父母の恩は山よりも高く海よりも深し | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

2月26日。今日は亡き父の誕生日だった。

 

生きていれば85歳。何かと父を思い出す1日だった。

 

それにしても、親の誕生日や結婚記念日を迎える度に、自分の命の奇跡を思う。

 

...一人の人間が生まれるためには、両親が必要で、その両親が生まれるためには、それぞれの両親4人が必要である。そのように辿っていくと、10代遡るならば1024人の親が必要となる。そして、両親から、10代前までの人数を足していくと、なんと2046人!

 

また、20代遡るならば1,048,576人の親が必要で、その人数を足していくと、2,097,150人!!もちろん、その中では、養子縁組など血のつながりがない人もいなくはないだろう。しかし、その中のたった一人の親が欠けても、「私」という人間は存在しない。私たちの命は奇跡の命であるのだと改めて思う。(しかし、10代前、20代前っていつの時代よ!)


だから、感謝は忘れてはいけないし、そしてまた、自分の親に、悲しい思い、寂しい思いをさせたくない。

 

今日、メールの整理をしていたら、父からのメールが幾つか出てきた。いつからか必ず「おじいちゃんです。」から文章が始まっていた。物静かで真面目な人だった。正に真面目を絵に描いたような人だった。また、「慈徹優徳」信士。父の戒名だ。慈しみ深く寡黙にして一徹、優しく、徳を黙々と積んだ父そのものの名だ。

 

入院するのは、いつも誕生日の前後であった。だから、毎年1月あたりから心がざわざわし、4月の温かくなる時期が来るまでは安心できなかった。今は、ある意味、そんな亡き父の心配をする必要が無くなったことは、ありがたいが、それでも当時のことを思い出す。

 

享年83歳。私の年だけが父に近づいていく。

 

父母の恩は山よりも高く海よりも深し

 

この思いは子供達にも伝えられるのだろうか。生きて行く課題だな。