今が旬 ~ ビワ その3 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで31年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

ビワの季節となった。

 

お店やメルカートで見るよりも、近所のアパートや教会の敷地内に実がたわわとなり始めており気がついた。

 

 

 

一昨年前は豊作だったが、昨年は大したことなかった。

 

ビワには「大薬王樹」という名があるくらい、いろいろな効能があり、中国の古い言い伝えでは、ビワの木があると病人がその葉を求めて列をなしたといわれ、いつしかビワは病人が寄ってくるから縁起が悪いとまで言われるようになったという。日本ではよくお寺にあるような気がするが、こちらではアパートの敷地内の庭や教会にある。日本人学校の庭にもあったな...

 

種をまけば簡単に発芽し、10年弱で人の背丈を越える木となり、1年中大きな葉を茂らせる、というので昨年試しに種をまいてみたが、芽は出ず。あちゃー。

 

また、ビワはバラ科の常緑高木で、日本では比較的温暖な地域で広く栽培され、葉っぱの形が楽器の琵琶に似ていることから、その名がつけられたそうだ。私はてっきり実が琵琶の形に似ているのか?と思っていたが、違っていた。

 

しかし、健康に良い、と素晴らしい効能ばかり紹介されているが、未熟なビワの実やビワの種子には高濃度のシアン化合物が含まれる場合があるそうで、これが体内で分解されると猛毒である青酸を発生させるため、未熟なビワの実やビワの種だけを一気に何十個も食べると健康に害を及ぼす可能性が有る、という。

 

以前友人に、果物の種の中には「ガン」を撃退する「ビタミンB17」というのが入っており、種を食べるのがいいらしい、と聞いて、へえ....と思っていたのだが、この「ビタミンB17」、実はビワの種と葉に多く含まれているのだという。特に種は、葉の1300倍もあるというが、ビワの種の粉末に関しては、一気に大量に摂取してしまう可能性があり、2017年に高濃度のシアン化合物が含まれたビワの種子の粉末が発見されたことにより、2017年11月に農林水産省による「シアン化合物を含有する食品」の一覧にビワ種が加えられ、農林水産省より「ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう」との勧告が出されたそうだ。

 

ちなみに、海外では同じくシアン化合物を含有するアンズの種子を大量に食べたことによる死亡例が報告されているそう。

 

 

 
こちらは我がパロッキアのビワ。一昨年前もらうだけもらってコンポートの瓶詰めを沢山作った。
 
余談だが普段この黄色のドアは締めているのだが、先週土曜日に開けっ放しでいたら、ロム(ジプシー)の子たちが入り込み、木に登り降りられなくなったという。枝は折られ、実を投げまくり暴れたという。今日それを司祭に言いつけたら、怪我さえしなきゃ良いという。でも枝を折ったんですよ!食べられる実をおもちゃのように投げつけたんですよ!彼らがオラトリオに来るとろくなことがなく、文句を言ったのだが、怪我さえしなきゃ良いと...。はあ、私はまだまだ心が狭いんだな。
 
今年ももらってこようっと。

 

 

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