ミモザの時 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

スーパーや花屋の店先にミモザが並ぶようになった。

 

明るい黄色が鮮やかに春を告げている。小さなポンポンが集まったように咲く姿が可愛らしく、元気をくれる花。

 

そうだ、明日は「女性の日」。花を家に飾りたいが、花粉アレルギーの家族がいるから無理。

 

ゴスペルのメンバーにランチか夕食に出かけないか?と声をかけたが、シッター先の三男が体調不良で家篭りのためフルタイム勤務。夜は空手の稽古で終われば20時半すぎ。翌朝も早いし、しんどいか...。言い出しっぺであったがキャンセル。

 

ところでミモザの代表的な花言葉は「感謝」。これは、ミモザの日が親しまれているイタリアの習慣から付けられたといわれている。 また、フランスでは「思いやり・豊かな感性」なのだそうだ。

 

そして明日、3月8日は父の命日。早くも4年が経った。

 

高齢の友人、闘病中の友人らに囲まれ、限りある人生の中でいかに生きるか、常に考えるようになった。

 

人間は本来、生まれてから死ぬまでの間、幸せを求めて生きるのではないか?と思うが、不幸や不運な状態、そういった状況の中でも、いかに生きるか、どういう姿勢で生きるかによって変わるものだと思う。

 

とはいえ、人生には自分ではどうしようもないことが起きることがある。努力だけではどうしようもないこと、負いようのない責任といったような想像を超える出来事だ。それに世の中は不条理に満ちている。だから宗教が生まれるのかもしれないが、どんな失意、失望の中であっても、これまた「人生」と受け止め、自分に与えられた生を生きるべきであろう。

 

自分が与えられた場で、たまたま出会った人と心を交わしていく。そういうことが最高に意義のあること。

 

善良精美は急ぎを禁ず。

 

スピードを求めてしまう時代だが、何事も毎日丁寧に。その積み重ねが、人の人生を形成していくのだろう。

 

良いこと、美しいことはゆっくりと。味わって生きていきたい。

 

今日の一句

ミモザの時 感謝の心 ありがとう