド/29億円)からの経費援助が95%、国民の税金を原資とする王室助成金(年間8200ポンド/117億円)からが5%でした。
彼らは、このうち、王室助成金(収入の5%/年平均およそ1400万円)については受け取らないが、チャールズ皇太子からの支援(収入の95%/年平均およそ2億8600万円)は、今後も変わらず受け続けると発表しました。
チャールズ皇太子による支援の原資は、皇太子の所有権が認められているコーンウォール公領からの収益で、上記したように年収およそ2000万ポンド(29億円)になります。このうち、2人が結婚した2018.5〜2019.4までの最初の1年間については、収益の1/4に当たる合計500万ポンド(7億円)が、ヘンリー王子とメーガン妃によって費やされたそうです。(もちろん、これには50億円かかったとされる結婚式の費用などは含まれていません。)
そして、この「コーンウォール公領資金からの受益については、これからも引き続き貰い続けるつもりだ」という2人の一方的な宣言の中身については、『自由の代償として5%の利益は放棄するが、95%の利益には執着する』という意味であり、相当に身勝手で自分都合な内容であるように思えます。
そもそも、「父親からの援助に頼る状態を経済的自立と呼べるのか?」「援助の有無については、父親チャールズ皇太子の一存にかかっているのでは?」という問題もありますが、それはさておき、もっと根本的な問題があります。


もし、イギリスで、日本の農地改革のような地主制度の解体が行われた場合、そもそもコーンウォール公領自体が消滅していたはずです。このような前近代的な領地制が残っていること自体、王室への国民の敬意の表れであり、「王室の一員であるということは、その権利に見合った相応の義務が要求される」という基本的な事実を、英国王室のメンバーは理解していなければなりません。
しかし、ヘンリー王子とメーガン妃が、そうした認識を持っているかというと、甚だあやしいと言わざるを得ません。
例えば、王室の武装要員による警護費用は、内務省の予算で行なわれています。彼らは、拠点をカナダに移した後も、この金のかかる警護は受け続けるし、サセックス公爵の称号も放棄するつもりはなく、彼らのために王室経費(3.4億円)で改修されたロンドン郊外のウィンザー城敷地内のコテージも、これからもイギリスに立ち寄る時の住居として使用し続けるというのです。
「王室の高位メンバーでもないのに、コーンウォール公領から年間3億円近い受益を受け、約3億4000万円で改修したウィンザー城内のコテージを使う権利を保持し、内務省予算(年間約9000万円)で贅沢な武装警護を受け続け、サセックス公爵を名乗り続けるのか?」というもっともな疑問はさておき、「権利は恣に享受するが、それに伴う義務は放棄する」という我儘な態度は、世間一般の健全な感覚からすれば、まったく通用しない子供の論理であるということに、ともかく彼らは早く気づかなければなりません。
そうでなければ、長い目で見て、王室そのものの存在意義が国民から疑われるようになり、英国王室の存続そのものが危うくなるでしょう。
「英国王室の消滅に最も大きな役割を果たしたのは、ヘンリー王子とメーガン妃だった」と後世の人々に批評されたいのなら構いませんが、2人ともそんなつもりはないのでしょうし、『物事はそんなに自分に都合良くは動かない』という人生の真理を、学ぶ必要があります。


彼らの発表は、王室の了承のもとにではなく、あまりにも唐突に、独断でなされたものです。祖母であるエリザベス女王にとっても、父であるチャールズ皇太子にとっても、兄ウィリアム王子とキャサリン妃にとっても、寝耳に水の話であったと聞きます。家族はみんな、ニュースで初めて知って、とても驚き、失望し、怒り、傷ついたというのです。
わがままな次男ヘンリーと、わがままな元アメリカ女優メーガンによる、あまりにも身勝手な〝造反〟宣言です。その中身については「オレたちは、誰の指図も受けず、勝手気ままに自由にやる!」「でも、金はもらうし、地位も家も名誉も手放さないぞ!」「オレたちは、自分たちの好きなように生きる権利を持った特権階級の大貴族だ!」「これから、2人で荒稼ぎさせてもらう!」ということのようです。
野心満々のメーガンが、お坊っちゃんのヘンリーを巻き込んで、王室からのサセックス公爵家の分離独立を画策し、「サセックスロイヤル」という営利団体を立ち上げました。今や、野心家メーガンの思いどおりに英国王室が利用され、食い物にされ、散々に引っ掻き回されている状態です。
そもそも、2人の結婚に際して、王族としての義務を持つ者としてのサセックス公爵の地位を与えたのは、祖母であるエリザベス女王であって、逆に言えば、その義務を放棄する以上、女王の一存で取り上げることもできるのです。
しかも、メーガン妃は、騒動の最中、王室との面倒な交渉の一切合切を夫ヘンリー王子に任せて、草々に独りカナダに戻ってしまいました。「美味しいところは私が頂くわ、でも、面倒臭い厄介ごとはあんたの担当よ!苦労は、ぜんぶ、あんたがしてよね!」という態度です。
「まずは、ヘンリー王子を王室から分断し、その後、徹底した独断専行と脅迫を手段として、王室メンバーに自分の要求を無理矢理にでも認めさせる。」
これが、メーガン妃の戦術です。


