聖母被昇天と終戦記念日 ~ その3 2022 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます (ルカ1・46-47より)
 
神の母聖マリア
モザイク 
ウクライナ キーウ 聖ソフィア教会 11世紀
 

 

今日8月15日、今日は、日本の「終戦記念日」。そして、カトリックでは、「聖母被昇天」。

 

神の母と呼ばれる聖母マリアが亡くなり天に昇るという祝日。1950年、教皇ピオ12世によって正式に全世界に向けて公布されたという。

 

余談だが、キリスト教の教義では、復活したイエス・キリストが天にあげられることを「昇天」といい、イタリア語では、"Ascensione"といい、聖母マリアの場合は、神が聖母を天あげられたので、「被昇天」であり、イタリア語では"Assunzione"と言う。

 

話は基、8月15日は、1549年にかのフランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸したり、1769年ナポレオン・フランス皇帝が誕生したりもしている。

 

ミサの参列者はお年寄りがほとんどで、教会はがらがらであった。80歳の司祭は先週祭壇の階段下の電気のコードに足を躓き転倒。肩の骨を折り、おとといの土曜日に手術をしたそうだ。司祭は先月早々にルルドに巡礼に行っていたが、これが一か月ずれていたらキャンセルだったことだろう。

 

ミサが終わっても、あちこちで独り身のおばあさんに捕まりおしゃべりの聞き役となった。高齢者の独り身にとっては、この時期は、寂しい耐え難い時期でもあることだろう。高齢者の知人友人、司祭にメッセージを送った。

 

その中で、日本のご婦人が「最近の日本の手帳には8月15日に「終戦記念日」と書かれていないものがあるのよ。「海の記念日」だとか「山の記念日」もいいけれど、しっかり「終戦記念日」と書いてほしいわ。残念ね。」とボイスメッセージで送られてきていた。さっそく私も日本で購入した手帳を見たら、8月15日にはカトリック系の書籍だったせいか、「聖母被昇天」とは書かれていたが、「終戦記念日」とは書かれていなかった。

 

戦争が終って 僕等は生まれた
戦争を知らずに 僕らは育った

 …

戦争を知らない子供たち (作詞北山修/作曲杉田二郎)抜粋

 

戦争を知らない子供たちが戦争を知らない大人たちになり、その子供たちは知らないまままた大人になっていく。やはりそれはまずいでしょう?

 

終戦から77年。第二次世界大戦で亡くなられたすべての方々とそのご遺族のため、戦争がもたらした惨禍によって今も苦しんでおられる方々がおられるということを私たちは決して忘れてはいけないし、二度と繰り返すことがないよう戦争のない平和な世の中を祈ります。差別やいじめなどがない身近な生活、すべての人が自分らしく幸せに生きられる世の中となりますように。