在ミラノの皆さんへ ~ 魂が震えるコンサート “スタバト・マーテル” | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

 

来る4月10日(日)午後3時半よりミラノ西部のバッジョ地域にある教会聖アンセルモ教会でコンサート"スタバト・マーテル"が行われる。

 

知人の西雪文子さん(ソプラノ)と粟田愛(アルト)さんが歌われる。

 

スターバト・マーテル (“ Stabat Mater”)は、13世紀のフランシスコ会で生まれたカトリック教会の聖歌の一つである。

 

作詞は修道士であったヤコポーネ・ダ・トーディとされている。題名は最初の1行(Stabat mater dolorosa、悲しみの聖母は立ちぬ)からとられているらしい。日本語では「悲しみの聖母」「聖母哀傷」とも言われる。9月15日が「悲しみの聖母」の祝日であり、まさに私が所属する教会名も”Beata Vergine Addolorata”も「悲しみの聖母」に捧げられている。

 

歌詞の内容は、最も古いイエスの受難に関わるもの。

 

Stabat Mater dolorosa
Iuxta crucem lacrimosa,
Dum pendebat Filius. 

悲しむ聖母がたたずみ、
十字架の下で涙にむせばれていた。
御子が十字架にかかっていたからです。 

 

神の子であり、救い主イエス・キリストが十字架刑につけられた。何も罪もないのに...。当時の古代ユダ教に対する冒涜者、政治的には国家の反逆者として民衆裁判により死刑判決を受けたわけである。

 

マリアは特別の使命を受けた。つまりマリアは生まれながら原罪をまぬがれ、神から神のひとり子イエスを受胎する使命を受けた。これによって神の母と呼ばれる。我が子の受難に遭遇した母マリアの苦しみや悲しみを通して、我々がイエスの受難と救済の行いを瞑想していく祈りとなっている。時を経て現在に生きる私たちがキリストの教えをよく守り、よく生きるためにキリストの歩まれた道を少しでもまねて成長したい、と願う信仰者の祈りとなっている。まさに”Concerto Sprituale" 霊的なコンサートである。

 

この四旬節は忙しく過ごしてきてしまった。音楽の中で祈りを捧げたい。