けれども、地位も名誉も財産も城も爵位も手放さなければ、本当の自由など決して手に入らないものです。準公金であるコーンウォール公領からの収入を諦め、内務省予算での護衛を取りやめ、ロイヤルファミリーの一員であることを示すサセックス公爵の地位を返上し、「サセックスロイヤル」の商標も取り消し、ウィンザー城の住居も王室にお返しし、その上で、王室から離脱するなら、結構なことだと思います。
逆に、それらを手放したくないなら、自らに課せられた義務を果たす必要があります。選択肢は、二つに一つです。自分都合のごまかしは許されません。
「はやく王室の規制から自由になって『サセックスロイヤル』ブランドで大儲けよ!」なんて、虫のいいことを考えているようでは、ますます英国民からも、エリザベス女王からも、そっぽをむかれるに違いありません。
エリザベス女王からの「もうあなたたちを家族の一員とは認めません」というクリスマスのメッセージは、ヘンリー王子とメーガン妃の心に届いているでしょうか。
残念ながら、ヘンリー王子はともかく、少なくとも、メーガン妃にとっては、「エリザベス女王が、なんか文句言ってる」というのは、次の策略や逆襲や脅迫の動機やきっかけにはなっても、それ以上は何の意味もないものでしょう。
「英国王室の歴史とか伝統とか品格とか義務(ノブレス・オブリージュ/高貴なる義務)とか、何それ?」というレベルの理解でしょうから。
今のところ、メーガン妃の姿勢は、ヘンリー王子に対する王室メンバーの肉親の情と、醜聞を嫌う王室の品の良さを逆手に取って、「私たちの要求を認めなかったら、ただじゃ済まないわよ!」と、英国王室を脅しまくっている戦闘モード全開の模様です。弱肉強食の世界を渡り歩いてきた際限のない野心と闘争心の塊である計算高い策略家メーガンさんの真骨頂です。
ヘンリー王子が、これまでの親しい友人との付き合いをほとんど断ってしまったこともあり、人一倍可愛がられてきたエリザベス女王に反旗を翻したのには、メーガン妃による洗脳ではないかと言われています。少なくとも、英国の大多数の人々はそう思っており、だから、今回の件も、英国のEU離脱「Brexit(ブレグジット)」にちなんで、「megxit(メグジット/メーガンの王室離脱)」と呼ばれているのです。
かつて、メーガン妃に結婚指輪と婚約指輪を書留郵便で送り返されて、唐突に一方的に離婚を通告(2013)された元夫の家族が「メーガンのやり方は、分断し、それから征服するの、いつも同じよ」とコメントしていましたが、わかる気がします。
ヘンリー王子のメーガン妃に対する純朴な愛はホンモノでしょうが、はたしてメーガン妃のヘンリー王子に対する愛はどうなのでしょうか?
メーガン妃に限らず、己の野心のために夫を利用し、夫を不幸に陥れても良心が痛まない人の〝愛情〟って何なのだろうと、いつも思います。そのような母親は、我が子すらも、自分の野心のための道具とするものです。
いずれにせよ、メーガン妃の場合、ロイヤルファミリーの絆を引き裂いた罪はあまりにも大きいです。
ヘンリーが、やがて、失意と傷心と孤独の中で、自分の人生を後悔する日がくるのではないか、と思えてなりません。


しかし、メーガン妃が、こうなったのも、彼女自身だけのせいとは言い切れない面もあります。
実は、メーガン妃自身、実の父親に、似たような脅しをかけられ、あることないことを言いふらされ、お金をせびられて、とうとうたまりかねて、父親に手紙で「親子の縁切り」を通告したところ、その手紙をマスコミに暴露され、骨肉の争いとなっている現実があります。
しかし、だからこそ、そういう父親を反面教師として、自分の人生を違った形で切り開いて欲しかった、とも思うのです。
けれども「働く気は一切ないけど、不労所得はいただくわ」という態度では、ダメな(?)実の父親のやっていることと、本質的には同じではありませんか。「血は争えない」と言われても仕方がない状況を自ら作ってしまっています。
2人の結婚式への出席を、突然、さしたる理由もなくキャンセルした(?)父親と、エリザベス女王の招きによる恒例のクリスマスの家族の集いをすっぽかしたメーガン妃に、違いがあるでしょうか?
あるいは、何の通告もなく娘からの手紙をメディアに公開した父親と、何の通告もなく、義姉キャサリン妃の誕生日に、王室離脱をインスタグラムで宣言したメーガン妃と、なんだか似たもの同士という気がしてなりません。
また、メーガンさんは、6歳の時に両親が離婚して以来、父親とは離れて暮していましたが、定期的に会って、関係は良好だったようです。そして、この父親からの援助で、一家で初めて大学まで進学しました。ある意味、父親は恩人だったのです。
しかし、2016年に、その父親は自己破産してしまいました。また、税金滞納で行政府に訴訟を起こされています。名声を得たメーガンさんにとっては、あまり関わり合いになりたくない親だったのかもしれません。


