イタリアの電気通信会社に"Fastweb"というのがある。
99年に創立し、急速に伸びてきているけれど、初めの頃はひどかった。雨が降れば電話は繋がりにくく、音は悪い、近所で工事があれば、通信は切断される・・・。笑い話のようだが、当初申し込んだ人たちは、インターネットも安いパックに申し込もうものなら、毎回「これからインターネットを使います。」「今終わりました」などと一報を入れなくてはならなかったという。
CMでは、レーサーのヴァレンティーノ・ロッシやジョージ・クルーニーが起用され評判になった。
今でこそ、別の電気通信会社との競争も激しくなり、パック料金も下げたり、いろいろなプロモーションが行われているが、それでもコスト的に興味があっても、新規入会者ではないとだめ、とか途中で契約を変更するにも、あまりにも複雑で、得したのか損したのか分からない事もある。
我が家が初めてFastwebに加入したのは2003年のこと。
その後「今、持っている携帯電話番号の番号を変えずにFastwebにすると、月々10ユーロ(けれど初めの6ヶ月だけ)しかも携帯電話を無料でさしあげます。」というキャンペーンがあった。その後は月々20ユーロになったが、当時はそれでも他の携帯電話の会社に比べると悪い話しではなかった。
一度新たなプロモーションで今の電話、インターネットのパック料金を引き下げ、しかもSkyが見られる、というものがあり、興味があったが、いざアンテナをつける時点になり、同じアパートの人たちが個人でアパートの屋根にアンテナをつけるのはあーだこーだと文句を言い出した。(それでもつけている人はいるし、のちアンテナ取り付け業になった人さえいる!)住居者数が少ない小さなアパートだし、いざこざは起こしたくないと思い、そのプロモーションは断った。
結局携帯電話のサービスは半永久と言っていたものの、契約から知らないうちに外されてしまい他の業者に変更。周りの業者があまりにもプロモーションをやり始め、当時月々50ユーロくらい電話代を支払っていただろうか?高いのでは?と思い、ママ友との意見交換も合わせて、Telecom Italia、Tiscaliと彷徨った。
電話会社の切り替えは手続きが非常に厄介なのだが、それでも言われた通りの手順を踏んで、嫌な思いをしたり、何度も請求が来るということはなかった。友人の中では本当に何度も何度も手続きをやり直し、苦労している人もいた。
それでも、やはり仕事がきちっとしているのはFastwebだった。昨年の夏、帰国直前に海へ行き、帰宅後1日だけ置いて日本出発予定だったのだが、なんと電話のモデムであるモジュラージャックが壁から落ち、次男がコードを蹴ってしまい、壁から出ている線が髪の毛よりも細い線で、枝毛のように分かれ、どこにも繋がれていなかった...つまり光ファイバー回線を切ってしまったのだ!もう出発前にロクなことしない!と激怒したのだが、それよりも以前はFastwebに問題がありフリーダイヤルに電話してもすぐに繋がった試しがなかった。それが一発でつながり翌日修理に来てくれ、無事日本へ帰国ができた。その後のフォローのメッセージも来ており、いや〜本当に助かりました!と滅多に人を褒めない私も、思わずべた褒めのコメントをしてしまったくらいだ。
...とここまでが前置き。
最近、長男の利用していた携帯サービス(Tim)が次男のものより高く、利用ギガ数も低いことが判明。調べていたら、業者を変えず安く変更ができた。やっぱりしょっちゅうサービスやコストの研究はしなきゃダメよね、と言いつつ、私も利用しているTIMが明らかに周りよりも高く払っているような気がした。安く加入してもあれが足りない、これが足りない、単発でオプションをつけ、知らないうちに値上げされている。ちょっと騙された気分。
最近はガスや電気の業界も自由化に伴いガス供給会社が増えてきたが、勧誘の時点で詐欺まがい?のところも多く、どうも勧誘、というと宗教の勧誘同様シャットアウトしがちになってしまう。苦笑 (電話に関しては出ない)
最近ではFastwebと組んでガス、電気の供給会社をEniに変えると月々のFastweb代が10ユーロ安くなる、という美味しいんだか、美味しくないんだが、しつこい電話勧誘がかかってきた。Fastwebが更に安くなるの?と思いつつ、いやいや、ここは慎重に行こう、と思い、今忙しいから!といって断ったら、毎日私の携帯電話と自宅に電話がかかってくるのだ。携帯電話には番号が出るし(なぜかブロックできない!)必ず続けて自宅にかかってくるので出ない。勧誘電話は本当に鬱陶しい。
とはいえ、またまた聞いてしまった勧誘電話。これまたFastwebのプロモーションだった。家庭の電話がFastweb顧客に携帯サービスを格安に提供するもの。初回無料。翌月より6.95ユーロ。30GB 1000min. 100メッセージ。だいたいメッセージを利用することは月に数回くらいしかないが、あれば便利。そして電話自体も利用することは意外に少なく、要は外出先でまだまだwifiがどこにでも普及されているわけではないから、外出中に利用可能なインターネット接続が必要なだけ。それでは安ければ安いほうが良い。
早速、申し込んだ。手続きもどれもスムーズに進み、一つのプロセスが進むごとに携帯電話に指示がメッセージとして入ってきて非常にわかりやすく、新たSIMカード発送に関しても関連業者と商品番号が送付されてきて、追跡可能になっていて、時間を無駄にすることなく終了。
ただ、ここで問題。認証させるには、以前の業者からの引き継ぎ問題があり数日かかるのだが、その間新たな番号がやってきた。これは一時的なものであり、契約がFastwebに移れば元の電話番号になるのだが、その認証方法がわからない。ネットで見ても今ひとつわからない。フリーダイヤルをかけてみても24時間対応だが、プロモーションの携帯電話に関しては時間外になっていたので、そのまま諦める。
翌朝電話。
以前、Fastwebのフリーダイヤルに電話しようものなら、30分は最低待たされ、ちょっと何か聞きたいという場合は、日中何も予定は入れてはいけないと思っていた。が、ここのところかける度、比較的すぐにつながるではないか!どうもオペーレーターの仕事は隣接国のアルバニアでもさせているようだ。彼らはイタリア語を流暢に話す人が多い。
結局、新たなプロバイダーに切り替えになるためには、48時間かかるそうで、しかもそれは平日の労働時間内でしか行われないという。結局週明けになるのだが、何もせず自動的に切り替わるとのこ。その辺の説明が今ひとつで、どちらのSIMを入れておくべきか?暫定の番号は認証しなければ使えないわけで必要があるのかどうか?それさえも意味不明だったが、まあこのまま利用できることなら良いことにしよう。
今までの3分の1の携帯料金になる。また、いきなり契約終了、とか勝手に値上がることがないよう祈るばかり。とにかくここでは、知らないと損をする。
「プロバイダー•ジプシー」
https://ameblo.jp/sofiamilano/entry-12291382274.html
「あっぱれ、Fastweb!!」