郵便局に続き、イタリアの病院、救急病院に関して書いたら本になるくらいこれまた話題が尽きない。苦笑
昨日また次男が救急にお世話になった。
1カ月ほど前にスケートボードで転んで頭を打ったそうなのだが、その時は特に症状もなかった。しかし、あとになって頭痛やら視力が落ちたかも…と言い出した。
とりあえず本人、ホームドクターに指示を仰ごうとしたが、返答なし。一日置いて再度メッセージを送ったが、やはり反応なしだったという。ちゃんと診療時間に送ったのか?一応受付にも電話して確認すべきだといったのだが、すぐ諦める。イタリア・ミラノ生まれの癖にもっとぐいぐい行け~っ!
金曜日の空手の帰り道、21時頃。「どこにいるの?」と次男からメッセージが入り、場所を言うと、救急病院とはちがうが、救急医療サービスをしている施設・Guardia Medicaに行きたいのでついてきてくれ、という。地下鉄の向かう方向を急遽変更し、約束の場所へ向かった。
その医療施設は、週に2回、空手の稽古の行き帰りで通る場所であるが、そこにそういう場所があるとは知らなかった。門は閉まっていたが、中にいた人に次男が説明をすると、「ここでは患者じゃ診るけど、検査をするわけではないし、時間の無駄になるかもしれないよ。改めてプロント・ソッコルソ、救急病院へ行った方がいい」、と言われた。それでも一度は番号札をくれ、次男だけ待合室の様子を見てきたが、十数人人がいた。やはり翌日改めてプロント・ソッコルソに行く、と言い出し帰宅。
ミラノの北西部にあるサンカルロ病院へ行くつもりのようだったが、ミラノの病院に詳しい友人に連絡をするとポリクリニコに行くべき。あそこは丁寧に良く検査してくれるから、とアドバイスしてくれた。
行ったことはないが、交通機関を利用しても、我が家から45分行くらいで到着できる場所であった。
翌日も私は空手の稽古。しかしその日の道場である日本人学校では卒業式が行われていたため、稽古は時間が繰り下げられ、1時間目と2時間目の合同練習であった。次男の救急に付き添いでいったところで、18歳以上は一人で中に入れさせられ、親は中に入れず。しかも緊急というほどの緊急ではないので、後から来る人来る人、どんどん抜かされ、下手したら当日中に帰れるのだろうか…? 既に成人だし結局、飲み水と食べられるものを持たせて一人で行かせた。
1時間後、どんな感じ?とメッセージをいれると、受付でまだ自分の前に20人くらいいるということであった。たぶん、付き添い人もいるだろうから、その半分くらいだろう。イタリアあるあるだ。
私は空手の稽古の後も打ち合わせに出かけたが、次男から「まだ順番待ち。でもM(長女)がママに来てもらった方がいいといっている」と言って来た。「行く必要ある?」と聞くと「わからない。でもMが言っている」と。あまちゃんやなあ!けれどそのまま行かないと、「ママは僕が病院に行ってもついてきてくれなかった」と一生言われ続けるるだろうな…と思い、本来打ち合わせの後、別の約束があったが、急遽キャンセル。一度帰宅し荷物を置いてから病院へ出かけた。一応どれくらい待たされるかわからないから、私も水と空手の稽古前に買っておいたフォッカッチャ、そして時間をつぶすために編みかけのバッグを持って行った。
病院へ向かう途中タック(CT・コンピューター断層撮影)はやった、と連絡がきた。救急の入り口で、息子が中にいるので入れるか?と聞くと、受付で聞いてくれ、と言われたが、誰もおらず。しばらく待っていたが、看護師は来ても素通り。この廊下を通り抜けると、待合室なのかな?そそそ…と入ると、次男がいた!
どんな感じ?と聞くと、検査後のドクターとの診察待ち、ということだったが、とにかく人人人。ぱっと見ただけでは子供はおらず皆大人またはお年寄りのようだった。外で待ってるわ…といって出入り口で編み物を始めた。
考えてみれば、誰にもとがめられず簡単に入れてしまったけれど、逆にあれは問題じゃないの?と思った。1週間ほど前、別の救急に空手仲間のF爺が運ばれたのだが、手術室に運ばれる際、荷物は後で持っていくから問題ないといわれ、その人に委ねたらまんまと現金と身分証明書云々が盗まれてしまった、ということがあった。病院はいろいろな人が出入りするわけで、身内であるかどうかさえ確認もされず入っている人もいる可能性も無きにしも非ず。怖い場所だわ…。と思った。
その後病院内観察。イタリア語の出来ないアラブ系の女性が数人、男性の車で入ってきたが、誰もマスクをしておらず。1-2枚もらっていたようだが、もっとくれ!と要求したようで(ジェスチャーで)入口のおじさんはそれで既にブチギレ‼︎私が受付は中だと教えるとゾロゾロ入って行こうとしたので、1人だけにしろー!とまた怒鳴られていた。これまたイタリアあるあるだ。
それから割とすぐに次男は出てきた。合計で7時間くらい待たされたというが、以前ガラスで手を切って救急に行ったときは8時間だった。(その時は血だらけの傷口が固まってくっついてしまっていた!)
最終的に特に異常は認められなかった。これで一安心ではあるが、いつもお騒がせ…。それでもたっぷり勉強できた!と言って自分のバッグを私に預け彼は出かけて行った。
勘弁してよ…。今回の状況は怪我をした直後に病院へ行ってなかったので、プライベートで高額医療を払わない限り、まともに病院へかかろうとしたら数ヶ月待ちだったであろう。
イタリアは医療のレベルは決して低くくはないのかもしれないが、システムが最悪で、助かる命も間に合わなかったと言うケースも少なくないのではないだろうか?しかも無料でかかろうとしたら余計だ。
救急は無料だからCTを撮ってもらえたことは有り難かったが...いやいやなるべく病院にはかかりたくないものだ。
