♪スルマーレ ルチカ~ ダストロ ダルジェント… はカンツォーネの「サンタ・ルチア」の出だしの部分。あの曲をヴェネチアのゴンドラでリクエストする人がいるが、あれは実は、ナポリの曲なんだなあ。
ところで今日12月13日はサンタルチア、つまり「聖ルチアの祝日」。
聖ルチアに関しては過去に何度も書いてきているが、シチリアのシラクサの裕福な家に生まれた彼女は、信仰深い両親のもとで育てられた。父の死後、母の健康が優れず、母と共にカタニアの聖アガタの墓に巡礼し、母の病が癒された。この奇跡を機に、ルチアは生涯を神にささげる決意をし、そのことを母に話し、自分の財産を貧しい人びとに与えたのだが、以前ルチアと縁談があり、彼女に好意を寄せていた男がそのことを知って怒り、彼女がキリスト教徒であることを知事に訴えた。当時は、ローマ皇帝ディオクレチアヌスのキリスト教迫害下にあり、すぐに彼女は捕えられ、信仰を貫き通したために殺されたのだ。
そして、ルチアという名が光と関係があるために、彼女は目の保護者とされている。また、拷問の時に、眼をくりぬかれたと伝えられていることから、彼女は自分の眼を盆の上に載せている姿で描かれている。
また、12月13日の「サンタルチア」の前夜に子供達はサンタルチアからプレゼントが贈られるという中世のベルガモ発祥の伝統行事がある。聞いた事はあったが、実際プレゼントをする話は長年イタリアに住んでいても、全く知らなかった。けれどシッター先のご夫妻(パパさんがクレモナ、ママさんがベルガモ出身)はまさにそういった伝統の中で育ってきたという。(北イタリアではベルガモ、クレモナ、マントヴァ近辺ではいまだに継承されているそう)
しかし、12月13日のサンタルチアの日にプレゼントをもらい、クリスマスもプレゼントを貰うのか?
シッター先のママさんは、クリスマスは“Gesù bambino” 幼きイエスが誕生する日だとお婆さんから教えてもらったという。プレゼントはあってもメインはあくまでもサンタルチア。
言い伝えでは、「サンタ・ルチア」がロバに乗り、良い子には贈り物を、悪い子には目に灰を投げつけると言う。(バッボナターレ(サンタクロース)と1月7日のベファ―ナの話がミックスしているのか?)ちなみにサンタルチアは目に関する守護聖人なのに目に灰を投げつけるのか???
ママさん曰く、子供の頃、サンタルチアの前になると欲しいプレゼントがあると、手紙を書いて、ベルガモの教会のサンタルチア像の下に置いたそうだ。
余談だが、サンタルチアの前夜は、ルチアに捧げるものとして、オレンジ、クッキー、赤ワイン。そしてロバには干し草やニンジンやミルクを置くのだそうだ。
前日ママさんはお菓子を作っていたからサンタルチアへか?と思ていたら、それは朝食用で、サンタルチアにはなんと喫茶店で購入したお菓子が準備されていた。笑
今週は長男が発熱し家にいるのだが、前日の夕方次男が保育園から戻ってきて、静かだった家が急にハイテンションに!ママさんはキーっとなって、「いい子にしてないと、サンタルチアが来ないわよー」と叫んでいた。
私はすっかり13日にプレゼントをこっそり持っていけばいいかと思っていたが、クリスマスイヴ同様、前日にこっそり置いていなければいけなかったと思い出した!物産市中、プレゼントを準備している暇がなく、昨日、仕事の帰りに慌てて買いに行ってきた。ツインズには、イタリアを代表する児童文学者のニコレッタ・コスタのパズル2種類と三男には、歯固めもついた木のおもちゃ。
ところで、今朝シッター先に着くと、既にサンタルチアが持って来た?というおもちゃが居間に広がっていた!
まあ、今後ミラノで育つツインズたちは、いずれ周りと風習が違うことに気づくのだろうな…サンタルチアとバッボナターレ。どちらがプレゼントを運んでくるの???と…







