季節外れのオキザリス | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

午前中、メルカートに出かけようとすると、通りの向こう側から手を振って来る女性がいた。

 
隣のアパートのシニョーラだ。彼女は10年ほど前にご主人を失くされている。息子さんがいらっしゃるが独身だと言う。お孫さんもいらっしゃらない。聞いたところ私の母と同い年だか一つ年上だったので、82,3歳というか。
 
この10年以内にご近所では、ご主人を失くされた方が一気に増えた。皆さん、会えば寂しい寂しいと涙ぐむ人が多いが、この女性だけは、常に赤や黄緑色など華やかな色の服を着こなし、今日は映画を観に行くの、今日はフランス語のレッスン。海の家は電車で出かけるのよ、などと精力的に動いていらっしゃる。はつらつとされていて気持ちいいくらい。
 
その方が「シニョーラ(私)に会ったら、聞きたいことがあったのよ!」と言ってバッグをごそごそ…携帯電話を出して何やら画像を探している。
 
「私の誕生日はね、11月29日なのだけれど、友人がその日ちょうど日本にいて、これをくれたの...。」絵葉書の画像を見せられた。「なんて書いてあるの?」ということだった。
 
パッと見ると真ん中に大きなオレンジ色で「輝く心」と書かれており、その両脇にメッセージが書かれていた。
 
右側は忘れてしまったが、左側には『情熱と責任感で成功を掴む』とあり、下側には「11月29日 オキザリス」とあった。
 
オキザリス、オキザリス....聞き覚えがあるけれどもはて?なんだったかな? それが花だと気づいても花のイメージが浮かんでこない。
 
あっそうか!オキザリスは11月29日の誕生花で、その花言葉が書かれていたのだと気づいた!
 
私も携帯を取り出し、検索!あら、この花なの?
 
 
シニョーラと我が家のあるアパートの中庭に咲いており、ちょっと失敬し、家で植えたらみるみる増えて行った代物だ。ちなみに私の携帯電話の待ち受けにもしてある花だ。
 
気がつくとずっと咲いているイメージだが、ちょうど今は休眠中。プランタの枯れ草を処分したが、球根なので、また新芽がで始める頃。
 
日本ではカタバミとも呼ばれている。カタバミの葉は、マメ科のクローバー(シロツメクサ)と同様、3枚の小葉に分かれているが、最大の違いは、クローバーの小葉が単純な円形なのに対し、カタバミの小葉は、中央が凹み、ハート形になっていること。非常に可愛い。
 
しかし、一度根付くと大変なことになる!
 
花言葉は、「喜び」「輝く心」「母の優しさ」「決してあなたを捨てません。」
 
「この年で成功ね...」シニョーラは頭を捻っていた。笑
 
帰宅してオキザリスを見ると、案の定新芽が出始めていた。
 
今日の一句
旅先より お祝い贈る 花言葉