エリザベス女王は、家族がバッキンガム宮殿にそろう伝統のクリスマスの集いへの女王の招待を無視して、勝手に事前通告なしで、2人が欠席し、カナダの14億円の豪邸(無期限使用貸借?/所有者不明)でクリスマス休暇を過ごした時、その裏切りに大きな衝撃を受けたと言われます。
そして、すでに半分は覚悟していたかもしれませんが、悪意のないものとは思い難い、今回のキャサリン妃誕生日の当日に行われた事前通告なしの王室離脱宣言に関しても、相当に深く心痛を感じてらっしゃるようです。
それでも、2人が、王室離脱までの過渡期として、英国と北米を往復する間は、サセックス公爵の爵位を取り上げるつもりはないようですが、その移行期の後、2人が完全に独立するのであれば、爵位は取り上げるものと見られています。また、チャールズ皇太子の管轄下であるコーンウォール公領からの収入も絶たれると考えるのが自然でしょう。
というのも、多くの国民が、そうであるべきだと考えているからです。「働かざる者、食うべからず」です。
今回の一件について、イギリスの世論調査では、国民のおよそ7割の人たちが、「2人が王室離脱を事前に女王に通知しなかったのはおかしい」「2人は王室から追い出されるべき」「2人は、チャールズ皇太子所有のコーンウォール公領からの収入を受け取るべきではない」「2人の武装警備はいらない」と考えており、6割の人が「2人はウィンザー城内のコテージを王室に返却すべき」と考えているのです。
さらに、カナダ人のおよそ7割が「カナダ政府が、2人の警護費用を出すことに反対」の立場です。


「メーガン妃へのメディアのバッシングは、メーガン妃が黒人の母親の血をひくことから、英国人に根深い人種差別の意識が原因で生じている不当なもの」と、北米のメーガン妃擁護派の人々は主張します。
しかし、私は、逆に、「黒人であれば、何をしても擁護するのか?」と、擁護派の甚だしい〝えこひいき〟の態度を批判したくもなるのです。
これまでの英メディアのメーガン妃への批判にも、無理もないと思える点は多々あります。
例えば「環境保全を訴えておきながら、その一方で、11日間で4回もプライベート・ジェットを多用しているのは何なのだ」とか「5400万円の贅沢極まるベビーシャワーを開催しておきながら、同時に〝貧困を撲滅しよう〟とツイートしているのはどうかと思う」とか、いちいちもっともです。
しかも、ベビーシャワーの費用のほとんどは、友人とは言え、私人であるセリーナ・ウィリアムズやアマル・クルーニーらが負担したようです。これも、王室の一員にあるまじき態度です。
また、今回、「結婚以来のわずか一年の間に、チャールズ皇太子からの援助で、1億3000万円分の衣装代を費やし、50億円の結婚式を王室費用で開いて、エリザベス女王に3億4000万円かけてウィンザー城のコテージを改装してもらって、そのすべてを当然の如く受け取りながら、2年も経たないうちに王室離脱ですか」と指摘されたのも、それは当然の批判であって、人種差別的発言とは言えないでしょう。
「メーガン妃は、そういうメディアの風当たりの強さも、王室の保守的な伝統の強さも、すべて承知の上で、覚悟の上で、それでもなお、『私は王女様になりたい!』と自ら望んで結婚したのでしょう?」と、私は言いたいのです。
にもかかわらず、メーガン妃が「口うるさいメディアを黙らせたいから、ヘンリー王子を傀儡にして王室を分断し、取るもの取って、さっさとトンズラしよう」と望むなら、それ相応の批判は、当然、覚悟の上でしょう。「誰がどう思おうと、私の知ったことではない!」と考えていなければ、できないことです。
ところが、いざ、メディアから、自由すぎる行動を激しく批判されると、「イギリスでは誰も私を理解しない」「人種差別だ!」と嘆いてみせるのは卑怯だし、都合が良すぎるし、非常に策略的だと思うのです。メーガン妃に対して「自分から攻撃を仕掛けておいて被害者を装うのはやめなさい!」という批判もありますが、一理あると思うのです。
ともかく、アメリカ西海岸特有のセレブでオーバーリベラルな感覚で、イギリス王室を批判するのは、まったくもって筋違いです。
そもそも、メーガン妃は、間違っても、ダイアナ妃のように、パパラッチに追われて自暴自棄になるようなやわな人ではないでしょう。その点でも、ヘンリー王子は、自分の伴侶について完全に思い違いをしているのではないでしょうか。



⭐️2020年1月18日、王室からの声明として、ヘンリーとメーガンは、「今後、一切の公務を担わない」と報告されました。ヘンリーとメーガンの『王室からのこれ以上ないキッパリした離脱』が決定したということです。それに伴って、2人は、「殿下」「妃殿下」の称号についても、エリザベス女王に返上しました。「もはや、王室の一員ではない」ということです。
パートタイム王族として、部分的には王室の義務を果たしたいと望んでいたヘンリーにとっては、「今後、2人は、王族としての全ての公務から完全に離れる」という決定はショックでもあり未練も大きいようですが、メーガンとしては想定内でしょうし、「もはや公人ではないのだから、完全にプライバシーが守れる」という点で、むしろ、積極的に歓迎するところでしょう。
実際、公務に出ないのであれば、もうカナダの豪邸からイギリスへわざわざ来る必要もなくなるわけで、必要がなくなったウィンザー城内のコテージを返上すればいいと思うのですが、そうはせず、王室の裁定で、コテージの改修にかかった3億4000万円を返済することと決定したようです。
つまり、王室のヘンリーへの肉親としての温情であると同時に、「メーガンさんは、どれほど批判されても、あくまでも、コテージの所有権を手放す気はないだろう」という前提の上での決定ということでしょう。しかし、今後は、コテージの賃貸使用料として、王室へ月額430万円の支払い義務が生じます。
警備の費用については「コメントする意思はない」そうです。これは、「王室は、それを決定する立場にない」ということで、同時に、メーガンさん側からすれば、「あんたたち、下々の人間たちに説明する必要はない」「私たちの警備の費用について、あんたたちに心配される筋合いはないわ」という感じでしょうか。
一方、2人は、コーンウォール公領からの収益を辞退したり、サセックス公爵の爵位を返上するつもりは、当然、かけらもないようです。しかし、王室は、コーンウォール公領からの年額3億3200万円の利益配分を、今年度一年限りとしたいようです。そして、父親であるチャールズ皇太子からのこの資金が、今後1年間のセキュリティー費用になるのかもしれません。その後は、自費でということになる可能性もあります。
しかし、ヘンリーには、母親であるダイアナ妃から相続した数百億円の資産があり、「サセックスロイヤル」からの年収100億円が見込まれるとも言われる事業収入もありますから、今後も経済的に困ることはまったくないでしょう。(ただし、一家の警備費は、トータルで年11億円かかるという説もあります。)
結論として言えば、「メーガンは、一度手に入れたものは、絶対に手放さない」「メーガンは、結婚当初からの目的であった『英国王室の分断と征服』に、ほぼ成功したようだ」と言ってもいいのではないでしょうか。
ただし、今後、「サセックスロイヤル」の営利活動が目にあまる場合には、爵位の返上を迫られることになるかもしれませんが。また、そもそも王室を完全に離れる以上、「サセックスロイヤル」の商号は使えないのではないか、という意見もあります。
しかし、メーガンさんの次なる野望は、「アメリカ大統領になること」らしいという話もあり、もはや、英王室など用なしということなのかもしれません。


