滞在許可証申請 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

  
   
 
在伊26年何度上記の件で警察に出頭しただろうか。
 
そして、この26年の間に、許可証そのもの、そして申請の仕方も変わった。まだ乳児だった長女を連れ夜明けとともにローマの中央警察に行き、ここはどこ?と思ってしまうほど国籍のわからない人たちの中に押し合いへし合いになって順番を待ったこともある。一度取得しまえば、次回からは居住区の管轄の警察で手続きをすれば良いのだが、個人的にあまり好きになれる場所ではない。(まあ好きな人はいないだろうが)
 
滞在許可証では子供は両親のどちらかと一緒申請となるのだが、14歳になると保護者から独立した申請手続きが必要となる。一人抜け、二人抜け...やっと次男が14歳になり、その手続きをしたのが彼の誕生日を迎えた昨年12月。出頭までに3ヶ月を要した。
 
ところで、17年前以前住んでいたローマから居住を移すのに、途中で書類が止まってしまい最終的に、住所を変更した滞在許可の更新になんと2年も要してしまった。友人のご主人で警察勤務の人にも頼み、追跡したがどうしようもなく、その頃、現在お世話になっている会計士に出会ったのだが、彼は警察にどういうコネがあるのか、最強の顔ききで、どんな難問もクリアにしてくれる。
 
もう滞在許可がこれ以上更新できず、帰国するしかない、といった人に抜け道を教えてくれて許可を取得させたり、全く胡散臭くない?といえば嘘になるが(特に当時は長い髪を団子状にまとめギラギラ肌の黒いイタリアーノだった。)どんなに単純な更新でも夫は必ず彼を通せ!というので、長いおつきあいとなっている。ちなみに彼は夏は海。冬はスキーで常に日焼けしているのだが、今回も真っ黒。イタリアの松崎しげるか?!と思ってしまった。
 
それにしても、イタリア入国は、留学、仕事、婚姻、さまざまな理由があると思うが、そのビザに合わせ、イタリア滞在が90日以上になる人は、入国8日以内に警察に出頭なのだが、現在は郵便局で申し込みキットを送り、その場で警察のアポイントを取らなければならない。
 
そして最近の郵便局は、目的別に整理番号を取らなくてはいけないので、キットをもらうには、Servizi al cittadinoというのを選ばなくてはいけない。私なんぞ、空いている窓口があればさっさとそこへ直行し、キット頂戴と駄目元でいってしまうのだが(そういうとこ、すでにイタリア人化)一応きちんとルールは守りましょう。苦笑
 
話は戻り、上記会計士に頼む際は、必要なデータだけ彼に送りさえすれば事務所が必要書類を準備してくれるのだ、一緒に郵便局へ行き印紙等手渡し、書類に署名し発送するのだが、実際私が郵便局到着時にはすでに警察とのアポイントは取れている状況になっている。以前は警察出頭まで、1-2週間だったが、今回はまるまる3ヶ月だったので、なぜなんだろう?と思っていたら、一連の移民問題でシェンゲン協定に基づきイタリアが入国手続きをしなければならない。一体どれだけの移民が毎月入国してくるのだろう?その関係で現在はキットで申請しても警察出頭まで半年前後要するという。7ヶ月かかったクライアントもいたという。それを聞き、3ヶ月なら最短だったのだと納得。
 
話はそれるが、イタリアには警察といってもいろいろ種類がある。
 
Carabinieri・カラビニエリと呼ばれる国家憲兵は国防省に所属。今回出頭してきたPolizia di Statoは内務省所属の国家警察。その中には、我々外国人の滞在許可証を扱うQuestura(県警察本部)や機動隊、ローマでよく見かけた騎馬隊、海上・山岳警察などなどもある。 また自転車で回ったり、学校前の交通整理をしているのは、Polizia Municipale(自治隊警察)。他に経済財務省所属のGuardia Finanza(財務警察)や司法省所属のPolizia Penitenziaria(刑務警察)などがある。ちなみに盗難届は住居のある管轄内のCommissariato(警察分署)へ行く。

今朝は、どういった手続きをするかは全て把握していたが、指紋を登録する。以前は指先や手のひらにインクをつけて指紋を採取したものだが、現在は全てデジタル化。うわっいやだわ、今始まったわけではなく、私、もともと指先は脂っ気がなく指紋を取るのに苦労するのだ。案の定何度もやり直し。耳たぶの裏を触るといいよ、と主任警官。
 
その後、別の部屋に移動し、再び両手10本の指紋と手の平の掌紋を採取。何度やってもよく映らず、手を濡らすといいよ!と言われ、トイレにダッシュ。しかし、すぐに乾いてしまうので、なんだかんだ3回もトイレに走らされた。苦笑
 
とはいえ、担当主任警官、3日後から東京、大阪、京都を旅行するんだよね〜といって嬉しそうだった。親日家か?!
 
それにしても、毎回その警察署へ行くと、とても気分が悪くなるのだが、そこは、第1次世界大戦から第2次世界大戦までの間、ファシズム体制に抵抗したパルチザン達が、捕まえられ、拷問を受けたという監禁場所だったという。戦後、国が保有するようになりそこへ警察署が建てられたわけだが、廊下の奥の暗いトイレは非常にふるい形で水道の蛇口もどこか古びて汚い感じがして、学校のトイレよりも怖い感じがした。
 
また、新たなになる滞在許可証は10年有効なのよね?と聞くと、主任警官が、いや5年だよ、という。慌てて会計士の方をみたら彼もびっくりした様子。我が家が保有する滞在許可証はいわゆる永住できる許可証ではあるが、実質的には10年おきにカードの写真の変更、そしてパスポートの番号や住居変更の際、修正更新、という認識だったのだが、5年だとあっという間。えーっ!じゃあもしかするとうちの長女、すでに5年切れてるかも?というとすぐにカードのコピーを送ってくれ、と言われた。ああ一難去ってまた一難。またこの手続きをするのかと思うと、どっと疲れた...。
 
 
 
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