綿毛の季節 ~ その5 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

恐ろしい季節がやってきた。

 

ミラノの空は、どこも綿毛がふ~わふわ。自転車に乗っていたら、いきなり鼻に入って来た!(どんだけ鼻の穴が大きいのか?!)

 

先週末雨が降り、その後立夏(5月5日)を迎えたら、一気に暑くなり綿毛が飛び出した。

 

また、朝雨戸を開けると、雨戸と窓のさんにたまっていた綿毛がふわ~っと浮かびあがって家の中に「おじゃましま~す!」とのごとく入ってくる。恐ろしい。

 

洗濯物も今や外に干しているので、取り込む際、パタパタはたいても、そこにくっついていることもある。

 

道場の中でもふ~わふわ。掃除してもしても、追いかけっこ。

 

放っておけば、そのまま無くならない。やばいこっちゃ。植木の土の上に落ちようものなら、芽をだしてしまう。もっとやばいこっちゃ!まあ、それだけ生命力が強いということか?

 

ところで、綿毛の正体であるポプラのイタリア語名は"pioppo"ピオッポと呼ばれ、学名Populusには「震える」という意味があるが、弱い風でも葉が揺れることからも落ち着きのない大衆、そして絶え間ない時の流れにたとえられることがあるのだそうだ。そして、ラテン語の「人民」という意味の"populus "ポプルス に由来しており、かつて古代ローマでしばしば公共の集会所の周囲に植えられたからであるという。

 

このポプラ、ロシアでは第二次世界対戦後に緑化のために大量に植えられた。中国、イタリアも然り。成長速度が速く、二酸化炭素の吸収量が優れており、よって地球温暖化を防止すると考えられている。

 

とはいえ、あの綿毛、恐ろしすぎる。

 

ポプラの花は実際見たことがないが、花言葉は、「勇気」「哀歌」「度胸」「敏感」。

 

あの綿毛を見ただけでムズムズしてしまう。

 

この綿毛の季節が過ぎればミラノは一気に夏に突入する。ポプラは学年末の風物詩。