⭐️⭐️2020年1月18日、メーガンさんと不仲の父親トーマス・マークル氏は、インタビューに答えて、「女の子なら誰でも憧れるプリンセスの地位を、ポイッと投げ捨てた」「長年に渡って存続しているイギリス王室を破壊し、品位を落とし、落ちぶれさせた」「王室をウォルマートに冠を載せたような姿に変えてしまった」と失望をあらわにしました。
また、同18日、メーガンさんの異母姉であるサマンサ・マークルさんは、インタビューでの「王室離脱は、夫婦共同の決定だと思うか」との質問に対して、「公に批判されたことが不満で、彼女が決めたことだと思います」と答えています。さらに「当初、彼女は、王室の生活を楽しんでいたと思う」「ファブ4と崇められて、不自然にイギリス英語のアクセントで話してみたり、当時は、すべて素晴らしいと感じていたはずです」「大きな出費をしたり、王室の伝統を破り、風向きが変わりました」「女性支援団体を訪問したりするのも、彼女の単なる人目を引くためのPR活動という気がしてならない」と答えています。
メーガンさんと対立する家族の意見ではありますが、メーガンさんと関わるあらゆる家族が、激しく分裂して、修復不能となり、終わらない争いを生じてしまうというのは、とても残念なことです。
元夫とその家族、実父と異母姉など、メーガンさんと対立関係に陥った家族は、皆、メーガンさんに対して強い恨みを抱いているように思えます。しかも、その理由について、彼らは一様に、「利用できる間は、その恩恵を大いに享受し、自分の喜びや野心のために絞り尽くしておきながら、利用価値がなくなると、唐突に、無慈悲に、手のひらを裏返し、紙屑のように捨てるのが、彼女のやり方」と言います。一種のサイコパスであるかのような評価です。
自分がカナダで女優としての成功を手にした時点で、利用価値のなくなったハリウッドの映画プロデューサーの元夫を、唐突に切り捨て、結婚指輪を郵便で送り返したのも、その一例でしょう。メーガンさんは、相手を切り捨てるときには、無駄な時間や体力を使いません。
上述の異母姉サマンサさんは、メーガンさんの「私には『大丈夫か?』と尋ねてくれる人があまりいません(2019年10月)」という発言に対して、怒りを露わに、「じゃあそういうあなたは、父親が二度も心臓発作で倒れた時、『大丈夫か?』と尋ねたことがあったのか?」「まったく偽善も甚だしい!」と激しく攻撃しています。そして、「彼女は、自分の目的が何か、よくわかっている」「そして、欲しいものは必ず手に入れる」「私が思うに、数億円の護衛をつけて、世界中をプライベートジェットで旅する億万長者が不平不満を言うのは馬鹿げている」と、徹底的に批判しています。
現在のイギリス王室に対するメーガンさんの唐突であっさりした態度を見ると、これもいかにも〝メーガン流〟という気がして、彼ら元(?)親族の言い分を頭から否定して、「故なき逆恨みによる非難中傷だ」とは言えないのではないか、と感じてしまいます。
メーガンさん自身は、「王室引退はヘンリーにとって生涯最高の出来事」「王室生活でヘンリーの魂は潰されかけていた」「私の愛が彼を救い出した」「私たちは、どこへ行こうと何をしようと王族」「カナダでは、イギリスでは感じたことのない幸せを感じる」「15億円の豪邸には、いつまでも好きなだけ居ていいと言われている」と、あまりにもおめでたい見当違いな言い分を、友人たちに語っているという記事もあります。
一方で、カナダ人の73%は、公費での彼らの護衛に反対しています。警護費自己負担を求める署名数も、10日間で9万人を超えたそうです。「もう王室の一員じゃないし、お金あるんだから、億万長者のセレブらしく、年間総額10億円超の警護費は自費で負担してください」ということのようです。
しかし、メーガンさんは、そのうち、カナダ人にもウンザリして、カナダも切り捨て、「やっぱり、生まれ故郷はいいわ!」とロサンゼルスに戻り、手始めに、カリフォルニア知事選あたりに出馬するかもしれません。
何しろ「究極の目標は、アメリカ大統領になること」ですから。周囲のあらゆるモノを自分の野心のために利用し尽くし、要らなくなったモノは、次々と無慈悲に放り捨て、一顧だにしない。それが、彼女のやり方なのかもしれません。

