プロバイダー•ジプシー | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

無線LANが世の中に普及しだしてかなりの年数が経った。

イタリアは私が来伊した24年前は、電話会社はTelecom Italiaしか無かったが、あれよあれよ、とAlice, Fastweb, infostrada, TeleTu, Tiscali...と増え、現在21社がある。

 

日本のように電話会社と接続事業会社、いわゆるプロバイダーが別ということはないが、逆に家族や友人と一緒に利用すると得するサービスというのは特にない。強いて言えば、携帯電話がタダになる、とかTVをセットで...というのはあるが、我が家の場合、全く興味がないので、月額と使用できる容量のみを絞って調べていた。

 

ミラノにきて、一番はじめFastwebにしたが、雨が降れば電話は繋がりにくく、音は悪い、近所で工事があれば、通信は切断される・・・。初めに、申し込んだ人たちは、インターネットも安いパックに申し込もうものなら、毎回「これからインターネットを使います。」「今終わりました」などとあまりにも冗談のような一報を入れなくてはならなかったという。


コマーシャルでは、レーサーのヴァレンティーノ・ロッシやジョージ・クルーニーが起用され評判になった。

別の電気通信会社との競争もじわじわ激しくなり、パック料金も下がり始めたものの、値段に興味があっても、新規入会者ではないとだめ、とか途中で契約を変更するにも、あまりにも複雑で、得したのか損したのか分からない事もあった。

 

どうも、払いすぎている気がする...と思い、タイミングよくはいったTelecomの勧誘に乗り、Telecomに切り替えた。切り替える際、前のプロバイダーとのやりとりがスムーズに行ったつもりでも、管理部門と請求部門は違うので、ここでのやりとりがうまくいっていないと、請求書が永遠に送られてくる..という問題も発生しやすく、もめている友人の話はよく聞いていた。が、私の場合、気持ち悪いくらい(!)スムーズにいった。

 

次のTelecomでは、特にサービスが良かった訳ではないが、月額には、私の携帯電話の一ヶ月の使用量も含まれており、然も自動で更新され、(携帯電話の)月額10ユーロ分は半永久と謳われていたが、いきなり契約から外されることになった。(しかも結果オーライで何の連絡もなかった)結局、別口で携帯電話の契約をすると、そんな10ユーロでマルチにつかえるものなんぞない。そうなると高くつく。これまた、タイミングよくかかってきた、今度はTiscaliの勧誘に乗り、プロバイダーをTiscaliに変えることにした。でも思い起こしてみれば、Telecomとの契約解消のやりとりや、モデム返却の件でも全く問題なくスムーズにいった。こういうケースは逆にイタリアでは珍しい。

 

それでも、細かい手続きに追われるのは、面倒なもの。こういうったことは、夫は一切ノータッチだけれど、支払いは少しでも安いところを見つけたら、変えろ、と言う。勝手だよね〜。帰国した友人に愚痴ると、「イタリアらしい」と笑われた。イタリア滞在時、彼女は電話会社の切り替えは本当に苦労していたようだ。勝手に契約を変えるのは、すべてご主人。けれど、細かい処理をするのは、妻である友人の仕事。何度も電話で、電話会社を怒鳴りつけ、手紙を書き留めで送っても、請求書はずっと送り続けられていたようだし、換えたはずのプロバイダー会社が留守番電話に応答する。それでも、振り返ってみれば、腹立たしく、くだらないと思える問題も一つずつクリアしていくのが、イタリアで生きて行く醍醐味で楽しかったと言う。もちろん、渦中にいると、この世の終わりのごとく、気が狂いそうに腹たつのだが、後になれば、これも面白可笑しい人生なのか?

 

しかし、このTiscaliがひどかった。契約の時点で、カード番号を聞かれたが、初めの引き落としはカードででも、その後、請求書が来たら、銀行振込、または引き落としに変更できると聞いていたが、請求書が一度も送られてこなかった。ネットで調べようとしても、出てこない。実は、私はクライアントになっていないのでは?と思ったくらいだった。問い合わせをしようとしても、ネットではできず、フリーダイアルも繋がった試しがない。待てど暮らせど連絡は取れず、一番ひどかったのは、インターネットが時間帯によって繋がらないことも多かったと言うこと。もしや、会社も夜逃げ同然、存在していないのでは?と疑ってしまうほどだった。

 

そこで、契約から1年経っていないものの、いい加減プロバイダーを変えよう!と決心した時に、かかって来た勧誘の電話がFastwebだった。この勧誘電話、なぜか常にタイミングよくかかってくるから不思議。結局、月額は時代の背景もあっただろうが、サービス的には一番悪くなかったと思えた。本来、プロバイダーを変える場合は、前プロバイダーからの切り替え云々すべて新契約会社がやってくれるのだが、新しい番号をとってみては?と言われた。当時、いたずら電話も多かったので、それもいいかもしれないと言って、電話番号を変えてしまったのだが、これは、Fastwebが前プロバイダーであるTiscaliとやり取りせず、新規でラインをとったわけだから、Tiscaliの番号が残る、という意識が全くなかったのはあとの祭り。Fastwebで初めて光ファイバーになったが、前の番号は、壁に取り付けてあるしかも古いダイヤル式の電話がつながっており、電話がなる度に壁に振動し、家中に鳴り響きうるさいなんてありゃしない。

 

これは、自分でTiscaliの契約を切らないといけないのか?改めて気づき、げっそり。夫には銀行の私の口座の引き落とし状況を調べておいてほしいと頼んでいたが、そんなのとっとと忘れ去られている。自分で何かの手続きで銀行に行った際、過去1年の口座の状況を見せてもらったら、なんとTiscaliは律儀に2ヶ月に1度、きちんと引き落とししていたではないの?!! 請求書はこないし、カード会社からも一切報告がなかったので、全く何も知らなかった私。詐欺?と思いつつも、きっと私が理解していなかったのでしょうね。あほすぎ...

 

Tiscaliに電話をしても繋がらず、繋がっても、普段使う電話では番号が違うので、クライアントと認識されず、壁にかかっている電話だとダイアル式なので、デジタル式の応答には答えてもらえない。いきなり、Faxで契約解除の手紙を送りつけて初めて、私の携帯番号にTiscaliから電話がかかってきて、やり取りが始まった。契約から1年経っていないので、今契約解除をするのは無駄になります、と言われたが、もうそんなことは言ってられない。解除は、ファックスではなく、手紙で本社に書留で再送してほしいといわれ、改めて郵送。それからまた別の住所にモデムを送り返した。やるべきことはした。が、本当にこれで、契約が切れたのか?請求書はもともと送られてきていなかったから、今後も送られてくるはずはないが、自動引き落としされることはないのだろうか?これは、こちらの責任としてこまめにチェックしていかないとダメだろう。

 

もう、いやだわ、こんなやり取り...しかもプロモーションに踊らされ、あてもなく彷徨い歩くプロバイーダ•ジプシー、放浪の旅。

 

安かろう悪かろう。何年住んでもわけわからない国! やはり口コミ、コネは大切だと認識。