招かれざる客 〜 その2 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

朝起きて、一番にすることは、前の晩に磨いておいたお米を鍋で炊くこと。

 

その間に、顔を洗ったり、トイレ掃除をしたりするわけだが、キッチンに行き、シンクに近づいた途端、何か黒いものが蠢いたような気がした。

 

勇気をだして覗いてみると...ぎあ〜〜〜っ!! 絶叫、恐怖、鳥肌、阿鼻叫喚。

 

反射的に台所用洗剤をどっとかけたが、動きが止まらない。だーっと水を流し始めた。すると、シンクが思い切り泡だらけに...

 

そっと水を止めてみると、少しずつ水が流れていったが、泡だらけのゴミ受けのところでまだゴキブリは動いていた...そこに漂白剤をドドドーっと流す。ゴミ受けをそっととって生ゴミの袋に捨てようとしたが、ゴキブリの体は見ないようにしてゴミ受けを逆さまにして振ったが、どうもあやつの足らしきものが引っかかっているのか、なかなか取れない。両手をなるべく自分の身から離すように遠くに伸ばし、作業。

 

ゴミ受けは空になったので、無事ゴキブリは捨てられた。そのまま生ゴミの袋は次男に捨てに行ってもらったが、ゴキブリほど直視できず、それなのに、脳裏にやきついてしまうような恐ろしい、そして気が狂いそうになるものはない。(大げさではなく!)

 

毎年、春先にアパートの中庭や地下に業者が入って消毒をする。特に蚊除けのためらしいが、苦しんで出てきたゴキブリをよく見かけたが、このコロナ禍で昨年から業者が入っているのかどうかは不明。また地下の各家庭の物置があるスペースに排水管などがあり、冬でも暖かいせいかゴキブリが多く、大量の死骸を見たことがある。もう恐ろしくていくことはほとんどないが、想像しただけで発狂しそうだ。

ゴキブリは、水周りに注意とよく聞くが、1滴の水でも何週間も生きていられるのだそうだ。そして、お腹が空けば何でも食べる。「ごきぶり」の語源は「御器かぶり」。茶碗までかじるという意味なんだそう…こわすぎ!!

布きんや雑巾は、濡れたままにしておくと水分を提供することになってしまうので、よく石けんで洗って、酢水に浸し、よく絞ってすぐに干すのがいいらしい。

ところで、ゴキブリは我々人間よりもはるか昔から生き続けており、出現したのは、遡ることなんと2.6億年以上も前に誕生したと言われている。まさに「生きている化石」ではないか!


古生代から絶滅せずに生き残っており「人類滅亡後はゴキブリが地球を支配する」と言われるほどだそうだが、話によれば、酸素がなくても10日くらいは生きられるとか。しぶとすぎる...

 

とにかく、今後もできれば一生ゴキブリは見たくない。ゴキブリ対策の基本は、とにかく侵入経路となる「全ての穴を塞ぐこと」だというが、なかなか難しいものがある。古い建物だから、建物の基礎部分に問題もあるかもしれない。

 

今までは、家では一年に1-2匹見るくらいだったので、巣があるとは思えないが、それでもゴキブリに遭遇するたびに、いろいろな可能性を考えてしまう。

 

また、ゴキブリ対策として、ホウ酸団子は有名だが、意外に重曹も効くそうだ。重曹は炭酸の原料として使われるが、人間は炭酸を飲むとゲップをし、胃の中に貯まったガスを抜くことができるが、逆にゴキブリはそのゲップをすることができない為、重曹を食べたゴキブリはガスを抜くことができず、内蔵が破裂し死んでしまうとか? あるいは、他の食べ物を食べられなくなり死んでしまうのだそうだ。

 

いやいや、もうこれ以上ゴキブリは見たくもない。ただただ、現れないことを願うばかりである。