保釈中のカルロス・ゴーン氏が、海外渡航禁止の約束を破って、2019年12月29日夜、パスポートも使わずに、日本から密出国し、レバノンへ入国したことが、本人のネット上の発言で明らかになりました。
クリスマスディナーの音楽隊を装ったプロの救出チーム(準軍事的違法組織の〝逃し屋〟/元米陸軍特殊部隊員ら)が、東京都内の住居から一人で抜け出し、新幹線で大阪へ移動して、泊まったホテルから、ゴーン氏を楽器箱(音響機器運搬に使われる黒いケース)に隠して連れ出し、その後、黒いケースに入ったまま、航空機乗務員の協力によって関西国際空港から密出国させたようです。
その経路は、まず、トルコの民間航空会社からチャーターしたプライベートジェットを利用して、関西国際空港からトルコのイスタンブール空港へ、さらにゴーン氏自身のプライベートジェットに乗り換えて、レバノンのベイルート空港へと到着し、新たにカルロス・ゴーン本人名義の(偽造?)パスポートで入国したものと考えられています。この時、現地ベイルート生まれの妻キャロルさんが、ゴーン氏を出迎えました。キャロルさんは、ゴーン逃亡計画の実行にあたって中心的役割を負ったものと考えられています。
キャロルさんは、ゴーン氏の広告塔として、日本の司法の前近代制やら不当性やらを盛んにアピールし、日本の司法はタリバン並みと貶めることで、自分たちの違法犯罪行為の正当化に努めています。日本の検察は、夫に代わって、不正行為の証拠隠滅活動をしていた容疑で、キャロルさんに逮捕状を出しました。ゴーン氏の保釈も取り消しましたが、レバノンにいるゴーン氏とキャロルさんには、痛くも痒くもないでしょう。
この件に関して、私が言いたいことは、ただ一つです。「金持ちは、何をしても許されるのか?」


日本の出入国在留管理庁のデータには、当然のことながら、カルロス・ゴーンの出国記録はありません。一方で、レバノンの入国管理局は、「ゴーン氏は、本人名義のフランスのパスポートを使って、正当に合法的に入国した」と発表しています。さらに、東京のゴーン氏の日本人弁護団は、「ゴーン氏のホンモノのパスポートは、フランス・ブラジル・レバノン発行の三冊とも、すべて、弁護団が日本で預かっており、ゴーン氏が合法的に日本を出国できた可能性はない」と断言しています。しかし、現実には、ゴーンは自身のパスポートを使って、レバノンに入国しています。また、トルコの司法当局は、「ゴーン氏の出入国の記録はない」と発表し、ゴーン氏を逃すのに協力した民間航空会社の乗務員らを逮捕しました。乗務員5名は、『協力しなければ妻子に危害が及ぶと脅された』と話しているそうです。
そうした各国の発表から考えて、荷物ケースに隠れたまま、関西国際空港から出国した後、トルコの民間航空会社のチャーター機内では、トルコ人乗務員らが共犯となって、トルコからレバノンへの不法出国を助けたものと推測されます。が、今のところ、ゴーン氏の関空からの日本出国の方法の詳細は定かではありません。しかし、レバノン入国の際には、間違いなく本人の(偽造?)パスポートが使用されています。入国は合法的に行われたということでしょうか。いずれにしても、日本出国とトルコからレバノンへの出国に際しては、明白な密出国にあたる違法犯罪行為が行われたことに間違いはありません。
ルノー・ニッサンの元会長ともあろう者が、とんでもない恥知らずな行動をとってくれたものです。このような胡散臭い男をトップに戴いていたことは、ニッサンという企業の恥でもあります。また、ルノーに身売りをせざるを得ない立場に日産を追い込んだ、バブル期経営陣の罪はあまりにも大きく、本当に取り返しがつきません。


東京地方裁判所は、ゴーン氏の保釈を取り消したことで、ゴーン氏が預けていた保釈金15億円は没収される見込みです。
また、今回の脱出を実現するために、15億円を費やしたとも言われています。合計30億円は大金ですが、しかし、ニッサンから莫大な報酬を得て巨万の富(総資産2300億円)を築いたゴーン氏にしてみれば、30億円も端金に過ぎません。檻に入らないですむ自由を確保する代償としては、安いものです。
法を犯して密出国したことが明らかな以上、ゴーン氏は二度と日本に足を踏み入れる気はないでしょうし、4月から始まる予定だった裁判は、今後、行われる見込みはありません。
要するに、結果として、ゴーン氏は、ニッサンから違法に搾取した巨額の財産を、丸ごと持ち逃げすることに成功したのです。その過程で、日本の司法当局が、ゴーン氏に赤っ恥をかかされ、愚弄され、完全に無視されたということです。
たかだか、中東出身の1人の金持ちに、世界第3位の経済国家であり、世界に冠たる法治国家である日本国全体が、完膚なきまでに愚弄され尽くし、唾を吐きかけられ、拭い去れない侮辱を受けました。
本当に情けない限りです。ゴーン氏もキャロルさんも、ろくなもんじゃありません。日本を舐め過ぎです。日本を野蛮な東洋の島国と宣伝することで、自分の犯した違法行為を正当化しようとするなら、明らかな東洋差別であり、深刻な人種差別的意識の表明でもあります。
そもそも、あなたたちが成功したのは、ニッサンと日本人が優秀だったからでしょう。音を仇で返すとは、このことです。
高野弁護士は、「公正な裁判は期待できない」とゴーン氏を擁護していますが、とんでもないことです。
日本の司法制度に問題がないとは言いませんが、少なくとも、金にモノを言わせて違法出国した億万長者のレバノン人に言われたくはありません。


フランス政府もレバノン政府も、「ゴーン氏を拘束して日本に返すことはない」と明言しており、「日本を密出国したから、それでどうした、何の問題もない」と、完全に舐めた態度です。つくづく「日本は極東の小国だなあ」と思わざるを得ません。
これほどまでに軽んじられ、馬鹿にされ、言われなき非難中傷を浴びて、黙っているしかないとは、この国は、なんて無力で無能で意気地のない国に、成り下がってしまったのでしょうか。情けない限りです。
そもそもレバノンは、元々、中東でも特に格差の激しい国の一つで、しかも現在、史上最悪の深刻な金融経済危機の最中にあり、内閣は総辞職し、通貨は暴落し、銀行は預金の引き出しを厳しく制限しています。
ゴーン氏もまた、いかに莫大な預金があっても、一般市民と同じ待遇であるなら、週300ドル(3万円)しか引き出せない状態にあるはずです。
レバノンは、岐阜県とほぼ同じ面積に、総人口は千葉県とほぼ同じ608万人という小国でありながら、莫大な負債を抱える世界第2位の債務国(政府純債務残高対GDP比/2018)で、それだけ豊富な資金が投下されているにもかかわらず、インフラも整備されておらず、電力も不足し、水も飲料に適していません。生産設備も乏しく、経済基盤が非常に脆弱です。政治家や一部の特権階級によって、国の富が収奪されてしまっているのです。
現在、国の歳入の半分は、国債の利息の支払いに消えてしまい、残りの大部分は、労働人口の13%を占める公務員の巨額の給与に当てられているという状況です。さらに、企業は解雇や減給が続いており、民間の債務不履行が増大しています。2019年度の経済成長率はゼロ成長で、このままいくと、貧困率50%も目の前という危機的な経済状態なのです。
この原因は、根深い汚職の蔓延や政治の腐敗、無策な豊満浪費体制にあると言われており、市民の政治に対する積もり積もった不満が、今、噴き出しているのです。
こうして、昨年10月以降、腐敗追放を求める激しい反政府デモが続いています。10月末には首相が辞任し、1月末には新内閣発足の予定ですが、汚職まみれの政治は3ヶ月も内閣不在のまま停滞し、国民の政治への不信は根深く、市民のデモはますます激しく続いています。
デモの始まった10月以降、観光業も打撃を受け、数百件のレストランが閉店し、ホテルの稼働率も10%以下の状態です。
これまで、レバノン政府は、ゴーン氏のような億万長者の不労所得者たちに完全に依存してきたため、公務員以外の貧しい一般大衆は見捨てられており、現在のレバノンは、恐るべき格差社会となっています。この危機を乗り越えるには、既得権益を持つ富裕層を優遇する政策を、市民のための政治に転換しなければならないのですが、残念ながら、レバノン政府には社会の格差を是正していく力も知恵も意志もありません。


ですから、ゴーン氏のような一部の腹黒くも後ろ暗い部分を持つ億万長者の既得権益者たちにとっては、レバノンは、政府が自分の意向を何でも満たしてくれる素晴らしい理想の国なのかもしれません。しかし、多くの一般のレバノン民衆にとっては、レバノンこそが出口のない牢獄なのです。
金持ちが威張るのが当然、富裕層はチヤホヤされて当たり前、権力者・実力者の汚職はし放題、既得権益者の利権が脅かされることなどない、というのがふつうのレバノンで生まれ育ったゴーン氏とキャロルさんにしたら、自分たちがしてきたことなど、大したことではないと思っていたのでしょう。けれども、レバノンでならば、検察も警察も裁判官も簡単に買収できるでしょうが、法治国家の日本では、それは通用しないと悟ったからこそ、日本からレバノンへ逃亡したのでしょう。
というのも、レバノンでは、何十億ドルもの公金を横領した政治家が、一人として逮捕されたためしがないからです。ゴーン氏が、レバノンの〝居心地の良い〟司法制度に助けを求めたのは、常識的に考えて、もっともなことです。
現在、史上最長のストライキ中のフランスの労働者たちも、4ヶ月に及ぶ反政府デモを続けるレバノン民衆も、痛切にそう思っているようですが、やはり、この世はアンフェアであり、「金持ちはずるい」のです。
ですから、もっともフェアじゃない国の、もっともフェアじゃない富裕な既得権益層の代表であるゴーン氏が、「日本の司法はフェアじゃない」「だから、自分は逃げてきた」と力説しても、まったく説得力がありません。


ところで、カルロス・ゴーン氏の実父ジョージ・ゴーンは、1960年、カルロスが6歳の時に、ダイヤモンド、金、外貨、麻薬の密輸に関わる仲間割れで、共犯者の神父を殺す殺人事件を起こし、刑務所に入りました。カルロス・ゴーン氏の実父は〝殺人犯〟だったということです。
しかも、その後、刑務所の中で、看守達に〝賄賂〟をばら撒いて、刑務所のドンになったジョージは、昼は刑務所の外で過ごし、夜は刑務所に戻って賭博場を開き、看守や囚人たちをもてなしたのです。
さらに、その後、ジョージの仲間11人が脱獄しました。ところが、脱獄に失敗して逮捕された仲間の供述から、ジョージが、地方検事、判事、裁判官の殺害計画を持ちかけた首謀者であることが発覚し、1961年にジョージは死刑判決を受けました。こうして、カルロス・ゴーン氏の実父は、カルロスが7歳の時に、殺人教唆の罪で〝死刑囚〟となったのです。
けれども、その後、ジョージは模範囚になり、減刑されて、1970年、カルロスが16歳の時に、刑務所から出所しています。ところが、出所のわずか4ヵ月後に、偽札100万ドル分の販売で、再度、逮捕され、15年の禁固刑になってしまうのです。ゴーン氏の実父は〝偽金づくり〟にも手を染めたのです。
その後、1975年、カルロスが21歳の時に、ジョージは、レバノン内戦の混乱に乗じてベイルートを脱出し、母国ブラジルのリオデジャネイロに逃亡しました。カルロス・ゴーン氏の実父は、〝脱獄囚〟であり、レバノンからブラジルへの〝国外逃亡犯〟だったのです。
ジョージは、その後、リオデジャネイロでビジネスに成功しました。息子のカルロスもブラジル出身ですし、カルロスの姉は、今でもリオデジャネイロに在住しています。ジョージはリオデジャネイロで2006年に死亡しました。
密輸、神父殺人、裁判官・判事・検事の殺人計画、死刑囚、偽金づくり、脱獄、密出国。ジョージの経歴は、実に派手です。そして、興味深いことは、カルロスも姉も含め、ゴーンの一家は、この極悪非道の父親ジョージについて、何も語っていません。
親がどうであれ、本人に罪はないのは確かです。しかし、その一方で、殺人に何の良心の痛みも感じない元死刑囚にして脱獄犯である父親を、恥としない文化があるということも、日本人は知っておくべきかもしれません。


それにしても、服役囚だった父親ジョージが脱獄して脱出したレバノンへ、息子カルロスの方は、逆に日本からわざわざ逃亡して帰って来たのです。運命の皮肉というか、ある意味、酔狂な息子です。
カルロス・ゴーン氏は、ブラジル政府が、今回の日本での逮捕後に、自分を十分支援してくれなかったことに不満を漏らし、「ブラジル国籍を持っていることは、日本ではほとんど意味がない」と述べています。
しかし、殺人と密輸と偽金づくりの前科を持つ元死刑囚の脱獄犯の父親を受け入れて、その家族にも寛大であった恩人の国ブラジルに対して、まったく感謝のない最低の物言いです。
こういう人間には、運命は最終的には味方しないものです。
最後に、「ゴーン氏が、いったいどのような背景を持つ人物であるか、そして、ゴーンがルーツを持つレバノンという国がどのような国か、ということを一切考えずに、安易にゴーン氏の口車に乗って、日本の検察や刑事司法制度を一方的に批判・攻撃する、郷原信朗氏や橋下徹氏やホリエモンら〝ゴーン擁護派〟の主張は、全く現実的でない」ということを指摘しておきます。
そもそも、ゴーン氏の主張は正当であると擁護するのであれば、日本とレバノンの刑事司法制度を比べて、日本が劣っているということを主張しなければなりません。しかし、そのような主張は、見たことがありません。
なぜなら、そんな理不尽な現実と異なる主張は、誰にとっても不可能だからです。「日本の司法がレバノンより劣っている?」「どこが?」
その意味で、「日本の刑事司法の実態より、レバノンの刑事司法の実態の方がはるかに優れている」「だから、自分は、日本やトルコの法を侵してでも、無理やりにでも日本からレバノンへ、正義と公正さを求めて逃げてきたのだ」「自分の逃亡には正当な理由があるのだ」と愚かで実態にそぐわない主張をしているゴーン氏は、恥のない詐欺師です。



⭐️2020年1月18・日、レバノンの首都ベイルートの繁華街では、反政府デモのデモ隊と治安部隊が衝突し、二日間で約500人が負傷するという最悪の事態となりました。
デモ隊は、既得権益を持つ支配層の汚職や縁故主義に怒っており、カルロス・ゴーン氏もまた、自分の利益しか考えない腐敗した富裕層の1人と考えているようです。
ゴーン氏は、現在、レバノンで、日産在籍中の2008年にイスラエルを訪問したことについて、イスラエルをボイコットする法律に違反していると、訴えられていますが、これについて、デモの参加者は「これがもし、自分だったら、即座に刑務所行きだけど、ゴーンは悠々と暮している」「これがレバノンの現実さ」と述べています。
レバノンでは、10月に内閣が総辞職した後、現在もなお、内閣不在の状態が続いています。


⭐️⭐️2020年1月21日、レバノンの新政権の20人の閣僚が発表されました。新閣僚のメンバーのほとんどは、学者や元顧問など、名前の知られていない人物で、6名の女性閣僚が含まれています。
最初の閣議は22日に行われました。新内閣の目標は「独立した司法制度の確立、横領された資金の回復、汚職の撲滅」ですが、市民の多くは、彼らに期待しておらず、組閣発表後も、市民のデモは続いており、デモ隊の道路封鎖などが行われています。
そもそも、レバノンは、キリスト教徒、スンナ派、シーア派の人口や勢力が均衡していたのですが、現在の内閣は、シーア派(シリア派)の過激組織ヒズボラの支援を受けており、反シリア派の反発を招いている側面もあるようです。
ちなみに、ゴーン氏は、キリスト教マロン派だそうです。

美智子上皇后陛下を苦しめている週刊誌やネット上の悪辣なバッシングですが、韓国の芸能人バッシングの真似かと思うほど、本当に人間として品性のかけらもありません。
このような陰険極まる卑劣な連中が、同じ日本国民とは、とうてい信じられない思いです。
特に、ネット上で、美智子さまに対する毒々しい悪意に満ちたコメントをする輩が、まともな日本人ではないことは明かです。

日本人が壊れていく。

情けない話です。

言葉もありません。

悲しくてしょうがないです。

美智子さまが雅子さまを虐めていたとか、どうしたらそんな酷い事を信じられるのでしょうか。
「美智子さまは信用ならない人間だ」などというたわごとを信じることのできる人間は、絶対に〝ほんとう〟の日本人ではない。日本人の心を失った日本人、エセ日本人です。少なくとも、私の知っている日本人には、そのような者は一人もいません。

国民(?)から、このような邪悪なデマを流されるなど、美智子さまのご心痛を思うと、いたたまれません。

まことしやかにガセネタを語るにせよ、それを読んで信じ込むにせよ、ものを知らないにも限度というものがあります。
脳味噌におがくずでも詰まっているのでしょうか。

それとも、皇室を貶めたい朝鮮総連かどこか、悪質な思想に染まった連中の陰謀でしょうか。
2019年12月12日のイギリス総選挙の結果の大勢が判明しました。
「EUからの絶対離脱!」を掲げるボリス・ジョンソン首相率いる保守党が、単独で下院の過半数を獲得し、国民の多数派の支持が明確になりました。
下院の定員650名のうち、現在までに与党保守党364議席、野党労働党203議席、スコットランド民族党48議席、自由民主党11議席の獲得となっており、圧倒的な与党の勝利と言っていいと思います。
与党保守党が下院で単独安定過半数を確保したことで、イギリス政府はブレグジット(イギリスのEU離脱)実現へ向けて、強力な国民の後押しを得たわけです。

1987年以来となる保守党大勝の勝因の一つは、1935年以来の大敗を喫した野党第一党の労働党の支持者が、労働者を中心とするEU離脱賛成派とリベラルな急進左派に完全に分裂していたことです。
生活者の立場からすれば、移民の増大は断じて歓迎できません。しかし、リベラル左翼は、思想的にEU離脱に絶対反対です。
この分裂が、小選挙区で、EU離脱に固まっている保守党に票が流れた原因です。
保守党支持者のほとんどと、労働党支持者の半分がブレグジットを支持しているなら、明かに「EU離脱派」はイギリス国民の主流派と考えられます。
離脱に反対しているのは、スコットランド系とアイルランド系、ガチガチのリベラル左派、それに移民の人たちでしょう。
この両者の激突が、国を分断しているのです。

それにしても、やはり、問題を感じるのは、メディアの姿勢です。現地イギリスで、こうした結果が予測されていたのかどうか、それは知りませんが、日本のメディアのこれまでの報道では、明かに「ジョンソン首相危うし!」というイメージが強かったように思います。反移民を訴える右派のボリス・ジョンソン首相への国民の反感が、よほど強いのかと思っていました。
けれども、蓋を開けてみれば、与党の圧勝です。これは、いったいどうしたことでしょう。メディアは、何を考えていたのでしょうか。

香港デモの報道でも、選挙前には、「一般市民は過激なデモ隊に嫌気が差している」という中国側の論調を鵜呑みにするような親中偏向報道も多くありました。ところが、やはり、選挙では民主派の歴史的な圧勝という結果でした。
しかし、その後も、「民主派は、なぜ勝利したのか」について深く掘り下げて香港の現状を伝える報道は、一部のネット・メディアに少し散見できるだけです。
中国の顔色を伺うジャーナリズムに、何の意味がありますか。

思い返せば、トランプ政権誕生の時のマスコミ報道も酷いものでした。選挙前は「トランプの勝利は有り得ない」という報道ばかりでした。そして、メディアのその後の分析も、ろくなものではありませんでした。
「親トランプの岩盤支持層は、低能のロクデナシか、ファシストの犯罪予備軍か、フォックスに洗脳された無教養なアホどもか、強欲で自己中心的な農場主か、ラストベルトの貧困層の負け犬ども」と、いまだに思っているようです。
彼らの優越感の源は、エスノセントリズム(自民族中心主義)を極端に悪と決めつける偏ったリベラル至上主義にあります。この思想的に左に大きく偏る傾向は、イギリスのEU離脱への左派メディアによる批判にも、はっきり見られます。

しかし、これほどまでに、現地の現実を知りもしないで、偏った思い込みで報道する〝一人プロパガンダ〟のジャーナリズムに、果たして存在価値はあるのでしょうか。
逆に、事情は重々承知しつつ、国民を変なリベラルに改宗させるために、洗脳を施すことを、マスコミの使命と考えているなら、彼らの思考の中身は、金正恩や習近平とそれほど変わりはないということになります。
日本の左派メディアの多くが、北朝鮮や中国に対して親和性が高いのも、道理で頷ける話です。互いに考え方が、どこか近いのかもしれません。
もちろん、こうした偏向意識で考えてしまう傾向は、海外のリベラル左派メディアにおいても、同じように見うけられることのようですが。

気がかりなのは、ボリス・ジョンソンの強い親中派傾向です。彼は「一帯一路」への熱狂的な支持を表明しており、EU離脱後は、ますます親中国の立場を鮮明にするでしょう。
日本にとっては、甚だ厄介な人物かもしれません。



⭐️2020年1月31日午後11時、イギリスは、正式にEUから離脱しました。